目次骨格系関節系筋肉系消化器系呼吸器系胸郭泌尿器系生殖器系腹腔と骨盤腔内分泌腺心脈管系リンパ系神経系感覚器外皮

Bones of lower limb(下肢骨)Ossa membri inferioris かしこつ Feneis: 062_01

[A02_5_00_001] →(上肢骨に比べて強大で丈夫であるが、運動の自由さで劣る。下肢骨は胴骨と連結し、運動性が制約されている下肢帯と、下肢帯に連結する自由下肢骨に分けられる。)

Pelvic girdle(下肢帯;骨盤帯)Cingulum pelvicum; Cingulum membri inferioris かしたい;こつばんたい Feneis: 062_02

[A02_5_00_002] →(左右の寛骨は、仙骨とその下につづく尾骨とともに強固な骨盤を作る。また、恥骨の前下端で線維軟骨によって互いに連絡している。仙骨と連結し管状構造となって骨盤を形成する。骨盤は腹腔の底と骨盤腔を構成し内臓を保護するとともに、体幹と上肢の重みを支え、またこれを両側の下肢に分散させる骨格で、これを作る骨間の連結は固く、可動性は著しく制限されている。)

Sacrum [Sacral vertebrae I-V](仙骨;仙椎[1-5])Os sacrum [Vertebrae sacrales I-V] せんこつ;せんつい[1-5] Feneis: 050_18

[A02_2_05_001] →(骨盤の後壁をつくる幅広い三角状の骨で脊柱のうちで最も大きい。青年期までは軟骨結合をいとなむ5個の仙椎と肋骨片とが癒合した物で、後方に向かって軽く凸弯している。骨盤腔に面する前面は平滑であるが後面は凸凹に富み3種5条の縦の隆起がある。このうち、正中仙骨稜は棘突起が、中間仙骨稜は関越突起が、外側仙骨稜は横突起がそれぞれ結ぶ靱帯の骨化とともに癒合したものである。中間仙骨稜は下方に延びて仙骨角を形成し、仙骨管の下口である仙骨裂孔を左右から囲んでいる。椎孔が上下に連なってできた仙骨管はそれぞれ4対の前仙骨孔と後仙骨孔によって仙骨の前・後面に通じており、前者を仙骨神経前枝、後者を仙骨神経後枝が通る。また、左右の前仙骨孔の間にある4本の横線は5個の仙椎椎体の癒合した痕である。仙骨底中央の第1仙椎椎体の上面のうち、最も前方に突出している点、すなわち岬角は骨盤の計測点して用いられる。仙骨の上関節突起および前・後仙骨孔より外側の部分は仙椎の横突起と肋骨片が癒合したもので外側部という。外側部の上半には耳状面とよばれる広い関節面があって寛骨と連結する。また、耳状面の後方の仙骨粗面は凸凹に富み、靱帯が付着する。仙骨の形や大きさは男女によって異なり、女性の仙骨は男性の仙骨より幅が広くて上下に短く、弯曲度が小さい。しかし、日本人の場合には白人ほど顕著ではない。仙骨には第一仙椎の腰椎化(完全分離の頻度6~7%)、第5腰椎の仙骨化(完全癒合の5%)がみられるが、第一尾椎が尾骨と癒合することもある。Sacer(神聖)に由来する。)

Hip bone; Coxal bone; Pelvic bone(寛骨)Os coxae かんこつ Feneis: 062_03

[A02_5_01_001] →(骨盤の前および側壁をなす厚い板状の大きな扁平骨で、腸骨、坐骨、恥骨からなる。中央部がくびれ、上方と下方に扇状に拡がった形をなし、全体の形は8の字に似ている。内面の後上方から前下方に走る隆起が腸骨弓状線で、この弓状線を境にして寛骨の上半部の前方が外側へ開くようにねじれた形をしている。中央部の外側面には杯よりやや大きい半球状の深い陥凹が寛骨臼である。寛骨臼の関節面は半月の形に似ているので月状面ともよばれ大腿骨頭を入れる関節窩で前下外側へ向く。寛骨臼縁は1平面上にはなく、下方で欠如する部分が寛骨臼切痕である。寛骨臼底部の円形の粗面が寛骨臼窩で、寛骨臼窩の外側の、丈夫が広い馬蹄形の平滑な関節面が月状面である。寛骨臼の前下方にある大きな卵形または三角形の空隙が閉鎖孔である。閉鎖孔の上縁を上方(内面)から下方(外面)へ走る溝が閉鎖溝である。恥骨の前閉鎖結節および坐骨の後閉鎖結節を結んだ線より下方の閉鎖孔は、生体では線維性の閉鎖膜によって閉鎖される。寛骨臼の上方で扇に拡がった部分が腸骨翼で、腸骨翼の上縁が腸骨稜である。寛骨は腸骨、坐骨、恥骨の三つの骨で構成される。若年者では軟骨結合により結合しているが、成人では骨結合により癒合している。寛骨臼の上部の板状に拡がった部分が腸骨、寛骨臼の下部(2/5強)および寛骨臼より下方と後方部が坐骨、寛骨臼の前部(1/5)および寛骨臼より前下方部が恥骨である。ラテン語のCoxa(臀)に由来する。やや古い英米の解剖学書では寛骨をinnominate bone(無名骨)と呼んでいる。この骨はA.C. CelsusがA.D.30年ころにos coxaeと命名しているにもかかわらず、Galenos(131-201 A.D.)は無責任にも「名なしの骨」と記載した。Vesalius (1514-1564)もこの呼び名を流用してos innominatumとしたのが、現在でも英語の中に生きているのである。)

Acetabulum(寛骨臼)Acetabulum かんこつきゅう Feneis: 062_04

[A02_5_01_002] →(寛骨の外側面の中央部で腸骨、恥骨、坐骨の3骨の合するところには大腿骨と股関節をつくる深い寛骨臼がある。大腿骨頭の先端には長さ約3cmの関節内靱帯(大腿骨頭靱帯)がついており、これが関節窩(寛骨臼)の切痕部に付着している。寛骨臼はその辺縁に線維軟骨性の関節唇が取り巻いてその深さをましている。寛骨臼(Acetabulum)はラテン語のacetum(酢)+abrum(支持台・入れ物)の縮小形abulumからきたacetabulum(酢を入れる小さなびん)に由来する。)

Acetabular margin(寛骨臼縁;寛骨臼唇)Limbus acetabuli; Margo acetabuli かんこつきゅうえん;かんこつきゅうしん Feneis: 062_05

[A02_5_01_003] →(寛骨臼縁は高く隆起するが、寛骨臼切痕により中断され欠けている。)

Acetabular fossa(寛骨臼窩;寛骨窩)Fossa acetabuli かんこつきゅうか Feneis: 062_06

[A02_5_01_004] →(寛骨臼窩は寛骨臼の底面で表面が粗である。寛骨臼窩の上部の骨はときにかなり薄くなっている。)

Acetabular notch(寛骨臼切痕)Incisura acetabuli かんこつきゅうせっこん Feneis: 062_07

[A02_5_01_005] →(寛骨臼縁は1平面上にはなく、下方で月状面の欠如する部分が寛骨臼切痕で、その底面は寛骨臼窩の下端部で構成されている。)

Lunate surface of acetabulum; Acetabulum roof; Roof of the acetabular fossa(月状面(寛骨臼の); 寛骨臼屋根)Facies lunata acetabuli げつじょうめん(かんこつきゅうの) Feneis: 062_08

[A02_5_01_006] →(寛骨臼の関節面は半月の形に似ているので月状面とよばれ、軟骨に被われている。)

Ischiopubic ramus(坐骨恥骨枝)Ramus ischiopubicus ざこつちこつし Feneis: 062_09

[A02_5_01_007] →(坐骨枝と恥骨下枝で構成される。閉鎖孔の下縁をつくる。)

Obturator foramen(閉鎖孔)Foramen obturatum へいさこう Feneis: 062_10

[A02_5_01_008] →(閉鎖孔は寛骨臼の下方にある大きな孔。男性では卵形、女性では三角形に近い形状である。閉鎖孔の前方は恥骨で、後方は坐骨である。閉鎖動静脈および閉鎖神経が通る小孔が開いている他は、結合組織性の閉鎖膜によって大部分が閉じられている。)

Ilium(腸骨)Os ilium; Ilium ちょうこつ Feneis: 062_12

[A02_5_01_101] →(寛骨のうち幅広く外方に張り出している部分。出生児には別個の骨であるが、後に坐骨および恥骨と癒合する。下端のやや肉厚な寛骨臼付近が腸骨体で、扇状に拡がる上方部が腸骨翼である。腸骨翼の上縁が腸骨稜で、腸骨翼の内外2面との境の稜線がそれぞれ内唇・外唇、これらの間の粗な部分が中間線である。下端のやや肉厚な寛骨臼付近が腸骨体で、扇状に拡がる上方部が腸骨翼である。腸骨翼の上縁が腸骨稜で、腸骨翼の内外2面との境の稜線がそれぞれ内唇・外唇、これらの間の粗な部分が中間線である。腸骨稜は上方に張り出し、中央やや後方寄りのところが最も高位にあって第3腰椎棘突起と第4腰椎棘突起の間に相当する。また前方で内面に凹、後方で外面に凹のS字状を呈す。幅は中央部が狭く前方と後方で広い。腸骨稜が前縁に移行することで、前下方に突出する丸みを帯びた部分が上前腸骨棘である。この下方の浅い陥凹を隔てて前下方へ突出する部分が下前腸骨棘である。腸骨稜と後縁の境で後方へ突出する部分が下腸骨棘である。腸骨稜と後縁の境で後方へ突出する部分が上後腸骨棘で、この直下の浅い陥凹を隔てて幅広く突出する部分が下後腸骨棘である。下後腸骨棘直下で、坐骨後縁とともに深い切れ込みを呈する部分が大坐骨切痕である。腸骨の内面で、後上方(腸骨稜後方1/3位)から前下方恥骨上肢へ向かう隆線が弓状線で、前上方部の平滑で浅い陥凹を示す腸骨窩と、後下方部の粗な部分である仙骨盤面との境をなす。仙骨盤面では、上方の粗面が腸骨粗面、下方の耳介状を呈し、仙骨との関節面をなす部分が耳状面である。大坐骨切痕に面する平滑な部分は小骨盤側壁をなす。腸骨の外面で寛骨臼縁より上部が粗面状の臀筋面あり、前方で軽く外方へ張り出し後方で陥凹している。前上方から後下方へ向かう3本の隆線が臀筋線で、前殿筋線は最も長く、腸骨稜の前方約1/4から後下方大坐骨切痕上縁の中央部へ向かう。後臀筋線は最も短く、上後腸骨棘の少し前方から下後腸骨棘の少し前方にいたる。下臀筋線は下前腸骨棘の少し上方から後下方へ向かい、大坐骨切痕の尖端近くに達する。)

Body of ilium(腸骨体)Corpus ossis ilii ちょうこつたい Feneis: 062_13

[A02_5_01_102] →(腸骨の下部をなす腸骨体は寛骨臼の上半分を作り、これから上方にひろがる大きな扁平部が腸骨翼であるが、体と翼の境界は明確には定めにくい。)

Supra-acetabular groove(寛骨臼上溝)Sulcus supraacetabularis かんこつきゅうじょうこう Feneis: 062_14

[A02_5_01_103] →(寛骨臼縁の後ろ上方と腸骨体の間にある溝で、ここから大腿直筋の反転頭が起こる。)

Ala of ilium; Wing of ilium(腸骨翼)Ala ossis ilii ちょうこつよく Feneis: 062_15

[A02_5_01_104] →(寛骨翼は腸骨体から上方に拡がる扁平部で、その上縁はやや厚い腸骨稜となる。)

Arcuate line of ilium(弓状線(腸骨の))Linea arcuata (Ilium) きゅうじょうせん(ちょうこつの) Feneis: 062_16

[A02_5_01_105] →(腸骨の弓状線は向きの異なる腸骨窩と仙骨盤面の合するところに生ずる稜線で、腸骨の内側面で耳状面の前縁の付近から前下方に走り、その前端は恥骨の上縁に達して鋭い恥骨櫛をつくる。)

Iliac crest; Iliocristale(腸骨稜)Crista iliaca ちょうこつりょう Feneis: 062_17

[A02_5_01_106] →(腸骨翼の上縁は腸骨稜であるが、これを上方から見るとS字状に弯曲し、中央1/3の部分はかなり薄くなっている。)

Outer lip of iliac crest(外唇(腸骨稜の))Labium externum cristae iliacae がいしん(ちょうこつりょうの) Feneis: 062_18

[A02_5_01_107] →(腸骨稜が腸骨翼外面に移る縁を外唇、同内面に移る縁を内唇、両唇の間の最も高い隆起線を中間線という。外唇からは外腹斜筋が起こる。)

Tuberculum of iliac crest(腸骨結節(腸骨稜の))Tuberculum iliacum ちょうこつけっせつ(ちょうこつりょうの) Feneis: 062_19

[A02_5_01_108] →(上前腸骨棘の後方5cmにあり、前臀筋線と腸骨稜とが出会う部位にある外唇の隆起。触れることができる。)

Intermediate zone of iliac crest(中間線(腸骨稜の))Linea intermedia (cristae iliacae) ちゅうかんせん(ちょうこつりょうの) Feneis: 062_20

[A02_5_01_109] →(腸骨稜が腸骨翼外面に移る縁を外唇、同内面に移る縁を内唇、両唇の間の最も高い隆起線を中間線という。中間線から内腹斜筋が起こる。)

Inner lip of iliac crest(内唇(腸骨稜の))Labium internum cristae iliacae ないしん(ちょうこつりょうの) Feneis: 062_21

[A02_5_01_110] →(腸骨稜が腸骨翼外面に移る縁を外唇、同内面に移る縁を内唇、両唇の間の最も高い隆起線を中間線という。内唇から腹横筋が起こる。)

Anterior superior iliac spine; Iliospinale anterius(上前腸骨棘;前腸骨棘)Spina iliaca anterior superior; Spina ilica ventralis じょうぜんちょうこつきょく;ぜんちょうこつきょく Feneis: 062_22

[A02_5_01_111] →(腸骨稜の前端は鈍円な突起として大きく突出し、上前腸骨棘として体表上からもよく触れる。大腿筋膜張筋および縫工筋が起こる。)

Anterior inferior iliac spine(下前腸骨棘)Spina iliaca anterior inferior かぜんちょうこつきょく Feneis: 062_23

