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後内側腹側核;半月核(視床の)Ventral posteromedial nucleus of thalamus; VPM(Nucleus ventralis posteromedialis thalami)

後内側腹側核;半月核(視床の)【こうないそくふくそくかく(ししょうの)】 Nucleus lying between the ventral posterolateral nucleus and the centromedian nucleus. It receives fibers from the trigeminal lemniscus.(VPM核とも言われる。後内側腹側核は比較的淡く染まる神経網からなる三日月形の核で、後外側腹側核の内側で正中中心核の弯曲する境界の外側に位置する。後内側腹側核は次の明確な部分からなる。①小型、大型からなる主部で単に後内側腹側核とよばれる。②弓形の核の内側尖を占める小細胞性で淡染色の部で、小細胞部(VPMpc)とよばれる。後内側腹側核の主部は頭部、顔面、口腔内構造の受容期から体性求心性線維を受け、後外側腹側核の小細胞部は味覚に関係する。後内側腹側核の正確な境界はその線維結合に基づいて規定される。後内側腹側核は上行性二次賛辞神経線維を受けるがこれには、①内側毛帯に伴って上行する三叉神経脊髄路核と主感覚核からの交叉性線維、②三叉神経主感覚核の背側部からおこる背側三叉神経路の非交叉性線維が含まれる。ネコとサルの後内側腹側核からのHRP逆向性輸送により、対側の三叉神経核、特に中間部の尾側半、および三叉神経主核の腹側部の細胞が標識される。同側性に標識される細胞は大部分背側三叉神経路を生ずる主核の背内側部に限局する。顔面筋の伸展受容期からからのインパルスの一部も後内側腹側核の一部に両側性に伝達される。味覚を伝達する中枢経路はまだよくわかっていないが、味覚に関する感覚インパルスが後内側腹側核の内側小細胞部(VPMpc)に表現されることは確実である。鼓索、舌咽神経の電気刺激により、比較的短い潜時でVPMpcに誘発電位が示され体表面の触刺激にVPMpcは反応しないようである。ラットの味覚の表現は両側性といわれるが、ネコとサルではおもに同側性である。BenjaminとAlbert(Benjamin, R.M. 1959. Cortical and thalamic areas involved in taste discrimination in the albino rat. J. Comp. Neurol. 111: 231-260)は、ラットの皮質味覚野の切除によりVPMpcに限局した視床ニューロンの逆行性変性生じることを示した。動物実験の後内側腹側核の内側部の障害により味覚が失われる。ラットの脳神経の一次求心性線維により受容される味覚インパルスは、孤束核の吻側部に達し、そこで二次”橋味覚野”へ同側性に中継される。ラットの橋味覚野は、三叉神経中脳路と上小脳脚あいだの小細胞性の楔上部にある。この領域の細胞は上小脳脚の両側にあり、通常結合腕傍核とよばれる。これらの核の障害による変性は両側性に背内側被蓋を経てVPMpcへ追跡される。腹側前脳部へ達するといわれるこの橋味覚野からの側副路は、小窩講堂に影響する神経領域への直接の結合と考えられる。サルで迷走神経の入る部位より吻側の孤束核に注入されたアイソトープは、同側の中心被蓋路を経てVPMpcに直接達する上行線維束を標識する3H標識アミノ酸は、結合腕傍核とVPMpcに達する同側性線維束へ追跡された。VPMpcへのHRP注入により逆行性に、孤束核吻側部の外側亜分画のみが標識された。これらの所見は味覚が視床へ伝達される経路の理解を助ける。)

Spalteholz

人体局所解剖図譜 IV巻

Pocket atlas of human anatomy

ネッター解剖学図譜

 

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