A06_5_01_001

肺Lungs(Pulmones)

肺【はい】 The lungs occupy the greater part of the thoracic cavity.(肺は胸腔をみたす1対の半円錐形の実質臓器で、呼吸器系の主部をなす。肺においてガス交換が呼吸気と血液の間で行われる。右肺(1200cc, 600g)は左肺(1100cc, 500g)よりやや大きい。肺尖・肺底・肋骨面を区別する。肺尖は鎖骨の2~3cm上方に達する。肺底は横隔面に相当し、横隔膜の円蓋にしたがって陥凹する。肋骨面は胸郭の形にしたがって膨隆する。内側面は左右の胸膜腔を隔てる縦隔に向かう面であって、全体としてややくぼむが心臓に接する部分は深いくぼみをなす。このくぼみを心圧痕といい、とくに左肺に著しい。内側面のうち後方の胸椎に接する部分を椎骨部といい、椎骨部と前述の心圧痕以外の内側面の部分を狭い意味で縦隔部という。縦隔部のうち、ほぼ中央部の肺胸膜におおわれない部分を肺門といい、肺門に出入りする気管支、肺動静脈などは結合織により束ねられて肺根をなし、肺胸膜から縦隔胸膜へ移行する胸膜におおわれるため滑沢であるが、後上方から前下方に走る深い切れ込み(斜裂)がある。右肺ではそのほかに、肋骨面の腋窩腺で斜裂から分かれ、第4肋骨に沿ってほとんど水平に走る切れ込み(水平裂)があり、上葉と中葉が分けられる。各葉の相接する面を葉間面という。左肺を前から見ると上葉に心臓の存在による切れ込みをみる。これを左肺心切痕といい、その下方の上葉前下端の小さい突出部を左肺小舌という。幼児の肺は淡紅色を呈するが、年とともに吸入された塵埃、煙の炭疽粒子などにより、暗赤色に変わる。肺は複合胞状腺の形態を示し、喉頭・気管・気管支およびその枝が導管、肺胞が腺胞に相当する。気管支は葉気管支、区気管支、区気管支枝、細気管支と何回も分支する。細気管支の直径は1mm以下になり、この部にいたると粘膜上皮は多列繊毛円柱上皮から単層の円柱上皮となり、軟骨輪輪は不規則な軟骨小片となる。細気管支はさらに枝分かれして呼吸細気管支になると、気管軟骨はなくなり、上皮は単層立方上皮となる。壁のところどころから肺胞もふくらみ出ている。気道の末端は肺胞管で、多数の肺胞がこの管からふくらみ出ている。その行きどまりを肺胞嚢とよぶ。肺の栄養血管は気管支動静脈で、気管分岐部付近で胸大動脈から直接デル。栄養血管は細葉を最小単位として取り囲む。機能血管である肺動脈は右三室から出て気管支系とともに肺実質内に分布する。胎生期には肺動脈と大動脈弓との間に連絡(動脈管)があるが、出生後閉塞して動脈幹索となる。ガス交換を行った後の血液は肺静脈に集められ左心房に還る。)

Spalteholz

_41

小解剖学図譜

人体局所解剖図譜 I巻

人体局所解剖図譜 II巻

人体局所解剖図譜 IV巻

Rauber Kopsch

Band2(153)

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

現代の組織学 315; 329

R.V. Krsti?(HMA)

ネッター解剖学図譜

 

ページのトップへ戻る