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- 827_00【Vertebral canal脊柱管 Canalis vertebralis】
→(脊柱管は椎孔が上下に重なり合って出来ている管で、脊髄を入れる。 上は後頭骨の大後頭孔から、下は仙骨の仙骨裂孔までをいい、長さ訳70cmで、中に、脊髄、脊髄膜、脊髄神経根、馬尾等を含む。脊柱管の外側面には椎間孔が左右に存在し、そこから脊髄神経、椎骨動脈、肋間動脈、腰動脈、腸腰動脈、外側仙骨動脈及びそれらと同名の静脈等が出入りする。)
- 827_00a【Spinal cord脊髄 Medulla spinalis】 It extends from the end of the medulla oblongata near the exit of the first spinal nerve to the beginning of the terminal filum at L1 or L2.
→(脊髄は頚部(頚髄)、胸部(胸髄)、腰部(腰髄)、仙骨部または脊髄円錐(仙髄と尾髄)とからなり、それぞれ髄節に分かれ、それに対応して31対の脊髄神経が出る。頚髄では8対の頚神経、胸髄では12対の胸神経、腰仙髄では各々5対の腰神経と仙骨神経とが出る。尾髄からは通常1対の尾骨神経が出る。上肢および下肢支配の神経の出る頚髄下部と腰髄下部は発達が著しく、太くなっており、それぞれ頸膨大、腰部大とよばれる。脊髄下端は細くなり脊髄円錐となっておわる。その高さは成人では第1ないし第2腰椎の高さに相当する。新生児、幼児では低く第3腰椎の高さでおわっている。脊髄円錐の先はさらに細く糸状の終糸となって尾骨の背面に付着している。終糸に沿って走る脊髄神経の束はその形状から馬尾とよばれている。脊髄外側面でその腹側と背側の正中には(前)正中裂および(後)正中溝とよばれる溝があり、脊髄を左右の半分に分けている。前者は後者より深く、そこには前脊髄動脈が走っている。左右の脊髄半の外側面には腹側の前外側溝と背側の後外側溝の二つの溝がある。頚髄の高さの背側面は中心部の灰白質とその周辺の白質から成る。灰白質はそれぞれ前角(柱)、中間質(帯)、後角(柱)がある。灰白質の中央を貫いて中心管が通る。上方は第四脳室に開き、下方は脊髄炎水の所では拡大して終室となる。白質は前外側溝と後外側行と②より腹側の前索と外側の側索および背側の後索の3部分に分けられる。頚髄の高さで後索は後中間溝により内・外の薄束と楔状束とに分けられる。)
- 827_01【Spinal dura mater脊髄硬膜 Dura mater spinalis】 Hard membrane forming a protective covering around the spinal cord. It is separated from the wall of the vertebral canal by the epidural space.
→(脊髄硬膜は内外の2枚の膜からなる。外板はやや薄く、脊柱管をおおう骨膜となる。内板は厚く、狭義の脊髄硬膜に相当し、脊髄を包む長い円筒形の嚢を作る。これは上方は大後頭孔縁に付き、下方は脊髄円錐を越えてさらに馬尾を包みつつ下り、第2~3仙椎の高さで急に尖って終わる。なおその続きは終糸の下半分と癒着して細い索となり、尾骨に付く(脊髄硬膜糸)。椎間孔では硬膜は骨と癒着している。内板と外板の間は脂肪に富んだ結合組織、静脈叢などで満たされ、これを硬膜上腔という。内板とクモ膜との間にも内皮細胞で覆われた狭いリンパ腔隙があり、これは硬膜下腔と呼ばれる。)
- 827_02【Twelfth thoracic nerve; T12 spinal nerve; [T12]第12胸神経 Nervus thoracic XII; [T12]】
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- 827_02a【Thoracic nerves [T1-T12]胸神経[T1-T12] Nervi thoracici [T1-T12]】 The twelve thoracic spinal nerves that emerge below T1-T12, respectively.
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- 827_03【Transverse process of L1 vertebra横突起(第1腰椎の) Processus transversus (Vertebra lumbalis I)】
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- 827_03a【Transverse process of vertebra横突起(椎骨の) Processus transversus vertebrae】
→(横突起は外側に向かって突出する1対の突起である。横突起と棘突起は主として多数の背筋の起着点となる。)
- 827_04【Conus medullaris; Medullary cone脊髄円錐 Conus medullaris】 Conical end of the spinal cord that tapers off into the terminal filum at the level of L1 or L2.
