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- 993_00【Eye眼;メ Oculus】
→(視覚器官。眼球は大小二つの球がつながった形をしており角膜部分が小さな球となっている。眼球は三層の被膜(強膜、角膜と脈絡膜と網膜)に包まれている。それぞれの被膜はいくつかの層に分かれる。三層の被膜の中に、光を屈折媒体(房水、水晶体、硝子体液)がある。外側の強膜は白色で線維状組織である。強膜部では視神経線維が篩板の小孔を通って眼内に入る。強膜の内側表面は繊細な結合組織、褐色板によって脈絡膜と接している。核膜は五層からなりその内層は漿膜で、デスメー膜(Descemet's membrane)と呼ばれることがある。ブドウ膜は主として血管と色素からなっている。前部では、水晶体の周辺部で、毛様体突起と呼ばれる皺襞状の形で終わる。網膜は、主として神経組織からなり、三つの層から成る。外層、あるいはJacob膜は、終端神経細胞からなり、その計上から錐体状、杆状体と呼ばれる。虹彩は中央に穿孔(瞳孔)をもつ部分で、輪状と放射状の平滑筋線維を持っている。虹彩の色は様々で、水晶体の前で房水の中に位置している。毛様体人体は虹彩を取り巻く、輪状の結合線維である。毛様体筋は虹彩の終端を取り巻き、調節の時に、水晶体の形をかえる。房水は前部の核膜と後部の水晶体の間の腔部を満たしている。硝子体液は水晶体後部の空間をみたし、ムチンを含む透明なゼリー状の物質であり、硝子体膜に囲めれている。硝子体は硝子体液と房水の間にある両凸の透明な物体で、弾性被膜と小帯人体によって、所定の場所に支えられている。眼の動脈は短毛様体動脈、長毛様体動脈、前毛様体動脈、網膜中心動脈である。神経は視神経、長毛様体神経、短毛様体神経。)
- 993_00a【Radii of lens水晶体放線;水晶体星放線 Radii lentiium; Raddii stellarum lentis】 Suture lines formed by individual lens fibers that are present in the young and resemble a three-pointed star.
→(3本に分かれた星状の縫合線。若年者にみられる。(Feneis))
- 993_01【Cornea角膜 Cornea】 Transparent, anterior part (1/6) of the eyeball that is anteriorly convex and posteriorly concave. It is 0.9 mm thick in the middle and 1.2 mm thick at the margin.
→(角膜は眼球前方部の透明部分。厚さ約1mm、直径10~12mmの前弯した楕円形の膜で、角膜頂、角膜縁、前および後面を区別する。弯曲度は前面(曲率半径約7.8mm)よりも後面の方が強い。前面は光学的に縦径線が横径線に比してやや強く弯曲し、正視眼ではこの差は水晶体弯曲度の逆の関係により補正されるている。角膜の特徴として、角膜血管が入る辺縁部以外ではまったく血管が存在しない。組織学的に5層が区別される。①角膜上皮、②前境界板(Bowman膜)、③角膜固有質、④後境界板(Descement膜)、⑤角膜内皮)
- 993_02【Ciliary margin of iris毛様体縁(虹彩の) Margo ciliaris iridis】 Outer border of the iris that is attached to the ciliary body and at the iridocorneal angle.
→(虹彩の毛様体縁は虹彩の外縁。毛様体および虹彩角膜角へ固定される。)
- 993_03【Ciliary processes毛様体突起;大突起(毛様体の) Processus ciliares; Processus majores】 Between 70 and 80 radiating folds containing numerous capillaries measuring 0.1-0.2 mm wide, 1 mm high, and 2-3 mm long. Their epithelium produces aqueous humor.
→(毛様体突起は放射状に配列し、毛細血管に富むヒダ。70~80本あり、幅0.1~0.2mm、高さ1mm、厚さ2~3mmである。この上皮が眼房水を産出する。)
Zinn, Zonule of
- 993_04Zinn, Zonule of【Ciliary zonule毛様体小帯;水晶体小帯 Zonula ciliaris; Apparatus suspensorius lentis】 Suspensory apparatus of zonular fibers and spaces encircling the equator. It is composed of system of radiating fibers of varying lengths and the folds between them.
→(チン小帯ともよばれる。水晶体被膜を毛様体突起に固定する索で、個々の線維を小帯線維という。毛様体突起の比較的後部よりおこる線維は、水晶体赤道の前方に、前方よりおこるものは、後方に付着する。したがって一部線維が交叉する。小帯線維の間に残る小帯隙を経て、後眼房から前眼房へ眼房水が移動する。ドイツの解剖学者Johann Gottifried Zinn (1727-1759)による。)
- 993_05【Lens水晶体 Lens; Lens crystallina】 Lens suspended by the ciliary zonule between the pupil and vitreous body. It measures 9-10 mm in diameter and is about 4 mm thick.
→(水晶体は虹彩の後方、硝子体の前方に位置し、双凸面レンズ構造をもつ。赤道直径約9mm、水晶体軸(前、後極を結ぶ直線)3.7~4.4mm、前面弯曲度から8mm、後面弯曲度~6mm、屈折率1.36(中央部)~1.42(辺縁部)。水晶体は無色透明な水晶体包(前面で厚く、後面で薄い粘液多糖体層で、水晶体上皮の基底膜が発達したもの)におおわれる水晶体質よりなる。水晶体質はより軟らかい上皮と硬い核に分かれやすく、胎児では雌で水晶体包に切れ目をいれるとはじけるように裂ける。生体では前、後極から発する数本の水晶体放線がわずかに認められ、胎児では前後両面放線がわずかに認められ、胎児では前後両面に、たがいに120°に交わる3本の放線(前面逆Y字、後面正Y字形)を示す。水晶体の構成要素は水晶体線維で、発生初期の単層の水晶体胞の後壁の細胞のみが著しく長大化したものである。前面に層単層の水晶体上皮は水晶体胞前壁の原型を保つ。赤道より後面にいくにしたがい長細い六角形の水晶体線維の束へと移行する。胎児期の放線は水晶体線維束の付着点をなす中隔に一致し、前極からおこる線維は後面の赤道近くの最寄りの放線に、前面赤道近くの中隔よりおこる線維は後極へ向かう。水晶体線維は緊密かつ生前と配列するが、微絨毛を出して細い細胞管腔を確保し、水および代謝物質の移送路を形成する。生体の水晶体には血管の神経の分布が認められない。胎児の水晶体包は硝子体動脈により養われるが、妊娠末期に道動脈が閉鎖する。老年者では前後面の弯曲度が減って扁平となり、黄白色を帯びる傾向にある。この変化が進行したものを白内障cataractという。全体の25%を占める水晶体蛋白はα-およびβ-クリスタリンと不溶性アルブモイドよりなり、そのほかにグルタチン、ビタミンCなどが含まれる。)