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プルキンエ細胞層;梨状細胞層;神経節細胞層(小脳皮質の)Purkinje cell layer; Ganglionic layer of cerebellar cortex(Stratum purkinjenase corticis cerebelli)

Purkinje cell layerプルキンエ細胞層;梨状細胞層;神経節細胞層(小脳皮質の)【ぷるきんえさいぼうそう;りじょうさいぼうそう;しんけいせつさいぼうそう(しょうのうひしつの)】 (プルキンエ細胞層とよばれるほうが一般的で梨状細胞層とはよばれることはすくない。この層は顆粒層の上縁に一列に並ぶ多数の大型でフラスコ型をした細胞(Purkinje細胞)からなる。Purkinje細胞は濃染する核小体のある明瞭な小胞状の核をもち、Nissl小体は不規則で、胞体からは小葉の長軸に対して直角な面にのみ広がる扁平な扇状の特異な樹状突起が出る。この分枝の範囲は矢状断切片でのみ明らかに認めることができる。樹状突起の第一次、第二次分枝の表面は滑らかであるが、第三次分枝以後は表面に太く短く粗い棘をもつ。これらの太い樹状突起の棘を有棘小枝spiny branchletあるは芽球という。より大きな樹状突起はさらに太く短い棘があり、平滑小枝smooth branchletとよばれる。Purkinje細胞の軸索は有髄で、顆粒層および白質を通り深部の小脳核にシナプス結合するが、その場合に最短距離を通って投射する。Purkinje細胞の特徴は一面的拡がりをもつことで、樹状突起分枝および軸索投射が長軸に対して垂直の面に限られる。Purkinje細胞の軸索は小脳皮質からの遠心性経路であるが、その側枝は顆粒層内のGolgiⅡ型細胞とシナプス結合する。生化学的研究により、大部分のPurkinje細胞がγ-アミノ酪酸(GABA)を含有し、これが主要な伝達物質であることが明らかにされた。小脳のこの細胞は神経細胞として最初に同定され(1837)、また顕微鏡的にその詳細が明らかにされたのも最初の物である。さらに伝達物質の生合成に関与しない特定の免疫標識物質が見いだされた最初の神経細胞の一つでもある。Guanosine 3':5'-リン酸塩-依存性プロテインキナーゼ(cGK)抗血清はPurkinje細胞に特的な免疫組織化学標識物質であり、細胞形質、樹状突起および軸索分枝を染め出す。ボヘミア(チェコ)の生理学者Johannes Evangelista von Purkinjeはドイツに学び、プレスローの教授であったのち、故国プラハの教授となる。1842年に最初の生理学実験室をプレスローに設立した人。ミクロトーム、ガラス板、バルサム封入法を発明。小脳のプルキンエ細胞を1837年に、心臓のプルキンエ線維を1839年に記述している。)

Rauber Kopsch

Band2(406)

Pocket atlas of human anatomy

R.V. Krstić(HMA)

 

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