111_00【Palate口蓋 Palatum】 Partition dividing the oral and nasal cavities. →(口蓋は固有口腔の天井をなし、また哺乳類やワニでは、鼻腔と口腔を完全に分離する。前方2/3は、上顎骨の口蓋突起と口蓋骨の水平板、およびそれをおおう骨膜、粘膜からなり、硬口蓋とよばれ、後方1/3は内部に骨を含まず、主として筋肉性で軟口蓋とよばれる。軟口蓋正中部は下方へ細長く延びだし、口蓋垂をつくる。口蓋垂はヒトでよく発達する。軟口蓋は可動性で、燕下、発語の際に後方部がとくによく働き、口蓋帆の別名がある。燕下の際、口蓋帆は挙上して、鼻腔と口腔を遮断する。硬口蓋には横走する粘膜のヒダが数条あり、横口蓋ヒダとよばれ、さらに中央を横走する隆線は口蓋縫線とよばれる。口蓋縫線は前方は切歯乳頭におわる。発生上、口蓋縫線は左右の口蓋突起の癒合線、切歯乳頭は一次口蓋の名残とみなされる。口蓋の発生は胎生第5週ごろ、鼻窩をとり囲む内側鼻隆起と外側鼻隆起は口腔上壁のところで上皮性に癒合し上皮壁を形成する。顔面が前後に長くなるのにしたがい、鼻窩も後方へ伸び出して深くなり鼻胞(または鼻嚢)になる。この観に上皮壁は鼻胞の底に位置するが、その前方部分には死亡死が起こり内側および外側鼻隆起の中胚葉の侵入ををうける。内側および外側鼻瘤器の中胚葉が連続するとともに左右の内側鼻隆起は互いに近づき、また前方へ伸び出した上顎突起とも結合する。後方へ伸び出した鼻胞は、口腔上壁とは上皮壁由来の膜・口鼻膜で境されている。口鼻膜が胎生第6週ごろ破れ原始後鼻孔が出現すると、左右の原始後鼻孔より前方に胃位置する内側鼻隆起の部分が上顎の前方部すなわち顎間部となり、口腔上壁の部分は原始鼻腔と原始口腔とを境する一次口蓋または前上顎となる。胎生第7週ごろ、上顎突起の鼻腔側壁が隆起し下の両側を下方へ伸び出す。伸び出した突起が口蓋突起または外側口蓋突起である。第8週ごろ、口蓋突起は前方の方から下の背面へ位置するように水平位となる。水平位となった左右の口蓋突起は互いに接近し、第9週以後前方1/3位のところで左右が癒合する。癒合は前後に拡がり、同時に前頭鼻隆起が後方へ伸び出してできた鼻中隔の下端および一次口蓋の後縁とも癒合する。口蓋突起の癒合により後鼻孔は後方へ開口するようになり、口腔と鼻腔とを分ける二次口蓋が形成される。一次口蓋との間には鼻口蓋管が出現するが生後は切歯管として残っている。上顎骨と口蓋骨からおよび一次口蓋で膜性骨化がおこり硬口蓋が形成される。鼻中隔の後端より後方の二次口蓋には骨形成がなく軟口蓋という。硬口蓋を形成する癒合した口蓋突起の後方で中胚葉が盛り上がることにより左右の口蓋突起の後方は連続して一つになり軟口蓋および口蓋垂が形成される。)
111_02【Central incisor; First incistor tooth中切歯;第1切歯;内側切歯 Dens incisivus I】 →()
111_03【Lateral incisor tooth; Second incisor tooth側切歯;第2切歯;外側切歯 Dens incisivus II】 →()
111_04【Canine tooth犬歯 Dentes caninus】 Teeth (four) in the third position of the dental arcade. →(犬歯は歯列弓の第三位に生えている歯。犬歯は最も長い歯で、とうに長い歯根をもつ。歯冠はとがり円錐状で、かみさくのに適するようなキバ状の形態をもつ。)
111_06【Incisive bone; Premaxilla切歯骨;顎前骨 Os incisivum; Premaxilla】 Embryonic bone that develops into part of the maxilla. →(骨口蓋の前端の正中部は、胎生期には切歯骨という独立した1対の小骨で形成されており、これは生後に上顎骨と癒合してしまう。切歯骨は多くの脊椎動物では顎前骨として終生独立している。 上顎の切歯をいれる骨で、多くの動物では上顎骨の前に独立した骨として存在する。前上顎骨(premaxilla, Praemaxillare)、間顎骨(Zwischenkiefer, Intermaxilla)ともいう。ヒトには独立した切歯骨がないことが特徴であるが、胎生期には切歯孔から犬歯と側切歯の間に向かう切歯縫合が見られることがある。(解剖学辞典:大江規玄))
111_07【Palatine process of maxilla口蓋突起(上顎骨の) Processus palatinus (Maxilla)】 Horizontal bony plate. The two processes form the anterior two-thirds of the hard palate. →(口蓋突起は上顎体と歯槽突起の移行部にあたる高さで、上顎骨の内面に棚状に出た突起で、口蓋骨の水平板のとともに前方約3分の2の骨口蓋を形成する。水平に突出する骨板で、後縁は左右の第2大臼歯の歯槽を結ぶ線上にある。)
111_08【Horizontal plate of palatine bone水平板;口蓋板;水平部(口蓋骨の) Lamina horizontalis; Lamina palatina; Pars horizontalis (Os palatinum)】 It forms the posterior third of the hard palate and thus the floor of the nasal cavity. →(水平板は上顎骨口蓋突起をうしろに延長して骨口蓋をつくる上部で、上面(鼻腔面)は滑らかで、他側のものと会する縁は上顎骨におけると同じく高まり(鼻稜)、さらにうしろに向かって突出する(後鼻棘)。下面(口蓋面)は粗面で、へこみ、前縁にときに高まり(口蓋稜)がみられ、外側縁後方に大口蓋孔がある。)