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- 797_01【Promontory of sacrum; Sacral promontory岬角(仙骨の) Promontorium (Os sacrum)】 Upper margin of the base of the sacrum, which projects especially far into the pelvic girdle.
→(仙骨底の前縁は前方に張り出して岬角をつくる。 岬角はSchmorl-Junghausによると、健常人で120~135°である。(第4腰椎の下縁と仙骨の上縁を通る)接戦上では最も前方の点である。)
- 797_02【Ureter尿管 Ureter】 Urinary duct situated in the retroperitoneum. It connects the renal pelvis with the urinary bladder, measures 25-30 cm in length and is about 3 mm thick.
→(尿管は全長約25~27cmで、上半分は腹腔内を走り腹部といわれ、下半分は骨盤内にあり骨盤部といわれる。腎盂につづき、腎臓から膀胱に至る管。輪層と縦層の平滑筋に囲まれた移行上皮によって裏打ちされ、外部は外膜でおおわれている。腎門の内下側から出て、大腰筋の前面を斜めに内下方に向かい、精巣(卵巣)動脈の後ろで、これと交叉して下行する。第四腰椎の高さで、総腸骨動・静脈の前を横切って骨盤内に入る。ついで、骨盤の側壁に沿って走り、最後に前内方にまたがって骨盤邸の上面を走り膀胱に開く。尿管はつぎの3箇所にやや細い狭窄部をもつ。すなわち、1.腎盂から尿管への移行部(上端部)、2.腹部から骨盤部への移行部(この部は総腸骨動・静脈と交叉し、尿管は腹膜と癒着している、3.膀胱壁を貫く部(尿管は膀胱壁を斜めに貫き、長さは約2cm)の3箇所である。)
- 797_03【Suspensory ligament of ovary; Infundibulopelvic ligament♀卵巣提靱帯;卵巣提索;骨盤漏斗靱帯 Ligamentum suspensorium ovarii♀】 Band derived from the superior gonadal fold that passes between the tubal extremity of ovary and the lateral wall of the pelvis.
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- 797_04【External iliac vein外腸骨静脈 Vena iliaca externa】 It arises at the superior end of the femoral vein below the inguinal ligament and ends where it unites with the internal iliac vein to form the common iliac vein.
→(外腸骨静脈は下肢の静脈を集める本幹で、そのほか一部は前腹壁の下部からも血液を集める。大腿静脈の続きとして鼡径靱帯の下で血管裂孔にはじまり、大腰筋の内側に沿って上行して、仙腸関節の前面で内腸骨静脈と合して総腸骨静脈をつくっておわる。)
- 797_05【Ovary卵巣 Ovarium】 It lies intraperitoneally on the wall of the lesser pelvis in the ovarian fossa. It is 2.5-4.5 cm long and 0.5-1 cm thick. Its long axis is vertical when standing.
