703_00【Large intestine大腸 Intestinum crassum】 The large intestine is characterized by tenia, haustra, and omental appendices. It measures 1.5-1.8 m from the cecum to the anus. →(大腸は消化管の一部で、回盲弁から肛門までの部分。大腸は回腸につづき、右腸骨窩から上行し、逆U字状に走る腸管。その長さは、日本人では平均男性161cm、女性158cmである。大腸は盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、直腸からなる。小腸と大腸(結腸)と比較してみると、①小腸と十二指腸以外は可動性であるが大腸は横行結腸のみが可動性ある。②大腸は小腸に比して太い。③小腸の縦走筋は腸管の全週に一様に走行しているが、大腸では虫垂以外で3本の結腸ヒモの部分に集まり、他の部分では縦走筋の発達は悪い。④大腸には結腸隆起がある。⑤腹膜垂がある。⑥結腸には輪状ヒダや絨毛がない。小腸で消化、吸収を受けた食塊は、半流動状体で回腸から盲腸に入ってくるが、結腸を通過する間に、電解質と水が吸収されるとともに、粘膜から分泌された粘液が混じり糞便になる。通常、糞便はS状結腸-直腸境界部より口側に貯えられている。大腸は、盲腸から肛門によって体表に開口する肛門管までをいう。)
703_01【Caecum; Cecum盲腸 Caecum; Cecum; Intestinum caecum】 Initial segment (ca.7 cm) of the large intestine below the opening of the ileum. →(大腸の起始部で回盲弁の高さから下方へ膨隆した深さ6cm、幅7cmの盲嚢で右腸骨窩に位置する。その外表は腹膜で完全に(ときに不完全に)おおわれており、わずかに可動性である。壁は大腸中、最も薄く、ガスの充満によって膨大しやすい。結腸ヒモは前、後、左側面にみられる。下端後左方から虫垂が突出している。回腸が盲腸へ開口する部位、回盲口は、盲腸と上行結腸の境でその左後壁に位置する。この開口部には上唇と下唇からなる回盲弁があり、内容の逆流を不正でいる。上唇と下唇はおのおのの両端が互いに合して盲腸内面に輪状に走る回盲弁小帯という提状の高まりをつくっている。盲腸と虫垂は派生学的に中腸の遠位側半部に生じる小さな膨出、すなわち盲腸芽(網腸憩室)から生じる。網腸憩室の近位部は太く盲腸となり、先端部は発達が悪く細く管状の虫垂になる。盲腸は始め上方にあるが、結腸の近位部が成長とともに長く伸びるので、盲腸も下行する。)
703_02【Ascending colon上行結腸 Colon ascendens】 Part of the colon that ascends retroperitoneally on the right side of the body. →(上行結腸は右腸骨窩において第5腰椎の高さで盲腸上端からおこり、上行して肝臓の右葉下面にある、右結腸曲までの15~20cmの結腸。前面と側面は腹膜でおおわれて腸間膜はない。)
703_03【Ileum回腸 Ileum; Intestinum ileum】 Terminal segment of the small intestine, about 3.5 m long. →(回腸は腸間膜小腸の肛門側の5分の3で、空腸との境界は明確ではない。直径約2.5cmの可動性の管で、回盲弁を介して大腸の始まりの部分出る盲腸に続く。回盲弁は回腸から盲腸への内容物の流れを調節している。空腸に比してやや白色味を帯びる。回盲部から約60cmの口腔側に高さ約5cmの円錐状ないし円筒状の突出物が2%の頻度でみわれる。これは、胎生期における卵黄管の遺残物でメッケル回腸憩室という。腸絨毛は空腸に四角して少なく2500個/cm2で回腸の吸収上皮の表面積は5.3m2である。回腸には20~30個の集合リンパ小節がある。これをパイエル板といい、その表面には絨毛を欠く。)
703_04【Appendix; Vermiform appendix虫垂 Appendix vermiformis; Processus vermiformis】 Cecum appendage that is usually 9 cm long and contains abundant lymphatic tissue. →(虫垂は、盲腸の内側下部からでて、盲端に終わる細長い腸であるが、長さ6~15cm、直径は6~10mmである。虫垂は腹膜に包まれる。腹膜は三角形を呈する腹膜ヒダ、すなわち虫垂間膜をつくり、回腸末端部の腸間膜の腹膜後葉に連なる。その起始部を体表へ投射した点がいわゆるマクバーネー点(MacBurney's point)(上前腸骨棘と臍を結ぶ線上で外側3分の1の点)である。虫垂の起始部、虫垂口は盲腸の三つの結腸ヒモが集まっておわる部位であるから、手術時に結腸ヒモに沿って下行すれば容易に虫垂に達することができる。虫垂の位置は盲腸の後方へあるもの74%、内下方へ向かうもの21%である。その形状や大きさは、個人によって著しく異なる。虫垂の内腔は狭く、しばしば老廃物等によって完全に閉鎖されていることがある。虫垂は、粘膜、粘膜下組織、筋層、漿膜によって構成されているが、粘膜固有層から粘膜下組織にかけて、リンパ小節が異常によく発達していることを特徴とする。)
703_05【Frenulum of ileal orifice; Frenulum of ileocecal valve回盲弁小帯;回腸口小帯;結腸弁小帯 Frenulum ostii ilealis; Frenula valvulae coli; Frenulum valvae ileocaocalis】 Fold formed by the union of the upper and lower borders of the ileal orifice. →(回盲弁の二唇が合うところから、両側にのびるヒダ。)
703_06【Orifice of vermiform appendix虫垂口 Ostium appendicis vermiformis】 Opening of the vermiform appendix into the cecum. →(虫垂口は虫垂が盲腸へ開く口。)
703_07【Valve of vermiform process虫垂弁;虫垂突起弁 Valvula processus vermiformis】 →()
703_08【Semilunar folds of colon結腸半月ヒダ;半月ヒダ Plicae semilunares coli】 Crescent-shaped folds between two haustra that are composed of all intestinal wall layers and are produced by contractions. →(結腸半月ヒダは結腸膨起間にある、腸壁全層からできている半月状の収縮ヒダ。)