047_01【Lacrimal bone涙骨 Os lacrimale】 Bone located in the orbit in front of the orbital plate of the ethmoid. →(涙骨は左右1対の不正長方形の薄い骨で、上顎骨の前頭突起後方の眼窩の内壁の一部をなす。これに続く鼻涙管の骨壁の一部もつくる。この骨も結合組織性骨化によって生ずる。涙骨の全体の形は手指の爪に似ているが、厚さは爪よりも薄い。下鼻甲介、篩骨、前頭骨、上顎骨と連結する。外面は眼窩に向かい、中央を縦走する稜縁の前方にある溝状のくぼみが涙嚢窩の構成に加わる部分である。外側面は眼窩の内側壁の前部を形成し、内側面は鼻腔(中鼻道)の外側壁の一部を作る。上縁は前頭骨眼窩部と、下縁は上顎骨眼窩面と、前縁は上顎骨前頭突起と、後縁は篩骨眼窩板とそれぞれ接している。外側面の前半部には縦に走る涙骨溝があり、これは上顎骨の前頭突起の同名溝と合して涙嚢窩を形成する。涙嚢孔の後方の境界を後涙嚢稜といい、下方へ延びて涙嚢鈎となり、上顎骨前頭突起の涙嚢溝および下鼻甲介の涙骨突起とともに鼻涙管壁の一部を形成する。Lacrimaleはlacrima(涙)の形容詞である。)
047_02【Posterior lacrimal crest後涙嚢稜 Crista lacrimalis posterior】 Vertical posterior bounding bone at the entrance to the nasolacrimal canal. →(涙骨の外側面は眼窩に向かう面である。涙嚢溝との境界は後涙嚢稜となり眼輪筋涙嚢部が起こる所。)
047_03【Lacrimal groove in lacrimal bone涙嚢溝(涙骨の) Sulcus lacrimalis ossis lacrimalis】 Groovelike beginning of the nasolacrimal canal. →(涙骨の外側面の前半は縦に走る涙嚢溝として深く凹み、上顎骨前頭突起にある同名の溝と合して涙嚢窩となる。後半部は眼窩内側壁をつくる平坦な面である。)
047_04【Frontal process of maxilla前頭突起(上顎骨の) Processus frontalis (Maxilla)】 →(前頭突起は上顎体の上前内側隅から起こって上方に向かい、鼻骨と涙骨の間を前頭骨の鼻縁まで達する。細長く扁平で内外面、前後縁があるが、外側面は前後2部に分かれる。前縁は鼻骨に接する縁で薄く鋭い。後縁は涙骨前縁に接し、涙骨縁として上顎体鼻腔面まで延びて涙嚢溝の前縁をつくる。内側面の上部は篩骨迷路の前端部が着くやや粗な面で、しばしば篩骨蜂巣の一部に対応する陥凹がある。この部の下界で、眼窩面の高さをほぼ水平に不明瞭な篩骨稜が走るが、これは中鼻甲介の前端部が着くところである。外側面は眼窩下縁につづく前涙嚢稜により前後2部に分かれる。前の部は鼻背の一部(眼輪筋眼窩部、上唇鼻翼挙筋が起こる)をつくる。後部は縦にくぼんだ涙嚢溝となり、その上部は涙骨の同名の溝と合して涙嚢窩をつくり、下部は上顎体の内面の涙嚢溝につづく。前涙嚢稜の下端が上顎体の眼窩面に移る所にある半月上の涙嚢切痕の外側部は涙骨鈎のつく所である。)
047_05【Fossa for lacrimal sac涙嚢窩 Fossa sacci lacrimalis】 Widened depression at the beginning of the nasolacrimal canal for the lacrimal sac. →(眼窩の内側壁の前端部には浅い溝状の凹みがある。この窩みは涙嚢窩といわれ、下方に向かって鼻涙管となり鼻腔に通じる。涙嚢窩と鼻涙管は、それぞれ涙嚢と鼻涙管をいれる。)
047_06【Lacrimal hamulus涙骨鈎 Hamulus lacrimalis】 Hooked process projecting anterolaterally at the entrance to the nasolacrimal canal. →(後涙嚢稜の下端は涙骨鈎となって前方に突出し、上顎骨の涙嚢切痕の後縁に結合して鼻涙管の上端部をつくり、前半部は少し下方に延長して上顎骨の涙嚢溝をふさぎ、下端は下鼻甲介の涙骨突起と接合して鼻涙管壁の一部をつくる。)