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- 245_00【Crural bones; Bones of the leg下腿骨;下腿の骨 Ossa cruris】
→(下腿骨は脛骨と腓骨との2個である。)
- 245_01【Tibia; *Shank bone; *Shin bone脛骨 Tibia】
→(下腿の2つの骨のうち内側にある大きい方の骨である脛骨は、横断面が三角形をした長骨で、骨のうちで2番目に長い、下腿の前内側部に位置する。上端(近位部)と下端(遠位部)は膨隆しているが、上端の方がはるかに大きい。上端(近位端)・下端(遠位端)・骨体の3部にわけられる。上端が下端よりもはるかに幅広く強大であること、骨幹の前縁が鋭い稜線をなしていること、下端の内側部が下方に突出してることを目やすにすれば、この骨の上下・前後方向の位置づけと左右の判別は比較的容易である。上端で孔内側および後外側方へ膨隆した部分が、それぞれ内側顆と外側顆である。上面にある2個の平滑面が大腿骨と関節する上関節面である。内側の関節面は楕円形に陥凹しているが、外側の関節面は左右軸で凹面を前後軸で凸面になっている。内側と外側の関節面の間の隆起部が顆間隆起で、特に後方よりのところが顕著である。顆間隆起の内側および外側部の突出している部分が、それぞれ内側顆間結節・外側顆間結節である。顆間隆起の前後の陥凹した部分がそれぞれ前顆間区・後顆間区である。近位端の前面は三角形の粗な平面をなし、血管孔がある。粗面の下端は結節状の隆起に達している。この隆起が脛骨粗面で、上方の小さいやや平滑な面に膝蓋靱帯が付着する。近位端の周囲は全体が粗面上になっているが、外側顆の外側後下面に腓骨頭に対する小楕円形の平滑面・腓骨関節面がある。脛骨体は3縁とのうち最も明瞭で、近位2/3ではとくに鋭利である。脛骨粗面外側部から始まり内果前面に終わる。全体に軽いS字状を呈するが、遠位端では鈍で平滑となる。内側縁は丸みをおびており、内側顆後部から始まり内果後縁に終わる。外側縁は細い洗浄の隆起として認められ、腓骨関節面前方から始まり遠位端は腓骨切痕を挟むように二分して終わる。骨間膜が付着する骨間縁である。内側面は広くやや丸みをおび比較的平滑である。外側面は内側面より狭く平滑であるが、近位1/3に前脛骨筋がおこる浅い溝である。後面の近位1/3にある斜上外側(腓骨関節面内側下方)から斜下内側へ走る隆線がヒラメ筋線である。この筋線の下外側部に上方から入る栄養孔がある。中1/3に上下方向に走る低い隆線がある。隆線の広い内側部から長趾屈筋が、狭い外側部から後脛骨筋がおこる。他の部分は滑らかで筋におおわれる。遠位端(下端)は膨隆しているが近位端より小さい。近位内側部で下方に突出した部分が内果で、内果の外側面は平滑で内果関節面をなし距骨に対する関節面の一部をなす。遠位端下面は距骨に対する下関節面をなし、平滑で前後に凹面左右に凸面を呈する。前後に走る引くい隆起があり関節面を二分している。前面は平滑で丸みをおび、伸筋群の腱で被われる。前面遠位端には横走する浅い溝があり、足関節包が付着する。後面中央やや外側には長母趾屈筋腱が通る縦方向の浅い溝があり、内側には斜上外側から斜下内側へ走る長趾屈筋と後脛骨筋の腱が通る内果溝がある。外側面の三角形に陥凹した粗面が腓骨切痕である。内側面は内果として遠位方向に突出しており、丸みをおび皮下に触れることができる。Tibiaというラテン名詞には「スネの骨」のほかに笛の意味もある。Tibia(tuba笛)から変じたという節もあるし、また古代の笛は鳥のスネの骨で作られていてので、tibiaはもともとスネの骨を指すのだとも言う。脛はもちろんスネである。)
- 245_02【Fibula; *Calf bone腓骨 Fibula】
→(腓骨は脛骨と対になって存在する下腿の骨で同じくらいの長さである。長骨のうちで最も細長い骨で、脛骨の外側にある。近位端は脛骨外側顆の後下方にあり、膝関節の形成には関与しない。遠位端は脛骨の腓骨切痕を通り、その遠位端を越え足関節の外側部を形成する。腓骨を近位端・骨体・遠位端に分ける。近位端(上端)のやや球状に膨隆した部分が腓骨頭で、腓骨頭上面にある楕円形の平滑面が脛骨の腓骨関節面に対する腓骨頭関節面である。腓骨には多数の小結節があり粗面をなす。外側の隆起で後上方に突出する部分が腓骨頭尖である。腓骨体は細長い三角柱状で、3縁と3面を区別する。前縁は腓骨頭前面から始まりほぼ真直ぐ下降する。中央部では稜状で鋭い、遠位1/4で二分し、一方は外果前縁へ他方は外果の後下方へ向かう。2者の間は外果外側面の上方で三角形の平滑面をなし、皮下で触れられる。骨間縁は腓骨頭直下から始まる線状の隆起で、初部(2cm位)は不明瞭なことが多い。はじめ前縁の直内側を前縁と平行して下降するが、遠位2/3位の所から後内側方へ離れ、外果関節面上方の腓骨切痕に対する三角形の粗面の尖端で終わる。後縁は腓骨頭尖から始まり外果後縁で終わる。近位では丸みを帯びているが遠位でやや稜状となる。前縁と骨間縁の間が内側面である。