→(女性の生殖細胞すなわち卵子を作り出す器官、女性の生殖腺は卵巣である。卵巣は腹腔(骨盤腔)内にあって、成人では平均1×2×3cmくらいの扁平楕円形の器官である。その一端は卵巣間膜によって、子宮広間膜に固定さえている。卵巣の表面は、1層の扁平ないし立方上皮でおおわれている。これは卵巣ばかりでなく、他の腹腔内器官の表面をおおっている腹膜中皮と本質的に異ならないので、卵巣の表面上皮とよばれる。しかし古くはこの上皮から原始卵細胞が発生すると考えられたので、胚上皮とよばれた。現在はこの考えは否定されている。表面上皮の皮膜を形成している。この膜を白膜とよぶ。卵巣の実質は皮膚と髄質に分けられるが、両者の区分は明瞭ではない。皮質には卵細胞を含む多数の胞状体が存在し、卵胞とよばれる。正常な女性の卵巣には両側に合わせて数十万個の卵胞があるた、この中一生涯(生殖期間中)に排卵されるのは1000個以下である。卵胞はその発育段階によって、(1)原始卵包、(2)一次卵胞、(3)二次卵胞、(4)成熟卵胞というように異なった名で呼ばれる。成熟卵胞はその内部の卵胞腔に大量の卵胞液を貯え、非常に大きくなって卵巣の表面にドーム状に隆起する。人では28日周期で、この成熟卵胞が表面に破裂して、卵細胞をふくむ卵胞内容が腹腔内に放出される。これを排卵という。排卵された卵はその表面に1層の卵胞上皮細胞の層(放線冠)を付着させている。卵胞上皮(果粒層細胞)の残りの大多数はそのまま排卵後の卵包内にとどまり、この卵胞はつぶれて果粒層はひだをなして内腔に落ち込む。さらに内卵胞膜の血管から出血して、内腔に凝血塊たまってくる。このような排卵後の卵胞はまもなく、多数の多角形の細胞の集団となり、その細胞が黄色の組織を有するようになるので、黄体とよばれる。排卵された卵は、卵管采の働きや、卵管粘膜の線毛上皮細胞の線毛運動による水流にさからって溯ってくる。これは精子自身の鞭毛運動による。授精は卵管内でおこり、授精卵は子宮粘膜(子宮内膜)に着床して妊娠が成立する。卵巣内では排卵後に形成された黄体が、卵の授精、妊娠の成立とともに、一層大きくなって妊娠黄体となり、6ヶ月の間成長するが、その後は徐々に縮小し、分娩後は急速に縮小して白体になり瘢痕化する。妊娠が成立しなかったときには、黄体はそれほど大きくならないので、月経黄体とよばれ、約14日間存続し、継いで急速に変性萎縮して白体となる。卵巣は生殖細胞を産生する器官であると同時に、内分泌腺でもある。卵巣は分泌されるホルモンに2種あって、卵胞ホルモン(エストロゲン)は一次卵包囲後の卵胞の外方をとり囲む間質組織(結合組織)に由来する卵胞膜の内方部分、すなわち内卵帆うまくの細胞で合成される。他のホルモンは黄体細胞で形成されるので、黄体ホルモン(プロゲステロン)とよばえ、卵胞ホルモンは子宮内膜を増殖肥厚させ、黄体ホルモンは妊娠を持続させ役立つ。)
- 797_06【Medial surface of ovary内側面(卵巣の) Facies medialis ovarii】 Surface of the ovary facing the interior of the pelvis.
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- 797_07【Ampulla of uterine tube; Ampulla of oviduct卵管膨大部 Ampulla tubae uterinae】 Lateral enlargement of the uterine tube. Its lumen tapers to form the isthmus of uterine tube.
→(卵管膨大部は漏斗につづく太い部。長さ7~8cmで、卵管全長の約2/3を占める。卵巣の前上方をアーチ状に走る。膨大部は太いが、壁は薄い。粘膜には、きわめて複雑なヒダが発達し、内腔のほとんどを占めている。)
- 797_08【Ligament of ovary; Proper ligament of ovary固有卵巣索;子宮卵巣索 Ligamentum ovarii proprium; Ligamentum uteroovaricum】 Band that passes between the uterine extremity of the ovary and the uterus, posterior to the tubal angle. It contains smooth-muscle cells and allows for a certain degree of mobility of the ovary, necessary during ovulation.
→(固有卵巣索は尾側生殖提に由来する。広靱帯のヒダの間を卵巣の下端から子宮の横に至る索状の線維束。)
- 797_09【Fundus of uterus子宮底 Fundus uteri】 Rounded end of the uterus above the openings of the uterine tubes.
→(卵管侵入部より上方にある子宮の頂部。 (Feneis))
Hunter's ligament
- 797_10Hunter's ligament【Round ligament of uterus子宮円索;子宮鼡径索 Ligamentum teres uteri; Chorda uteroinguinalis (teres)】 Ligament derived from the caudal gonadal fold during development. It passes from the tubal angle through the parametrium and inguinal canal into the labia majora.