→(脊髄円錐は第一または第二腰椎の高さで、先が尖って終わる脊髄の端、終糸へと移行する。)
- 827_05【Posterior branch of 1st lumbar nerve; Dorsal branch of 1st lumbar nerve後枝(第1腰神経の) Ramus posterior; Ramus dorsalis (Nervus lumbalis I)】
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- 827_05a【Posterior ramus of spinal nerve; Dorsal ramus of spinal nerve; Dorsal branch of spinal nerve後枝;背側枝(脊髄神経の) Ramus posterior nervus spinalis】 Smaller branch that supplies the skin of the back and the autochthonous back musculature.
→(脊髄神経の細い枝。背部の皮膚および固有背筋群へ分布。 (Feneis))
- 827_06【Anterior branch; Ventral branch of 1st lumbar nerve前枝;腹側枝(第1腰神経の) Ramus anterior; Ramus ventralis (Nervus lumbalium I)】
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- 827_06a【Anterior ramus of spinal nerve; Ventral ramus of spinal nerve前枝;腹側枝(脊髄神経の) Ramus anterior nervus spinalis】 Larger anterior branch of a spinal nerve, which ca. form a plexus with adjacent fibers. In the thoracic region it supplies branches to the intercostal nerves.
→(脊髄神経の太い枝。周囲のものと合し大きい神経叢をつくる。胸郭では肋間神経となる。 (Feneis))
- 827_07【Third lumbar nerve; L3 spinal nerve; [L3]第3腰神経 Nervus lumbalis III; [L3]】
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- 827_07a【Lumbar nerves [L1-L5]腰神経[L1-L5] Nervi lumbales [L1-L5]】 The five lumbar spinal nerves that emerge below the respective lumbar vertebrae.
→(腰神経は脊髄腰部の両側から対をなして出る5本の神経。)
- 827_08【Cauda equina馬尾 Cauda equina】 Mass of nerves that is formed by all spinal nerve roots from L1 or L2 downward and the terminal filum.
→(caudaは、「尾」を意味するラテン語であり、equinaは、「馬」を意味するラテン語equusの形容詞である。 第一または第二腰椎より下方へ向かう脊髄神経根線維のすべてで、終止の周囲をとりまいている腰仙骨神経根をひとまとめにして馬尾と呼ぶ。)
- 827_09【Intertransversarii laterales lumborum muscle; Lateral intertransversarius muscle; Lateral lumbar intertransverse muscle腰外側横突間筋 Musculi intertransversarii laterales lumborum】 Muscle that consists of two parts and is innervated by the anterior rami of the spinal nerves.
→(腰外側横突間筋は、2つの連結する腰椎の肋間突起間腹側部と副突起・肋骨突起間の背側部とに、二分割される。最下位に存在する筋は、第5腰椎の肋骨突起と腸骨粗面をむすぶ。)
- 827_10【Spinal arachnoid mater; Arachnoid of spinal cord脊髄クモ膜 Arachnoidea mater spinalis; Arachnoidea spinalis】 Thin, avascular membrane attached to the spinal dura mater by surface adhesion. Its connective-tissue fibers extend to the pia mater.
→(脊髄クモ膜は脊髄と硬膜と軟膜の間にある血管を含まない薄膜で、内皮細胞でおおわれた多数の細い結合組織線維の小梁によって軟膜と結合されている。特に頚部から胸部にかけてこれらの小梁が背側正中部で多く、強くなり、上下に続いた中隔を作る。これを中間頚部中隔という。クモ膜と軟膜との間には比較的広いクモ膜下腔があり、ここには脳脊髄液がある。脳クモ膜にみられるような槽を作らない。脊髄クモ膜下腔は臨床的に腰椎穿刺に利用される。穿刺は脊髄損傷を避けるために脊髄円錐より下方(第3,4腰椎間)で行う。その際に高さの基準としてヤコビの線Jacoby's lineが選ばれる。ヤコビの線は左右の腸骨稜の最高点を結ぶ線で、およそ第4腰椎の棘突起の高さに相当する。)
- 827_11【Spinal ganglion of 5th lumbar nerve; Fifth lumbar spinal ganglion脊髄神経節(第5腰神経の) Ganglion sensorium nervi spinalis; Ganglion spinale (Nervus lumbalis V)】
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- 827_11a【Spinal ganglion; Spinal sensory ganglion; Dorsal root ganglion脊髄神経節;感覚性脊髄神経節 Ganglion sensorium nervi spinalis; Ganglion spinale】 The ganglion belonging to the dorsal root.