[A02_5_01_112] →(腸骨稜の前縁は上前腸骨棘にはじまり、その下にくぼんだ部を隔てて下前腸骨棘があり、それから寛骨臼の前上縁に達する。)

Posterior superior iliac spine; Iliospinale posterius(上後腸骨棘)Spina iliaca posterior superior じょうこうちょうこつきょく Feneis: 062_24

[A02_5_01_113] →(腸骨稜の後端は後方に突出して上後腸骨棘となる。)

Posterior inferior iliac spine(下後腸骨棘)Spina iliaca posterior inferior かこうちょうこつきょく Feneis: 062_25

[A02_5_01_114] →(腸骨稜の後縁は上端が上後腸骨棘で、次に少し下がって下後腸骨棘がある。)

Iliac fossa(腸骨窩)Fossa iliaca ちょうこつか Feneis: 062_26

[A02_5_01_115] →(腸骨翼の内側面の前2/3は浅く窪んだ平滑な部分で腸骨筋が起こることで腸骨窩という。)

Gluteal surface of ilium(殿筋面(腸骨の))Facies glutea ossis ilii でんきんめん(ちょうこつの) Feneis: 062_27

[A02_5_01_116] →(腸骨の外面は前半部が少しふくれ後半部が弱くくぼむ。主として臀筋群のおこる臀筋面である。)

Anterior gluteal line(前殿筋線;上臀線)Linea glutea anterior; Linea glutaca cranialis ぜんでんきんせん;じょうでんせん Feneis: 062_28

[A02_5_01_117] →(臀筋面には、ほぼ前上方から後下方に向かって走る3線があり、その中央のものは最も長く、この面の上縁前部から起こって弓状に後縁下部の大坐骨切痕に向かい、これを前殿筋線という。これより後方にあるものは最も短く、後上隅に起こって下方に向う後臀筋線である。他の1線は下日宇にあって、前縁上部から起こって寛骨臼の上を通り後下方に向かい、これを下臀筋線という。これらは臀筋の表面の腱状の線維の付着によって生ずるもので、後臀筋線の後方の面から大臀筋、後臀筋線と前臀筋線と下臀筋線との間から小臀筋が起こる。下臀筋線と寛骨臼との間で大腿直筋が起こるところは寛骨臼縁後上方に浅いへこみをつくる。)

Posterior gluteal line(後殿筋線;後臀線)Linea glutea posterior; Linea glutea dorsalis こうでんきんせん;こうでんせん Feneis: 062_29

[A02_5_01_118] →(前殿筋線より後方にあるものは最も短く、後上隅に起こって下方に向かう後臀筋線である。)

Inferior gluteal line(下殿筋線;臼上臀線)Linea glutea inferior かでんきんせん;きゅうじょうでんせん Feneis: 062_30

[A02_5_01_119] →(臀筋面の下方にあって、寛骨臼の上方から起こって間骨弓の上を通り後下方に向かう下臀筋線がある。)

Sacropelvic surface of ilium(仙骨盤面(腸骨の))Facies sacropelvica ossis ilii せんこつばんめん(ちょうこつの) Feneis: 062_31

[A02_5_01_120] →(腸骨翼の内側面の後1/3は表面がデコボコしている部分を仙骨盤面と呼ぶ。)

Auricular surface of ilium(耳状面(腸骨の))Facies auricularis ilii じじょうめん(ちょうこつの) Feneis: 062_32

[A02_5_01_121] →(仙骨盤面の前下半分は耳の形をした耳状面がある。)

Iliac tuberosity(腸骨粗面)Tuberositas iliaca ちょうこつそめん Feneis: 062_33

[A02_5_01_122] →(腸骨の耳状面より後上方の部は仙骨の外側部との隙間を埋める靱帯が着く腸骨粗面で、はだはだ粗である。)

Ischium(坐骨)Os ischii; Ischium ざこつ Feneis: 062_34

[A02_5_01_201] →(寛骨の後下方部にあり、閉鎖溝の後方と下方部を囲む。寛骨臼の後下部とこの下方の肥厚した三角柱状部が坐骨体で、坐骨体から前内側上方へ伸びる細い扁平柱状部が坐骨枝である。坐骨体の前縁は稜線状で、閉鎖孔の上縁後部および後縁を形成する。寛骨臼切痕の下方、恥骨との癒合部の近くの前縁でしばしばみられる棘上の突起が後閉鎖結節である。後面は後上方やや背側に面し、上方で広く、腸骨臀筋面下部につらなる。腸骨との癒合部は寛骨臼の後部にあたり、やや隆起している。後面下部から坐骨体下端にある隆起しいた比較的大きな粗面部分が坐骨結節である。坐骨結節は上方で幅が広く下方で狭い。後上方から前下方へ比較的水平に走る隆線により、上下の2部分に分けられる。三角形の下部は中央を縦に走る隆線で内外の2部分に分けられる。坐骨のとき身体を支持するのは坐骨結節下部の内側部である。寛骨臼後部と坐骨結節の間に、後上内側から前下外側へ走る浅い溝がある。後面の内側縁が後縁へつづき、後縁の上部は腸骨の後縁とともに大坐骨切痕を形成する。大坐骨切痕の下方で、内後方へ突出する扁平三角錐部が坐骨棘であり、坐骨棘と坐骨結節の間にある丸みをおびた浅い陥凹部が小坐骨切痕である。坐骨結節の外側縁と坐骨体前縁との間にある大腿面および坐骨体前縁と坐骨体後縁の間にある骨盤面は平滑である。坐骨枝は前内側上方へ伸び恥骨下枝と癒合する。癒合部はやや隆起し粗面を呈していることが多い。前面はやや粗で後面は平滑である。上縁は鋭利縁をなし閉鎖溝の下縁を形成する。下縁は粗で恥骨下枝内縁とともに恥骨弓・恥骨下角の形成に関与する。ギリシャ語のIschion(股関節)に由来し、臀部全体や坐るときにあたる骨を意味していた。)

Body of ischium(坐骨体)Corpus ossis ischii ざこつたい Feneis: 062_35

[A02_5_01_202] →(坐骨のうちで主として寛骨臼の後下半部と閉鎖孔の後壁を作る部分が坐骨体で、側面から見ると、幅が広く厚みの薄い三角柱状をしている。削いだように鋭い前縁は上部では閉鎖孔の上縁の後半、下部ではその後縁をつくる。)

Ramus of ischium(坐骨枝;坐骨下枝)Ramus; Ramus inferior (Os ischii) ざこつし Feneis: 062_36

[A02_5_01_203] →(坐骨結節のところから前方に伸びて恥骨下枝に合する部で、閉鎖孔の下縁の後半をつくる。坐骨結節につづく下縁がやや厚く、閉鎖孔に向かう上縁が鋭い三角柱状をなす。)

Ischial tuberosity(坐骨結節)Tuber ischiadicum ざこつけっせつ Feneis: 062_37

[A02_5_01_204] →(小坐骨切痕より下方の坐骨体は、その後面に大きな楕円形の坐骨結節を作っている。坐骨結節の表面は大腿後面の筋群に起始を与えるために非常に粗になっている。また坐骨結節は腰掛けるときに椅子の面に接して、体重を支える場所である。)

Ischial spine(坐骨棘)Spina ischiadica ざこつきょく Feneis: 062_38

[A02_5_01_205] →(坐骨体の後縁の上部に、後内方に突出する三角形の坐骨棘がある。)

Greater sciatic notch(大坐骨切痕)Incisura ischiadica major だいざこつせつこん Feneis: 062_11

[A02_5_01_009] →(寛骨臼後部と坐骨結節の間に、後上内側から前下外側へ走る浅い溝がある。後面の内側縁が後縁へつづき、後縁の上部は腸骨の後縁とともに大坐骨切痕を形成する。)

Lesser sciatic notch(小坐骨切痕)Incisura ischiadica minor しょうざこつせっこん Feneis: 062_39

[A02_5_01_206] →(坐骨棘より下方の後縁は急速に厚くなり鈍円である。坐骨棘に見られる滑らかな浅い陥凹を小坐骨切痕という。)

Pubis; Pubic bone(恥骨)Os pubis; Pubis ちこつ Feneis: 064_01

[A02_5_01_301] →(恥骨は寛骨の前下部を占める。恥骨体、恥骨上枝および恥骨下枝の3部に分けられる。寛骨臼の前方約5分の1と寛骨の前下方部を形成し、対側の恥骨と恥骨結合面で軟骨(線維軟骨)結合をする。長楕円形の恥骨結合面を含む前上部が恥骨体である。丸みをおびた恥骨体上縁の外側端にある隆起が恥骨結節で、恥骨結節から恥骨結合面へ向かう、恥骨体前面との移行部の粗な隆線が恥骨稜である。恥骨体の上外側から後上外側へ伸び、寛骨臼に達する三角柱状の部分が恥骨上枝である。恥骨上枝上面(櫛状面)は三角形を呈す。恥骨結節から寛骨臼部へいたる、上面外側前方の丸みをおびた隆線が閉鎖稜であり、恥骨結節から後上外側の橈骨との癒合部を示す粗な隆起へいたる、上面内側後方の稜線が恥骨櫛である。腸骨との境界部は肥厚しているが、寛骨臼前下縁にいたる、とくに肥厚した部分が腸恥隆起である。恥骨櫛・恥骨稜は分界線の恥骨部をなす。内側面(骨盤面)は恥骨櫛と、鋭利縁をなす下縁との間の平滑な面で、外側部で幅が狭くなる。下面(閉鎖面)には内側面下後方から下面前下方へ向かう閉鎖溝がある。閉鎖溝は前方が閉鎖稜で、後方は下縁で境される。下縁中央部で、やや後方へ突出した小隆起が前閉鎖結節である。生体では前閉鎖結節と後閉鎖結節との間に、閉鎖膜の上縁をなす線維束が張って閉鎖溝の底となり閉鎖管を形成する。腸骨体の下外側から後下外側方へ伸びる扁平な部分が恥骨下枝で、坐骨枝と癒合し閉鎖溝の下縁をなす。癒合部は粗な隆起部として残ることがある。恥骨下枝の上縁は鋭いが、下縁は被厚し粗面をなす。下縁の内側部が粗に隆起して陰茎稜を示すことがある。ラテン語のPubes(陰部)に由来する。Pubesはpuberty(思春期)の語でわかるように、元来は成人の意味で、これから成人のシンボルである陰毛(pubes)のこととなった。このpubesはやがて陰部を指すようになり、その所有格によって「恥部の骨」os pubisの名が生まれた。)

Body of pubis(恥骨体)Corpus ossis pubis ちこつたい Feneis: 064_02

[A02_5_01_302] →(恥骨体は閉鎖孔の前縁とその付近をつくる上下に伸びた部で、上端は恥骨上枝に、下端は恥骨下枝に接続する。)

Pubic tubercle(恥骨結節)Tuberculum pubicum ちこつけっせつ Feneis: 064_03

[A02_5_01_303] →(恥骨櫛の前端の付近に上方に突出する小さな恥骨結節がある。)

Symphysial surface of pubis(恥骨結合面)Facies symphysialis ちこつけつごうめん Feneis: 064_04

[A02_5_01_304] →(恥骨体の前内側端は肥厚して、長卵円形の凹凸不平な恥骨結合面を有する。恥骨結合面の輪郭の形や表面の性状にはかなりの年齢的変化がみられ、年齢判定の一つの目安となる。恥骨接合面の年令的変化に着目し、年齢推定のための10段階の基準を作ったのはT.W. Todd(41920, 1921)である。この基準は今日でも法医学会や人類学で活用され、頭蓋縫合の閉鎖状態による方法よりも少ない誤差で年令判定ができるという。着眼点は恥骨結合面の骨化の進行・完成と、老人性の退行変化の程度である。埴原(1952)と小山(1958)の日本人での所見を加味して概説すると次のようになる。17~19才の骨化未完成の時期には、結合面全体にわたって数条の平行隆線が明瞭に横走している。年令の進むとともに隆線間の谷は次第に浅くなって隆線は不明瞭化し、ついには抄出して結合面は平坦になる(25才~27才)。石灰沈着が進むと結合面の辺縁が明瞭になってくるが、40才以上では老人性の変化が始まって結合面は粗となり不規則な侵触破壊の像を示すようになる。)

Pubic crest(恥骨稜;陰茎稜)Crista pubica; Crista phallica ちこつりょう;いんけいりょう Feneis: 064_05

[A02_5_01_305] →(恥骨稜は恥骨結節から恥骨結合面の上縁までつづく粗な線、恥骨稜は前腹筋下端が起こるところなるほか、白線や側腹筋腱膜の一部が着く。)

Superior pubic ramus; Ramus of pubis(恥骨上枝;寛骨臼部(恥骨枝の))Ramus superior ossis pubis; Pars acetabularis ramus ossis pubis ちこつじょうし;かんこつきゅうぶ(ちこつしの) Feneis: 064_06

[A02_5_01_306] →(恥骨上枝は、寛骨臼の前下部と、そこから前下方に伸びて恥骨体の上部につづく三角柱状の部分をいう。)

Iliopubic ramus; Iliopubic eminence(腸恥隆起)Eminentia iliopubica; Eminentia iliopectinea ちょうちりゅうき Feneis: 064_07

[A02_5_01_307] →(恥骨上枝の上端にあたり、寛骨急の前縁から寛骨の前縁に沿う部分が高まって腸恥隆起を作っている。)

Pecten pubis; Pectineal line of pubis; Pecten of pubis(恥骨櫛)Pecten ossis pubis ちこつしつ Feneis: 064_08

[A02_5_01_308] →(恥骨体の上縁は恥骨上枝につづく恥骨櫛である。)

Obturator crest(閉鎖稜)Crista obturatoria へいさりょう Feneis: 064_09

[A02_5_01_309] →(前縁は閉鎖孔の前縁となる鋭い隆起線で、閉鎖孔の上縁のつづきとして、寛骨臼切痕の前縁の付近にある小さな後閉鎖結節から前内方にゆるい弧を描いて走り、次第に鈍くなって恥骨体の前面で恥骨結節の下方に至る。これが閉鎖稜であるが、また前閉鎖稜の名で呼ばれることもある。)

Obturator groove(閉鎖溝)Sulcus obturatorius へいさこう Feneis: 064_10

[A02_5_01_310] →(前および後閉鎖結節にはさまれて、恥骨上枝の前縁と下縁の間には、閉鎖孔の前上隅を後上方から前下方にめぐる閉鎖溝がある。)