近位1/3では非常に狭いが遠位1/3では幅が広くなり、少し窪んで浅い溝状を呈す。後縁と前内側にある骨間縁との間の面が後面である。後面で、腓骨頭内側部からおこり遠位1/3のところで骨間縁と合流する稜線が内側稜である。内側稜と骨間縁の間は後面の後内側上部にあたり、浅い溝状を呈する。後面の広い後外側部は内側稜と後縁の間にあり、遠位では外果上方の三角形の粗面にいたる。中央部に栄養孔が上方の三角形の粗面にいたる。中央部に栄養孔が上方から入っている。外側面は前縁と後縁に囲まれた部分で比較的平滑で浅い溝状を呈す。近位端は少し大きく、また前後に広がっている。外側部は遠位側へ突出し外果をなす。外側面は二分した腓骨体前縁でつくられる腓骨体外側面の三角形の面につづく。内側前面上方にある楕円形の平滑な面が、距骨体の外側面と関節する外果関節面である。関節面の後方にあるやや深い陥凹が外側窩である。後縁は幅が広く、長および短腓骨筋腱が通る浅い溝・腓骨果溝がある。ラテン語のFibula(ブローチの留針、バックルの留金)に由来する。Figo(結びつける)からfigibulaという名詞が生じ、これが短縮してfibulaとなった。これに相当するギリシャ語はperoneで、腓骨筋m.peroneus、腓骨動脈a.peronea、腓骨神経n.peroneusなどに使われる。)
- 245_03【Infraglenoidal border関節下縁 Margo infraglenoidalis】
→()
- 245_04【Medial condyle of tibia内側顆;脛側顆(脛骨の) Condylus medialis; Condylus tibialis】 Medial prominence on the proximal end of the tibia.
→(脛骨を側方から見るとその上端で少し後方に屈曲しているように見える。内側にある張り出しは内側顆である。)
- 245_05【Soleal lineヒラメ筋線;膝窩筋線 Linea musculi solei; Linea poplitea】 Bony ridge on the posterior surface of the tibia that extends obliquely from superolateral to inferomedial, giving origin to the soleus muscle.
→(ヒラメ筋線は腓骨の小関節面から脛骨の後部を横切って、斜め下方へのびる隆線。ヒラメ筋の起始となる。ヒラメ筋線より上方の三角形の面から膝窩筋、ヒラメ筋線からはヒラメ筋が起こる。ヒラメ筋線より下方では栄養孔の内方を縦に通る極めて不明瞭な隆起線を境として、それより広い内側から長趾屈筋、狭い外側から後脛骨筋が起こる。すなわち、この縦線は後脛骨筋を被う線維膜の着く線である。)
- 245_06【Nutrient foramen栄養孔 Foramen nutricium】 Opening of the nutrient canal at the surface of the bone.
→(どの骨をとってみても、骨の表面には虫が食ったような孔がポツポツとあいている。これらのうち、こまかい孔やくぼみは主としてシャーピーの線維(骨膜から骨質に入り込む結合組織線維)が侵入する孔であるが、輪郭のハッキリした直径1~2mmの丸い穴は細い血管が骨に出入りするためのもので、栄養孔とよばれる。厳密にいえば、これらの孔の開口部が栄養孔で、骨に入り込んだトンネル状の部分は栄養管と名づけられる。この栄養孔ないし栄養管は骨質を貫いて髄腔(骨髄を収容する腔所)に達している。したがって、栄養孔からはいる動脈は主として骨髄を養うが、その枝は髄腔に近い深部の骨質も養う。また栄養孔から出てくる静脈は骨髄と骨からの炭酸ガスや老廃物を運ぶだけでなく、骨髄で形成された新しい赤血球や白血球を末梢血流に導き出す役割を持っているのである。なお骨の表層の緻密質は、骨膜の動脈叢から出る無数の細い枝で養われが、その進入路は非常に細くて肉眼的にはほとんど見分けられない。それぞれの骨における栄養孔の数や位置は、大体の原則はあるものの個体差ははなはだしい。たとえば椎骨では、栄養孔はとくに椎体の表面に多くみられるが、その数・位置・大きさなどは千差万別でる。なお、椎孔をのぞきこんでみると、椎体の後面にはとくに大きい栄養孔(ここを通る主な血管は椎体静脈)を見いだすことができる。)
- 245_07【Posterior surface of tibia後面(脛骨の) Facies posterior (Tibia)】
→(脛骨の後面はその丈夫には斜めに外上方から内下方に走るヒラメ筋線がある。)
- 245_08【Interosseous border of tibia骨間縁;骨間稜(脛骨の) Margo interosseus; Crista interossea】 Border of the tibia that faces the fibula and gives attachment to the interosseous membrane along most of its length.
