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- 616_01【Vertebral body; Body of vertebra椎体;椎骨体 Corpus vertebrae】
→(椎体は椎骨の前部を占める短い円柱で、上下端は平らな面をつくる。上面と下面はやや広いため、椎体を側面から見ると、中央でややくびれている。後面は椎孔の前壁にあたり、縦に走る浅く広い溝となっている。椎体の上下面は椎間円板と固着する硝子軟骨で被われる。この軟骨の周縁部は骨化し、後方部分が欠けた不完全な輪の形の骨端板を作る。加令によりこの骨端板の骨化はさらに進行し、椎体の上下面の縁が側面から水平に突出するようになる。)
- 616_02【Intervertebral disc椎間円板 Discus intervertebralis】 An elastic disc that compresses and rebounds under pressure, consisting of layered rings of fibrous tissue and fibrocartilage around a gelatinous nucleus. It is attached to two adjacent vertebral bodies by their hyaline cartilage plates and by the posterior longitudinal ligament.
→(椎間円板は隣接する2個の椎体間にあって厚い円盤状をなすが、脊柱の部位によりその厚さは異なる。また個々の円板ではその中央部がもっとも厚く、辺縁がやや薄い。円板の厚さが絶対的に、また隣接する椎骨の厚さと相対して厚いほど、椎骨の可動性が大きい。胸椎の中位の椎間円板はそのいずれの意味でも最も薄い。また、頚椎と腰椎では椎間円板の前縁が後縁よりやや厚い。椎間円板の上下面は椎体の面を被う硝子軟骨層と固く結合し、組織的には明瞭な境界がなくて移行する。中心部の髄核とそれを取り囲む外側の結合線維部分(線維輪)からなる。(1)線維輪:外周を輪状に走る部分。(2)髄核:中央にあって弾性に富む。胎生期の脊索の遺物といわれる。胎児の椎間円板中には、この部でとくに太くなる脊索が明瞭である。成人でも髄核組織の一部が脊索の遺物にあたる。椎間円板は単に椎体を結合するのみではなく、弾性体として脊柱の運動および体重をささえることに重要な役割を果たしている。脊柱の屈伸に際して椎間円板の屈側は低く圧迫され、伸側は引き延ばされるが、線維輪のラセン状の線維配列はこのような外力に対する抵抗と、変形のあとの復元とに大切な意義を有する。また、髄核はかたい線維輪のなかにあって、あたかも水枕のように作用し、圧をすべての方向に分散させるとともに屈伸に向かって若干おしつけられる。)
- 616_03【Basivertebral veins椎体静脈 Venae basivertebrales】 Veins lying in the vertebral bodies that converge posteriorly and open into the anterior internal vertebral venous plexus.
→(椎体静脈は椎骨の椎体内にある静脈で、骨中で蛇行した血管は椎体後面の中央に向かって一本にまとまり、椎体後面の小孔を経て内椎骨静脈叢へ、ことに縦走する2条の前内椎骨静脈叢を横に結ぶ横枝にそそぐ。また一部は、椎体の前面や側面の小孔を通って外椎骨静脈叢へそそぐ。頭蓋骨における板間静脈に相当する。)
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- 616_04【Internal vertebral venous plexus内椎骨静脈叢 Plexus venosi vertebrales interni】
→( 内椎骨静脈叢は、椎骨内の硬膜上腔にある静脈網である。静脈叢は前群と後群にに別れ、相互に細い横行あるいは斜行する連絡枝で吻合している。前内椎骨静脈叢は、椎体および椎間円板の後面で、後縦靱帯の両側にある長軸方向に走る静脈からなる。後縦靱帯と椎体の間には静脈の連絡枝があり、上記のついた静脈が流入する。後内椎骨静脈叢の長軸方向に走る静脈は、前内椎骨静脈叢のものより細い。この静脈は、正中面の両側にあって、椎弓および黄色靱帯を穿痛する細い交通枝によって後外椎骨静脈叢とも吻合する。
静脈は動脈に伴って走る。そのほかに、脊柱の静脈として椎骨静脈叢がある。(Netter)
椎骨静脈叢 (図4-25)は脊柱の全長にわたって存在する静脈叢で、脊柱の外面(椎体の前と椎弓の後ろ)にある外椎骨静脈叢と、脊柱管の内面に沿って走る内椎骨静脈叢とからなる。とくに内椎骨静脈叢は脊柱管内で硬膜上腔(脊柱管の骨膜と脊髄硬膜との間の腔)にあって(p.622)、椎体からの椎体静脈と、椎体からの脊髄静脈とが流入する。内椎骨静脈叢からの静脈は椎間孔を経て脊柱管の外に出て外椎骨静脈叢と連絡する。
さらに頚部では椎骨静脈、胸部では肋間静脈、腰部では腰静脈、仙骨部では外側仙骨静脈に注ぎ、それぞれ、結局は上大静脈と下大静脈とに流入する。(解剖学講義))
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- 616_05【Superior articular process of vertebra上関節突起;上脊椎関節突起(椎骨の) Processus articularis superior; Zygapophysis superior】 Superiorly projecting articular process on the vertebral arch.
→(上関節突起は椎骨の椎弓の根もと近くから上に向かって突出する1対の突起。上関節突起とすぐ上位の椎骨の下関節突起との間に関節をつくる。上連結突起という呼称は比較解剖に用いるとき便利である。)
- 616_06【Posterior external vertebral venous plexus後外椎骨静脈叢;後椎骨静脈叢 Plexus venosus vertebralis externus posterior; Plexus venosi vertebrales dorsales】 Venous plexus lying posterior to the vertebral arches.
→(前外椎骨静脈叢および後外椎骨静脈叢は椎体の前面にあり、椎体よりの静脈を集める前外椎骨静脈叢と、椎骨の背面で椎弓の外表面にあり、主として脊柱管の内部よりの血液を集める後外椎骨静脈叢がある。これらの静脈叢は頚椎でよく発達し、椎骨の両側で互いに交通する。)
- 616_07【Intervertebral foramen椎間孔 Foramen intervertebrale】 Opening between two adjacent vertebrae for the passage of a spinal nerve and small vessels. It is bounded by two adjacent vertebral notches (above and below), the vertebral bodies, and the intervertebral disc.
→(椎骨をその順位にしたがって連結すると、上の椎骨の下椎切痕と舌の椎骨の上椎切痕は互いに向き合って椎間孔を作る。椎間孔は脊柱管の中にある脊髄から出る脊髄神経の通路となる。椎弓根と椎弓板の移行部が合する椎弓の後端から1本の棘突起が出る。)
- 616_08【Spinous process of vertebra棘突起(椎骨の) Processus spinosus vertebrae】 The spinous processes of C1-C6 are bifid.
→(棘突起は椎骨椎弓の正中線から後下方に向かう長い単一の突起である。)