Anterior obturator tubercle(前閉鎖結節;恥骨閉鎖結節)Tuberculum obturatorium anterius; Tuberculum obturatorium pubicum ぜんへいさけっせつ Feneis: 064_11

[A02_5_01_311] →(閉鎖溝の前縁との移行部付近に小さな前閉鎖結節がある。)

Posterior obturator tubercle(後閉鎖結節;坐骨閉鎖結節)Tuberculum obturatorium posterius; Tuberculum obturatorium ischiadicum こうへいさけっせつ Feneis: 064_12

[A02_5_01_312] →(閉鎖孔の後方で寛骨臼切痕の前縁の付近にある小さな隆起が後閉鎖結節である。)

Inferior pubic ramus; Ramus of pubis(恥骨下枝;結合部(恥骨枝の))Ramus inferior ossis pubis; Pars symphysica ramus ossis pubis ちこつかし;けつごうぶ(ちこつしの) Feneis: 064_13

[A02_5_01_313] →(恥骨下枝は閉鎖溝の下縁の前半をつくる。内外から圧平された骨板で、とくに閉鎖孔に向く上縁は薄く鋭い。下縁はやや肥厚する。下縁の後方部の前面付近は粗に隆起してCrista phalica[INA](陰茎稜)をつくる。)

Pelvis(骨盤)Pelvis こつばん Feneis: 064_14

[A02_5_02_001] →(骨盤を形づくる骨は左右の寛骨とそれらの間にある仙骨ならびに尾骨である。寛骨は腸骨、坐骨および恥骨の3個の骨が合して1つの骨となったもので、胎生期から少年期までは軟骨によって結合されているが、16~17才頃に骨化して完全に一つの寛骨となる(骨結合)。これら3つの骨がY字型に合するところは股関節の関節窩に相当し、寛骨臼といわれ、臼のような形に凹んでいる。仙骨は5個の仙椎が癒合して1つの骨なったものであり、また尾骨も3~6個の小さい尾椎がくっついて1つの骨になったものである。さて、左右の寛骨は前の方では線維軟骨によって結合(線維軟骨結合)されており、恥骨結合とよばれる。後ろの方では寛骨の茸状面と仙骨の同じ名の面とが仙骨関節によって結合される。仙腸関節は関節という名がついているけれども、向かい合う関節面の形や大きさがほぼ同じで、そのうえ関節包は狭く、且つ4つの短いが、強い仙腸靱帯により結びつけれているので、ほとんど動かない(半関節)。骨盤は大骨盤と小骨盤とに区分され、その界には分界線がある。分界線は岬角(第5腰椎と仙骨の結合するところで、前下にとびだしている)、腸骨の弓状線、恥骨櫛および恥骨結合の上縁を結ぶ線の事で、その囲む面は平面に近い。大骨盤は広く、浅い鉢のような容器で、腹腔の下部に位し、腹部内臓を容れる。外側には腸骨翼があり、後ろには仙骨の上端があるが、そのほかに第4、5腰椎と腸骨稜との間に張る腸腰靱帯もまた後壁をなす。しかし前は開放されている。また上前腸骨棘と恥骨結節との間には鼡径靱帯があり、これと腸骨前縁との間を腸腰筋や血管が通る。小骨盤は短い円筒状で、骨盤腔の中に骨盤内臓を容れる。ふつう骨盤といえば小骨盤(狭義の骨盤)だけをさすが、大骨盤を含めた広義の骨盤は骨格の中でも性差の最もはっきりした部分で、産科学で重要視される。小骨盤の前壁は恥骨、両側壁は坐骨と腸骨の一部でつくられる。前外側壁には閉鎖孔があり、閉鎖孔のところだけを残して閉鎖膜が張っており、筋のつき場所となる。後壁は仙骨と尾骨でつくられるが、大部分は骨のないところで、ほぼ縦に走る仙結節靱帯と、その前でこれと交叉するように横に張る仙棘靱帯の両者がここを補っている。大と小の坐骨切痕は仙結節靱帯によりそれぞれ大と小の坐骨孔にわけられる。そして大坐骨孔は梨状筋(仙骨前面から起こり、大転子につく)が骨盤の外へ出る通路をなし、またこの孔の中で梨状筋より上の部分を梨状筋上孔といい、上臀神経と同名の血管が通る。下の部分を梨状筋下孔といい、坐骨神経、下臀神経と同名の血管、陰部神経と同名の血管が通る。また小坐骨孔は内閉鎖筋(骨盤の内面)で、閉鎖膜とそのまわりから起こり、大転子につく)の腱が骨盤の外へ出る通路をなす。小骨盤の入口は分界線によって囲まれ、小骨盤の出口は坐骨結節、恥骨下縁および尾骨の下端を結ぶ凸凹の線によって境される。なお骨盤の入口と出口の前後径の各中点を通る前に向かって凹な曲線を骨盤軸といい、分娩のとき胎児の頭が通る道(産道)の軸をなす。恥骨結合の下部は恥骨価格といわれ、男では角度が急であり、女では角度が鈍く弓状をなすので、恥骨弓と呼ばれる。骨盤の出口をふさぐ軟部組織として前上に尿生殖角隔膜と深会陰横筋がある。これらを男では尿道、女では尿道と腟が貫く。また後ろ下には肛門挙筋があり、内閉鎖筋の筋膜の一部(腱弓といわれ、特に丈夫になっている部分)から起こり、漏斗上に肛門に付く。骨盤は全身の骨格のなかで性差の最もはっきりした部分で、特に目立つのは小骨盤腔(狭義の骨盤腔)が女では男よりもひろく、たけが低いことであるこれは分娩ということを考えれば当然である。Pelvisはギリシャ語のpelisに由来するラテン語で、ローマ時代には縁がややめくれた広口の深い容器を意味した。骨盤のことをpelvisというようになったのは16世紀の末である。)

Pelvic cavity(骨盤腔)Cavitas pelvis こつばんくう Feneis: 064_15

[A02_5_02_002] →(骨盤腔は腹腔の続きで、骨盤内臓を入れるところとなるが、その底は骨盤底の筋板で閉鎖される。局所解剖学的には分界線より下方の腹腔は小骨盤腔として別に扱う。小骨盤腔内にある臓器を骨盤内臓と呼ぶ。)

Pubic arch(恥骨弓)Arcus pubicus ちこつきゅう Feneis: 064_16

[A02_5_02_003] →(恥骨結合の下では左右両側の恥骨下枝が合して弓状をなすので恥骨弓と呼ばれる。)

Subpubic angle(恥骨下角)Angulus subpubicus ちこつかかく Feneis: 064_17

[A02_5_02_004] →(左右の恥骨弓は恥骨結合のすぐ下で会合して恥骨下角を作っている。その角度の平均値は男性で約60°、女性で約80°で、一般に女性の方が大きい。)

Greater pelvis; False pelvis(大骨盤)Pelvis major だいこつばん Feneis: 064_18

[A02_5_02_005] →(左右の分界線によって骨盤の内腔は上部の大骨盤と下部の小骨盤とに分けられる。大骨盤は生体では腹腔の下部に属して腹部の内臓を容れ、小骨盤は骨盤内臓を容れている。)

Lesser pelvis; True pelvis(小骨盤;真骨盤)Pelvis minor しょうこつばん;しんこつばん Feneis: 064_19

[A02_5_02_006] →(小骨盤は骨盤内臓を容れている。したがって小骨盤こそ本来の骨盤というべきで英語にはLesser pelvisとTrue pelvisの両方の名がある。また骨盤腔と呼ばれるのも小骨盤の腔のことである。)

Linea terminalis of pelvis(分界線;骨盤縁;腸骨恥骨線;終端線(骨盤の))Linea terminalis (Pelvis) ぶんかいせん;こつばんえん;ちょうこつちこつせん;しゅうたんせん(こつばんの) Feneis: 064_20

[A02_5_02_007] →(腸骨恥骨線iliopectineal lineともよばれる。仙骨上縁の前端にある岬角から仙骨外側部を経て寛骨の弓状線に至り、更に恥骨櫛を経て恥骨結合上縁に達する稜線をたどることができる。これが分界線と呼ばれる。腸骨窩の下方の境界をなす。大骨盤から小骨盤を分ける。)

Pelvic inlet(骨盤上口;骨盤入口)Apertura pelvis superior こつばんじょうこう;こつばんいりぐち Feneis: 064_21

[A02_5_02_008] →(骨盤腔すなわち小骨盤の入口を骨盤上口という。前方は両側とも恥骨結合と恥骨隆起、側方は分界線がその縁をなしている。後方は仙骨岬骨が境界をなす。真上から見たときの骨盤上口の形は個体差に富むが、概して女性には楕円形が多く、男性にはハート形が多い。)

Pelvic outlet(骨盤下口;骨盤出口)Apertura pelvis inferior; Exitus pelvis こつばんかこう;こつばんでぐち Feneis: 064_22

[A02_5_02_009] →(骨盤腔の出口は骨盤下口であるが、この縁は凹凸の多い線をなしている。すなわち骨盤を下方からながめると、恥骨結合の下縁から恥骨下枝・坐骨枝の下縁を経て坐骨結節の内側縁に至り、次いで小坐骨切痕、坐骨棘、大坐骨切痕を経て仙骨外側縁に沿って尾骨の先端に達している。)

Axis of pelvis(骨盤軸)Axis pelvis こつばんじく Feneis: 064_23

[A02_5_02_010] →(恥骨結節と仙骨前面の間のすべての正中結合線の中点をむすぶ線。骨盤軸は産道の走行に一致し、仙骨と尾骨の弯曲にほぼ平行する。)

Transverse diameter of pelvis(横径(骨盤の))Diameter transversa pelvis おうけい(こつばんの) Feneis: 064_24

[A02_5_02_011] →(横径は骨盤上口では左右の分界線間の最長距離、骨盤下口では坐骨結節間の最長距離をいう。)

Oblique diameter of pelvis(斜径(骨盤の))Diameter obliqua pelvis しゃけい(こつばんの) Feneis: 064_25

[A02_5_02_012] →(骨盤上口の斜径は一側の仙腸関節と分界線との光点と他側の腸恥隆起部の分界線間の直線距離。右仙腸関節と左腸恥隆起部の場合を第1斜径、左仙腸関節と右腸恥隆起部の場合を第2斜径という。)

Anatomical conjugate(解剖学的結合線;解剖学的真結合線)Conjugata anatomica かいぼうがくてきけつごうせん;かいぼうがくてきしんけつごうせん Feneis: 064_26

[A02_5_02_013] →(解剖学的結合線は骨盤上口付近の縦径で、岬角中点と恥骨結合上縁中点間に引く径は真結合線より少し長く、平均11.8cm。これを真結合線(産科学的結合線)に対して解剖学的真結合線ともいう。)

True conjugate(真結合線;産科学的結合線)Conjugata vera しんけつごうせん;さんかがくてきけつごうせん Feneis: 064_27

[A02_5_02_014] →(恥骨結合の後面(恥骨後隆起)と岬角を結んぶ最短距離で、骨盤腔の正中径のなかで最も狭い場所なので、産科学でとくに重要であることから産科学的結合線とも呼ばれる。胎児の頭部が産道を通れるか否かの判断の基準とされる。日本女性の真結合線の平均値は約11cmである。これが9cm以下になっている場合を狭骨盤といい、その程度によって分娩が困難または不可能(帝王切開が必要)になる。しかし真結合線は生体では計測できないので、産科の臨床では対角結合線(岬角と恥骨結合下縁を結ぶ正中径)を測り、これから2cmを減じて真結合線を算出する。更に簡単な便法としては、外結合線(恥骨結合上縁と第5腰椎棘突起先端を結ぶ正中径)8cmを引く方法、棘間径(左右の上前腸骨棘間の距離)から11cmを引く方法などもある。人類の大きな特徴は直立歩行と大脳の著しい発達である。直立二足歩行によって上肢が体重の負荷から開放されて種々の手仕事できるようにはなったが、全身の体重は下肢にかかることになり、いきおい骨盤も他動物よりも丈夫になり産道も狭くなった。ところが大脳の発達は必然的に胎児の頭を大きくし、狭い産道を大きな頭が無理にすり抜けないと出産できない羽目になった。これは人類が抱え込んだ大きな矛盾の一つである。他の哺乳動物では出産は決して難治ではない。)

Diagonal conjugate(対角径;対角結合線;対角真結合線)Conjugata diagonalis たいかくけい;たいかくけつごうせん;たいかくしんけつごうせん Feneis: 064_28

[A02_5_02_015] →(岬角から恥骨結合下縁までの距離。機器を用いた骨盤内計測によっても得られるが、ふつうは内診で計測し、12.7~13.0cmとされる。(イラスト解剖学))

Straight conjugate(直径;直結合線(骨盤下口の))Conjugata recta ちょくけい;ちょくけつごうせん;けつごうせん(こつばんかこうの) Feneis: 064_29

[A02_5_02_016] →(骨盤下口にあって、尾骨尖と恥骨結合下縁との距離で、9.5~10cm。この結合線はたいていは尾骨の屈曲性によって変化しうるから、骨盤峡部における正中結合線が縦経として大切な役割を演ずることになる。)

Median conjugate(正中径;正中結合線)Conjugata mediana せいちゅうけい;せいちゅうけつごうせん Feneis: 064_30

[A02_5_02_017] →(恥骨結合の下縁と仙骨の下縁との間を結ぶ線である(11.5cm))

External conjugate(外結合線)Conjugata externa がいけつごうせんBaudelocque's diameter Feneis: 064_31

[A02_5_02_018] →(第5腰椎棘突起先端(腰椎点または腰点)と恥骨結合上縁の中点(恥骨結合点または恥骨点)間の直線距離。)

Interspinous distance; Interspinous diameter(棘間径)Distantia interspinosa きょくとっきかんけい Feneis: 064_32

[A02_5_02_019] →(左右の上前腸棘間径で最も前下方へ突出している点(前腸棘点または腸棘点)間の直線距離。)

Intercristal distance; Intercristal diameter(稜間径;腸骨稜間径)Distantia intercristalis りょうかんけい;ちょうこつりょうかんけい Feneis: 064_33

[A02_5_02_020] →(腸骨稜間径(稜間径)は左右の腸骨稜で最も外側へ突出している点(腸骨稜点または腸稜点)間の直線距離。骨盤幅ともいう。)

Intertrochanteric distance; Intertrochanteric diameter(大転子間径)Distantia intertrochanterica だいてんしかんけい Feneis: 064_34

[A02_5_02_021] →(左右の大転子の最も外側へ突出している点間の直線距離。左右の大腿部の最も外側へ突出している点間の直線距離を最大寛幅(臀幅)ともいう。 The line between the most lateral points on the right and left greater trochanters Point of tenderness in appendicitis (trol). It is 31 cm in the female.)