→(卵管開口部の前下方、左右両側で子宮に付着している筋線維を含む線維帯。鼡径管から大陰唇に至る。男性の精索に相当し、これも鼡径管を通り同じような腓腹をもつが相同ではなく精巣導帯と相同である。スコットランドの解剖学者William Hunter (1718-1783)によって記載された。WilliamはJohn Hunterの兄で、彼の業績はグラスゴーのハンター博物館に残されている。)
- 797_11【Transverse vesical fold横膀胱ヒダ Plica vesicalis transversa】 Peritoneal fold that passes transversely over the moderately full urinary bladder. It disappears when the urinary bladder is full.
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- 797_12【Apex of bladder; Vertex of urinary bladder膀胱尖;膀胱頂 Apex vesicae; Vertex vesicae】 Tip of the bladder pointing anterosuperiorly and attached to the anterior abdominal wall by the median umbilical ligament.
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- 797_13【Lateral umbilical fold外側臍ヒダ;外側臍索 Ligamentum umbilicale laterale】
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- 797_14【Median umbilical ligament正中臍索;臍尿管索 Ligamentum umbilicale medianum】 Remnant of the obliterated allantois in the median umbilical fold.
→(尿膜allantosisは胎生初期に内胚葉性の卵黄嚢上皮から臍帯内に突出する憩室で、とくにトリでは発達して嚢状となり、孵化以前に尿を貯留する。しかし、哺乳動物(ヒト)では、発達がわるく管状で尿膜管urachus, allantonic ductといわれ、臍から膀胱に走るが、退化して線維索、すなわち正中臍索となる。)
- 797_15【Pubic symphysis; Pubis symphysis; Symphysis pubis恥骨結合 Symphysis pubica】 Cartilaginous joint between the rami of the pubis.
→(恥骨結合は骨盤前面で左右の恥骨が正中線上で向かい合ってできる連結。両側の恥骨結合面がうすい硝子軟骨に被われ、その間に線維軟骨でできる恥骨間円板が連結する。その構造は椎間円板の線維輪に似る。女性では妊娠時にこの結合は弱められ、またこのことは分娩時における新生児の頭の産道通過を助ける。モルモットなどでは、女性ホルモンの投与によって、実験的にこの結合を弱めることができる。付属する靱帯に次のものがある。(1)上恥骨靱帯:恥骨結合の上縁で左右の恥骨を結ぶ。(2)恥骨弓靱帯:恥骨結合の下縁で、左右の恥骨下枝を結び、恥骨弓をつくる。下面で尿生殖膜との間隙を陰茎静脈が通る。 Symphysisははsyn(一緒に)physis(生える)、すなわち「自然に癒合したもの」という意味である。解剖学用語としてのsymphysisは線維軟骨結合という一般名詞であるが、慣用的にはpubicaという形容詞なしでも恥骨結合を指すことが多い。正しい読み方はスィンフィスィスである。)
- 797_16【Labium majus; Greater lip大陰唇 Labium majus pudendi】 Longitudinal prominence overlying a pad of fat. It is covered with hair on its external surfaces. It extends from the mons pubis to the perineum and borders with the pudendal cleft.
→(大陰唇は男性の陰嚢に相当する。その皮膚の正常も陰嚢に似て色が浅黒く、陰毛も生えているけれども、陰嚢と違って左右のものが正中で癒合せずに、分かれている。内面は粘膜様の皮膚の隆起。この左右の大陰唇の間の裂け目を陰裂という。左右の大陰唇と、その間の陰裂を総称して陰門という。)
- 797_17【Body of uterus; Corpus of uterus子宮体;子宮体部 Corpus uteri】 Part of the uterus between the isthmus and fundus.
→(子宮体 子宮の上2/3部である。左右の卵管が進入するところより上部はやや円く突隆し、とくに子宮底といわれる。 子宮体は下方で次第に細くなって子宮頚に移行するが、体と頚との間はややくびれて子宮峡部と呼ばれる。(解剖学講義))
- 797_18【Vesical surface of uterus; Anterior surface of uterus前面;膀胱面(子宮の) Facies vesicalis uteri; Facies anterior uteri】 Anteroinferiorly directed surface lying on the urinary bladder.
