988_01【Choroid脈絡膜 Choroidea; Chorioidea】 Portion situated between the retina and sclera. →(脈絡膜は網膜視部の外側に接してこれを包んでおり、内側から外側に向かって、①基底膜、②脈絡毛細血管板、③血管板、④脈絡上板の4層に分けられる。)
988_02【Sclera強膜 Sclera】 Membrane of the eyeball composed of interwoven collagen fibers. It has a bluishwhite appearance and is visible through the conjunctiva. →(眼球の形状を保つ強靱な膠原線維組織層。角膜となっている前部6分の1を除いた部分。前方では隔膜固有質に、後方では篩板から視神経外鞘を経て脳硬膜に、それぞれつづいている。強膜と角膜を合わせて眼球線維膜という。強膜の厚さは眼球後極で~1.0mm、前部で~0.6mm、赤道で~0.4mmである。視神経線維束を通す篩板は後極の内側3.5mm、視神経乳頭の直後方にあたる。視神経は~数十本の掌側としてこれを通る。渦静脈、長・短毛様体動脈および神経が強膜を貫く。強膜はは外から内へ、①強膜上皮、②強膜固有質、③強膜褐色板の3沿うよりなる。虹彩角膜角に沿って強膜固有質が内方へ皮厚し(強膜距)毛様体筋腱により貫かれる。この部の直前に輪状に走る強膜静脈洞(Schlemmn管)があり、眼房水は虹彩角膜間隙(Fontana腔)からこれを通って渦静脈に排出される。角膜縁をとり膜浅い強膜溝の深層にこれらの構造がある。眼球前部の強膜上板毛細血管網に富み、その炎症性変化を臨床的に「網膜充血」という。強膜前部は眼球結膜、後部は眼球鞘(Tenon鞘)によりおおわれる。内面は脈絡外隙を間に脈絡外板に接する。)
988_03【Macula of retina黄斑(網膜の) Macula lutea】 Pigmented, transversely oval region on the posterior pole of the eyeball that is yellow in color and measures 2-4 mm in diameter. →(黄斑は網膜の感受性の高い部位にみられる直径3~5mmの視力の鋭い網膜の卵円形の中心部分。網膜神経部のうち光感覚層と光受容細胞核周囲部の集合である外顆粒層のみが皮厚し、とくに中心窩(直径1.5mm)では他の層がまったく存在しない。中心窩には~2500個の中心窩錐状体が発達しており、視軸を通る入射光を最も有効に受容することができる。黄斑の色調は錐体状に含まれる視物質(アイオドプシン)の色であるという。黄斑以外の部分は新鮮網膜では、杆状体視物質(ロドプシン)により紫赤色に見える。)
988_04【Fovea centralis in macula中心窩(黄斑の) Fovea centralis】 Pit in the macula that is produced by a reduction of upper retinal layers. Its diameter, measured from the beginning of decreasing retinal thickness to the opposite side, is 1-2 mm. →(中心窩は血管のない黄斑の中心にあるくぼみ。網膜上部層の減少により生ず。最も分解能のよいところ。直径約1~2mm。黄斑はものを最も明瞭に見ることができる部で、とくに中心窩は視力が最も良く、ここでいる視力を中心視力という。)
988_05【Retina網膜 Retina】 Inner lining of the eyeball whose greater portion (optic part) is light sensitive. It is derived from the two layers of the optic cup.B →(網膜は大きく分けて、網膜視部、網膜毛様体部、網膜虹彩部の3つの部分からなる。視覚部分は、視光線を受ける生理的部分で、色素部と神経部の2つの部分かなる。光刺激を受容して神経興奮に変換し、上位中枢へ情報として伝達する主要な視覚器構成成分である。前脳胞の一部分として発生する眼杯は視室腔をはさむ内・外2枚の壁をもち、分化して眼球内膜となるが、網膜の構造はすべてこの2層よりなる内膜に属し、脳壁に相同である。内膜は視神経乳頭から瞳孔縁まで眼球内面の前域をおおうが、網膜の構造はすべてこの2層よりなる内膜に属し、脳壁に相同である。内膜は視神経乳頭から瞳孔縁まで眼球内面の前域をおおうが、機能と構造の異なる網膜視部、網膜毛様体部、網膜虹彩部が区別され、後二部分は合わせて網膜盲部という。視部と毛様体部の境界が鋸状縁である。盲部では内膜の2板がともに比較的単純な上皮構造を保ち、虹彩後上皮と毛様体色素上皮・色素上皮となる。視部では外板から網膜色素部、内板から網膜神経部が分化する。中心部で0.4mm、鋸状縁で0.1mmの厚さをもつ。)
988_06【Retinal blood vessels網膜血管 Vasa sanguinea retinae】 Branches of the central retinal artery and vein situated on the inner surface of the retina. →(視神経乳頭より鋸状縁まで、網膜視部前面に分布する動静脈。眼底血管ともいう。網膜神経部に毛細血管網をつくるが、後面に近い光感覚層と色素層は脈絡膜毛細血管板で養われる。網膜動脈は内頚動脈の終末枝の一つであり、脳を養う動脈に相同である。中枢神経系の動脈病変(とくに動脈硬化など)が眼底鏡検査により発見されるようになり、眼底の血管所見は眼科学的に重要視されている。)
988_07【Optic disc; Optic disk; Optic papilla視神経円板;視神経乳頭;視束乳頭 Discus nervi optici; Papilla fasciculi optici】 Beginning of the optic nerve in the fundus of the eye about 3 or 4 mm medial to the macula with a diameter of about 1.6 mm. →(マリオット盲点Mariotte's bind spotとも呼ばれる。眼底における視神経のはじまり。黄斑の約3~4mm内側、直径約1.6mm。 視神経円板は視細胞を欠くため、視野においては盲点blind spotとなる。これをマリオット盲点という。生体において、検眼鏡でみると、視神経円板はピンク色を呈し、中央の凹みは白くみえる。フランスの物理学者Edem Mariotte (1620-1684)の視野実験によって発見された。)