Pelvic inclination(骨盤傾斜)Inclinatio pelvis こつばんけいしゃ Feneis: 064_35

[A02_5_02_022] →(骨盤傾斜は解剖学的真結合線が水平面となす角度(約60°)すなわち腰椎点の高さと結合線の高さの差を一辺とし、外結合線を斜辺とする直角三角形を描いたとき、第三辺と斜辺がなす角度。)

Free part of lower limb(自由下肢骨;自由下肢部)Pars libera membri inferioris じゆうかしこつ;じゆうかしぶ Feneis: 066_01

[A02_5_03_001] →(下肢帯に連結する骨で、大腿、下腿(内側の脛骨と外側の腓骨)、足(7個の足根骨、5個の中足骨、14個の指骨)の3部の骨がある。大腿の骨は大腿骨1本であるが、この下端前方で膝関節の構成に関与する一種の種子骨である膝蓋骨を含める。自由下肢は各部の構造が外形でも骨格でも自由上肢の対応する部分と同じである。しかし、下肢では下腿で脛骨、足で母趾のある側が内側に位置するように軸が回旋し、その上程で固定されている。従って、内・外側と母・小指側の関係は基準位における上肢とは反対になる。)

Femur; Thigh bone(大腿骨)Femur; Os femoris だいたいこつ Feneis: 066_02

[A02_5_04_001] →(大腿骨は人体で最長の管状骨で約40cmあり、身長のほぼ4分の1を占め、前方に軽く凸弯している。起立時遠位端は水平面上にあるが、大腿骨は垂直位をなさず、近位部が骨盤の幅だけ外方へずれる。また大腿骨頚の長軸と大腿骨遠位端の横軸とは同一平面上にはなく、大腿骨は長軸のまわりに骨頭が前方へ向く方向方向に約15度ねじれている。近位端(上端)で上内側やや前方へ突出する球状部が大腿骨頭であり、大腿骨頭の中心のやや後下方にある卵円形の粗面状小陥凹部分が大腿骨頭窩である。大腿骨頭と円柱状の大腿骨体を連結する細い部分が大腿骨頚で、大腿骨頚の中央部は細いが内および外側端で、とくに外側端で幅が広く前後にやや扁平となる。上縁は水平に、下縁は外下後方へ斜めに走っている。大腿骨頚と大腿骨体は、約125度の傾斜度で連結している。角度は生下時により成熟するにしたがい小さくなる。男性より女性の方が角度が小さい。大腿骨頚と大腿骨体との結合部の上外側にある大きな隆起が大転子で、結合部の後下部から内後方へ突出する部分が小転子である。大転子の後上部は上内側へ突出しやや深い陥凹部をつくる。この陥凹部が転子窩である。大転子の前面上内側部から大腿骨頚の前面を下内方に走り頚の下縁で小転子の前面にいたる粗な隆線が転子間線で、大腿骨頚と大腿骨体との結合部に相当する。転子間線は内下方へ伸びて渦状線へつづき、また下端近くで結節状に隆起して2次結節となることがある。大転子の後上角部から後面を下内包へ走り小転子にいたる比較的縁が丸い隆起が転子間稜で、頚と体との結合部に相当する。転子間稜の中央やや上外側部にある低い膨隆部分が方形筋結節である。円柱状の大腿骨体は中央部で細い上部で太く、下部では左右に幅が広くなる。大腿骨の長軸は立位で約10度脛骨の垂直線に対して外側へ傾いている。大腿骨体の中央1/3では3縁・3面がある。内側縁と外側縁は丸味をおびている。各3面とも平滑で、前面は内側縁と外側縁との間にあって前方へ凸面をなす。外側面は外側縁と後縁との間にあり、外側よりむしろ後方に面している。内側面は内側縁と後縁との間にあり内方やや後方にむいている。後縁の粗で幅広い線状隆起が粗線である。粗線の内および外側で稜状に隆起した部分がそれぞれ内側唇と外側唇で、栄養孔がこの両者の間で認められる。大腿骨体の上1/3では粗線が3本の線状隆起として拡散し、逆三角形の粗線である後面を形成する。下方で内側唇に、上方で転子間線の下端につづく内側の細い線状隆起が渦状線である。内側唇から小転子の基部へいたる中間位の線状隆起が恥骨筋線で、外側唇から上外方大転子の基部へ走る幅がある粗な線状隆起が臀筋粗面である。臀筋粗面は近位部で隆起し第三転子をつくることがある。大腿骨体の下1/3では内側部が前後に扁平化し、下端が広い三角柱状を呈する。内側唇は内下方の内側顆の後上方に、外側唇は外下方外側顆の後上方にいたる。前者が内側上顆線、後者が外側上顆線である。これらに境され浅く陥凹した三角形の平滑な面が膝蓋面である。内側上顆線の上方は大腿動脈が斜走するため不明瞭となっている。大腿骨の遠位端(下端)大きく膨隆している。内側の隆起が内側顆、外側の隆起が外側顆である。内側窩は内下方および後方へ、外側顆は下方・後方および前上方に突出する部分が内側上顆で、内側上顆上方の小さな突起が内転筋結節である。外側顆は内側顆より外側への膨隆度が小さく、大腿骨体の外側面からほとんどでていない。外側面後上方で外側へ突出する部分が外側上顆である。内側顆と外側顆は大腿骨の前面で互いに連絡するが、後面では深い間隙で隔てられている。この間隙が顆間窩である。内側顆と外側顆の後縁を結ぶ稜状隆起が顆間窩で、顆間窩の上縁をなし膝蓋面との境をなす。前下方は膝蓋面の下縁で境される。内側顆と外側顆の下面および後面の凸面をなす帯状の関節面が脛骨上端と関節する脛骨面である。脛骨面は内側顆にあり前外方へ弯曲する内側部と、外側顆にあり幅広く前後に直線的に走る外側部とに分けられる。内外の両側部が両顆の前方で互いに癒合し、膝蓋骨後面に接する関節面が膝蓋面である。膝蓋面は中央の縦溝で内外に二分されるが、外側部が大きい。ラテン語のFemur(大腿)に由来する。)

Head of femur(大腿骨頭)Caput femoris だいたいこつとう Feneis: 066_03

[A02_5_04_002] →(大腿骨の上端には2/3球状の大きな関節面を持つ大腿骨頭がある。その頂点は内側上方に向くが、同時にやや前方に傾いている。)

Fovea for ligament of head(大腿骨頭窩)Fovea capitis femoris だいたいこつとうか Feneis: 066_04

[A02_5_04_003] →(大腿骨頭の頂点からやや下方にずれたところに大腿骨頭窩という小さな凹みがある。ここに大腿骨頭靱帯が付く)

Neck of femur(大腿骨頚)Collum femoris だいたいこつけい Feneis: 066_05

[A02_5_04_004] →(大腿骨頭に続く部分はややくびれた大腿骨頚で、下外側方に向かって斜めに傾き、その軸は大腿骨体の軸に対して120~130°の角度(傾斜角angle of inclination、頚体角neck-shaft angle)をなしている。大腿骨頚は、大腿骨体との間で屈曲する。体重の負荷は、頚を経て大腿骨体に伝達されるが、頚には力学的にとくに大きな力が加わる。とくに頚の内側部には、大きな負荷がかかり、この部の緻密骨は厚く発達する。傾斜角は年齢と性によって変化する。乳児では骨頚と骨体とはほぼまっすぐである。幼児では角はなお大きいが(約160°)、その後、骨盤が広く発達するとともに角は小さくなり、成人で約130°になる。女性では男性よりも小さい。女性は骨盤が広く、大腿骨が短いためである。大腿骨頚は前後に圧平されており、下方に行くにしたがって幅が広くなる。大腿骨頚は大腿骨体の上端が内側方に弯曲したものにすぎない。大転子と小転子があるために大腿骨頚と大腿骨体がハッキリ区別される。)

Greater trochanter of femur(大転子(大腿骨の))Trochanter major だいてんし(だいたいこつの) Feneis: 066_06

[A02_5_04_005] →(大腿骨頚の上外側には大転子(中臀筋、小臀筋、梨状筋がつく)が突出している。転子とはハンドルのことで、その力学的な効用は、たとえば大転子につく中臀筋が大腿骨を外転させている。)

Trochanteric fossa(転子窩)Fossa trochanterica てんしか Feneis: 066_07

[A02_5_04_006] →(大腿骨を後方からみると、大転子の内側面と大腿骨頚の間には深い転子窩がある。内・外閉鎖筋、上下双子筋が着く。)

Lesser trochanter of femur(小転子(大腿骨の))Trochanter minor しょうてんし(だいたいこつの) Feneis: 066_08

[A02_5_04_007] →(大腿骨頚の下内側後方には小転子が突出している。腸腰筋が着く。)

Third trochanter(第三転子(大腿骨の))Trochanter tertius だい3てんし Feneis: 066_09

[A02_5_04_008] →(臀筋粗面が著しく高くなって第三転子をつくることがある。日本人では30%近くに見られるというが、どのくらい発達すれば第三転子と呼ぶのか基準の定めかた次第でこの頻度は変わってくる。)

Intertrochanteric line(転子間線)Linea intertrochanterica てんしかんせん Feneis: 066_10

[A02_5_04_009] →(大腿骨頚の前面では大転子から小転子に向かって転子間線とう粗線が走るが、これは小転子までは達していない。)

Intertrochanteric crest(転子間稜)Crista intertrochanterica てんしかんりょう Feneis: 066_11

[A02_5_04_010] →(大転子と小転子を結ぶ稜線は転子間稜と呼ばれる。大腿方形筋がつく。)

Quadrate tubercle(方形筋結節)Tuberculum quadratum ほうけいきんけっせつ Feneis: 066_12

[A02_5_04_011]

Shaft of femur; Body of femur(大腿骨体;大腿骨幹)Corpus femoris だいたいこつたい;だいたいこつかん Feneis: 066_13

[A02_5_04_012] →(大腿骨体は長い柱状の骨幹をなす部分で、前方に軽く凸弯している。その中央4分の2はほぼ円柱状であるが、上4分の1と下4分の1は楕円柱状に近い。下4分の1は下方にいくにしたがって幅が広くなっている。)

Linea aspera(粗線;大腿骨稜)Linea aspera; Crista femoris そせん;だいたいこつりょう Feneis: 066_14

[A02_5_04_013] →(大腿骨体の前面は平滑でスベスベした隆起が縦走している。粗線は内側唇と外側唇の2部からなり、この両者は上方と下方とで二またにわかれている。粗線は人類だけに見られる特徴的なものである。これは人類では直立歩行をするために必要な筋群が発達し、これらの筋の付着部である粗線が強く隆起するに至ったのである。粗線の有無は、化石猿人が直立歩行をしていたか否かの決定的な参考にされる。)

Lateral lip of linea aspera(外側唇;腓側唇(粗線の))Labium laterale; Labium fibulare がいそくしん;ひそくしん(そせんの) Feneis: 066_15

[A02_5_04_014] →(粗線の外側の縁。)

Medial lip of linea aspera(内側唇;脛側唇(粗線の))Labium mediale; Labium tibiale ないそくしん;けいそくしん(そせんの) Feneis: 066_16

[A02_5_04_015] →(粗線の内側の縁。内側唇は上方は小転子の下方に向かう粗な線となり、さらに、小転子の下方から前方へらせん状に廻る粗な隆起線へつづく。)

Pectineal line of femur; Spiral line(恥骨筋線(大腿骨の))Linea pectinea pectinea femoris ちこつきんせん(だいたいこつの) Feneis: 066_17

[A02_5_04_016] →(小転子の後面から、小転子の縁の下方へのつづきに合する縦走する粗な線が走る。これは恥骨筋の着く恥骨筋線である。)

Gluteal tuberosity(殿筋粗面;臀筋粗面)Tuberositas glutea でんきんそめん Feneis: 066_18

[A02_5_04_017] →(外側唇は上方は大転子の下方に達し、細長い臀筋粗面をつくる。臀筋粗面が著しく高くなって第三転子をつくることがある。)

Popliteal surface of femur(膝窩面;膝窩平面(大腿骨の))Facies poplitea femoris; Planum politeum しつかめん;しつかへいめん(だいたいこつの) Feneis: 066_19

[A02_5_04_018] →(外側唇(外側顆上線)と内側唇(内側顆上線)の二またの間にはさまれた部分は長三角形の平坦な平面を示すので膝窩面と呼ばれる。)

Medial supracondylar line(内側顆上線)Linea supracondylaris medialis ないそくかじょうせん Feneis: 066_20

[A02_5_04_019] →(内側顆上線は内側顆へ向かう内側唇の継続の線。)

Lateral supracondylar line(外側顆上線)Linea supracondylaris lateralis がいそくかじょうせん Feneis: 066_21

[A02_5_04_020] →(外側顆へ向かう外側唇の継続の線。)

Medial condyle of femur(内側顆;脛側顆(大腿骨の))Condylus medialis; Condyus tibialis ないそくか;けいそくか(だいたいこつの) Feneis: 066_22

[A02_5_04_021] →(大腿骨体の下部(遠位部)はことに著しく厚く大きく、その下端は左右の肥厚した内側顆および外側顆となる。内側顆は狭く長く、凸面の張り出しが強い。)

Medial epicondyle of femur(内側上顆;脛側上顆(大腿骨の))Epicondylus medialis; Epicondylus tibialis ないそくじょうか;けいそくじょうか(だいたいこつの) Feneis: 066_23

[A02_5_04_022] →(内側顆の内側面には輪郭がやや不明瞭な内側上顆が突出する。)

Adductor tubercle of femur(内転筋結節(大腿骨の))Tuberculum adductorium ないてんきんけっせつ(だいたいこつの) Feneis: 066_24

[A02_5_04_023] →(内側上顆の上方で内側唇の下端にあたるところは鋭く突出し大内転筋の腱が着く内転筋結節として上方に突出する。)

Lateral condyle of femur(外側顆;腓側顆(大腿骨の))Condylus lateralis; Condylus fibularis がいそくか;ひそくか(だいたいこつの) Feneis: 066_25

[A02_5_04_024] →(外側顆は幅が広くやや平坦で、その前端は少し前上方に突出する。)

