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- 617_01【Intervertebral vein椎間静脈(肋間静脈の) Vena intervertebralis】 Branch emerging from the intervertebral foramen.
→(肋間静脈の椎間静脈は内椎骨静脈叢からおこり、椎間孔を通って椎骨静脈、肋間静脈、腰静脈、外側仙骨静脈などにそそぐ。 (Netter)脊髄および内および外椎骨静脈叢からの血液は、ほとんど椎間静脈に流入する。椎間静脈は脊髄神経と伴行して椎間孔を通過し、椎骨静脈、肋間静脈、肋下静脈、腰静脈および外側仙骨静脈に流入する。この出口には通常静脈弁があって、逆流を防いでいる。 R. spinalisをSpalteholz (Handatlas der Anatomie des Menschen 2. Bd. 3. Aufl. 1901)は脊柱およびその内容から血液を集めるVv.intervertebralesの続き(ramus spinalis, welcher als Fortsetzung der vv. Intervertebrales das Blut con der Wirbelsaule und ihrem Inhalte sammelt.)というが、Henle (Hdb. D. system. Anat. D.Mench. 3. Bd. 1. Abt. 2. Verb. Aufl. 1987)はV. intervertebralisに相当するものをRamus spinalisと呼び、V. interverbralisは用いていない。従ってNA5のようにR. spinalisをV. intervertebralisと対等に並置するならその定義を脚注に明記すべきであり、そうでなければ本原案のように( )に入れ、同義語として後置すべきである。Clemens, H.J.: Die Vernensysteme der menschlichen Wirbelsaule. Walter de Gruyter & Co./Berlin 1961 26頁脚注参照。V. intervertebralis (Ramus spinalis)は一応従来通りの格付けとする(昭和60)。)
- 617_02【Spinous process of vertebra棘突起(椎骨の) Processus spinosus vertebrae】 The spinous processes of C1-C6 are bifid.
→(棘突起は椎骨椎弓の正中線から後下方に向かう長い単一の突起である。)
- 617_03【Posterior external vertebral venous plexus後外椎骨静脈叢;後椎骨静脈叢 Plexus venosus vertebralis externus posterior; Plexus venosi vertebrales dorsales】 Venous plexus lying posterior to the vertebral arches.
→(前外椎骨静脈叢および後外椎骨静脈叢は椎体の前面にあり、椎体よりの静脈を集める前外椎骨静脈叢と、椎骨の背面で椎弓の外表面にあり、主として脊柱管の内部よりの血液を集める後外椎骨静脈叢がある。これらの静脈叢は頚椎でよく発達し、椎骨の両側で互いに交通する。)
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- 617_04【Internal vertebral venous plexus内椎骨静脈叢 Plexus venosi vertebrales interni】
→( 内椎骨静脈叢は、椎骨内の硬膜上腔にある静脈網である。静脈叢は前群と後群にに別れ、相互に細い横行あるいは斜行する連絡枝で吻合している。前内椎骨静脈叢は、椎体および椎間円板の後面で、後縦靱帯の両側にある長軸方向に走る静脈からなる。後縦靱帯と椎体の間には静脈の連絡枝があり、上記のついた静脈が流入する。後内椎骨静脈叢の長軸方向に走る静脈は、前内椎骨静脈叢のものより細い。この静脈は、正中面の両側にあって、椎弓および黄色靱帯を穿痛する細い交通枝によって後外椎骨静脈叢とも吻合する。
静脈は動脈に伴って走る。そのほかに、脊柱の静脈として椎骨静脈叢がある。(Netter)
椎骨静脈叢 (図4-25)は脊柱の全長にわたって存在する静脈叢で、脊柱の外面(椎体の前と椎弓の後ろ)にある外椎骨静脈叢と、脊柱管の内面に沿って走る内椎骨静脈叢とからなる。とくに内椎骨静脈叢は脊柱管内で硬膜上腔(脊柱管の骨膜と脊髄硬膜との間の腔)にあって(p.622)、椎体からの椎体静脈と、椎体からの脊髄静脈とが流入する。内椎骨静脈叢からの静脈は椎間孔を経て脊柱管の外に出て外椎骨静脈叢と連絡する。
さらに頚部では椎骨静脈、胸部では肋間静脈、腰部では腰静脈、仙骨部では外側仙骨静脈に注ぎ、それぞれ、結局は上大静脈と下大静脈とに流入する。(解剖学講義))
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- 617_05【Superior articular process of vertebra上関節突起;上脊椎関節突起(椎骨の) Processus articularis superior; Zygapophysis superior】 Superiorly projecting articular process on the vertebral arch.
→(上関節突起は椎骨の椎弓の根もと近くから上に向かって突出する1対の突起。上関節突起とすぐ上位の椎骨の下関節突起との間に関節をつくる。上連結突起という呼称は比較解剖に用いるとき便利である。)
- 617_06【Costal process (of lumbar vertebra)肋骨突起(腰椎の) Processus costiformis vertebrae lumbalis; Processus costalis; Processus vertebrae lumbalis costalis】 A single transverse process formed by a rudimentary rib.
→(副突起のすぐ前から側方に長く突出する扁平な突起は腰部の肋骨が癒合したもので、肋骨突起と呼ばれる。)
- 617_07【Basivertebral veins椎体静脈 Venae basivertebrales】 Veins lying in the vertebral bodies that converge posteriorly and open into the anterior internal vertebral venous plexus.
→(椎体静脈は椎骨の椎体内にある静脈で、骨中で蛇行した血管は椎体後面の中央に向かって一本にまとまり、椎体後面の小孔を経て内椎骨静脈叢へ、ことに縦走する2条の前内椎骨静脈叢を横に結ぶ横枝にそそぐ。また一部は、椎体の前面や側面の小孔を通って外椎骨静脈叢へそそぐ。頭蓋骨における板間静脈に相当する。)
- 617_08【Vertebral body; Body of vertebra椎体;椎骨体 Corpus vertebrae】
→(椎体は椎骨の前部を占める短い円柱で、上下端は平らな面をつくる。上面と下面はやや広いため、椎体を側面から見ると、中央でややくびれている。後面は椎孔の前壁にあたり、縦に走る浅く広い溝となっている。椎体の上下面は椎間円板と固着する硝子軟骨で被われる。この軟骨の周縁部は骨化し、後方部分が欠けた不完全な輪の形の骨端板を作る。加令によりこの骨端板の骨化はさらに進行し、椎体の上下面の縁が側面から水平に突出するようになる。)
- 617_09【Anterior external vertebral venous plexus前外椎骨静脈叢;前椎骨静脈叢 Plexus venosus vertebralis externus anterior; Plexus venosi vertebrales ventrales】 Venous plexus lying anterior to the vertebral bodies.
→(前外椎骨静脈叢および後外椎骨静脈叢は椎体の前面にあり、椎体よりの静脈を集める前外椎骨静脈叢と、椎骨の背面で椎弓の外表面にあり、主として脊柱管の内部よりの血液を集める後外椎骨静脈叢がある。これらの静脈叢は頚椎でよく発達し、椎骨の両側で互いに交通する。)