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- 797_19【Labium minus; Lesser lip小陰唇 Labium minus pudendi】 Cutaneous fold that is devoid of fat and hair and contains sebaceous glands. It forms the boundary of the vestibule of vagina.
→(小陰唇は大陰唇の内側にある2つの皮膚とヒダである。皮膚は毛や脂肪を欠き平滑で、粘膜に似ている。陰毛はないが豊富な皮脂腺をもつ扁平なヒダ。成人では小陰唇は大陰唇で被われている。小児では、大陰唇の発達が悪いので、小陰唇の大部分は陰核とともに露出する。後方で左右が連絡する部分に陰唇小体というヒダをつくる。)
- 797_20【External urethral orifice; External urinary meatus外尿道口(女性尿道の) Ostium urethrae externum; Orificium urethrae externum】 It is situated 2-3 cm below the clitoris.
→(陰核2~3cm下方に位置する。(Feneis))
- 797_21【Female urethra女性尿道 Urethra feminina】
→(女性の尿道は長さ約3~4cmで男の尿道に比して短く、膀胱頚の内尿道口を出て腟前壁に沿って走り、腟口の前方で腟前庭に外尿道口として開く。粘膜は重層立方~扁平上皮、尿道腺があり、後壁には縦走する尿道稜を認める。筋層は内輪外縦。尿道の粘膜には尿道腺が散在していて、その導管は時に独立して腟前庭に開く、これが尿道傍管(スキーン管)であって、淋疾の時に淋菌の巣になる。女性の尿道腺は男性の前立腺と相同であり、男性の尿道腺は女性の小前庭腺に相当する。尿道の固有層と更に上皮の中に、知覚神経(substance PとCGRPという、いずれも知覚神経に特徴的な信号分室を含む)が、想像を絶するほど密な網を作っている。それに加えて上皮の中にはセロトニン(5HT)というアミンを分泌する、神経細胞に似た性状の細胞(paraneuron)がたくさんに分布している。このパラニューロンは、上皮の中に樹枝状に突起を延ばし、その分布と形態から見て、圧迫される、引き延ばされる、といった機械的な刺激を受ける機械受容細胞mechano-receptorと推定される。)
- 797_22【Internal urethral orifice内尿道口 Ostium urethrae internum; Orificium urethrae internum】 Opening to the urethra from the urinary bladder. Due to invagination of the uvula of bladder, its ventral aspect appears convex in cross-section.
→(膀胱三角の前尖端で尿道が始まるところ。 (Feneis))
- 797_23【Vaginal orifice; Vaginal opening腟口 Ostium vaginae】 Opening of the vagina into the vestibule.
→(腟口すなわち腟の開口部は外尿道口の約1cm後方にあり、外尿道口より大きい。大前庭腺の導管は腟口のすぐ外側で、小陰唇との間に開いている。)
- 797_24【Hymen処女膜;腟弁 Hymen】 Cutaneous fold that usually arises from the posterior wall of the vagina and partially closes the entrance to the vagina as a virginal membrane.
→(処女膜は薄い膜状のひだで、二層処女膜(hymen bifenestratus, hymen biforis:広い中隔で分かれている二窓をもつ処女膜)、篩状処女膜(cribriform hymen:多数の小さな穿孔をもつ処女膜)、歯状処女膜(denticulate hymen:鋸歯状の縁をもつ処女膜)、無孔処女膜(Imperforate hymen:開口部がなく、膜が完全に腟口をおおう処女膜)、漏斗状処女膜(Infundibuliform hymen:中央に緩斜面の縁の付いた開口部をもつ突出状漏斗の形をした処女膜)、彫刻状処女膜(hymen sculptatus:非常に凸凹が激しく、ギザギザした縁のついた処女膜)、中隔処女膜(septate hymen:細い組織の帯によって2個の開口部が分離している処女膜)、部分的中隔処女膜(hymen subseptus:開口部が中隔により部分的に閉じた処女膜)、垂直処女膜(vertical hymen:開口部が垂直である処女膜)などがある。種々の理由で破れる以前は腟を閉鎖している。処女でもしばしば失われているが、通常、その痕跡が処女膜痕として残っている。)
- 797_25【Vestibular fossa of vagina; Fossa of vaginal vestibule腟前庭窩;舟状窩(腟前庭の) Fossa vestibuli vaginae; Fossa navicularis】 Small depression between the posterior junction of the labia majora and the frenulum of labia minora.
