A06_1_02_001

鼻腔Nasal cavity(Cavitas nasi)

鼻腔【びくう】 (鼻腔は気道の起始部であり、内壁は鼻粘膜によっておおわれ、鼻中隔によって二分される。外界への開口部は外鼻孔とよばれ、後方は後鼻孔をもって咽頭鼻部につづく。鼻腔は鼻前庭と狭義の鼻腔とに分けることができる。鼻前庭は鼻翼の形に拡張し、粘膜は皮膚からつづく重層扁平上皮で剛毛(鼻毛)を有する。鼻前庭の降誕は鼻限とよばれる弓状の隆起を示し、固有鼻腔に移行する。鼻中隔は篩骨垂直板と鋤骨よりなる尾骨および鼻中隔軟骨よりなる軟骨部がその大部分を占め、その前部の左右の外鼻孔の間は軟組織からなり、篩骨篩板と鋤骨の間にはさまる。鼻中隔軟骨の前下部には鋤鼻軟骨中に嗅覚器の名ごり(鋤鼻器)の盲孔がみられることがある。鋤鼻器は両性類、爬虫類では嗅覚器として機能し、哺乳類の中では単孔類、有袋類、食虫類、齧歯類でよく発達している。人では胎生期前半にはよく発達するが、次第に萎縮し痕跡器官となる。鼻中隔軟骨下縁の前側にはよく発達するが、次第に萎縮痕跡器官となる。微衷飼う軟骨下縁の前側に、盲端に終わる切歯管が勧誘している。鼻腔の外側壁より上・中・下鼻甲介が突出し、それぞれの下に上・中・下鼻道をつくる。下鼻甲介の基部で中鼻道の前方は中鼻道前房とよばれる弓状の隆起で、中鼻甲介の基部に移行する。また、中鼻道には篩骨蜂巣の一部が膨らみでて篩骨胞をなし、その全科法の篩骨突起との間に半月裂孔をはさむ。半月裂孔は副鼻腔の一つである上顎洞に向かって深く入り篩骨漏斗となる。上鼻道の後上方にはときに最上鼻甲介とよばれる小さな突起があり、その後上方の鼻腔上壁は篩骨迷路の内側壁と蝶形骨体前面で裂かされるへこみで蝶篩陥凹という。上・中・下鼻道は鼻腔後部で狭い鼻咽道に集合し、後鼻孔を通じて後頭鼻部につづく。鼻粘膜の大部分は多裂腺毛円柱上皮性の呼吸部で、混合性の鼻尖と杯細胞を有する。粘膜固有層にはしばしばリンパ小節をみる。呼吸部のうち鼻中隔と鼻甲介の粘膜は上皮下の静脈網がきわめてよく発達しているため肥厚し、鼻甲介海面層とよばれる。鼻腔甲状壁の上鼻道から上と鼻中隔のこれに対する面は分散する鼻粘膜の球部が位置する。中鼻甲介の根部と嗅部粘膜上皮の構成にあずかっている。嗅上皮下には漿液性の休戦がある。嗅部の体積は両側の鼻腔を合わせて約500mm2といわれ、かれいとともに縮小する傾向がある。 (解剖学事典 朝倉書店より引用))

Spalteholz

小解剖学図譜

人体局所解剖図譜 I巻

人体局所解剖図譜 III巻

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

現代の組織学 315

R.V. Krsti?(HMA)

ネッター解剖学図譜

 

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