A05_7_05_001

肛門管;直腸肛門部Anal canal(Canalis analis; Pars analis recti)

肛門管;直腸肛門部【こうもんかん】 Terminal segment of the intestinal canal, beginning at the anorectal junction.(肛門管は直腸の下端部で、直腸が骨盤角膜を貫いて肛門に開くまでをいう。長さ約3cm。直腸膨大部と肛門管との境界は骨盤底で、ここでは骨盤隔膜(肛門挙筋の恥骨直腸筋)で囲まれている。恥骨直腸筋は直腸をループ状に囲むので、この筋によって直腸は前方にひっぱられ、前方に凸の屈曲(会陰曲)は強められる。肛門管は上・中・下の3部に分けられる。①上部は粘膜で被われる粘膜帯mucosal zoneともいう。粘膜には6~10条の長さ約1cmの縦走ヒダ、すなわち肛門柱がみられる。このため上部を肛門柱帯columnar zoneともいう。中部は肛門弁の下方で、上部(粘膜部)と下部(皮膚部)との間の移行部である。長さ1~1.5cmである。表面は部分的に円柱上皮と重層扁平上皮とで被われる。粘膜下に静脈叢が発達するので、中部は生体で青白色にみえる。下部は皮膚の性状をもち、皮膚帯cutaneous zoneといわれる。すなわち、メラニン色素に富む重層扁平上皮で被われ、感染もみられる。汗腺には大汗腺(アポクリン汗腺)の一種である肛門周囲線circumanal glandsもある。中部と下部との境界にヒルトンの白線がみられる。白線は直腸の筋層の外縦走から連なる結合組織線維が付着し、比較的血管に乏しいので、白っぽくみえる。明瞭でないことも多い。肛門管の発生は肛門域は浅く陥凹して外胚葉で被覆された肛門窩をつくる。その底に肛門膜があり、これが破れると内胚性上皮におおわれた後腸末端部と肛門窩がつながる。こうして形成された後腸末端部から肛門にかけての範囲を肛門管という。この部を取り囲む間葉から肛門括約筋が発生する。排便のさいに肛門管は拡張し、肛門洞にある粘液によって内面は滑らかになるので、内容を排出しやすくなる。)

Spalteholz

実習人体解剖図譜(浦 良治)

Moore人体発生学

12-4.後腸

Rauber Kopsch

Band2(115)

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岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

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ネッター解剖学図譜

 

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