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- 106_01【Squamous part of occipital bone後頭鱗(後頭骨の) Squama occipitalis】 The part that is posterior to the foramen magnum.
→(後頭鱗は大後頭孔の後方にある広い扁平な骨部で、頭蓋冠の後頭の部分と頭蓋底の後部を作る。その縁は不正三角形の広大な鱗状部である。その鋸歯状で大部分はラムダ縫合をもって頭頂骨と接するが、下方では側頭骨とも接する。後頭骨はその大半が軟骨性骨化によって生ずるが、後頭鱗のうち下項線から上方の部分だけは線維性骨窩によって生ずる膜性骨である。しかも後者は数個との骨化中心から出来るので、それら相互の癒合の様子次第で小さい2~4個の、または大きい1個の頭頂間骨(インカ骨)が独立する変異が生ずる。)
- 106_02【Lateral part of occipital bone外側部(後頭骨の) Pars lateralis (Os occipitale)】 The part that is lateral to the foramen magnum.
→(後頭骨の外側部は大後頭孔の両側にある部分で、下面に後頭顆がある。そのやや外側の前縁には頚静脈切痕という切れ込みがあり、これは頚静脈孔の壁の下半を作る(壁の上半は側頭骨の同名の切痕)。この頚静脈孔は後頭骨および側頭骨から出る小さい[頚静脈]孔内突起によって前後の2部に分かれる。前部は小さく、舌咽神経、迷走神経、副神経、および下錐体静脈洞がここを通る。後部は大きく、内頚静脈の通路である。頚静脈切痕の後方の骨部は外側方に突出して頚静脈突起となり、その肥厚した外側縁は側頭骨の岩様部と軟骨性に結合する。外側部の下面には大後頭孔の前半の両側にあたり、後頭顆が突出する。その表面は滑らかで、少し外方に傾斜した楕円形の凸面で、その長軸は前内側から後外側に向かう。後頭窩は環椎の上関節窩に対する関節頭をつくる。横溝(外側部と底部が別個に形成され、癒着した部にあたる)によって前後に2分されることもある。また、正中面に対する角度には個人差が大きい。後頭窩の基底部を後内方から前外方に斜に舌下神経管が貫く。後頭顆の後には顆窩があり、顆導出静脈が通る顆管がここに開く。顆管の太さは個人差がはなはだしく、同一個体でも両側のものの差が著しいことが少なくない。外側部の上面には後頭窩の上に相当して頚静脈結節があり、それが大後頭孔に向かう面の基部に舌下神経管の内口が開く。頚静脈突起は上面ではとくに突隆し、それを後から内前方へS状洞溝の末端がめぐって頚静脈切痕の後縁に達している。顆管の内口が明瞭に見られるときは、この屈曲点よりやや前方に位置することが被い。)
- 106_03【Condylar canal顆管 Canalis condylaris; Canalis condyloideus】 Passageway for transmission of a vein that begins at the sigmoid sinus and ends posterior to the occipital condyle.
→(顆窩には顆導出静脈を通す顆管が開口する。導出静脈とは、頭蓋腔の内部と外部の静脈を連絡する静脈で、頭蓋骨の骨組織中を走るもの。)
- 106_04【Hypoglossal canal舌下神経管 Canalis nervi hypoglossi; Canalis hypoglossi】 Passageway that begins superolateral to the foramen magnum and ends anterolateral to the occipital condyle. It transmits CN XII and a venous plexus.
→(後頭顆の上方には後内方から前外方に舌下神経の通路である舌下神経管が走る。)
- 106_05【Basilar part of occipital bone底部(後頭骨の) Pars basilaris (Os occipitale)】 The part that ascends from the foramen magnum to the spheno-occipital synchondrosis.
→(後頭骨の底部は大後頭孔前縁の前方にある長方形の板状部で、内頭蓋底と外頭蓋底の斜台の下半分を作る。両側縁は側頭骨の錐体と軟骨結合している。)