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- 057_00【Palatine bone口蓋骨 Os palatinum】 Bone that extends from the posterior border of the maxilla to the sphenoid.
→(口蓋骨は上顎骨の後方の不規則な形をしている。骨口蓋の後面と鼻腔外側壁の後部を作る有対性の薄い骨である。上顎骨と蝶形骨の間にはさまれたL字型の骨で、水平板と垂直板に区別される。水平板は上顎骨口蓋突起をうしろに延長して骨口蓋をつくる上部で、上面(鼻腔面)は滑らかで、他側のものと会する縁は上顎骨におけると同じく高まり(鼻稜)、さらにうしろに向かって突出する(後鼻棘)。下面(口蓋面)は粗面で、へこみ、前縁にときに高まり(口蓋稜)がみられ、外側縁後方に大口蓋孔がある。垂直板はうすく、前方は上顎骨体の内側に重なり、上顎洞の入口の一部を後下からおおう。うしろは蝶形骨翼状突起につくが、水平板に移行するところから後方に錐体突起が出て、翼状突起の外側板と内側板の間につくられるうしろに向かう凹み(翼突窩)の下縁にある翼突切痕に嵌入する。垂直板の内側面は鼻腔外側壁の後部をつくり、前後に走る上下二つの稜があり、上のもの(篩骨稜)には中鼻甲介後端がつき、下のもの(鼻甲介稜)は発達よく、下鼻甲介をつける垂直板の上縁は深く切れ込むが(蝶口蓋切痕)、上方に蝶形骨体があるので孔(翼口蓋孔)となり、鼻腔と翼口蓋窩を連絡する。蝶口蓋切痕の前の突起(眼窩突起)はうしろの突起(蝶形骨突起)より大きく、上前方に向かって5面あり、内側の3面は他骨との接触面で、前は上顎骨、中のは篩骨(この部分は篩骨洞をおおうためへこむ)、うしろのは蝶形骨体につく。外側面に2面あり、ともに自由面で、上の面は眼窩底の一番後ろをつくり、下の面は翼口蓋窩に面する。蝶形骨突起は上内方に向かい、下面は内面で鼻腔外側壁をつくり、上(外)面は翼状突起につき、内方にのびて鋤骨翼に達し、これと静脈のとおる管(咽頭管)をかこむ。垂直板の外側面(上顎面)は上顎骨体内面をおおう部のうしろに、縦の前後の二つの粗面があり、前のは上顎骨内面に、うしろのは蝶形骨翼状突起につく。2面の間には蝶口蓋切痕から下る第3の面があって、上は翼口蓋窩の底をつくり、下方は垂直な溝(大口蓋溝)となり、上顎骨の同名溝と合して大口蓋管をつくり、大口蓋孔で口蓋にひらく。大口蓋神経、下行口蓋動脈が通る。この管から通常2本の小管(小口蓋管)が分かれて、錐体突起の基部をつらぬき、その下面下、内側に小孔(小口蓋孔)でひらく。)
- 057_01【Horizontal plate of palatine bone水平板;口蓋板;水平部(口蓋骨の) Lamina horizontalis; Lamina palatina; Pars horizontalis (Os palatinum)】 It forms the posterior third of the hard palate and thus the floor of the nasal cavity.
→(水平板は上顎骨口蓋突起をうしろに延長して骨口蓋をつくる上部で、上面(鼻腔面)は滑らかで、他側のものと会する縁は上顎骨におけると同じく高まり(鼻稜)、さらにうしろに向かって突出する(後鼻棘)。下面(口蓋面)は粗面で、へこみ、前縁にときに高まり(口蓋稜)がみられ、外側縁後方に大口蓋孔がある。)
- 057_02【Perpendicular plate of palatine bone垂直板;鉛直板;上顎板;鉛直部(口蓋骨の) Lamina perpendicularis; Lamina maxillaris; Pars perpendicularis (Os palatinum)】 Vertical bony plate contributing to the walls of the nasal and maxillary sinuses.
