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- 784_00【Seminal gland; Seminal vesicle精嚢;精嚢腺 Glandula vesiculosa; Glandula seminalis; Vesicula seminalis】 Thinwalled coiled tube about 5 cm in length.
→(精嚢は、精管膨大部のすぐ下方で、精管から外上方に膨出する嚢状性器官である。精嚢は膀胱底の後壁と直腸との間で、精管膨大部の外側にあり、長さ約3cm・重さ約2g、小指頭大である。精嚢の発達は男性ホルモン依存性で、思春期においてホルモン活性が高くなるとともに発達する。長い間精子を貯蔵すると考えられてきたが、正常には精子を貯えていない。老齢でホルモン産生が減退すると、精嚢は萎縮する。精嚢は腺で、導管は前立腺のすぐ上方で精管に合流する。)
- 784_00a【Prostate; Prostate gland; Prostatic glands前立腺 Prostata】 Chestnut-sized tubuloalveolar gland below the urinary bladder and having a smooth surface. It surrounds the urethra.
→(前立腺は膀胱底の下に密接し、骨盤底の上にのる30~50個の胞状管状腺である。男性の尿道起始部を取り囲んで栗の実に似た形をしている。強靱な結合組織の被膜に被われる。外周に近い部部分は色がやや暗く見え(いわゆる外腺exogland)、中心部は白っぽい(いわゆる内腺endogland)。Prostataはpro(前に)stata(立つもの)という意味である。古代ギリシャでは永来ヒトの前に立って護衛する人をprostatesといったそうである。前立腺を初めて記載し、prostatesと名付けたのは、アレキサンドリア学派のエラシストラトスErasistratus(BC310-250)である。前立腺が膀胱の前に立ってこれを守っていると考えたのだろう。日本では、以前には摂護腺と呼ばれていたが、ギリシャ語の直訳の前立腺が現在では正規の用語になっている。)
- 784_01【Ductus deferens; Deferent duct精管 Ductus deferens; Vas deferens】 The course of the ca. 50 cm long ductus deferens is initially tortuous, then becomes straight. It is a continuation of the duct of epididymis, opening into the urethra.
→(精巣上体からはじまる精巣の分泌管で、精巣上体尾につづく精子を送る通路。精索中にある。全長約30cm(延ばせばその2倍)、膀胱底で紡錘状に膨れ、精管膨大部といい、内部に膨大部憩室を含む。膨大部の下端で、精嚢が精嚢排出管を経て合流し、これより遠位では精管は射精管と呼ばれ、尿道前立腺部後壁にある精丘の上で、尿道に開く。)
- 784_02【Ampulla of ductus deferens精管膨大部 Ampulla ductus deferentis】 Longitudinal expansion at the fundus of bladder.
→(膀胱の後側で、精管は紡錘状に膨らみ、精管膨大部といわれる。)
- 784_03【Body of seminal gland精嚢体 Corpus vesiculae seminalis】
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- 784_04【Male urethra男性尿道 Urethra masculina】
→(男の尿道は長さ約15~20cmである。膀胱頚の内尿道口に始まり、前立腺内を走り、尿道生殖隔膜を貫通し、陰茎の体を通って亀頭の前端で外尿道口に開く。尿道は走行によって、前立腺部・隔膜部・海綿体部の3部に分けられる。まず前立腺を貫通し、これを尿道の前立腺部という。後(背)壁中央には尿道稜があり、膀胱垂の連続する縦の隆起である。尿同僚の中央部は紡錘状にふくらみ、これを精丘という。精丘には前立腺小室が盲嚢として開く。これは胎生期のMueller管の名ごりで、男性子宮または男性腟ともいう。前立腺小室の両側に射精管が開口し、これより先の尿道は尿路と精液の通路を兼ねる。精丘両側のへこみが前立腺洞で、多くの前立腺管が開口する。つづいて尿道は尿生殖隔膜を貫く。これが隔膜部で、約1cm長。さらに外尿道口までが海綿体部で、12~14cm長。亀頭内の部分が膨大し、ここを尿道腺窩という。その後端上壁に舟状窩弁とよばれるヒダがある。海綿体部の粘膜には陥凹が多数みられ、尿道腺(リットレ腺)が開口する。)
- 784_05【Right lobe of prostate右葉(前立腺の) Lobus dexter (Prostata)】
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- 784_06【Diverticula of ampulla of ductus deferens膨大部憩室(精管の) Diverticula ampullae ductus deferentis】 Lateral outpouchings within the ampulla of ductus deferens.
→(精管の膨大部憩室は射精管への精管の末端近くの膨大部にできた不規則な憩室)
- 784_07【Excretory duct of seminal gland排出管(精嚢腺の) Ductus excretorius (Glandula vesiculosae)】 Duct that opens into the ductus deferens.
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- 784_08【Ejaculatory duct射精管 Ductus ejaculatorius】 Last segment of the ductus deferens, located within the prostate, narrowing similarly to a nozzle.
→(射精管は前立腺内にある、狭いノズル様精管最終部。射精は性行為時などにおける性的興奮が増すにしたがい陰茎亀頭の外尿道口の部分がぬれてくるが、これは尿道球腺の分泌活動が高まったことによる。さらに陰茎亀頭への摩擦刺激、あるいはその他の性的刺激が加重されると今度は交感神経系の活動が起こり、両側の精巣上体管、精管、精嚢、さらには前立腺における交感神経支配下の滑液筋線維群の収縮をまねいて精巣が精嚢および前立腺分泌物とともに尿道前前立腺部へと排出される。次に球海綿体筋のリズミックな収縮が起き、このため尿道は狭められ排出液が球尿道腺やや海綿体部尿道腺からの分泌物と混ざった上体で外尿道口より射出される。そのとき膀胱括約筋は収縮し、精子が膀胱内に流れ込むのを防ぐ。体外に射出された、精子と性器付属腺分泌物との混合液を精液semenと称する。射精は中枢神経内での大きな神経活動を伴う。脊髄まで下行した深頚興奮は胸腰髄節(T1~L2)の交感神経節前ニューロンを刺激する。性器へと向かう交感神経節後ニューロンの軸索突起の多くは第1~2腰部交感神経節内の細胞体より発するものであるが、これよりも下位の交感神経節より発するものもある。これら軸索突起は下下腹神経叢を経由して精管、精嚢、前立腺などへ向かうのである。)
- 784_09【Isthmus of prostate; Commissure of prostate峡部;前立腺峡;前立腺交連(前立腺の) Isthmus prostatae; Commissura prostatae】 Anterior connection between the two anteromedial lobules composed of connective tissue and muscle. Glandular elements are seldom present.
→(前立腺の峡部は尿道の前にある部で、左右の葉を結ぶ中間部で、主として線維性結合組織と平滑筋とからなり、腺組織はすくない。)
- 784_10【Base of prostate前立腺底;膀胱面(前立腺の) Basis prostatae】 Part of the gland that is fused with the fundus of bladder.
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- 784_11【Left lobe of prostate左葉(前立腺の) Lobus sinister (Prostata)】
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