Lateral epicondyle of femur(外側上顆;腓側上顆(大腿骨の))Epicondylus lateralis; Epicondylus fibularis がいそくじょうか;ひそくじょうか(だいたいこつの) Feneis: 066_26

[A02_5_04_025] →(外側顆の外側面には外側上顆が突隆し、ここに粗線が外側唇の下方への延長線が終わる。膝窩筋が起こる。)

Groove for popliteus; Popliteal groove(膝窩筋溝;膝窩溝)Sulcus popliteus しつかきんこう;しつかこう Feneis: 066_27

[A02_5_04_026] →(膝窩筋溝は大腿骨外側上顆と関節縁の間の外側顆上にある溝。その前端部から膝窩筋が起始する。膝の屈曲時には、その後端部に筋肉の腱が入り込む。)

Patellar surface of femur(膝蓋面(大腿骨の))Facies patellaris femoris しつがいめん(だいたいこつの) Feneis: 066_28

[A02_5_04_027] →(内側顆と外側顆の下面を被う関節面の前端は互いにつながって膝蓋面をつくる。膝蓋面は中央に縦溝のあるややくぼんだ面で、膝蓋骨の後面に対向する。)

Intercondylar fossa(顆間窩)Fossa intercondylaris かかんか Feneis: 066_29

[A02_5_04_028] →(後方に向かって突き出た内側顆と外側顆の間に深い顆間窩がある(両顆の後方に突出した部の上方から腓腹筋の内・外側頭の内側に接して足底筋がおこる。)

Intercondylar line(顆間線)Linea intercondylaris かかんせん Feneis: 066_30

[A02_5_04_029] →(顆間窩の上縁は外側顆と内側顆の後縁を結ぶ稜状の顆間窩によって膝窩面と境される。)

Patella(膝蓋骨)Patella しつがいこつ Feneis: 068_32

[A02_5_05_001] →(膝関節の前面にあり、尖端を下方に向けた扁平な栗の実によく似た骨で、幅広い上端部が膝蓋骨底で、尖った下端部が膝蓋骨尖である。大腿四頭筋腱中に発生した種子骨とみなされ、上縁には大腿直筋と中間広筋の内側縁には内側広筋の、外側縁には外側広筋のそれぞれの腱が付着する。前面は凸面状で、大腿四頭筋腱による縦に走る小隆起を伴う粗面をなし、小血管孔がある。後面には、上方の広い卵形の平滑な面と、下方の小さい逆三角形の粗な面がある。平滑な面は大腿骨の膝蓋面に対する関節面をなし、中央部にある縦方向の隆起によって小さい内側部と大きい外側部に分けられる。下方の粗面の下端には膝蓋靱帯が付着するが、粗面の上方部には脂肪組織が入り、脛骨と膝蓋骨とを隔てる。ラテン語のPatera(皿・円板状の)の縮小形。)

Base of patella(膝蓋骨底)Basis patellae しつがいこつてい Feneis: 068_33

[A02_5_05_002] →(膝蓋骨の上端部は広い膝蓋骨底である。)

Apex of patella(膝蓋骨尖)Apex patellae しつがいこつせん Feneis: 068_34

[A02_5_05_003] →(膝蓋骨の下端は尖った膝蓋骨尖である。)

Articular surface of patella(関節面(膝蓋骨の))Facies articularis patellae かんせつめん(しつがいこつの) Feneis: 068_35

[A02_5_05_004] →(膝蓋骨の後面は大腿骨の膝蓋面に対向する滑らかな関節面である。)

Anterior surface of patella(前面(膝蓋骨の))Facies anterior patellae しつがいこつのぜんめん Feneis: 068_36

[A02_5_05_005] →(膝蓋骨の前面はやや凸にふくれ上がり、表面がザラザラして多数の小さな孔が見られる。)

Tibia; *Shank bone; *Shin bone(脛骨)Tibia けいこつ Feneis: 066_31

[A02_5_06_001] →(下腿の2つの骨のうち内側にある大きい方の骨である脛骨は、横断面が三角形をした長骨で、骨のうちで2番目に長い、下腿の前内側部に位置する。上端(近位部)と下端(遠位部)は膨隆しているが、上端の方がはるかに大きい。上端(近位端)・下端(遠位端)・骨体の3部にわけられる。上端が下端よりもはるかに幅広く強大であること、骨幹の前縁が鋭い稜線をなしていること、下端の内側部が下方に突出してることを目やすにすれば、この骨の上下・前後方向の位置づけと左右の判別は比較的容易である。上端で孔内側および後外側方へ膨隆した部分が、それぞれ内側顆と外側顆である。上面にある2個の平滑面が大腿骨と関節する上関節面である。内側の関節面は楕円形に陥凹しているが、外側の関節面は左右軸で凹面を前後軸で凸面になっている。内側と外側の関節面の間の隆起部が顆間隆起で、特に後方よりのところが顕著である。顆間隆起の内側および外側部の突出している部分が、それぞれ内側顆間結節・外側顆間結節である。顆間隆起の前後の陥凹した部分がそれぞれ前顆間区・後顆間区である。近位端の前面は三角形の粗な平面をなし、血管孔がある。粗面の下端は結節状の隆起に達している。この隆起が脛骨粗面で、上方の小さいやや平滑な面に膝蓋靱帯が付着する。近位端の周囲は全体が粗面上になっているが、外側顆の外側後下面に腓骨頭に対する小楕円形の平滑面・腓骨関節面がある。脛骨体は3縁とのうち最も明瞭で、近位2/3ではとくに鋭利である。脛骨粗面外側部から始まり内果前面に終わる。全体に軽いS字状を呈するが、遠位端では鈍で平滑となる。内側縁は丸みをおびており、内側顆後部から始まり内果後縁に終わる。外側縁は細い洗浄の隆起として認められ、腓骨関節面前方から始まり遠位端は腓骨切痕を挟むように二分して終わる。骨間膜が付着する骨間縁である。内側面は広くやや丸みをおび比較的平滑である。外側面は内側面より狭く平滑であるが、近位1/3に前脛骨筋がおこる浅い溝である。後面の近位1/3にある斜上外側(腓骨関節面内側下方)から斜下内側へ走る隆線がヒラメ筋線である。この筋線の下外側部に上方から入る栄養孔がある。中1/3に上下方向に走る低い隆線がある。隆線の広い内側部から長趾屈筋が、狭い外側部から後脛骨筋がおこる。他の部分は滑らかで筋におおわれる。遠位端(下端)は膨隆しているが近位端より小さい。近位内側部で下方に突出した部分が内果で、内果の外側面は平滑で内果関節面をなし距骨に対する関節面の一部をなす。遠位端下面は距骨に対する下関節面をなし、平滑で前後に凹面左右に凸面を呈する。前後に走る引くい隆起があり関節面を二分している。前面は平滑で丸みをおび、伸筋群の腱で被われる。前面遠位端には横走する浅い溝があり、足関節包が付着する。後面中央やや外側には長母趾屈筋腱が通る縦方向の浅い溝があり、内側には斜上外側から斜下内側へ走る長趾屈筋と後脛骨筋の腱が通る内果溝がある。外側面の三角形に陥凹した粗面が腓骨切痕である。内側面は内果として遠位方向に突出しており、丸みをおび皮下に触れることができる。Tibiaというラテン名詞には「スネの骨」のほかに笛の意味もある。Tibia(tuba笛)から変じたという節もあるし、また古代の笛は鳥のスネの骨で作られていてので、tibiaはもともとスネの骨を指すのだとも言う。脛はもちろんスネである。)

Medial condyle of tibia(内側顆;脛側顆(脛骨の))Condylus medialis; Condylus tibialis ないそくか;けいそくか(けいこつの) Feneis: 066_33

[A02_5_06_003] →(脛骨を側方から見るとその上端で少し後方に屈曲しているように見える。内側にある張り出しは内側顆である。)

Lateral condyle of tibia(外側顆;腓側顆(脛骨の))Condylus lateralis tibiae がいそくか;ひそくか(けいこつの) Feneis: 066_34

[A02_5_06_004] →(脛骨を側方から見るとその上端で少し後方に屈曲しているように見える。外側にある張り出しは外側顆である。)

Fibular articular facet on tibia(腓骨関節面(脛骨の))Facies articularis fibularis tibiae ひこつかんせつめん(けいこつの) Feneis: 066_35

[A02_5_06_005] →(脛骨を後方から見ると、外側顆は内側顆より強く張り出し、その後下外側には卵円形の小さな関節面がある。これが腓骨頭と関節する腓骨関節面である。腓骨関節面というのは腓骨に関する(接する)関節面の意で、ラテン名のなかのfibuolarisが形容詞であることに注意。もしも腓骨そのものの一部をなす関節面であればFacies articularis fibulaeとなるはずである(fibulaeはfibulaの単数所有格)。このようにラテン名は日本名よりも正確にものを表現することができる。)

Superior articular surface of tibia(上関節面;近位関節面(脛骨の))Facies articularis superior tibiae; Facies articulares proximales じょうかんせつめん;きんいかんせつめん(けいこつの) Feneis: 066_32

[A02_5_06_002] →(内側顆および外側顆のいずれの上面にも卵円形でわずかにくぼんでいる滑らかな上関節面があり、大腿骨の内側顆および外側顆に対向している。)

Anterior intercondylar area(前顆間区;前顆間野;前顆間窩(脛骨の))Area intercondylaris anterior; Fossa intercondyloidea anterior ぜんかかんく;ぜんかかんや;ぜんかかんか(けいこつの) Feneis: 066_36

[A02_5_06_006] →(脛骨の前顆間区は窩間隆起の前後はくぼんで、これを前方の区域を前窩間区という。前膝十字靱帯の着く所である。)

Posterior intercondylar area(後顆間区;後顆間野;後顆間窩(脛骨の))Area intercondylaris posterior; Fossa intercondyloidea posterior こうかかんく;こうかかんや;こうかかんか(けいこつの) Feneis: 066_37

[A02_5_06_007] →(脛骨の後顆間区は窩間隆起の前後はくぼんで、これを後方の区域を後窩間区という。後膝十字靱帯の着く所である。)

Intercondylar eminence(顆間隆起(脛骨の))Eminentia intercondylaris かかんりゅうき(けいこつの) Feneis: 066_38

[A02_5_06_008] →(脛骨を上方から見ると、外側顆と内側顆の上関節面の中央には粗面を有する窩間隆起という高まりがある。)

Medial intercondylar tubercle(内側顆間結節;脛側顆間結節)Tuberculum intercondylare mediale; Tuberculum intercondylicum tibiale ないそくかかんけっせつ;けいそくかかんけっせつ Feneis: 066_39

[A02_5_06_009] →(窩間隆起はさらに内外の結節、すなわち内側顆間結節および外側顆間結節に分かれる。)

Lateral intercondylar tubercle(外側顆間結節;腓側顆間結節)Tuberculum intercondylare laterale; Tuberculum intercondylicum fibulare がいそくかかんけっせつ;ひそくかかんけっせつ Feneis: 066_40

[A02_5_06_010] →(窩間隆起はさらに内外の結節、すなわち内側顆間結節および外側顆間結節に分かれる。)

Shaft of tibia; Body of tibia(脛骨体;脛骨幹)Corpus tibiae けいこつたい;けいこつかん Feneis: 068_01

[A02_5_06_011] →(脛骨体は脛骨の近位端と遠位端の間にある断面がほぼ三角柱状の骨幹部で、下3分の2あたりがもっとも細くなっており(脛骨骨折の起こりやすい部位)、少し外方、すなわち腓骨の側に近づき、全体としてごくかるいS状の曲がりを示す。これに前内外の3縁と内外後の3面がある。)

Tibial tuberosity(脛骨粗面)Tuberositas tibiae けいこつそめん Feneis: 068_02

[A02_5_06_012] →(脛骨体の前縁の上端はS状に曲がる縁で脛骨粗面(上半部に膝蓋靱帯がつく)となって結節状に隆起している。脛骨粗面の上半のやや平滑なところは膝蓋靱帯の着く所である。)

Medial surface of tibia(内側面;脛側面(脛骨の))Facies medialis; Facies tibiae ないそくめんlけいそくめん(けいこつの) Feneis: 068_03

[A02_5_06_013] →(脛骨の内側面は筋に被われない滑らかな平面で前縁とともに皮下に直接する。)

Posterior surface of tibia(後面(脛骨の))Facies posterior (Tibia) こうめん(けいこつの) Feneis: 068_04

[A02_5_06_014] →(脛骨の後面はその丈夫には斜めに外上方から内下方に走るヒラメ筋線がある。)

Soleal line(ヒラメ筋線;膝窩筋線)Linea musculi solei; Linea poplitea ひらめきんせん;しつかきんせん Feneis: 068_05

[A02_5_06_015] →(ヒラメ筋線は腓骨の小関節面から脛骨の後部を横切って、斜め下方へのびる隆線。ヒラメ筋の起始となる。ヒラメ筋線より上方の三角形の面から膝窩筋、ヒラメ筋線からはヒラメ筋が起こる。ヒラメ筋線より下方では栄養孔の内方を縦に通る極めて不明瞭な隆起線を境として、それより広い内側から長趾屈筋、狭い外側から後脛骨筋が起こる。すなわち、この縦線は後脛骨筋を被う線維膜の着く線である。)

Lateral surface of tibia(外側面;腓側面(脛骨の))Facies lateralis; Facies fibularis がいそくめん;ひそくめん(けいこつの) Feneis: 068_06

[A02_5_06_016] →(脛骨の外側面は滑らかであるが上半分に浅いくぼみ(前脛骨筋が起こる)をみる。)

Anterior border of tibia(前縁;前稜(脛骨の))Margo anterior; Crista anterior tibiae (Tibia) ぜんえん;ぜんりょう(けいこつの) Feneis: 068_08

[A02_5_06_017] →(脛骨体の前縁は上2/3が鋭角状の稜線をなしており、生体では直接に皮下に出ているので、ここを打つと激しい痛み(骨膜の痛覚)を起こす。いわゆる「弁慶の泣きどころ」といわれる部位で、俗にスネshinというのはこの前縁のことである。)

Medial border of tibia(内側縁;脛側縁;脛側稜(脛骨の))Margo medialis; Margo tibialis ないそくえん;けいそくえん(けいこつの) Feneis: 068_07

[A02_5_06_018] →(内側縁は鈍円である。)

Interosseous border of tibia(骨間縁;骨間稜(脛骨の))Margo interosseus; Crista interossea こつかんえん;こつかんりょう(けいこつの) Feneis: 068_09

