815_00【Spinal cord脊髄 Medulla spinalis】 It extends from the end of the medulla oblongata near the exit of the first spinal nerve to the beginning of the terminal filum at L1 or L2. →(脊髄は頚部(頚髄)、胸部(胸髄)、腰部(腰髄)、仙骨部または脊髄円錐(仙髄と尾髄)とからなり、それぞれ髄節に分かれ、それに対応して31対の脊髄神経が出る。頚髄では8対の頚神経、胸髄では12対の胸神経、腰仙髄では各々5対の腰神経と仙骨神経とが出る。尾髄からは通常1対の尾骨神経が出る。上肢および下肢支配の神経の出る頚髄下部と腰髄下部は発達が著しく、太くなっており、それぞれ頸膨大、腰部大とよばれる。脊髄下端は細くなり脊髄円錐となっておわる。その高さは成人では第1ないし第2腰椎の高さに相当する。新生児、幼児では低く第3腰椎の高さでおわっている。脊髄円錐の先はさらに細く糸状の終糸となって尾骨の背面に付着している。終糸に沿って走る脊髄神経の束はその形状から馬尾とよばれている。脊髄外側面でその腹側と背側の正中には(前)正中裂および(後)正中溝とよばれる溝があり、脊髄を左右の半分に分けている。前者は後者より深く、そこには前脊髄動脈が走っている。左右の脊髄半の外側面には腹側の前外側溝と背側の後外側溝の二つの溝がある。頚髄の高さの背側面は中心部の灰白質とその周辺の白質から成る。灰白質はそれぞれ前角(柱)、中間質(帯)、後角(柱)がある。灰白質の中央を貫いて中心管が通る。上方は第四脳室に開き、下方は脊髄炎水の所では拡大して終室となる。白質は前外側溝と後外側行と②より腹側の前索と外側の側索および背側の後索の3部分に分けられる。頚髄の高さで後索は後中間溝により内・外の薄束と楔状束とに分けられる。)
815_01【Ventral root of 12th thoracic nerve; Ventral root of twelfth thoracic nerve前根;腹側根(第12胸神経の) Radix anterior; Radix ventralis (Nervus thoracica XII)】 →()
815_01a【Anterior root of spinal nerve; Motor root; of spinal nerve; Ventral root of spinal nerve前根;運動根;腹側根(脊髄神経の) Radix anterior; Radices ventrales; Radix motoria (Nervus spinalis)】 →(脊髄神経の前根は脊髄の前角にある運動ニューロンの神経線維(運動線維)と側角にある自律神経系ニューロンの線維とからなる。いずれも遠心性線維である。)
815_02【Conus medullaris; Medullary cone脊髄円錐 Conus medullaris】 Conical end of the spinal cord that tapers off into the terminal filum at the level of L1 or L2. →(脊髄円錐は第一または第二腰椎の高さで、先が尖って終わる脊髄の端、終糸へと移行する。)
815_03【Ventral root and dorsal root of coccygeal nerve前根および後根(尾骨神経の) Radices anterior et posterior nervus coccygei】 →()
815_03a【Posterior root of spinal nerve; Sensory root of spinal nerve; Dorsal root of spinal nerve後根;感覚根;背側根(脊髄神経の) Radix posterior; Radix dorsalis; Radices dorsalis; Radix sensoria (Nervus spinalis)】 →(脊髄神経の後根は脊髄神経節の神経芽細胞の中枢性の突起が集まってできる。後根の線維は脊髄にはいると長い上行枝と短い下行枝に分ける。上行枝と下行し共に灰白質の細胞とシナプス結合する。上行枝の一部は延髄の楔状束核(Burdach核)と薄束核(Goll核)に終止する。)
815_04【Filum terminale; Terminal filum終糸 Filum terminale】 Tapering, threadlike caudal portion of the spinal cord and its meninges. →(終糸は長く細い結合組織性の軟膜線維束で脊髄円錐下端から脊髄硬膜鞘の内面まで伸びている(終糸の軟膜部、内終糸)。脊髄硬膜鞘から尾骨まで伸びている頑丈な線維束(終糸の硬膜部、外終糸、尾骨靱帯)。脊髄の下端部は下方に向かった円錐を作り、脊髄円錐と呼ばれ、その先端からさらに16cm位の細いひもが下り、尾骨の後面につく。これを終糸といい、元来の脊髄の延長部であるが、大部分軟膜から成り、上端部は痕跡的な脊髄を含む。)
