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孤束核Nuclei of solitary tract; Solitary nuclei(Nuclei tractus solitarii)

孤束核【こそくかく】 Column of cells extending from the decussation of pyramids to the middle of the rhomboid fossa. As a functional unit, the nuclear complex receives viscerosensory afferents whose endings are arranged somatotopically. Taste fibers from cranial nerves VII, IX, and X terminate in the anterior portion. As an independent integration center it is connected e.g. with the reticular formation, amygdala, and insular cortex. The current division of nuclei as follows is based mainly on different levels of acetylcholinesterase activity. The various functions of the individual nuclei in humans is unknown.(孤束核は延髄背側を矢状方向に走る細い細胞柱で、菱形窩底の下で境界溝のすぐ外側にある。小さい独立核の集まりで一括して言えば脳幹の内臓求心性の核であって迷走神経、舌咽神経、顔面神経からの線維が孤束を経てはいってくる。孤束核は次の数個の部分に分けられる。すなわち、①内側部、迷走神経背側運動核の背外側にある、②背内側、背外側および腹外側亜核、孤束を取り巻く、および③小細胞性亜核、最後野の腹側にある。内側部の細胞は迷走神経背側運動核を吻側にわずかに越え、また、第四脳室より下方へ広がり、反対側の同じ細胞性と合一して迷走神経交連核をつくる。外側の諸核は大細胞性の細胞柱をなし、孤束を一部あるいは完全に取り巻いている。この外側部は孤束のほぼ全長にわたって平行に存在する。吻側では橋下部まで広がり、一方尾側ではその細胞数が減少し、網様体との区別が難しくなる。孤束核の膨大した吻側部(すなわち外側部)は主として特殊内臓求心性(味覚)線維を顔面神経(中間神経)と一部の顔面神経と舌咽神経からくる一般内臓求心性線維を受ける。孤束核の内側部の細胞は多数のニューロペプチドを含有している。すなわち、エンケファリン、ソマトスタチン、サブスタンスP、およびコレシストキニンなどである。同部位にはサブスタンスP含有線維も豊富に存在する。孤束核から起こる二次路系は次の部位に同側性に投射する。すなわち、①疑核とその周辺の網様体、②橋上部の傍腕核、および③味覚に関与する視床の核、すなわち後内側腹側核(小細胞部)である。孤束核から起こるその他の二次線には舌下神経核と唾液核に投射し、舌の運動と唾液の分泌反射を仲介する。孤束核からの迷走神経背側運動核、横隔神経核(第三(C3)・第四(C4)・第五(C5)頚髄の高さ)、および胸髄の前角細胞への投射はせきと嘔吐反射に関与する。孤束核は生理学的に同定された延髄の呼吸“中枢”と同一の広がりをもち、この中枢は疑核とその周辺の網様体を包含する。延髄“呼吸中枢”の細胞は迷走神経のインパルス、および直接の化学的環境変化(CO2蓄積)によって賦活される。別個の昇圧帯と減圧帯からなる延髄の血管運動“中枢”は十分明らかにされていない。最近、心臓血管系の調節に関する神経回路網が重視されてきた。ノルアドレナリン作働性ニューロンの1集団(グループA5と呼ばれる)が橋の下部で上オリーブ核と顔面神経の根線維の間にあり、軸索を孤束核、疑核、迷走神経背側運動核および胸髄の交感神経節前線維のニューロンに投射しており、上記神経回路網の一部と思われる。)

Spalteholz

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Band2(386; 423; 425; 437)

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