083_00【Calvaria頭蓋冠 Calvaria】 Skull cap, which is curved longitudinally and transversely. It is formed by the squamous parts of the frontal and parietal bones together with the upper portion of the squamous part of the occipital bone. →(頭蓋冠は頭蓋上部を円盤状におおっている部分をいう。全体が結合組織性骨より発生する。頭蓋冠の外面は強い頭蓋骨膜に被われている。頭頂骨、前頭鱗、側頭骨鱗部および後頭鱗からなる。これらの骨は扁平骨で、緻密質からなる外板と内板があり、両者の間には海綿質からなる板間層がある。板間層には静脈間を含んだ板間管があり、外板または内板に開口する。頭蓋冠の平面は平坦で顕著な凸凹は認められず、上面観は卵円形を呈する。前頭骨および頭頂骨の軽度の膨隆を、それぞれ前頭結節および頭頂結節という。側面には上側頭線および下側頭線が認められる。頭蓋冠の前部を前頭、中部を頭頂、後部を後頭という。また両側面で下側頭線より下方の部分を側頭という。底面下面を外頭蓋底という。頭蓋冠の内面に凸凹が多く、脳回による指圧痕、脳溝による脳隆起、中硬膜動・静脈による動・静脈溝がある。また内面には脳硬膜静脈洞によって形成された上矢状洞溝および横洞溝がある。Calvariaはcalvus(はげている)という形容詞に由来する。これ自身が単数形であって、複数形はcalvariaeとなる。)
083_01【Squamous part of occipital bone後頭鱗(後頭骨の) Squama occipitalis】 The part that is posterior to the foramen magnum. →(後頭鱗は大後頭孔の後方にある広い扁平な骨部で、頭蓋冠の後頭の部分と頭蓋底の後部を作る。その縁は不正三角形の広大な鱗状部である。その鋸歯状で大部分はラムダ縫合をもって頭頂骨と接するが、下方では側頭骨とも接する。後頭骨はその大半が軟骨性骨化によって生ずるが、後頭鱗のうち下項線から上方の部分だけは線維性骨窩によって生ずる膜性骨である。しかも後者は数個との骨化中心から出来るので、それら相互の癒合の様子次第で小さい2~4個の、または大きい1個の頭頂間骨(インカ骨)が独立する変異が生ずる。)
083_02【Sagittal suture矢状縫合 Sutura sagittalis】 Suture that joins the right and left parietal bones in the midline. →(矢状縫合は頭蓋冠正中線で左右の頭頂骨を結ぶ。)
083_03【Lambdoid sutureラムダ状縫合;ラムダ縫合;人字縫合 Sutura lambdoidea】 Suture that unites the occipital bone with the two parietal bones. →(後頭骨と左右頭頂骨の間の縫合。ギリシャ文字のラムダ(λ)の形から命名された。矢状縫合がぶつかる点をラムダlambdaといい、胎生期に小泉門があった場所である。(イラスト解剖学))
083_04【Parietal bone頭頂骨 Os parietale】 Bone located between the occipital, frontal, sphenoidal, and temporal bones. →(頭頂骨は正中線で合して頭頂をつくる1対の頭蓋冠の大部分を形成するほぼ四角形の扁平骨で、4縁、4角、2面を有する。4縁のうち後方で後頭鱗接する部分を後頭縁といい人字縫合をなし、下方で側頭鱗に接する部分を鱗縁といい輪状縫合をなす。4角のうち後上角の後頭角は鈍角、後下角の乳突角は鋭角、前上角の前頭角はほぼ直角、前下角の蝶形骨角は鋭角をなす。外面は頭頂面ともよばれ凸面をなし、中央部でとくに膨隆した部分を頭頂結節という。頭頂結節は胎児および若年頭蓋で著明である。また左右両側の頭頂結節間の距離が頭蓋の幅の最も広いところ、すなわち最大脳頭蓋幅径として知られている。頭頂結節の下方に上下2本の弓状の線が認められるが、上の線を上側頭線といい側頭筋膜の着く所である。下の線を下側頭線といい側頭筋の着くところである。矢状縫合の後方部に頭頂孔という小孔があり、ここを頭頂導出静脈が通る。内面は大脳面ともよばれ凹面をなし、指圧痕、脳隆起、動脈溝などが認められ、骨の上縁に沿って幅の広い矢状溝があり、他側の頭頂骨の同名溝と合して完全な上矢状洞溝となる。この近くには多数の小窩があり、クモ膜顆粒をいれる。また乳突角の部分にはS状洞溝の上部の一部が認められる。)
083_05【Arterial grooves動脈溝 Sulci arteriosi】 Bones that are occasionally found interposed in cranial sutures. →(頭蓋内壁にある動脈をいれる溝。)
083_06【Squamous part of frontal bone前頭鱗(前頭骨の) Squama frontalis】 →(前頭骨の前頭鱗は額の骨格をつくり、殆ど垂直に立つ鱗状の部で、その外面はふくれ高まり、内面はくぼむ。これに外面、側頭面および内面の3面がある。)
083_07【Groove for superior sagittal sinus上矢状洞溝;矢状溝(前頭骨の) Sulcus sinus sagittalis superioris】 Prolongation of the frontal crest for the passage of the superior sagittal sinus. →(前頭骨の正中線にある上矢状洞溝は頭頂骨間を走る同名の溝のつづきで、下方に至るにしたがって狭少となる。上矢状静脈洞をいれる。)