→(陰唇小帯と小陰唇の間の場所。 (Feneis))
- 797_25a【Vestibule of vagina腟前庭 Vestibulum vaginae】 It is enclosed mainly by the labia minora. Site of opening of the female urethra, vagina, and greater and lesser vestibular glands.
→(腟前庭は、胎生期の尿生殖洞の名残である。左右の小陰唇の間にある裂隙で、ここに尿道・腟および大前庭腺の導管が開いている。尿生殖洞は尿直腸中隔の発達により直腸から分離した後の排泄腔の腹側部。男女両性の膀胱下部、男性の尿道前立腺部、女性胃の尿道と腟前庭を生じる。)
- 797_26【Internal iliac artery; Hypogstric artery内腸骨動脈;下腹動脈 Arteria iliaca interna; Arteria hypogastrica】 Artery beginning at the division of the common iliac artery, passing from here into the lesser pelvis and extending to the upper border of the greater sciatic foramen. Its branches are highly variable.
→(内腸骨動脈は総腸骨動脈より起こり、腸腰動脈、外側仙骨動脈、閉鎖動脈、上臀動脈、下臀動脈、臍動脈、上膀胱動脈、下膀胱動脈、中直腸動脈、内陰部動脈に分岐する。)
- 797_27【Internal iliac vein内腸骨静脈;下腹静脈 Vena iliaca interna; Vena hypogastrica】 Short venous trunk that receives veins from the pelvic viscera and perineum.
→(内腸骨静脈は主として骨盤内増からの血液を集める。その分枝は、内腸骨動脈の場合とほとんど同じで、それぞれ内腸骨動脈と伴行している(ただし、臍血管を除く)。本幹は骨盤腔の側壁に接して大坐骨孔で梨状筋上孔を通って骨盤腔にはいる。)
- 797_28【Infundibulum of uterine tube; Infundibulum of oviduct卵管漏斗;卵管漏斗部 Infundibulum tubae uterinae】 Funnel-shaped beginning of the uterine tube.
→(漏斗状の卵管起始部で卵巣に接する。 (Feneis))
- 797_29【Parietal peritoneum壁側腹膜 Peritoneum parietale】 Peritoneum lining the abdominal wall.
→(壁側腹膜は腹壁の腹膜。)
- 797_30【Intestinal surface of uterus; Posterior surface of uterus後面;直腸面(子宮の) Facies intestinalis uteri; Facies rectalis】 Posterosuperior surface that is in contact with the intestine.
→(後上方へ向かった面で腸が接触する。 (Feneis))
- 797_31【Internal os of uterus内子宮口;内峡管口 Ostium internum uteri; Orificium Orificium internum uterei; Orificium internum canalis isthmi】
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Douglas, Fold of
- 797_32Douglas, Fold of【Recto-uterine fold♀直腸子宮ヒダ Plica rectouterina♀】 Fold on the right and left sides of the rectouterine pouch. It is composed of connective tissue and smooth-muscle cells connecting the longitudinal layer of muscle of rectum with the uterus.
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- 797_33【Recto-uterinus; Recto-uterinus muscle直腸子宮筋 Musculus rectouterinus】 Muscle cells in the rectouterine ligament.