→(脊髄神経の後根に存在する神経細胞体の集団を脊髄神経節(時に後根神経節と別称)という。これらの神経細胞体は知覚性ニューロンの物であり、その樹状突起は線維状を呈して長く、皮膚・筋・腱・関節包・内臓などに分布する。また細胞体から中枢側に向かう神経突起は後根内を走り脊髄に入る。)
- 827_12【Sacrum [Sacral vertebrae I-V]仙骨;仙椎[1-5] Os sacrum [Vertebrae sacrales I-V]】
→(はじめ分離していた第一から第五までの仙椎は、成人すると癒合して一個の仙骨となり、骨盤の後壁を作る。仙骨では、元来仙椎に存在していた棘突起は正中仙骨稜となり、関節突起は中間仙骨稜となり、横突起は外側仙骨稜となる。さらに最外側部に外側部という部分があり、そこに肋骨遺残物が含まれている。なお本来各椎骨間に左右おのおの一個ずつであるべき椎間孔が、それぞれ前仙骨孔と後仙骨孔とに二分されるので、片側で8個の仙骨孔となり、それぞれ脊髄神経の前枝と後枝とを通過させるのも大きい特徴である。外側の耳状面は腸骨の耳状面と関節する。仙骨底(上方にあっても底という)の前方に強く突出した辺縁部を岬角という名称は側頭骨の中耳(鼓室)の内側壁にもあるから注意のこと。4本の横線は5個の仙椎の癒着部を示している。)
- 827_13【Dorsal branch of 1st sacral nerve後枝;背側枝(第1仙骨神経の) Ramus posterior; Ramus dorsalis (Nervus sacralis I)】
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- 827_14【Anterior branch of second sacral nerve; Ventral branch of second sacral nerve前枝;腹側枝(第2仙骨神経の) Ramus anterior; Ramus ventralis (Nervus sacralis II)】
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- 827_15【Sacral canal仙骨管 Canalis sacralis】 Inferior end of the vertebral canal.
→(脊柱管の下端に相当する。)
- 827_16【Dural terminal filament脊髄硬膜糸 Filum durae matris spinalis】
→( 最外層の強靱な線維性被膜で、外板と内板との2葉からなる。 外板は脊柱管の内面を被う骨膜で、内板が真の硬膜である。外板と内板との間にある間隙は硬膜上腔といわれ、脂肪組織で満たされ、ここに静脈叢(内椎骨静脈叢)がある。 内板、すなわち硬膜は全体として長い円筒状の嚢のように脊髄を包む。脊髄神経が脊柱管を去るところでは、神経を鞘状に包み、その神経上膜に連なる。硬膜は、上方では大後頭孔を経て脳の硬膜に連なり、下方では第2仙椎下縁の高さで終わる。硬膜は下端から下方では細い索状の脊髄硬膜糸となり、尾骨に付いている。(解剖学講義))
- 827_17【Fifth sacral nerve; S5 spinal nerve; [S5]第5仙骨神経 Nervus sacralis V; [S5]】
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- 827_18【Coccygeal nervel Coccygeus nerve尾骨神経 Nervus coccygeus】 Last spinal nerve. It emerges between the coccyx and sacrum and communicates with the fourth and fifth sacral spinal nerves.
→(最後の脊髄神経。尾骨と仙骨の間をでて、第四第五仙骨神経と連絡する。 (Feneis))
- 827_18a【Sacral nerves and coccygeal nerve [S1-S5, Co]仙骨神経・尾骨神経[S1-S5, Co] Nervi sacralese et nervus coccygeus [S1-S5 Co]】 The five sacral spinal nerves and the one coccygeal spinal nerve.
→(仙骨神経は5対あって、それぞれ、前枝と後枝とに分かれる。はじめの3本は仙骨神経叢に、次の2本は尾骨神経叢に入る。)
- 827_19【Coccyx [Coccygeal vertebrae I-IV]尾骨;第1尾椎-第5尾椎 Os coccygis; Coccyx [Vertebrae coccygeae I-IV]】 The coccyx usually consists of four rudimentary vertebrae.
→(尾骨はヒトの脊柱の末端にある小骨。退化した3~5個の尾椎が融合してできた骨。第一尾椎に相当する部分には椎骨としての特徴がみられ、短い横突起が左右に突起している。また、横突起の基部から上関節突起か後上方に突出し、尾骨角をつくっている。第二尾椎以下の部分は椎体に相当する部分が痕跡的に連なっているにすぎない。胎児期には9個の尾椎の原基が存在するが、胎児の成長と共に下方のものから次第に退化し、結局上方の3~5個の尾椎だけが残るので、尾椎の数には個人差がある。尾椎の癒合したものを尾骨という。第一尾椎の横突起を除き、その他の突起はすべてほとんど退化する。各尾椎間のみならず、仙骨と尾骨との間にも癒合が見られることがある。第一尾椎の下から第一尾神経が出るが、それより下位の脊髄神経はない。)