[A02_5_06_019] →(脛骨体の外側面にはその全長にわたって線状の隆起が走っている。これは腓骨との間に張る骨間膜のつく場所なので骨間縁と呼ばれる。下腿骨間膜がここに着く。)

Medial malleolus(内果;脛骨踝)Malleolus medialis; Malleolus tibiae ないか;けいこつか Feneis: 068_10

[A02_5_06_020] →(脛骨下端の内側部は内果と呼ばれ、生体で皮下によくふれられる。内果のすぐ後方に、これに接して浅い溝が弓状に走るが、これは長趾屈筋の腱が通るところである。)

Malleolar groove(内果溝;脛骨踝溝)Sulcus malleolaris; Sulcus malleoli tibiae ないかこう;けいこつかこう Feneis: 068_11

[A02_5_06_021] →(内果の後側には後脛骨筋腱と長趾屈筋腱の通る内果溝がある。ただし、長趾屈筋腱の乗る外方部は殆ど溝をつくらない。)

Articular facet on tibia for medial malleolus(内果関節面;脛骨踝関節面)Facies articularis malleoli; Facies articulatis malleolaris ないかかんせつめん;けいこつかかんせつめん Feneis: 068_12

[A02_5_06_022] →(脛骨の内果の外側面(胸の中軸に向く側)の内果関節面は下関節面の内側の続きとして距骨体の側面に向かう。)

Fibular notch(腓骨切痕;腓側切痕)Incisura fibularis ひこつせっこん;ひそくせっこん Feneis: 068_13

[A02_5_06_023] →(脛骨下端の外側面に三角形の輪郭をした浅い凹みがある。ここは腓骨切痕といい、腓骨の下端に接する。)

Inferior articular surface of tibia(下関節面;遠位関節面(脛骨の))Facies articularis inferior; Facies articularis distalis かかんせつめん;えんいかんせつめん(けいこつの) Feneis: 068_14

[A02_5_06_024] →(下端(遠位端)は脛骨体よりも太いが上端よりは小さく、ほぼ四角形で、その下面には距骨に対向する下関節面がある。下関節面は前後方に凹、内外方に軽度に凸で、ほぼ長方形であるが前縁が後縁よりやや広い。(この形は距骨の対向する面が滑車状で、かつ前方が広いことと一致する))

Fibula; *Calf bone(腓骨)Fibula ひこつ Feneis: 068_15

[A02_5_07_001] →(腓骨は脛骨と対になって存在する下腿の骨で同じくらいの長さである。長骨のうちで最も細長い骨で、脛骨の外側にある。近位端は脛骨外側顆の後下方にあり、膝関節の形成には関与しない。遠位端は脛骨の腓骨切痕を通り、その遠位端を越え足関節の外側部を形成する。腓骨を近位端・骨体・遠位端に分ける。近位端(上端)のやや球状に膨隆した部分が腓骨頭で、腓骨頭上面にある楕円形の平滑面が脛骨の腓骨関節面に対する腓骨頭関節面である。腓骨には多数の小結節があり粗面をなす。外側の隆起で後上方に突出する部分が腓骨頭尖である。腓骨体は細長い三角柱状で、3縁と3面を区別する。前縁は腓骨頭前面から始まりほぼ真直ぐ下降する。中央部では稜状で鋭い、遠位1/4で二分し、一方は外果前縁へ他方は外果の後下方へ向かう。2者の間は外果外側面の上方で三角形の平滑面をなし、皮下で触れられる。骨間縁は腓骨頭直下から始まる線状の隆起で、初部(2cm位)は不明瞭なことが多い。はじめ前縁の直内側を前縁と平行して下降するが、遠位2/3位の所から後内側方へ離れ、外果関節面上方の腓骨切痕に対する三角形の粗面の尖端で終わる。後縁は腓骨頭尖から始まり外果後縁で終わる。近位では丸みを帯びているが遠位でやや稜状となる。前縁と骨間縁の間が内側面である。近位1/3では非常に狭いが遠位1/3では幅が広くなり、少し窪んで浅い溝状を呈す。後縁と前内側にある骨間縁との間の面が後面である。後面で、腓骨頭内側部からおこり遠位1/3のところで骨間縁と合流する稜線が内側稜である。内側稜と骨間縁の間は後面の後内側上部にあたり、浅い溝状を呈する。後面の広い後外側部は内側稜と後縁の間にあり、遠位では外果上方の三角形の粗面にいたる。中央部に栄養孔が上方の三角形の粗面にいたる。中央部に栄養孔が上方から入っている。外側面は前縁と後縁に囲まれた部分で比較的平滑で浅い溝状を呈す。近位端は少し大きく、また前後に広がっている。外側部は遠位側へ突出し外果をなす。外側面は二分した腓骨体前縁でつくられる腓骨体外側面の三角形の面につづく。内側前面上方にある楕円形の平滑な面が、距骨体の外側面と関節する外果関節面である。関節面の後方にあるやや深い陥凹が外側窩である。後縁は幅が広く、長および短腓骨筋腱が通る浅い溝・腓骨果溝がある。ラテン語のFibula(ブローチの留針、バックルの留金)に由来する。Figo(結びつける)からfigibulaという名詞が生じ、これが短縮してfibulaとなった。これに相当するギリシャ語はperoneで、腓骨筋m.peroneus、腓骨動脈a.peronea、腓骨神経n.peroneusなどに使われる。)

Head of fibula(腓骨頭;腓骨小頭)Caput fibulae; Capitulum fibulae ひこつとう;ひこつしょうとう Feneis: 068_16

[A02_5_07_002] →(腓骨の上端の膨らみは腓骨頭と呼ばる。腓骨頭の前面から長趾伸筋、長腓骨筋、後面からヒラメ筋の一部が起こり、外側面に大腿二頭筋が付着く。)

Articular facet of head of fibula(腓骨頭関節面;小頭関節面)Facies articularis capitis fibulae; Facies articularis capituli ひこつとうかんせつめん;しょうとうかんせつめん Feneis: 068_17

[A02_5_07_003] →(腓骨頭の内側面の上方には脛骨上端と連結するための腓骨頭関節面がある。)

Apex of head of fibula(腓骨頭尖;腓骨小頭尖)Apex capitis fibulae; Apex capituli fibulae ひこつとうせん;ひこつしょうとうせん Feneis: 068_18

[A02_5_07_004] →(腓骨頭の外側面の上端は小さく尖っていて腓骨頭尖という。)

Neck of fibula(腓骨頚)Collum fibulae ひこつけい Feneis: 068_19

[A02_5_07_005] →(腓骨頭と腓骨体の間にある。)

Shaft of fibula; Body of fibula(腓骨体;腓骨幹)Corpus fibulae ひこつたい;ひこつかん Feneis: 068_20

[A02_5_07_006] →(腓骨体は腓骨全長の大部分を占める棒状の部分。細長い三角柱状で、かるくねじれている。前縁、後縁、骨間縁があって、それにより3面が区切られる。腓骨体は下腿の筋の中に埋まっているので、それぞれの面はそれらの筋の付くところであり、面と面を区切る縁は、いずれも下腿の筋、ないし筋群を分ける結合組織性の膜が着くところである。したがって、各筋の発達の程度により、縁の強さや面の大きさ、また、ねじれの強さにかなりの個人差がある。)

Lateral surface of fibula(外側面;腓側面(腓骨の))Facies lateralis; Facies fibularis (Fibula) がいそくめん;ひそくめん(ひこつの) Feneis: 068_21

[A02_5_07_007] →(腓骨の外側面は前および後下腿筋間中隔にはさまれた腓骨筋が起こる場所で、上半分は長腓骨筋のため、浅く陥凹する。)

Medial surface of fibula(内側面;脛側面(腓骨の))Facies medialis; Facies tibialis (Fibula) ないそくめん;けいそくめん(ひこつの) Feneis: 068_22

[A02_5_07_008] →(腓骨の内側面はややくぼんだ、はなはだ幅が狭い面で、骨間膜と前下腿筋間中隔とにはさまれた下腿伸筋群が起こる場所となる。)

Medial crest of fibula(内側稜;脛側稜(腓骨の))Crista medialis; Crista tibialis (Fibula) ないそくりょう;けいそくりょう(ひこつの) Feneis: 068_24

[A02_5_07_010] →(腓骨の骨間縁の下1/3あたりのところから腓骨頭の後端に向かって内側稜という隆起線が上方に向かって枝分かれしている。内側稜は後脛骨筋の起始部と長母趾屈筋の起始部との境界をなす。)

Posterior surface of fibula(後面(腓骨の))Facies posterior fibulae (Fibula) こうめん(ひこつの) Feneis: 068_23

[A02_5_07_009] →(腓骨の後面は骨間膜の後にある下腿屈筋の深層の筋が起こるところを指す。骨間膜と内側稜にはさまれた上内方の小部は、後脛骨筋の起こるところで、内側に向くが、ここも後面の一部である。後方を向く縦に長い面からはヒラメ筋と長母指屈筋が起こる。)

Anterior border of fibula(前縁;前稜(腓骨の))Margo anterior; Crista anterior fibulae (Fibula) ぜんえん;ぜんりょう(ひこつの) Feneis: 068_25

[A02_5_07_011] →(最も鋭い鋭角状の稜線が前縁であるが、その上端は腓骨頭にまで達していない。またその下端は二股に分かれている。)

Interosseous border of fibula(骨間縁;骨間稜(腓骨の))Margo interosseus; Crista interossea (Fibula) こつかんえん;こつかんりょう(ひこつの) Feneis: 068_26

[A02_5_07_012] →(脛骨体の内側面には骨間縁が比較的鋭い稜線を示すが、骨の下端部までには達していない。骨間膜の一部がつく。)

Posterior border of fibula(後縁;腓側稜;外側稜(腓骨の))Margo posterior; Crista fibularis; Crista lateralis (Fibula) こうえん;ひそくりょう(ひこつの) Feneis: 068_27

[A02_5_07_013] →(腓骨体の後縁は鈍円状の縁で、特にその上方では不明瞭に平らになっている。)

Lateral malleolus(外果;外踝;腓骨踝)Malleolus lateralis; Malleolus fibulae がいか;ひこつか Feneis: 068_28

[A02_5_07_014] →(腓骨の下端は肥厚して下方に突出し、特にその外側面を外果とよぶ。外果の先端が下方というよりは後下方を向いている。臨床的には、腓骨の骨折はしばしば見られ、スキー人口の増加とともに外果の骨折が激増している。これはスキーで転んで足首のところで足が強く内反されると、外果窩についている強い靱帯が引っ張られて、外果の先端から約1cm上方の所で外果が簡単に折れてしまう。)

Articular facet of lateral malleolus(外果関節面;腓骨踝関節面)Facies articularis malleoli lateralis; Facies articularis malleoli がいかかんせつめん;ひこつかかんせつめん Feneis: 068_29

[A02_5_07_015] →(腓骨下端部の内側面には逆三角形の外果関節面があり、脛骨の下関節面と組になって距骨との連結に関与する。この外踝関節面のすぐ上方には輪郭の不明瞭な三角形の粗面があり、脛骨の腓骨切痕に接する。)

Malleolar fossa of lateral malleolus(外果窩;腓骨踝窩)Fossa malleoli lateralis がいかか;ひこつかかか Feneis: 068_30

[A02_5_07_016] →(外踝関節面の後方には小さな凹みである外踝窩があるが、これは足首の関節に関与する後距脛靱帯がつくところである。)

Malleolar groove(外果溝;腓骨踝溝)Sulcus malleolaris がいかこう;ひこつかこう Feneis: 068_31

[A02_5_07_017] →( Sulcus malleoli lateralisとした方が内果溝と判別しやすい。)

Bones of foot(足の骨;足骨)Ossa pedis あしのほね;そくこつ Feneis: 070_01

[A02_5_08_001] →(足の骨は足根骨・中足骨および足の趾骨とに大別できる。足の内側縁と外側縁との中点を結ぶ線で、足を前半部と後半部とに分けると、足根骨は後半部に、中足骨と趾骨とは前半部にある。)

Tarsal bones(足根骨)Ossa tarsi; Ossa tarsalia そくこんこつ Feneis: 070_02

[A02_5_09_001] →(足の後半部、足根の骨格で7個ある。手の手根骨と相同である。基本型には近位列の骨3個、遠位列の5個、中心骨1個であるが、体重を支える必要上、配列・数に変化をきたしている。足根骨の近位列は2個で、距骨と踵骨がある。距骨は脛側近位足根骨に、踵骨は腓側近位足根骨に属すが、横に配置せず距骨が上、踵骨が下で上下に配置する。また距骨は脛側にある2個の近位足根骨が癒合したものと考えられている。舟状骨は中心骨に属し、内側にあって距骨と3個の楔状骨の間にある。近位列の骨は4個で、内側から内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨・立方骨の純に横に配列している。立方骨は遠位裂の腓骨の2個の骨が癒合したものとみなされ、踵骨に接している。遠位列の骨は背側へ凸弯し、中足骨の後部とともに横足弓を形成する。また足根骨は中足骨とともに、内および外側に縦の隆起・縦足弓を形成する。踵骨・距骨・舟状骨・楔状骨・第1~第3中足骨を結ぶ内側弓と、踵骨・立方骨・第4~第5中足骨頭、台5中足骨底および踵骨隆起で地面に触れている。)

