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- 119_00【Cervical vertebrae [CI-CVII]頚椎[C1-C7] Vertebrae cervicales [CI-CVII]】 The seven cervical vertebrae.
→(脊柱上部の7個の椎骨。ナマケモノ2種を除くすべての哺乳類の頚椎は7個で共通している。第1頚椎(環椎)と第2頚椎(軸椎)は特異的な形をしているが、他の5個の頚椎は共通の特徴をもつ。第3~第7頚椎は下位のものほど大きいが、椎体は小さくて丈が低く、上・下面は前後に圧平された楕円形をしている。椎弓はやや横に張り出し、椎孔の形は三角形に近く、その内径も大きい。頚椎の横突起は他の椎骨に比して著しく幅が広く、かつ短い。その前半は肋骨の遺残であり、後半は本来横突起であって、上面では両者の間に脊髄神経溝がみられる。横突起の前後両部の間を、横突孔というかなり大きな孔が貫通しており、椎骨動脈が通っている。頚椎の棘突起は台7頚椎を除いて、一般に短小であり、ほぼ水平であるが、下位のものほど斜め後下方に傾斜する。棘突起の尖端は、多くは二分しており、その間を項靱帯が上下に走る(第6頚椎では二分が不明瞭なことがあり、第7頚椎では二分していない)。第7頚椎の棘突起は長大で、尖端が結節状に肥厚しており、皮膚の上から容易に触知できるので隆椎とよばれる。頚椎の上および下関節突起は丈が低く、前者は後上方に、後者は前下方に向かっており、下位の頚椎ほど突起の傾斜が著しい。第7頚椎では横突起の前半部が遊離していることがあり、頚肋という。)
- 119_01【Superior articular process of vertebra上関節突起;上脊椎関節突起(椎骨の) Processus articularis superior; Zygapophysis superior】 Superiorly projecting articular process on the vertebral arch.
→(上関節突起は椎骨の椎弓の根もと近くから上に向かって突出する1対の突起。上関節突起とすぐ上位の椎骨の下関節突起との間に関節をつくる。上連結突起という呼称は比較解剖に用いるとき便利である。)
- 119_02【Spinous process of vertebra棘突起(椎骨の) Processus spinosus vertebrae】 The spinous processes of C1-C6 are bifid.
→(棘突起は椎骨椎弓の正中線から後下方に向かう長い単一の突起である。)
- 119_03【Anterior tubercle (of cervical vertebra)前結節(頚椎の) Tuberculum anterius (Vertebrae cervicalis)】 Anterior protuberance found on the second to seventh cervical vertebrae for muscle attachment.
→(第二~七頚椎横突起の根もとが横突孔により前・後の2部分に分かたれた形となっている。そのうち横突孔よりも前方の部分が前結節で元来は肋骨に相当するものが椎骨に癒合したものであり、後方の部分が後結節で本来の横突起である。)
- 119_04【Vertebral body; Body of vertebra椎体;椎骨体 Corpus vertebrae】
→(椎体は椎骨の前部を占める短い円柱で、上下端は平らな面をつくる。上面と下面はやや広いため、椎体を側面から見ると、中央でややくびれている。後面は椎孔の前壁にあたり、縦に走る浅く広い溝となっている。椎体の上下面は椎間円板と固着する硝子軟骨で被われる。この軟骨の周縁部は骨化し、後方部分が欠けた不完全な輪の形の骨端板を作る。加令によりこの骨端板の骨化はさらに進行し、椎体の上下面の縁が側面から水平に突出するようになる。)
- 119_05【Groove for spinal nerve脊髄神経溝 Sulcus nervi spinalis】 Groove on the transverse processes of the third through seventh cervical vertebrae that transmits the spinal nerves emerging from the intervertebral foramen.
→(第三~七頚椎の横突起にある溝で、横突起の上面は上椎切痕につづく脊髄神経溝となり、ここを椎間孔からでた脊髄神経が通る。脊髄神経溝は第一頚椎、第二頚椎にはない。)
- 119_06【Posterior tubercle (of cervical vertebra)後結節(頚椎の) Tuberculum posterius (Vertebrae cervicalis)】 Posterior protuberance on the second to seventh cervical vertebrae for muscle attachment.
→(第二~七頚椎横突起の根もとが横突孔により前・後の2部分に分かたれた形となっている。そのうち横突孔よりも後方の部分が後結節で本来の横突起である。)
- 119_07【Inferior articular process of vertebra下関節突起;下軛突起(椎骨の) Processus articularis inferior vertebrae; Zygapophysis inferior】 Inferiorly projecting articular process on the vertebral arch that projects inferiorly.
→(椎弓の根もと近くから下方に軽く突出する1対のものが下関節突起である。下関節突起は(特に上位の胸椎では)突出度が小さい。下連結突起という呼称は比較解剖に用いるとき便利である。)