1084
- 1084_00【Dermis; Corium真皮 Dermis; Corium】 Layer consisting of tightly woven collagen and elastic fibers that has abundant nerves and vessels but no fatty tissue.
→(真皮は表皮を裏打ちする厚い交織性緻密結合組織の層で、縦横に交織する膠原線維束とその間に含まれる多くの弾性繊維とからできている。表皮に接する真皮の表層部の一定の範囲では、膠原線維束弾性線維も細く、その配列もやや疎で、それ以下の太い線維束が密に交織している真皮に主体をなす部分から区別される。この表層部を乳頭層といい、真皮に主体をなす部分を網状層という。真皮は以下のもので構成される。①線維芽細胞、線維細胞およびこれらによって産生される細胞外マトリックス、②コラーゲン線維と弾性線維、③グリコサミノグリカンglycosaminoglycanを含む基質、④血管と神経、⑤少数のマクロファージ、リンパ球と肥満細胞。真皮には皮膚付属器、血管、神経ならびに排出リンパ管が存在する。皮膚に血液を供給する主たる血管は真皮に存在し、これらは皮下脂肪組織にあるより大きな血管から起こる。真皮には二つの明瞭な血管叢が存在する①深部血管叢は皮下組織との境界に近い真皮網状層下部にある、②浅部血管叢は真皮乳頭層に近い真皮網状層上部にある。浅部血管層からでる小血管ループをつくって真皮乳頭層内へ伸び、そこから出る毛細血管は表皮基底膜のすぐ近くに達する。但し、血管は表皮内には侵入しない。真皮には多くの動静脈吻合が存在し、なかでも指尖によくみられる短絡路は非常に特殊で、糸球glomus bodyと呼ばれる。真皮での血流変化は、皮膚が体温調節器官としてはたらく上で重要である。皮膚付属器への血液供給は、浅部と深部の両血管叢を結ぶ血管から出る枝によっておこなわれる。皮膚の支配神経は真皮に存在し次の2種類かならなる。①交感神経系の無髄神経:真皮に豊富に分布し、皮膚付属器の働きや血流の調節をおこなう。②求心性有髄ならびに無髄神経:皮膚感覚を感知する。皮膚感覚は種々の特殊な神経終末によって感知されるが、もっとも重要なものは以下の通りである。①自由神経終末free nerve ending(有髄および無髄)は痛覚(およびそれがわずかに形を変えた感覚である痒み)および温度を感知する。②層板小体lamellar corpuscle(ファーター・パチニ小体Vater-Pacinian corpuscle)は神経終末が被膜で包まれた特徴的な構造をもち、圧覚、そしてたぶん振動覚をも感知する。通常、手掌や足底の真皮深部あるいは皮下脂肪組織にみられる。③触覚小体tactile corpuscle(マイスナー小体meissner corpuscle)は真皮に乳頭層に限局して存在する構造化された神経終末で、手と足にもっとも多く分布し、触覚を感知する。④メルケル細胞とそれに付着する神経は、持続的でゆるやかな触覚の変化を感じるレセプターである。)
- 1084_00a【Papillary layer of dermis乳頭層(真皮の) Stratum papillare dermis】 Upper dermal layer that contains numerous cells and fibers. Its connective-tissue papillae interlock with the epidermis.
→(真皮の乳頭層は真皮のうち、やわらかい上部層。多数の乳頭で表皮と結合する。乳頭層の表面には銀好性線維の網工である基底膜があり、これに表皮の基底層の細胞が小足をもって固く付着している。乳頭層は網状層にくわべて濃く染まる。コラーゲン線維や弾性線維が少なく、基質は逆に多い。細いコラーゲン線維や弾性線維がいろいろな向きに走るが、表皮垂直に向かう比率が高い。ここには毛細血管サイズの小血管、細い神経の枝および終末が含まれる。)