→(垂直板の内側面は鼻腔外側壁の後部をつくり、前後に走る上下二つの稜があり、上のもの(篩骨稜)には中鼻甲介後端がつき、下のもの(鼻甲介稜)は発達よく、下鼻甲介をつける垂直板の上縁は深く切れ込むが(蝶口蓋切痕)、上方に蝶形骨体があるので孔(翼口蓋孔)となり、鼻腔と翼口蓋窩を連絡する。蝶口蓋切痕の前の突起(眼窩突起)はうしろの突起(蝶形骨突起)より大きく、上前方に向かって5面あり、内側の3面は他骨との接触面で、前は上顎骨、中のは篩骨(この部分は篩骨洞をおおうためへこむ)、うしろのは蝶形骨体につく。外側面に2面あり、ともに自由面で、上の面は眼窩底の一番後ろをつくり、下の面は翼口蓋窩に面する。蝶形骨突起は上内方に向かい、下面は内面で鼻腔外側壁をつくり、上(外)面は翼状突起につき、内方にのびて鋤骨翼に達し、これと静脈のとおる管(咽頭管)をかこむ。垂直板の外側面(上顎面)は上顎骨体内面をおおう部のうしろに、縦の前後の二つの粗面があり、前のは上顎骨内面に、うしろのは蝶形骨翼状突起につく。2面の間には蝶口蓋切痕から下る第3の面があって、上は翼口蓋窩の底をつくり、下方は垂直な溝(大口蓋溝)となり、上顎骨の同名溝と合して大口蓋管をつくり、大口蓋孔で口蓋にひらく。大口蓋神経、下行口蓋動脈が通る。この管から通常2本の小管(小口蓋管)が分かれて、錐体突起の基部をつらぬき、その下面下、内側に小孔(小口蓋孔)でひらく。)
- 057_03【Orbital process of palatine bone眼窩突起(口蓋骨の) Processus orbitalis (Os palatinum)】 Anterosuperiorly projecting process located between the maxilla, ethmoid, and sphenoid.
→(垂直板の上縁では前部から眼窩突起が上方に起こる。)
- 057_04【Sphenopalatine notch蝶口蓋切痕;翼口蓋切痕 Incisura sphenopalatina; Incisura pterygopalatina】 Semi-oval notch between the orbital process and the sphenoidal process of the perpendicular plate of the palatine bone.
→(眼窩突起と蝶形骨突起の間に蝶口蓋切痕がある。)
- 057_05【Sphenoidal process of palatine bone蝶形骨突起(口蓋骨の) Processus sphenoidalis (Os palatinum)】 Process behind the sphenopalatine notch that borders with the body and the vaginal process of the sphenoid.
→(垂直板の後部から蝶形骨突起が上方に起こる。)
- 057_06【Conchal crest of palatine bone鼻甲介稜(口蓋骨の) Crista conchalis (Os palatinum)】 Ridge providing attachment for the posterior end of the inferior nasal concha.
→(口蓋骨の内側面すなわち鼻腔面は平滑で、前後に走る2条の稜がある。下方のものを稜を鼻甲介稜(下鼻甲介上縁が着く)という。)
- 057_07【Nasal crest of palatine鼻稜(口蓋骨の) Crista nasalis horizontalis (Os palatinum)】 Median bony ridge along the union with the opposing palatine bone.
→(左右の口蓋骨水平板の内側縁の上の縁は上方(鼻腔側)に突出して鼻稜となる。)
- 057_08【Nasal surface鼻腔面 Facies nasalis laminae horizontalis ossis】 Surface of the horizontal plate that faces the nose.
→(水平板の上面はすなわち鼻腔面は滑らかで中央がやや陥凹する。)
- 057_09【Posterior nasal spine of palatine bone後鼻棘(口蓋骨の) Spina nasalis posterior (Laminae horizontalis ossis palatini)】 Posteromedian tip of the nasal crest.
→(水平板の内側縁の後端は棘状に後方へ突出して後鼻棘となる。)
- 057_10【Pterygoid fossa翼突窩 Fossa pterygoidea】 Depression between the lateral and medial plates of the pterygoid process for the medial pterygoid muscle.
→(翼状突起の内側板、外側板は後方に開いた翼突窩をつくる。ここから内側翼突筋が起始する。)
- 057_11【Greater palatine groove大口蓋溝;翼口蓋溝 Sulcus palatinus major; Sulcus pterygopalatinus; Incisura pterygopalatina】 Channel that unites with the greater palatine groove of the maxilla to form the greater palatine canal, which lodges the greater palatine nerve and the descending palatine artery.
→(口蓋骨の外側の上顎面は大部分、上顎体に着く粗面で、後上方から前下方に走る大口蓋溝がある。これは上顎骨の同名の溝と合して大口蓋管をつくる。)
- 057_12【Pyramidal process of palatine bone錐体突起(口蓋骨の) Processus pyramidalis (Os palatinum)】 The inferoposterior end of the perpendicular plate of the palatine bone, which is inserted in the pterygoid notch.
→(垂直板の下部は水平板より矢状径が広くなり、水平板より後に大きく突出する錐体突起となって蝶形骨翼状突起の翼突切痕にはまる。)