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- 797_34【Vaginal fornix; Fornix of vagina腟円蓋;腟底 Fornix vaginae; Fornix vaginae anterior et posterior】 Blind-ending dome surrounding the vaginal part of cervix projecting into the vagina.
→(子宮頚の腟部と腟壁との間を占める腔。(Feneis))
Douglas, Pouch of
- 797_35Douglas, Pouch of【Rectouterine pouch; Rectouterine fossa♀直腸子宮窩;ダグラス窩 Excavatio rectouterina♀】 Deepest point in the female peritoneal cavity, located between the uterus and rectum. The peritoneal cavity is readily accessible from externally for puncture through the posterior vaginal fornix.
→(ダグラス窩とも呼ばれる。直腸、子宮および両直腸子宮ヒダの間で、腹腔の最深部。S状結腸や回腸などが入り込む。腹膜炎でここに膿が貯留したり(ダグラス窩膿瘍、Douglas' abscess)、子宮外妊娠で血液が貯留したりする。1730年、スコットランドの内科医・解剖学者James Douglas (1675-1742)によって報告された。腹直筋鞘後面の弓状線をダグラス線ともいうが、これも彼の名である。)
- 797_36【Coccyx [Coccygeal vertebrae I-IV]尾骨;第1尾椎-第5尾椎 Os coccygis; Coccyx [Vertebrae coccygeae I-IV]】 The coccyx usually consists of four rudimentary vertebrae.
→(尾骨はヒトの脊柱の末端にある小骨。退化した3~5個の尾椎が融合してできた骨。第一尾椎に相当する部分には椎骨としての特徴がみられ、短い横突起が左右に突起している。また、横突起の基部から上関節突起か後上方に突出し、尾骨角をつくっている。第二尾椎以下の部分は椎体に相当する部分が痕跡的に連なっているにすぎない。胎児期には9個の尾椎の原基が存在するが、胎児の成長と共に下方のものから次第に退化し、結局上方の3~5個の尾椎だけが残るので、尾椎の数には個人差がある。尾椎の癒合したものを尾骨という。第一尾椎の横突起を除き、その他の突起はすべてほとんど退化する。各尾椎間のみならず、仙骨と尾骨との間にも癒合が見られることがある。第一尾椎の下から第一尾神経が出るが、それより下位の脊髄神経はない。)
- 797_37【Rectococcygeus; Rectococcygeus muscle直腸尾骨筋 Musculus rectococcygeus】 Thin sheet of smooth-muscle cells that passes from the second-third coccygeal vertebrae to the rectum.
→(第二~三尾骨から直腸へ張る薄い板状の平滑筋。(Feneis))
- 797_38【Rectum直腸 Rectum; Intestinum rectum】 Tenia-free 15 cm long segment extending between the sigmoid colon and anus.
→(直腸は消化管の末端部でS状結腸につづく大腸の一部である。結腸から直腸への移行はゆるやかで、仙骨中央部あたりがほぼ両者の境界となる。直腸は腸間膜を欠き、直腸ヒモを示さない部分である。直腸の下端は、骨盤隔膜を貫く寸前までで、それ以下は肛門管である。肛門管の直上部にあたる直腸窩部はふくらみ、ここを直腸膨大部という。膨大部上方には横走するヒダが2~3本認められ、直腸横ヒダといい、最も恒常的なものは右壁にあって、コールラウシュのヒダという。直腸ははじめ仙骨の曲がりに沿って前方に凹の間借りを示し、これを仙骨曲といい、下端近くでは前方に凸の曲がりを示し、これを会陰曲という。直腸壁の平滑筋の筋層のうち、重筋層と一部の輪筋層は周辺の臓器へとのび、直腸尾骨筋、直腸膀胱筋、直腸尿道筋などとよばれる筋束をなす。直腸が内容をいれて拡張すると、壁の伸展刺激は求心性神経線維によって仙髄に伝えられ、反射的に内容の排出、すなわち排便が起こる。このような排便中枢の中枢は仙髄(S2~4)にあり、肛門脊髄中枢anospinal centerといわれる。排便defecationのさいには、交感神経が抑制されるとともに、副交感神経の興奮が高まって、大腸の蠕動・収縮がおこり、内肛門括約筋は弛緩し、さらに陰部神経を介して外肛門括約筋も随意的に緩められる。そのほかに、腹壁の筋・横隔膜・骨盤隔膜を作る肛門挙筋の収縮によって腹圧が高められ排便を助ける。)
- 797_39【Posterior lip of external os後唇(外子宮口の) Labium posterius ostii uteri】 Posterior border of the external os of uterus.
