921_00【Mucous membrane of tongue舌粘膜 Tunica mucosa linguae】 →(粘膜とは、体内の器官を被う面のうちで、体の外表につながるような面に対して与えられる名称である。そのような粘膜は、上皮epitheliumとこれを直下で支える結合組織(固有層と称する)との2つの基本要素からなる。固有層を作る結合組織の中には、ときに平滑筋層が存在するが、そのさいにはこの平滑筋層のことを粘膜筋板とよぶ。粘膜が表面に粘液を分泌する場合としない場合とがある。)
921_01【Vagus nerve [X]迷走神経[脳神経X] Nervus vagus [X]】 Nerve arising from the fourth and fifth pharyngeal arches. It emerges from the medulla oblongata together with CN IX in the posterolateral sulcus and passes through the jugular foramen. Its distribution area extends into the thoracic and abdominal cavities. →(迷走神経は第10脳神経で、上方の舌咽神経、下方の副神経の間で延髄の外側から多数の小根によって起こる混合神経で胸腹部の諸内臓に分布する副交感神経節前神経線維(延髄迷走神経背側核に細胞体をもつニューロンの神経突起)を主成分としている。これらの線維が胸腹部を走行するあいだに、きわめてしばしば自律神経叢を形成してどこに神経の本幹が存在するか不明瞭となるため、迷走神経の名がつけられた。また迷走神経には胸腹部の内臓の知覚を伝える神経線維(その細胞体は迷走神経の下神経節内に存在する)、咽頭下部および後頭の筋への運動線維(延髄疑核に発し、咽頭に分布するものは舌咽神経からの枝とともに咽頭壁において咽頭神経叢を形成したのち筋に分布する)、咽頭下部および後頭の粘膜への知覚神経線維、などが含まれる。後頭に分布する運動および知覚神経線維は下神経節の直下で後頭に向かう上喉頭神経となるか、あるいは胸腔内で迷走神経本幹から下喉頭神経として分かれて頚部を反回神経として上行するかして目的の器官に達する。)
921_02【Glossopharyngeal nerve [IX]舌咽神経[脳神経IX] Nervus glossopharyngeus [IX]】 Nerve arising from the third pharyngeal arch. It emerges from the medulla oblongata via the retro-olivary groove, passes through the jugular foramen, and descends obliquely behind the stylopharyngeus. It supplies motor fibers innervating the constrictor muscles of the pharynx and stylopharyngeus; sensory fibers innervating the pharyngeal mucosa, tonsils, and posterior one-third of the tongue (taste fibers); and parasympathetic fibers via the tympanic nerve and lesser petrosal nerve to the otic ganglion. →(舌咽神経は第九脳神経で以下の3つの主な神経線維束からなる。①咽頭筋層に分布する運動神経線維、②舌の後3分の1の味覚および咽頭粘膜に分布する知覚線維、③耳神経節におもむく副交感神経節前線維、などを含む。混合神経で知覚、運動、味覚の3種の神経線維を含む。その核は延髄中に存し、大部分迷走神経核と共通である。この神経は数根をもって延髄の後外側溝の最上部から出て硬膜に小枝を与えた後、迷走神経とともに頚静脈孔の前部に至り上神経節を作り、頚静脈孔を出て再び膨大して下神経節を作る。とともに脊髄神経節と同じ構造でそのなかの神経細胞が知覚神経線維の起始である。その後しばらく垂直に走り内頚静脈の間、つぎに内頚動脈と茎突咽頭筋の間を下り、この筋の外側を経て前方に曲がり、舌根に分布する。)
921_03【Lingual nerve舌神経 Nervus lingualis】 Branch of the mandibular nerve curving anteriorly between the lateral and medial pterygoid into the floor of the mouth where it lies next to the wisdom tooth immediately beneath the mucosa. →(下顎神経[CN V3]の終枝の一つで内側翼頭筋と外側翼突筋との間を通って前下方にすすみ、内側翼突筋の前縁に達して弓状に曲がり、つぎに口腔底に沿って顎下腺および顎舌骨筋の上を前に走ってしたの外側縁に至り、下顎骨体中央部の内側で多くの枝に分かれてしたの中に入り、舌の前3分の2と口腔底の粘膜に分布して、その知覚および味覚を司る。舌神経はその基部の近くで顔面神経の枝である鼓索神経と結合して、これから味覚神経線維および顎下腺と舌下腺への分泌線維を受け、また末端で舌下神経の枝と結合する。)