A09_1_04_001

腟Vagina(Vagina)

腟【ちつ】 Fibromuscular canal about 10 cm long that is flattened frontally and appears H-shaped in cross-section.(腟は女性の交接器であり、産道の下部をなし、月経による産物を排出する経路となる。上方は子宮口を通じて子宮腔に、下方は腔口を通じて腟前庭で外界に開く。腟口を不完全に閉じる粘膜のヒダが処女膜で、その遺物が残るものを処女膜痕という。子宮の腟部が腟後壁の方を向くため、後壁は長く(7cm以上)、前腟はやや短い(6cm)。子宮腟部と腟壁の間で、腟部を輪状に取りまく陥凹を腟円蓋という。腟壁には横皺が多く、腟粘膜皺といい、前・後壁には縦の隆起があって、前皺柱、後皺柱という。前皺柱の下部は尿道により生ずる腟の尿道隆起に連続する。粘膜上皮は重層扁平上皮、筋層は平滑筋からなる。腟の刺激によって、性感特に絶頂反応(オルガスム)が起こるメカニズムについたは、ほとんど何もわかていなかった。産婦人科医の話によると、腟口の一部分を除けば、腟は機械的な刺激には鈍感らしい。メスで切っても鉗子でつまんでも、患者は痛みを訴えないという。組織学的にも、腟壁に豊富な知覚神経が分布している様子はなく、終末装置のようなものは全く見られない。それでは性交による腟の快感はどこからくるのだろうか?最近の研究によると、その答えは、腟の前方を走る尿道にありそうだ。免疫組織化学の発達によって、尿道の固有層と更に上皮の中に、知覚神経(Substance PとCGPRという、いずれも知覚神経に特徴的な伝達物質を含む)が、想像を絶するほど密な網を作っていることが分かってきた。それに加えて上皮の中には、セロトニン(5HT)というアミンを分泌する、神経細胞に似た正常の細胞(paraneuron)がたくさんに分布している。このパラニューロンは、上皮の中に樹枝状に突起を伸ばし、その分布と形態から見て、圧迫される、引き延ばされる、といった機械的な刺激を受ける機械受容細胞mechano-receptorと推定される。)

Spalteholz

実習人体解剖図譜(浦 良治)

小解剖学図譜

人体局所解剖図譜 II巻

Moore人体発生学

13-3.生殖器系の発生

13-5.泌尿生殖器系の要約

Rauber Kopsch

Band2(220)

Eduard Pernkopf

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

現代の組織学 411

R.V. Krstić(HMA)

ネッター解剖学図譜

 

ページのトップへ戻る