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大腿神経Femoral nerve(Nervus femoralis)

大腿神経【だいたいしんけい】 Thickest branch of the lumbar plexus, which arises from L2-L4. It emerges at the lateral border of the psoas and travels in the muscular space between it and the iliacus. It divides below the inguinal ligament.((Netter)大腿神経(L2,L3,L4)は、腰神経叢から出る最大の枝で、腸骨筋と大腿前面の筋群を支配し、股関節や膝関節および周囲の血管へ枝を送り、また下肢の前内側面に皮枝を出す。大腿神経は、第2~4腰神経前枝の背側部から起こり(図10)、大腰筋を下外方へ貫通し、ついで大腰筋と腸骨筋間の溝を走行しながらこれらの筋に支配枝を出す。大腿神経は、鼡径靱帯の後方を通り、大腿部に入る。大腿三角では大腿動脈鞘の外側に位置し、ここで筋枝と皮枝に分かれる。筋枝は、恥骨筋、縫工筋および大腿四頭筋を支配する。恥骨筋へ行く筋枝は、鼡径靱帯の高さで起こる。縫工筋への筋枝は、この筋の上部2/3に入る。また数本の枝は、大腿神経前皮枝と起始を同じくしている。大腿四頭筋への支配枝は、図のごとく支配する。すわなち大腿直筋と外側広筋への枝は、両筋の後面へ入る。また、中間広筋への枝は、その前面から中間広筋に入り、中間広筋を貫いて下部にある膝関節筋を支配する。さらに、内側広筋への枝は、内転筋管を大腿動静脈と伏在神経の外側に沿って様々な長さを走りながら、次々に内側広筋へ枝を出し、そのうちの何本かは中間広筋や膝関節筋に終わる。 大腿神経の前皮枝は、大腿三角に起こる。鼡径靱帯より8~10cm遠位で、この神経のすべての枝は大腿筋膜を貫き、膝関節の高さまで下行する。走行の間に、大腿前面および内側面を覆う皮膚と筋膜に枝を送る。伏在神経は、大腿神経の最大かつ最長の枝であり、大腿三角の高さで起こり、大腿動静脈の外側に沿って大腿三角内を下行し、内転筋管に入る。ここでこの神経は大腿動静脈を斜めに越え、大内転筋下端の前面で、これらの動静脈内側に位置するに至る。内転筋管内において、伏在神経は、大腿神経前皮枝および閉鎖神経と交通して縫工筋下神経叢を形成する。内転筋管下端では、この神経は、大腿動静脈から離れて膝蓋下枝を生じる。この枝は、縫工筋の後縁を回り、大腿筋膜を貫いて走行を続け、膝関節や膝蓋靱帯の内面および前面を覆う皮膚に分布する。膝蓋下枝は大腿神経前皮枝および外側大腿皮神経より枝を受けて膝蓋神経叢を作る。伏在神経は、膝関節の内側面を下行し、縫工筋と薄筋の間で大腿筋膜を貫く。この後、大伏在静脈の近傍で下腿の内側面を下行し、内側下腿皮枝を出す。伏在神経は、下腿の下部でさらに2枝に分かれる。小さな枝は脛骨内側縁に沿って足首まで下げる。他方、大きい枝は、内果前面を越え、足の内側面と足背を覆う皮膚と筋膜に分布する。関節枝は、大腿直筋の支配枝から起こり、外側大腿回旋動脈の関節枝と共に股関節に至る。大腿の広筋群への支配枝からの小枝および伏在神経からの小枝が、膝関節を支配する。)

Spalteholz

実習人体解剖図譜(浦 良治)

小解剖学図譜

人体局所解剖図譜 I巻

人体局所解剖図譜 II巻

人体局所解剖図譜 III巻

Rauber Kopsch

Band2(520; 523)

Eduard Pernkopf

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

筋の機能解剖

ネッター解剖学図譜

 

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