→(子宮口の後縁。 (Feneis))
- 797_40【External os of uterus; External os of cervical canal外子宮口;子宮口;外頚管口 Ostium uteri; Orificium externum uteri; Orificium externum canalis cervicis】 Opening of the cervical lumen into the vagina. It has a pitlike shape in nullipara that after childbirth becomes slitlike.
→(子宮腔の腟への開口。子宮腟の腟への開口。未産婦では小窩状で、経産婦では裂目状である。 (Feneis))
- 797_41【Anterior lip of external os前唇(外子宮口の) Labium anterius ostii uteri】 Anterior border of the external os of uterus.
→(子宮口の前縁。 (Feneis))
- 797_42【Anus肛門 Anus】 Inferior opening of the anal canal, encircled by the subcutaneous and superficial parts of external anal sphincter muscle.
→(肛門は消化下管の末端が外部へ開く部分である。外肛門括約筋の表在部と皮膚部に囲まれた肛門管の開口。 実質的な機能を持つ肛門は、むしろ肛門管と考えてよい。)
- 797_43【Vagina腟 Vagina】 Fibromuscular canal about 10 cm long that is flattened frontally and appears H-shaped in cross-section.
→(腟は女性の交接器であり、産道の下部をなし、月経による産物を排出する経路となる。上方は子宮口を通じて子宮腔に、下方は腔口を通じて腟前庭で外界に開く。腟口を不完全に閉じる粘膜のヒダが処女膜で、その遺物が残るものを処女膜痕という。子宮の腟部が腟後壁の方を向くため、後壁は長く(7cm以上)、前腟はやや短い(6cm)。子宮腟部と腟壁の間で、腟部を輪状に取りまく陥凹を腟円蓋という。腟壁には横皺が多く、腟粘膜皺といい、前・後壁には縦の隆起があって、前皺柱、後皺柱という。前皺柱の下部は尿道により生ずる腟の尿道隆起に連続する。粘膜上皮は重層扁平上皮、筋層は平滑筋からなる。腟の刺激によって、性感特に絶頂反応(オルガスム)が起こるメカニズムについたは、ほとんど何もわかていなかった。産婦人科医の話によると、腟口の一部分を除けば、腟は機械的な刺激には鈍感らしい。メスで切っても鉗子でつまんでも、患者は痛みを訴えないという。組織学的にも、腟壁に豊富な知覚神経が分布している様子はなく、終末装置のようなものは全く見られない。それでは性交による腟の快感はどこからくるのだろうか?最近の研究によると、その答えは、腟の前方を走る尿道にありそうだ。免疫組織化学の発達によって、尿道の固有層と更に上皮の中に、知覚神経(Substance PとCGPRという、いずれも知覚神経に特徴的な伝達物質を含む)が、想像を絶するほど密な網を作っていることが分かってきた。それに加えて上皮の中には、セロトニン(5HT)というアミンを分泌する、神経細胞に似た正常の細胞(paraneuron)がたくさんに分布している。このパラニューロンは、上皮の中に樹枝状に突起を伸ばし、その分布と形態から見て、圧迫される、引き延ばされる、といった機械的な刺激を受ける機械受容細胞mechano-receptorと推定される。)
- 797_44【Vesicouterine pouch; Vesicouterine fossa♀膀胱子宮窩 Excavatio vesicouterina♀】 Recessed peritoneal pocket between the urinary bladder and uterus.
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