A14_1_02_021

前角;腹側角(脊髄の)Anterior horn of spinal cord; Ventral horn of spinal cord(Cornu anterius medullae spinalis)

前角;腹側角(脊髄の)【ぜんかく;ふくそくかく(せきずいの)】 Anterior column in cross-section.(前角は前柱の横断像で同義として扱われる。前角は後角より太く短く、頭と底に区分され、両者の間は多少細くなっている。前角細胞は多くは非常に大きく、多極性で、ところどころに群集する。これらの集団は縦方向に柱状に配列する。外側部の細胞は内側聞それよりも一般に大きく、頚膨大および腰膨大では特に大きい。前角細胞の軸索(神経突起)は前根線維となり、運動性脊髄神経線維として体幹および四肢の骨格筋に達する。欠く運動神経線維は筋内に入ると、分資してそれぞれ運動終板を形成する。前角細胞の軸索の骨格筋への分布には対局剤的局在が明らかで、一般に体幹筋を支配する細胞は前角の内側部にあるが、四肢筋を支配するものは外側部にあり、しかも四肢の末端の筋に線維を出す細胞は近位の筋に分布するものよりも外側にある。したがって四肢に強大な神経を出す頚膨大並びに腰膨大の部分では、前柱は外側方に延びて幅が広いが、これらの間の部分(胸髄)では内側部のみからなり、細い。また前角の周辺部の脂肪は心筋および外転筋へ、中央部の細胞は屈筋および内転筋へ線維を出す。前角の大細胞は横紋筋に運動線維を出すが(α運動細胞)、小さい細胞の一部は介在細胞であり、また一部は筋紡錘内の錐内筋線維を支配するものと考えられる(γ運動細胞)筋紡錘は筋緊張の調整を反射的に行う機序に関係している。なお第1~5頚髄の前柱の背外側部には副神経脊髄根を出す細胞群、すなわち副神経脊髄核がある。これは上方に行くにしたがって中心管に近づく。その根は外方に走り、前根と後根の間から脊髄を出る(副神経脊髄根)。脊髄灰白質の腹側の部分で、RexedのⅨ層、Ⅷ層およびⅦ層の腹側部がこれに属する。Ⅸ層は運動細胞群でα運動細胞とγ運動細胞とが存在する。Α運動細胞の軸索からの反回性側枝はⅦ層腹側部およびⅧ層にある抑制性のRenshaw細胞やⅨ層のα運動細胞結合する。前角には脊髄下行路や一次求心性線維(後根神経)がおわり、運動細胞と直接あるいはそこに存在する固有束細胞(介在細胞)と結合する。その他、脊髄視床路、脊髄小脳路、脊髄網様体路などの上行路の起始細胞の一部も前角に分布している。)

Moore人体発生学

18-2.脊髄の発生

Rauber Kopsch

Band2(306)

Eduard Pernkopf

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

ネッター解剖学図譜

 

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