→(脛骨体の外側面にはその全長にわたって線状の隆起が走っている。これは腓骨との間に張る骨間膜のつく場所なので骨間縁と呼ばれる。下腿骨間膜がここに着く。)
- 245_09【Medial border of tibia内側縁;脛側縁;脛側稜(脛骨の) Margo medialis; Margo tibialis】
→(内側縁は鈍円である。)
- 245_10【Malleolar groove内果溝;脛骨踝溝 Sulcus malleolaris; Sulcus malleoli tibiae】 Small groove on the posterior aspect of the medial malleolus for passage of the tendon of the tibialis posterior muscle.
→(内果の後側には後脛骨筋腱と長趾屈筋腱の通る内果溝がある。ただし、長趾屈筋腱の乗る外方部は殆ど溝をつくらない。)
- 245_11【Medial malleolus内果;脛骨踝 Malleolus medialis; Malleolus tibiae】
→(脛骨下端の内側部は内果と呼ばれ、生体で皮下によくふれられる。内果のすぐ後方に、これに接して浅い溝が弓状に走るが、これは長趾屈筋の腱が通るところである。)
- 245_12【Articular facet of lateral malleolus外果関節面;腓骨踝関節面 Facies articularis malleoli lateralis; Facies articularis malleoli】 Articular surface facing the talus.
→(腓骨下端部の内側面には逆三角形の外果関節面があり、脛骨の下関節面と組になって距骨との連結に関与する。この外踝関節面のすぐ上方には輪郭の不明瞭な三角形の粗面があり、脛骨の腓骨切痕に接する。)
- 245_13【Popliteal surface of tibia膝窩面(脛骨の) Facies poplitea; Planum popliteum (Tibia)】
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- 245_14【Lateral condyle of tibia外側顆;腓側顆(脛骨の) Condylus lateralis tibiae】 Lateral prominence on the proximal end of the tibia.
→(脛骨を側方から見るとその上端で少し後方に屈曲しているように見える。外側にある張り出しは外側顆である。)
- 245_15【Apex of head of fibula腓骨頭尖;腓骨小頭尖 Apex capitis fibulae; Apex capituli fibulae】 Superiorly directed process on the head of the fibula.
→(腓骨頭の外側面の上端は小さく尖っていて腓骨頭尖という。)
- 245_16【Head of fibula腓骨頭;腓骨小頭 Caput fibulae; Capitulum fibulae】 Proximal end of the fibula.
→(腓骨の上端の膨らみは腓骨頭と呼ばる。腓骨頭の前面から長趾伸筋、長腓骨筋、後面からヒラメ筋の一部が起こり、外側面に大腿二頭筋が付着く。)
- 245_17【Posterior surface of fibula後面(腓骨の) Facies posterior fibulae (Fibula)】 Posterior aspect of the shaft between the posterior and interosseous borders.
→(腓骨の後面は骨間膜の後にある下腿屈筋の深層の筋が起こるところを指す。骨間膜と内側稜にはさまれた上内方の小部は、後脛骨筋の起こるところで、内側に向くが、ここも後面の一部である。後方を向く縦に長い面からはヒラメ筋と長母指屈筋が起こる。)
- 245_18【Medial crest of fibula内側稜;脛側稜(腓骨の) Crista medialis; Crista tibialis (Fibula)】 Bony ridge on the posterior surface of the shaft that forms the boundary between the origins of the tibialis posterior and the flexor hallucis longus muscles.
→(腓骨の骨間縁の下1/3あたりのところから腓骨頭の後端に向かって内側稜という隆起線が上方に向かって枝分かれしている。内側稜は後脛骨筋の起始部と長母趾屈筋の起始部との境界をなす。)
- 245_19【Lateral border of fibula外側縁(腓骨の) Margo lateralis (Fibula)】
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- 245_20【Malleolar fossa of lateral malleolus外果窩;腓骨踝窩 Fossa malleoli lateralis】 Depression on the posteromedial aspect of the lateral malleolus. Origin of the posterior talofibular ligament.
→(外踝関節面の後方には小さな凹みである外踝窩があるが、これは足首の関節に関与する後距脛靱帯がつくところである。)
- 245_21【Malleolar groove外果溝;腓骨踝溝 Sulcus malleolaris】 Groove lateral to the malleolar fossa for passage of the tendons of the peronei muscles.
→( Sulcus malleoli lateralisとした方が内果溝と判別しやすい。)
- 245_22【Lateral malleolus外果;外踝;腓骨踝 Malleolus lateralis; Malleolus fibulae】
→(腓骨の下端は肥厚して下方に突出し、特にその外側面を外果とよぶ。外果の先端が下方というよりは後下方を向いている。臨床的には、腓骨の骨折はしばしば見られ、スキー人口の増加とともに外果の骨折が激増している。これはスキーで転んで足首のところで足が強く内反されると、外果窩についている強い靱帯が引っ張られて、外果の先端から約1cm上方の所で外果が簡単に折れてしまう。)