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- 162_00【Scapula; Shoulder blade肩甲骨 Scapula】 Shoulder blade.
→(胸郭の背側上外部で三角形をした大型の平坦な骨で第2~第8肋骨に被さっており、左右両端は肩鎖関節で鎖骨と、肩関節で上腕骨と関節している。肋骨面(前面)と背面の2面、内側縁・外側縁・上縁の3縁、上角・下角・外側角の3角を区別する。外側角の部分は上縁と外側縁の合するところで肥厚しており、その外側端に楕円形の関節窩がある。関節下の上・下には関節状結節および関節下結節があって、それぞれ上腕二頭筋長頭、上腕三頭筋長頭がおこる。また、関節下の内方はやや細くなっており肩甲頚という。肋骨面は全体に浅くへこんでおり肩甲下窩という。背面の上部には肩甲棘というほぼ水平に走る隆起があり、その尖端は大きく扁平な突起となって関節窩の外方へ突き出していて肩峰とよばれる。肩峰の内側面には鎖骨との関節面である肩峰関節面がある。背側面は肩峰棘によって二分され、上方の比較的小さいくぼみを棘上窩、下方に広いくぼみを棘下窩という。上縁は外側に向かってやや下方に向いているが、その外側端には肩甲切痕という小さい切れ込みがある。また、肩甲切痕と関節窩の間から鈎状の烏口突起が前方に突き出している。語源はローマ時代にはscapulaは「背なか」を意味していた。17世紀にフランスの解剖学者リオランJ.Riolanがギリシャ語のSkaptein(掘る)に由来するscapulaを肩甲骨に初めて採用したという。この骨の形がシャベルに似ているからである。日本では肩甲骨のことを俗に「貝がらぼね」という。)
- 162_01【Acromion肩峰;カタサキ Acromion】 Free end of the spine of the scapula that projects over the head of the humerus.
→(肩峰は肩甲棘そのものは、尖端が扁平な大突起となって関節窩を越えて突き出ている。この部分を特に肩峰(肩甲棘から肩峰にかけて僧帽筋がつき、三角筋が起こる)と呼ばれ、その突起近くの内側面には鎖骨と連結する小楕円形の関節面(輪郭はあまり明瞭でない)がある。肩甲棘のつけ根(肩甲骨背側面から起こる基部)の外側端の所では、棘上窩と棘下窩が関節窩のすぐそばでたがいに交通している。)
- 162_02【Supraspinous fossa棘上窩 Fossa supraspinata】 Fossa that extends from above the spine to the superior border of the scapula.
→(棘上窩は肩甲棘より上方にできる舟底形のくぼみが棘上窩である。)
- 162_03【Infraspinous fossa棘下窩 Fossa infraspinata】 Fossa that extends from below the spine to the inferior angle of the scapula.
→(棘下窩は肩甲棘よりも下方の三角形の広い領域が棘下窩である。棘下窩は対極的にはくぼみであるが、その中心部はむしろふくれている。棘上窩も棘下窩もほぼその前面から同名の筋(棘上筋と棘下筋)が起こる。)
- 162_04【Superior angle of scapula上角;内側角(肩甲骨の) Angulus superior scapulae; Angulus cranialis; Angulus medialis】 Superomedial angle of the scapula.
→(肩甲骨の三角形の三つの頂角のうち内側上方のものが上角である。)
- 162_05【Supraglenoid tubercle関節上結節;関節上粗面 Tuberculum supraglenoidale; Tuberculum supraarticularis】 Small tubercle above the margin of the glenoid cavity for the origin of the long head of the biceps brachii muscle.
→(関節窩のすぐ上方に小さな関節上結節(上腕二頭筋長頭が起こる)がある。)
- 162_06【Coracoid process of scapula烏口突起 Processus coracoideus】 Hooked process that projects anteriorly from the superior border of the scapula just lateral to the suprascapular notch. Attachment site of the pectoralis minor muscle and origin of the short head of the biceps brachii and coracobrachialis muscles.
→(肩甲切痕と関節窩の間には、烏の嘴のように折れ曲がった烏口突起が前外側方に突出している。烏口突起は烏口腕筋と上腕二頭筋(の短頭)が起こり、また小胸筋が付くための突起である。Koraxというギリシャ語は烏(または烏の嘴ように曲がったもの-ドアの把手など)を意味する。)
- 162_07【Glenoid cavity of scapula関節窩(肩甲骨の) Cavitas glenoidalis scapulae】 Articular fossa forming part of the shoulder joint.
→(肩甲骨の外側角は先がそぎ取られたようになっており、ここに上腕骨と関節する大きな関節窩が西洋ナシの輪郭をした浅いくぼみを作っている。)
- 162_08【Infraglenoid tubercle関節下結節;関節下粗面 Tuberculum infraglenoidale; Tuberositas infraarticularis】 Small tubercle below the glenoid cavity for the origin of the long head of the triceps brachii muscle.
→(肩甲骨関節窩の下方に粗な関節下結節(上腕三頭筋長頭が起こる)がある。)
- 162_09【Lateral border of scapula; Lateral margin of scapua外側縁;腋窩縁(肩甲骨の) Margo lateralis; Margo axillaris (Scapula)】 Border of the scapula facing the humerus.
→(肩甲骨の外側縁は腋窩に向かい、外上方から内下方へ斜めに走り、わずかにくぼむ(小円筋、大円筋が起こる)。)
- 162_10【Inferior angle of scapula下角(肩甲骨の);肩甲骨下角 Angulus inferior scapulae】 Lower angle of the scapula.
→(肩甲骨の三角形の三つの頂角のうち下方のものが下角である。)