Talus; *Ankle bone(距骨)Talus きょこつ Feneis: 070_03

[A02_5_10_001] →(距骨は脛骨および腓骨と関節をなす足根骨。下腿の骨と他の足根骨との連結する。長軸は後外側上方から前内側上方へ向かう。遠位端の丸い頭と近位端の大きな立方形の体、中間の細く短い頚とに分ける。距骨体の上面は脛骨下端に対する関節面をなし、前後に凸面、左右に軽い凹面をなす。内側縁は直線的で外側縁は後方で内側方へ向かうので、関節面は前方で広く後方ほど狭い。内側面前方上方部にあり脛骨内果関節面に対する関節面が内果面である。広い前方部が前下方へ向かいコンマ状を呈する。内果面以外の部分はは粗面をなし多数の血管孔がある。外側面にあり腓骨外果関節面に対する関節面が外果面である。外果面は逆三角形状で上下に凹面、前後に軽い凸面をなす。外側面の下方への先端部分が距骨外側突起である。上面と内果面および外果面は互いに連絡し全体が隆起して、脛骨の下関節面と内果関節面および腓骨の外果関節面に対する鞍状の関節頭をなす。この関節頭全体が距骨滑車である。後面は狭く、後方に向かう突起が距骨後突起である。距骨後突起は外上方から内下方へ走る長母趾屈筋腱溝により、外側部の大きな外側結節と内側部の小さく踵骨の載距突起の後方に位置する内節結節とに分けられる。外側結節が距骨体から独立し、または軟骨で距骨体と連絡していることがある。この独立した小骨が三角骨である。足底面の後方で踵骨の後距骨関節面に対する長楕円形の凹面をなす関節面が後距骨関節面である。長軸は後内方から前外方へ向かい、矢状面とは約45度をなす。距骨頭は楕円球状で後上外側から前下内側へ突出している。前方の凸面を呈する楕円球面が、舟状骨の後面に対する舟状骨関節面である。距骨頭の足底面には3個の関節面がある。舟状骨関節とは細い隆起線で境され、最後方にある最大の関節面が中踵骨関節面である。関節面は凹面の楕円形で載距突起と関節する。この前外側にあり舟状骨関節面に連絡する比較的平坦で小さな楕円形の関節面が踵骨の前内側上面に対する前踵骨関節面である。前2者の内側にあり舟状骨関節面に連絡する小さな凹面部が、踵舟靱帯に対する距舟靱帯関節面(J.N.A.)である。距骨頚は頭と体の間の狭窄部で、上下に圧平された形をしている。外側上方から内側上方へ傾き粗面をなす。足底面で内側後方から外側前方へ走る深い溝が距骨溝で、踵骨の踵骨溝とともに足根洞を形成する。ラテン語のTalus(踵の骨・くるぶし)に由来する。)

Head of talus(距骨頭)Caput tali きょこつとう Feneis: 070_04

[A02_5_10_002] →(距骨頭は前方に横楕円球状も突出した部で、舟状骨関節面に被われ、舟状骨の後面に対する。この面の後内側の苔状の部は、細い隆起線で主要部と境される。ここは舟状骨とは接せず、底側距舟靱帯に接する。)

Navicular articular surface of talus(舟状骨関節面(距骨の))Facies articularis navicularis tali しゅうじょうこつかんせつめん(きょこつの) Feneis: 070_05

[A02_5_10_003] →(距骨頭の表面を舟状骨関節面といい、舟状骨に対する関節面という。)

Facet for plantar calcaneonavicular ligament; Facet on talus for plantar calcaneonavicular ligament(底側踵骨舟状骨関節面)Facies articularis ligamenti calcaneonavicularis plantaris tali ていそくしょうしゅうじんたいかんせつめん Feneis: 070_06

[A02_5_10_004] →(舟状骨関節面の後内側の帯状の部は、細い隆起線で主要部と境される。ここは舟状骨とは接せず、底側踵舟靱帯に接する。)

Facet for calcaneonavicular part of bifurcate ligament; Facet on talus for calcaneonavicular part of bifurcate ligament(底側2分踵舟靱帯関節面;踵舟靱帯関節面;距舟部関節面(2分靱帯の))Facies articularis partis calcaneonavicularis ligamenti bifurcati tali ていそく2ぶんきょうしゅうじんたいかんせつめん;ていそく2ぶんきょうしゅうじんたいかんせつめん;きょしゅうぶかんせつめん(にぶんじんたいの) Feneis: 070_07

[A02_5_10_005] →(二分靱帯の内側部(踵舟靱帯)に向く関節面。)

Neck of talus(距骨頚)Collum tali きょこつけい Feneis: 070_09

[A02_5_10_007] →(距骨頚は距骨体と距骨頭を結ぶやや細い部で、ことに上面から圧されて狭くなっている。)

Body of talus(距骨体)Corpus tali きょこつたい Feneis: 070_12

[A02_5_10_010] →(距骨体は距骨の後方約2/3をしめる。後方に向かって、距骨後突起、外側に向かってほぼ三角形の距骨外側突起を出す。)

Trochlea of talus(距骨滑車)Trochlea tali きょこつかっしゃ Feneis: 070_13

[A02_5_10_011] →(距骨は下腿の骨と連結する唯一の足根骨で、その上面には脛骨および腓骨の下端部をのせるための大きな距骨滑車がある。)

Superior facet of talus(上面;近位面(距骨の))Facies superior tali; Facies proximalis じょうめん;きんいめん(きょこつの) Feneis: 070_14

[A02_5_10_012] →(距骨滑車の上面は前後径に強く凸、横径に弱くくぼみ、前方から後方に至るに従い幅が狭い。)

Medial malleolar facet of talus(内果面;脛骨踝面(距骨の))Facies malleolaris medialis tali ないかめん;けいこつかめん(きょこつの) Feneis: 070_17

[A02_5_10_015] →(距骨の内果面は矢状方向に立つ関節面で狭い。)

Lateral malleolar facet of talus(外果面;腓側踝面(距骨の))Facies malleolaris lateralis tali; Facies malleolaris fibularis がいかめん;ひそくかめん(きょこつの) Feneis: 070_15

[A02_5_10_013] →(外果面は内果面よりも広い。これは腓骨の外果が脛骨の外果が脛骨の内果よりも1cmほど低い位置にあることと関係がある。)

Lateral process of talus(距骨外側突起;腓側突起(距骨の))Processus lateralis tali きょこつがいそくとっき;ひそくとっき(きょこつの) Feneis: 070_16

[A02_5_10_014] →(距骨の外側に向かってほぼ三角形の距骨外側突起を出す。)

Posterior calcaneal articular facet; Posterior facet on talus for calcaneus(後踵骨関節面;近位踵骨関節面)Facies articularis calcanea posterior tali; Facies articularis calcanearis proximalis こうしょうこつかんせつめん;きんいしょうこつかんせつめん Feneis: 070_22

[A02_5_10_020] →(前踵骨関節面と中踵骨関節面の後を斜めに後内側から進入して外前方に向かって広くなる距骨溝があり、そのさらに後に楕円形の深くくぼんだ後踵骨関節面がある。)

Sulcus tali(距骨溝)Sulcus tali きょこつこう Feneis: 070_11

[A02_5_10_009] →(前踵骨関節面と中踵骨関節面の後を斜に後内側から侵入して外前方に向かって広くなる距骨溝がある。)

Middle facet on talus for calcaneus(中踵骨関節面)Facies articularis calcanea media tali ちゅうしょうこつかんせつめん Feneis: 070_10

[A02_5_10_008] →(前踵骨関節面の後内側に接して距骨頚の下面にはやや大きい中距骨関節面がる。)

Anterior facet on talus for calcaneus(前踵骨関節面;遠位踵骨関節面)Facies articularis calcanea anterior tali; Facies articularis calcanearis distalis ぜんしょうこつかんせつめん;きんいしょうこつかんせつめん Feneis: 070_08

[A02_5_10_006] →(距骨体の下面は踵骨に対向する。距骨頭の下面に舟状骨関節面につづく形で小さい前踵骨関節面がある。)

Posterior process of talus(距骨後突起;距骨近位突起)Processus posterior tali; Processus proximalis tali きょこつこうとっき;きょこつきんいとっき Feneis: 070_18

[A02_5_10_016] →(距骨滑車後縁の直下にある幅広い突起。内側結節と外側結節からなり、その間に長母指屈筋腱溝がある。)

Groove for tendon of flexor hallucis longus(長母趾屈筋腱溝;長母指屈筋腱溝(足の))Sulcus tendinis musculi flexoris hallucis longi ちょうぼしくっきんけんこう;ちょうぼしくっきんけんこう(あしの) Feneis: 070_19

[A02_5_10_017] →(距骨後突起の尖端は上下に走る長母趾屈筋腱溝によって、内側の内側結節と外側の外側結節とに分けられる。)

Medial tubercle of talus(内側結節;脛側結節(距骨の))Tuberculum mediale tali; Tuberculum tibiale ないそくけせつ;けいそくけっせつ(きょこつの) Feneis: 070_20

[A02_5_10_019] →(長母趾屈筋腱溝の内側ある骨隆起。)

Lateral tubercle of talus(外側結節;腓側結節(距骨の))Tuberculum laterale tali; Tuberculum fibulare がいそくけっせつ;ひそくけっせつ(きょこつの) Feneis: 070_21

[A02_5_10_018] →(長母趾屈筋腱溝の外側にある骨隆起。)

Os trigonum(三角骨)Os trigonum さんかくこつ Feneis: 070_23

[A02_5_10_021] →(ときに距骨後突起が独立骨としてみられる。)

Calcaneus; *Calcaneal bone; *Heel bone(踵骨)Calcaneus しょうこつ Feneis: 070_24

[A02_5_11_001] →(踵骨は腓側近位足根に属し足根骨のうち最大の骨で、距骨の下に位置する。形は前後に長い不正四角柱で、長軸は上前方やや外側方へ向いている。後方部は下腿骨の後縁を越えて後方へ突出している。大きく膨隆した後方部が踵骨隆起で、四角柱の前方1/3と中央1/3の境界部で前内側方へ突出した部分が載距突起である。上面後方1/3は前後に凹、内外に凸の粗面をなす。中央1/3で前上方に向かう前後に凸面の楕円形の関節面が距骨の後踵骨関節面に対する後距骨関節面である。前方は1/3は後方2/3より約1/2低位で粗面をなし、前方ほど幅が狭くなる。前方の上内側の小さな関節面が前踵骨関節面に対する前距骨関節面である。前面は6面のうち最小で、上下に凹左右に凸の関節面をなし、立方骨と関節する立方骨関節面をなし、立方骨と関節する立方骨関節面である。後面は卵円形を呈し、長軸は外上方から内下方へ向かい下方ほど幅が広い。上方1/4平滑であるが中央2/4は膨隆し粗面をなす。下方1/4は前下方へ傾斜し、下端は膨隆している。下面最後方の大きな隆起が踵骨隆起である。浅い陥凹部により内側の幅が広く短い踵骨隆起内側隆起と、外側の幅が狭く前方へ長い踵骨隆起外側突起とに分けられる。下面前方には前後に走る小結節がある。外側面で前方1/3と中央1/3の境界部で前下方へ斜めに走る小隆起が腓骨筋滑車である。腓骨筋滑車の後下面に沿い後上方から前下方へ走る斜溝が、長腓骨筋腱が通る長腓骨筋腱溝であり、滑車の前上面に沿う浅い溝を短腓骨筋腱が通る。内側面は上下に凹の平滑面であるが、前方1/3と中央1/3の境界部に前上方から後下方方向斜めに圧平された形の載距突起がある。載距突起基部の前面で内側後上方から外側前下方へ走る溝が距骨溝である。距骨の距骨溝ととに足根洞を形成する。足根洞は前外側方が広い漏斗状を呈する。載距突起の上面は上下に長い楕円形の関節面となす。距骨の中踵骨関節面に対する中距骨関節面である。載距突起の後面で後上方から前下方へ走る浅い溝が長母趾屈筋腱溝で、距骨の同名溝のつづきをなす。ラテン語のCalx(calcis)(石灰・踵)に由来する。)

Calcaneal tuberosity(踵骨隆起)Tuber calcanei しょうこつりゅうき Feneis: 070_25

[A02_5_11_002] →(踵骨の後半部は大きな骨塊となって後方に飛び出している。この部分は踵骨隆起と呼ばれ、いわゆるかかとの主要部を成している。その後面には表面にギザギザした稜線が横に走っているが、ここはアキレス腱がつく場所である。)

Medial process of calcaneal tuberosity(踵骨隆起内側突起;踵骨隆起脛側結節)Processus medialis tuberis calcanei; Tuberculum tibiale tuberis calcanei しょうこつりゅうきないそくとっき;しょうこつりゅうきけいそくけっせつ Feneis: 070_26

[A02_5_11_003] →(踵骨隆起は高く大きく前後に長い長方形をなす部で関節面を有せず、その後下端は著しく厚く突出して、下面の内外で高まって踵骨隆起外側突起および踵骨隆起内側突起をつくる。)

Lateral process of calcaneal tuberosity(踵骨隆起外側突起;踵骨隆起腓側結節;腓側結節(踵骨の))Processus lateralis tuberis calcanei; Tuberculum fibulare tuberis calcanei; Tuberculum fibulare しょうこつりゅうきがいそくとっき;しょうこつりゅうきひそくけっせつ;ひそくけっせつ(しょうこつの) Feneis: 070_27

[A02_5_11_004] →(踵骨突起の下外側にある弱い突出部。)

Calcaneal tubercle; Anterior tubercle of calcaneum(踵骨結節)Tuberculum calcanei; Tuberculum anterior calcanei しょうこつけつせつ Feneis: 070_28

[A02_5_11_005] →(踵骨下面で、前端の立方骨関節面の下縁に沿う溝の後方付近は隆起して踵骨結節をつくる。底側踵立方靱帯の起始をなす。踵骨下面から足底方形筋、その後方の踵骨隆起下面から母趾外転筋、短趾屈筋が起こる。長腓骨筋腱中に種子骨を含むことがある。)

Sustentaculum tali; Talar shelf(載距突起(踵骨の))Sustentaculum tali さいきょとっき Feneis: 070_29

[A02_5_11_006] →(中距骨関節面と前距骨関節面はともに距骨の前半部をのせ、載距突起という台状突起の上面をなしている。踵骨の前端には立方骨に対する関節面がある。)

Groove for tendon of flexor hallucis longus(長母趾屈筋腱溝;長母指屈筋腱溝(足の))Sulcus tendinis musculi flexoris hallucis longi ちょうぼしくっきんけんこう(あしの) Feneis: 070_30

[A02_5_11_007] →(踵骨体の内側面には載距突起の下を後上方から前下方に向かう長母趾屈筋腱溝があって、距骨溝突起の同名溝につづく。)

Calcaneal sulcus(踵骨溝)Sulcus calcanei しょうこつこう Feneis: 070_31

[A02_5_11_008] →(中距骨関節面と前距骨関節面の後内方から前外方に向かう踵骨溝となり、その外側半分は踵骨の前縁にまで達する広い陥凹した粗面となる。)

Tarsal sinus(足根洞)Sinus tarsi そくこんどう Feneis: 070_32

[A02_5_11_009] →(踵骨溝は距骨の距骨溝と向き合って足根洞をつくるが、この洞は前外方が広く、後内方に向かって狭くなる漏斗状の空間となる。)

Anterior talar articular surface of calcaneum(前距骨関節面;遠位距骨関節面(踵骨の))Facies articularis talaris anterior calcanei; Facies articularis talaris distalis; Facies articularis anterior ぜんきょこつかんせつめん;えんいきょこつかんせつめん(しょうこつの) Feneis: 072_01