815_05【Cauda equina馬尾 Cauda equina】 Mass of nerves that is formed by all spinal nerve roots from L1 or L2 downward and the terminal filum. →(caudaは、「尾」を意味するラテン語であり、equinaは、「馬」を意味するラテン語equusの形容詞である。 第一または第二腰椎より下方へ向かう脊髄神経根線維のすべてで、終止の周囲をとりまいている腰仙骨神経根をひとまとめにして馬尾と呼ぶ。)
815_06【Ventral root of 5th lumbar nerve; Ventral root of fifth lumbar nerve前根;腹側根(第5腰神経の) Radix anterior; Radix ventralis (Nervus lumbalium V)】 →()
815_07【Spinal dura mater脊髄硬膜 Dura mater spinalis】 Hard membrane forming a protective covering around the spinal cord. It is separated from the wall of the vertebral canal by the epidural space. →(脊髄硬膜は内外の2枚の膜からなる。外板はやや薄く、脊柱管をおおう骨膜となる。内板は厚く、狭義の脊髄硬膜に相当し、脊髄を包む長い円筒形の嚢を作る。これは上方は大後頭孔縁に付き、下方は脊髄円錐を越えてさらに馬尾を包みつつ下り、第2~3仙椎の高さで急に尖って終わる。なおその続きは終糸の下半分と癒着して細い索となり、尾骨に付く(脊髄硬膜糸)。椎間孔では硬膜は骨と癒着している。内板と外板の間は脂肪に富んだ結合組織、静脈叢などで満たされ、これを硬膜上腔という。内板とクモ膜との間にも内皮細胞で覆われた狭いリンパ腔隙があり、これは硬膜下腔と呼ばれる。)
815_08【Ventral root of 5th sacral nerve; Ventral root of fifth sacral nerve前根;腹側根(第5仙骨神経の) Radix anterior; Radix ventralis (Nervus sacralis V)】 →()
815_09【Spinal ganglion of 1st lumbar nerve; First lumbar spinal ganglion脊髄神経節(第1腰神経の) Ganglion sensorium nervi spinalis; Ganglion spinale (Nervus lumbalis I)】 →()
815_09a【Spinal ganglion; Spinal sensory ganglion; Dorsal root ganglion脊髄神経節;感覚性脊髄神経節 Ganglion sensorium nervi spinalis; Ganglion spinale】 The ganglion belonging to the dorsal root. →(脊髄神経の後根に存在する神経細胞体の集団を脊髄神経節(時に後根神経節と別称)という。これらの神経細胞体は知覚性ニューロンの物であり、その樹状突起は線維状を呈して長く、皮膚・筋・腱・関節包・内臓などに分布する。また細胞体から中枢側に向かう神経突起は後根内を走り脊髄に入る。)
815_10a【Sacral nerves and coccygeal nerve [S1-S5, Co]仙骨神経・尾骨神経[S1-S5, Co] Nervi sacralese et nervus coccygeus [S1-S5 Co]】 The five sacral spinal nerves and the one coccygeal spinal nerve. →(仙骨神経は5対あって、それぞれ、前枝と後枝とに分かれる。はじめの3本は仙骨神経叢に、次の2本は尾骨神経叢に入る。)
815_11【Coccygeal nervel Coccygeus nerve尾骨神経 Nervus coccygeus】 Last spinal nerve. It emerges between the coccyx and sacrum and communicates with the fourth and fifth sacral spinal nerves. →(最後の脊髄神経。尾骨と仙骨の間をでて、第四第五仙骨神経と連絡する。 (Feneis))