202_00【Phalanx of hand; Phalanges of hand指骨;指節骨(手の) Ossa digitorum; Phalanges】 Bones of the fingers; digital bones. →(片手には5本の指を支える14個の小管状骨がある。母指では2個、第2~第5指には3個ずつあり、近位のものから順に基節骨、中節骨、末節骨という。母指の場合は中節骨が欠ける(母指の末節骨は本来の末節骨に中節骨が癒合したものともいわれる)。どの指の骨も底・体・頭の3部を区別する。基節骨は指骨の中で最も長く、底には中手骨頭に対応するややへこんだ関節面がある。また、頭には滑車状の関節面がある。中節骨は基節骨より小さいが、基本的にはよく似た形をしている。中節骨底の関節面は浅いくぼみになっているが、その中央に高まりがみらえる。末節骨は中節骨よりさらに小さく、底には中節骨頭に対する関節面がある。また、近位端はややふくれたのち急に細くなって終わる。遠位端の掌側面には深指屈筋のつく末節骨粗面がある。)
202_01【Third metacarpal bone; 3rd metacapal bone[III]第三中手骨 Os metacarpale III】 →()
202_01a【Metacarpals; Metacarpal bones [I-V]中手骨[1-5] Ossa metacarpi; Ossa metacarpalia [I-V]】 Metacarpal bones of the hand. →(中手骨は手根骨の遠位にある5本の細長い管状骨である。第1中手骨が最も短いが、最も太い。最も長いのは第2中手骨で、ついで第3、第4、第5中手骨の順に短い。中手骨には頭・底・体の3部が区別できるが底は中手骨の近位端で太く、手根骨との関節面をもっている。関節面の形は中手骨によって異なり、第1中手骨は鞍状に凸、第2中手骨では中央にくぼみがみられ、第3、第4中手骨では平らである。第5中手骨では不完全な鞍状を呈する。体は後面に向かってゆるく弯曲していて底および頭より細いので、となりあう中手骨の間に中手骨間隙ができる。頭はまるく大きく、基節骨底に接する関節面がある。第3中手骨底の背面外側には小さな突起がみられ、第3中手骨の茎状突起という。)
202_02【Styloid process of third metacarpal [III]茎状突起(第3中手骨の) Processus styloideus ossis metacarpi tertii [III]】 Dorsal process at the base of the third metacarpal radial to the capitate. →(第3中手骨底の後面外側端には上(近位)方に突出する茎状突起がある。)
202_04【Shaft of metacarpal bone; Body of metacarpal中手骨体;中手骨幹 Corpus ossis metacarpi】 →(体は前面(掌側面)が浅くくぼむゆるい弯曲をつくる。体は底および頭よち細いので、隣の中手のとの間に中手間隙ができる(ここは掌側および背側骨間筋でみたされる)。体の背側面はとくに遠位部で扁平となり、一方、掌側面の中央には縦走する隆起があるので、体の断面は三角形に近い(内外から圧平された形の中足骨とおおきく異なる点である)。)
202_05【Nutrient foramen栄養孔 Foramen nutricium】 Opening of the nutrient canal at the surface of the bone. →(どの骨をとってみても、骨の表面には虫が食ったような孔がポツポツとあいている。これらのうち、こまかい孔やくぼみは主としてシャーピーの線維(骨膜から骨質に入り込む結合組織線維)が侵入する孔であるが、輪郭のハッキリした直径1~2mmの丸い穴は細い血管が骨に出入りするためのもので、栄養孔とよばれる。厳密にいえば、これらの孔の開口部が栄養孔で、骨に入り込んだトンネル状の部分は栄養管と名づけられる。この栄養孔ないし栄養管は骨質を貫いて髄腔(骨髄を収容する腔所)に達している。したがって、栄養孔からはいる動脈は主として骨髄を養うが、その枝は髄腔に近い深部の骨質も養う。また栄養孔から出てくる静脈は骨髄と骨からの炭酸ガスや老廃物を運ぶだけでなく、骨髄で形成された新しい赤血球や白血球を末梢血流に導き出す役割を持っているのである。なお骨の表層の緻密質は、骨膜の動脈叢から出る無数の細い枝で養われが、その進入路は非常に細くて肉眼的にはほとんど見分けられない。それぞれの骨における栄養孔の数や位置は、大体の原則はあるものの個体差ははなはだしい。たとえば椎骨では、栄養孔はとくに椎体の表面に多くみられるが、その数・位置・大きさなどは千差万別でる。なお、椎孔をのぞきこんでみると、椎体の後面にはとくに大きい栄養孔(ここを通る主な血管は椎体静脈)を見いだすことができる。)
202_06【Head of metacarpal bone中手骨頭;中手骨小頭 Caput ossis metacarpi; Capitulum ossis metacarpi】 Distal articular head. →(頭はまるく大きく球状に近いが、その内外側が大きく削がれている。表面の基節骨底に対する関節面は掌側の部分がより近位まで及び、かつ、幅もやや広い。)
202_07【Proximal phalanx of hand基節骨(手の) Phalanx proximalis manus】 Proximal bone of a finger. →(基節骨は掌側は平らで、手背側は横方向に凸をなし、屈筋の線維性腱鞘が付着するためのとがった粗な角をもっている。基節骨には体があり、遠位には頭、近位には底がある。頭はまた頭の関節面は滑車状になっている(滑車ともいわれる)。底には横長の卵円形のくぼんだ関節面があり、中手骨と関節でもって連結している。基節骨は第3指のものが最もながい。)
202_08【Base of proximal phalanges底(基節骨の) Basis (Phalanx proximalis manus)】 →()
202_09【Shafts of proximal phalanges体(基節骨の) Corpus (Phalanx proximalis manus)】 →()
202_10【Trochlea of proximal phalanges指節滑車(基節骨の) Trochlea (Phalanx proximalis manus)】 →()
202_11【Middle phalanx of hand中節骨(手の) Phalanx media manus】 Middle bone of a finger. →(手の中節骨は基節骨を小型にしたようなものであるが、近位端すなわち底の関節面はくぼみの中央に軽い高まりがある。中節骨の長さは第3指と第4指のものがほぼ同長で最も長く、第2指のものがこれに次ぎ、第5指のものは最も短い。第5指の中節骨は時として極端に短く、末節骨よりも短いことすらある。このような以上を中節短小症と呼ぶ。)
202_12【Base of middle phalanges底(中節骨の) Basis (Phalanx media manus)】 →()
202_13【Shafts of middle phalanges体(中節骨の) Corpus (Phalanx media manus)】 →()
202_14【Trochlea of middle phalanges指節滑車(中節骨の) Trochlea (Phalanx media manus)】 →()
202_15【Distal phalanx of hand末節骨(手の) Phalanx distalis manus】 Distal bone of a finger; ungual phalanx. →(手の末節骨の特徴は、小型であるほか、尖端がややふくれたのちに細く終わり、遠位端に関節面がないことである。遠位端の掌側面には馬蹄形をした粗面がみられる。この粗面は深指屈筋腱が付着するためのものである。)
202_16【Head of distal phalanges頭(末節骨の) Caput (Phalanx distalis manus)】 →()
202_17【Shafts of distal phalanges体(末節骨の) Corpus (Phalanx distalis manus)】 →()
202_18【Tuberosity of distal phalanx of hand末節骨粗面;爪粗面(手の) Tuberositas phalangis distalis manus; Tuberositas unguicularis】 Roughened area on the distal flexor surface of the distal phalanx giving attachment to the tactile elevation. →(手の末節骨の尖端はややふくれて関節面を欠き、末節骨粗面がある。)