[A02_5_11_010] →(距骨の下面にある前踵骨関節面に対する前距骨関節面がある。この名前のように距骨を載せている。)

Middle talar articular surface of calcaneum(中距骨関節面)Facies articularis talaris media calcanei; Facies articularis media ちゅうきょこつかんせつめん Feneis: 072_02

[A02_5_11_011] →(距骨の下面にある中踵骨関節面に対する中距骨関節面をがある。)

Posterior talar articular surface of calcaneum(後距骨関節面;近位距骨関節面)Facies articularis talaris posterior calcanei; Facies articularis talaris proximalis; Facies articularis posterior calcanei こうきょこつかんせつめん;きんいきょこつかんせつめん Feneis: 072_03

[A02_5_11_012] →(距骨溝の後縁は強く前方に傾き、前後方向に凸の後距骨関節面によって境される。踵骨の上面には前・中・後距骨関節面があって距骨をのせている。)

Groove for tendon of fibularis longus; Groove for tendon of peroneus longus(長腓骨筋腱溝;腓骨筋腱溝)Sulcus tendinis musculi fibularis longi; Sulcus tendinis musculi peronei longi ちょうひこつきんけんこう Feneis: 072_04

[A02_5_11_013] →(踵骨外側面の中央やや前よりの部は踵腓靱帯の付く隆起があり、そのすぐ前には後上方より前下方に向かって斜めに走る浅い長腓骨筋腱溝がある。)

Fibular trochlea; Peroneal trochlea; Peroneal tubercle(腓骨筋滑車;滑車突起)Trochlea fibularis; Trochlea peronealis; Processus trochlearis ひこつきんかっしゃ;かっしゃとっき Feneis: 072_05

[A02_5_11_014] →(長腓骨筋腱溝の前にある前上方から後下方に長い弱い高まりを腓骨筋滑車といい、それより上方に短腓骨筋腱溝が乗る浅い溝がある。)

Articular surface for cuboid on calcaneum(立方骨関節面;方形骨関節面)Facies articularis cuboidea calcanei りっぽうこつかんせつめん;ほうけいこつかんせつめん Feneis: 072_06

[A02_5_11_015] →(距骨体の前面は上下に凹、左右に凸の立方骨関節面をつくる。)

Navicular bone(舟状骨[足の])Os naviculare しゅうじょうこつ[あしの] Feneis: 072_07

[A02_5_12_001] →(足の舟状骨は中心足根骨に属し、足根の内側で距骨と楔状骨の間にある。前後に扁平な骨で、背側で凸面、足底側で凹面となっている。前面に3個の凸面の関節面があり、それぞれ内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨と関節する。後方は距骨頭に対する関節窩をなす。内側面は粗面状で下方に突出し舟状骨粗面をなす。皮下で触知できる。外側面で立方骨関節することも多い。底側面で舟状骨粗面に近い部に後脛骨筋腱の深層のものが通る浅い斜めの溝がある。ラテン語のNavisの縮小形Navicula(小舟)に由来する。)

Tuberosity of navicular bone(舟状骨粗面)Tuberositas ossis navicularis しゅうじょうこつそめん Feneis: 072_08

[A02_5_12_002] →(足の舟状骨の内側部は舟状骨粗面として内方に向かって突隆し、体表から離れる。下面で舟状骨粗面に近く、後脛骨筋の深在の腱を容れる浅い溝が斜めに走る。舟状骨粗面に下方に着く後脛骨筋の一部の腱のなかに種子骨、外頚骨を含むことがある。)

Medial cuneiform bone(内側楔状骨;第一楔状骨)Os cuneiforme mediale; Os cuneiforme primum ないそくけつじょうこつ;だい1けつじょうこつ Feneis: 072_09

[A02_5_13_001] →(舟状骨と第一中足骨の間に位置する。その楔形の底面は下方を向いている。3つの楔状骨の中で内側楔状骨は飛び抜けて大きい。)

Intermediate cuneiform bone; Middle cuneiform bone(中間楔状骨;第二楔状骨)Os cuneiforme intermedium; Os cuneiforme secundun ちゅうかんけつじょうこつ;だい2けつじょうこつ Feneis: 072_10

[A02_5_14_001] →(舟状骨と第三中足骨の間に位置する。その楔形の底面は上方を向く。3つの楔状骨の中で最小で、全楔状骨を連ねる前縁でここが最もくぼむ。)

Lateral cuneiform bone(外側楔状骨;第三楔状骨)Os cuneiforme laterale; Os cuneiforme tertium がいそくけつじょうこつ;だい3けつじょうこつ Feneis: 072_11

[A02_5_15_001] →(舟状骨と第三中足骨の間に位置する。その楔形の底面は上方を向く。外側楔状骨の外側面は立方骨の内側面に接する。)

Cuboid bone(立方骨;方形骨)Os cuboideum りっぽうこつ;ほうけいこつ Feneis: 072_12

[A02_5_16_001] →(足根骨の遠位列に属し最外側にある。踵骨と第4および第5中足骨との間にあり、内側縁が外側縁より長く、背面が背外側に向いた立方形をしている。外側楔状骨の外側にあって上面が外方に傾いた立方状である。外側面から足底面にかけて後外側から前内側へ走る溝が長腓骨筋腱溝で、溝の後方を境する隆起が立方骨粗面である。内側面中央に外側楔状骨に対する関節面があり、この外後方に舟状骨に対する関節面がある。近位端に踵骨に対する大きな関節面が、遠位端には第4および第5中足骨底に対する関節面がある。ギリシャ語のKybos(立方体)+Oeides(様)に由来する。)

Groove for tendon of fibularis longus; Groove for tendon of peroneus longus(長腓骨筋腱溝)Sulcus tendinis musculi fibularis longi; Sulcus tendinis musculi peronei longi ちょうひこつきんけんこう Feneis: 072_13

[A02_5_16_002] →(立方骨の外側面から下面へかけて内方に向かって走る長腓骨筋腱溝がある。)

Tuberosity of cuboid bone(立方骨粗面;方形骨粗面)Tuberositas ossis cuboidei りっぽうこつそめん;ほうけいこつそめん Feneis: 072_14

[A02_5_16_003] →(長腓骨筋腱溝の後縁は高い稜状の隆起の外側半分を立方骨粗面という。長足底靱帯の着く所である。)

Calcaneal process of cuboid(踵骨突起)Processus calcaneus caboidei しょうこつとっき Feneis: 072_15

[A02_5_16_004] →(立方骨の底側突起。近位関節面の下部をなし、斜上方に向く。踵骨の支持に働く。)

Metatarsals; Metatarsal bones [I-V](中足骨[1-5])Ossa metatarsi; Ossa metatarsalia [I-V] ちゅうそくこつ[1-5] Feneis: 072_16

[A02_5_17_001] →(中足の骨格で5個の長骨からなる。内側から順に第1・第2・第3・第4および第5中足骨という。第1・第2および第3中足骨はそれぞれ内側・中間および外側楔状骨の遠位に、第4および第5中足骨は立方骨の遠位にある。長さは中手骨より長い。第1中足骨が最も短く、第2中足骨が最も長い。第3・第4および第5中足骨の順に短くなる。おのおのの中足骨を近位端の底、中央部の体、遠位端の頭に分ける。底は太く厚く、第1・第2および第3中足骨にはそれぞれ内側・中間および外側楔状骨に対する、第4と第5中足骨には立方骨に対する関節面がある。第1中足骨を除く中足骨と足根骨の関節を連ねる線は、内側前方から外側後方へ走る。第2・第3・第4および第5中足骨底では相対する側面に関節面があるが、第1中足骨底にはない。また第2中足骨底の側面には内側および外側楔状骨に対する関節面がある。第1中足骨底の足底面に第1中足骨粗面がある。第5中足骨底の外側は強く張り出して第5中足骨粗面をなし、皮下で触知できる。体は不正三角柱で、第1中足骨では太いが、他は左右から圧迫された形をし、頭へいくほど細くなる。また長軸方向で背側に凸弯している。頭は側面を切り取った球状で、細い頚部がある。頭の足底面には内および外側に、それぞれちいさな隆起がある。)

Base of metatarsal bone(底;中足骨底)Basis ossis metatarsi てい;ちゅうそくこつてい Feneis: 072_17

[A02_5_17_002] →(中足骨底には足根に対する関節面があるが、その輪郭は第2・第3・第5中足骨では三角形、第4中足骨では四角形、第1中足骨ではソラマメ形ないし腎臓形である。中足骨底は一般に太く厚く、その後面には第1中足骨では内側楔状骨に対する横楕円形の関節面があり、第2、第3、中足骨では足底側に尖った3角形、第4中足骨では4角形、第5中足骨では外側に尖った3角形の関節面がある。第2~5中足骨底の互いに相対する面に小さい関節面を見る。)

Shaft of metatarsal bone; Body of metatarsal bone(体;中足骨体;中足骨幹)Corpus ossis metatarsi たい;ちゅうそくこつたい;ちゅうそくこつかん Feneis: 072_18

[A02_5_17_003] →(中足骨体は中足骨の長い棒状の部分で不正三角柱状で足底に向かって少し弯曲する。中足骨体は中足骨底より細いので、隣り合う中足骨体間に中足骨間隙(背側および底側骨間筋がこれをみたす)がある。)

Head of metatarsal bone(頭;中足骨頭;小頭)Caput ossis metatarsi; Capitulum とう;ちゅうそくこつとう;しょうとう Feneis: 072_19

[A02_5_17_004] →(中足骨頭には趾骨に対するほぼ球状の関節面をそなえ、細い頚部に連なる。その両端は削り落とされたような形をしている。第1中足骨頭の下面に1対の種子骨を見る。)

Tuberosity of first metatarsal bone [I](第1中足骨粗面)Tuberositas ossis metatarsi primi [I] だいいちちゅうそくこつそめん Feneis: 072_20

[A02_5_17_005] →(第1中足骨底の足底縁の外側部には第1中足骨粗面(前脛骨筋と長腓骨筋の着く所)がある。)

Tuberosity of fifth metatarsal bone [V](第5中足骨粗面)Tuberositas ossis metatarsi quinti [V] だい5ちゅうそくこつそめん Feneis: 072_21

[A02_5_17_006] →(第5中足骨底の外側には第5中足骨粗面(短腓骨筋の着くところ)があり、体表から骨の突起として触れる。これが独立した小骨(Vesaliusの骨)となることがある。)

Phalanx of foot; Phalanges of foot(趾骨;趾節骨;指骨(足の))Ossa digitorum pedis; Phalanges しこつ;しせつこつ;しこつ(あしの) Feneis: 072_22

[A02_5_18_001] →(片足には通常14個の趾骨がある。第2~5趾はそれぞれ3個の趾骨からなり、中足骨の遠位にある骨で、数・配列・形は手の指骨と同様であるが、手に比較して非常に短い。第1趾(母趾)は最も太く、第2趾骨がふつう最も長い。趾骨は、近位側から基節骨・中節骨・末節骨の順で存在するが、第1趾骨には中節骨がない。また第2~第5趾骨でも中節骨の発達が悪い。基節骨・中節骨・末節骨のおのおので近位端の底、中央部の体、遠位端の頭を区別する。基節骨底の近位端は中足骨頭に対する凹面の関節面をなす。基節骨と中節骨の頭は滑車上の凸面の関節面をなし、それぞれ中節骨底および末節骨底(第1基節骨頭は直接末節骨底)の凹面の関節面と連結する。また底および頭の足底面の内側および外側には小隆起がある。体は左右に圧平された形をし、長軸方向で背側に凸弯している。末節骨の尖端足底面にある粗面が末節骨粗面である。母趾の基節骨と末節骨は扁平で太く大きいが、その絶対的および他の趾に対する相対的な大きさは女子より男子で大きい。)

Proximal phalanx of foot(基節骨(足の))Phalanx proximalis pedis きせつこつ(あしの) Feneis: 072_23

[A02_5_18_002] →(趾骨の第一または近位の趾骨。基節骨と中節骨に滑車状の頭をみる。母趾の基節骨底面に短母趾屈筋がつく。)

Middle phalanx of foot(中節骨(足の))Phalanx media pedis ちゅうせつこつ(あしの) Feneis: 072_24

[A02_5_18_003] →(趾骨の中節。第2趾~第5趾の中節骨底面に短趾屈筋がつくが中節骨の発達が悪い。)

Distal phalanx of foot(末節骨(足の))Phalanx distalis pedis まつせつこつ(あしの) Feneis: 072_25

[A02_5_18_004] →(趾骨の遠位の骨。末節骨の尖端には末節骨粗面をみる。第1趾(拇指)末節骨底面に長母趾屈筋がつく。)

Tuberosity of distal phalanx of foot(末節骨粗面;爪粗面(足の))Tuberositas phalangis distalis pedis; Tuberositas unguicularis まつせつこつそめん;そうそめん(あしの) Feneis: 072_26

[A02_5_18_005] →(末節骨の尖端の下部には末節骨粗面があり、触球を定着させている。)

Base of phalanx of foot(底[趾(指)節骨])Basis phalangis pedis てい[し(し)しせつこつ] Feneis: 072_27

[A02_5_18_006] →(各趾末節骨底面に長母趾屈筋または長趾屈筋、母趾の基節骨の底面には短母指屈筋、他の趾の中節骨底面に短趾屈筋がつく。)

Shaft of phalanx of foot; Body of phalanx of foot(体;幹[趾(指)節骨])Corpus phalangis pedis たい;かん[し(し)しせつこつ] Feneis: 072_28

[A02_5_18_007] →(趾節骨体は趾節骨の骨幹部。)

Head of phalanx of foot(頭[趾(指)節骨])Caput phalangis pedis とう[し(し)しせつこつ] Feneis: 072_29

[A02_5_18_008] →(趾節骨頭は基節骨、中節骨の遠位端にある丸い関節面部分。)

Trochlea of phalanx of foot(趾節骨滑車;指節骨滑車(足の))Trochlea phalangis pedis しせつこつかっしゃ(あしの) Feneis: 072_30

[A02_5_18_009] →(基節骨と中節骨には滑車上の頭を有するので趾節骨滑車と呼ぶ。)

Sesamoid bones of foot(種子骨(足の))Ossa sesamoidea pedis しゅしこつ(あしの) Feneis: 072_31

[A02_5_19_001] →(種子骨は第1中足骨頭の足底面に2個、第1基節骨の底側面に1個を殆ど常に見るが、そのはかにも第5中足骨底面などにみられることがある。)

最終更新日:19/10/13

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