321_02【Distal radio-ulnar joint; Distal radio-ulnar articulation下橈尺関節;遠位橈尺関節;橈尺関節 Articulatio radioulnaris distalis】 Inferior part of the elbow joint for articulation between the radius and ulna. →(尺骨下端にある尺骨頭と、橈骨下端の尺骨切痕との間の関節で、上頭尺関節とともに前腕の回内と回外を行う1軸性の車軸関節である。関節腔の遠位面は、橈骨手根関節の関節円板の上面にあたる。この関節円板は三角形で、底辺は橈骨につき、先端は尺骨の茎状突起にのびる。関節腔の一部は上方にのびて橈骨と尺骨の間に少しひろがる。この部を嚢状陥凹という。そのため関節腔はL字型をなす。関節円板は、この関節と橈骨手根間節を隔てている。上および下橈尺関節は共同に働いて前腕を回外および回内させる。運動の軸は橈骨頭と尺骨の茎状突起とを結ぶ線で、尺骨は不動のまま、橈骨がこの軸を中心として回転し、その運動範囲は橈骨下端で約180°である。(ただし、上肢を延ばした状態では上腕の回旋を伴う。橈尺関節のみによる前腕の回外・回内は肘関節をほぼ90°に屈した状態でみる。)前腕骨間膜と斜索との線維の方向は手関節に加わる力を前腕から上腕の方へ伝えるのに必要なものであるとともに、過度の回旋に際しては強く牽引され、それを制限する。)
321_03【Ulnar styloid process; Styloid process of ulna茎状突起(尺骨の) Processus styloideus ulnae】 Peglike process on the distal end of the ulna. Site of attachment for the articular disc of the distal radioulnar joint and the ulnar collateral ligament. →(尺骨の下端の内側端から下方に細い茎状突起が突出する。)
321_04【Ulnar collateral ligament of wrist joint内側手根側副靱帯(橈骨手根関節の) Ligamentum collaterale carpi ulnare】 Collateral ligament that extends from the ulnar styloid process to the triquetrum and pisiform. →(内側手根側副靱帯は尺骨の茎状突起から豆状骨に至る線維束である。)
321_05【Triquetrum bone; Triquetral bone三角骨 Os triquetrum】 Bone dorsal to the pisiform between the hamate and lunate. →(三角骨は月状骨、有鈎骨、豆状骨の間にはまって下内側(小指側)に向かってやや尖った三角錐体状である。有鈎骨に向かう面は軽度に鞍状である。)
321_07【Dorsal intercarpal ligaments背側手根間靱帯 Ligamenta intercarpalia dorsalia】 Bands on the dorsum of the wrist between the proximal and distal rows of carpal bones. They originate on the triquetrum. →(背側手根間靱帯は関節包深層にあり、手根骨の背面を連結する小靱帯である。しかし、舟状骨から大・小菱形骨に行く線維束、舟状骨から有頭骨頭を越えて三角骨に行く線維束(背側手根弓状靱帯[JNA])は長い。)
321_08【Hamate bone有鈎骨 Os hamatum】 Bone located between the fourth and fifth metacarpals, the capitate, and the triquetrum. →(有鈎骨は第4、5中手骨に対する不正な鞍状の関節面を底として上方に尖る三角形である。掌側面の内側端から掌側に有孔骨鈎が突出する。内上面は三個角骨にする鞍状の関節面で占められる。)
321_09【Dorsal carpometacarpal ligaments背側手根中手靱帯 Ligamenta carpometacarpalia dorsalia】 Tough bands on the dorsum of the hand that connect the distal carpal bones to the metacarpals. →(手根中手関節の補強靱帯として背側面に背側手根中手靱帯があり、遠位手根骨と中手骨底を結ぶ。関節は殆ど動かない。)
321_10【Dorsal metacarpal ligaments背側中手靱帯;背側中手骨底靱帯 Ligamenta metacarpalia dorsalia; Ligamenta basium ossium metacarpi dorsalia】 Tough bands between the proximal ends of the metacarpals on the extensor surface of the hand. →(背側中手靱帯は隣接する中手骨底間を結ぶ。)
321_11【Fifth metacarpal bone; 5th metacarpal bone第5中手骨 Os metacarpale V】 →()
321_11a【Metacarpals; Metacarpal bones [I-V]中手骨[1-5] Ossa metacarpi; Ossa metacarpalia [I-V]】 Metacarpal bones of the hand. →(中手骨は手根骨の遠位にある5本の細長い管状骨である。第1中手骨が最も短いが、最も太い。最も長いのは第2中手骨で、ついで第3、第4、第5中手骨の順に短い。中手骨には頭・底・体の3部が区別できるが底は中手骨の近位端で太く、手根骨との関節面をもっている。関節面の形は中手骨によって異なり、第1中手骨は鞍状に凸、第2中手骨では中央にくぼみがみられ、第3、第4中手骨では平らである。第5中手骨では不完全な鞍状を呈する。体は後面に向かってゆるく弯曲していて底および頭より細いので、となりあう中手骨の間に中手骨間隙ができる。頭はまるく大きく、基節骨底に接する関節面がある。第3中手骨底の背面外側には小さな突起がみられ、第3中手骨の茎状突起という。)
321_12【Fourth metacarpal bone; 4th metacarpal bone [IV]第4中手骨 Os metacarpale IV】 →()
321_13【Third metacarpal bone; 3rd metacapal bone[III]第三中手骨 Os metacarpale III】 →()
321_14【Second metacarpal bone; 2nd metacarpal bone [II]第2中手骨 Os metacarpale II】 →()
321_15【First metacarpal bone; 1st metacarpal bone第1中手骨 Os metacarpale I】 →()
321_16【Radius橈骨 Radius】 One of the two bones of the forearm. It is lateral to the ulna. →(橈骨は前前腕の2本の骨のうち、外側の短い方にある長管状骨(男約22cm、女約20cm)で、上端と下端で前腕の内側(尺側または小指側)にある尺骨と関節する。下端は上端に比して著しく大きい。上端には円盤状の橈骨頭があり、円板の外周にあたる部分は尺骨の橈骨切痕と橈骨輪状靱帯に接する。また、橈骨頭の上面は浅いくぼみになっており(橈骨頭窩)、上腕骨の小頭と関節をつくる。橈骨頭のすぐ下で橈骨体に移行する部分は急に細くなってなってくびれており、橈骨頚という。橈骨体は上端を除く大部分が三角柱状で、全体として外側に弓形にまたがっており、前後および外側の3面と前後および内側の3縁が区別される。内側縁は他の2縁と異なり鋭い稜線になっており、骨間縁とよばれる。この縁と尺骨の同名縁との間には前腕骨間膜が張っている。橈骨頚のすぐ下で橈骨体の前内側には卵円形にもり上がった橈骨粗面があり、上腕二頭筋の腱が停止する。また、外側面には回内筋の停止する粗面(回内筋粗面)がある。橈骨下端の外側面には茎状突起という下方に伸びる突起があり、内側面には三角形の関節面をもった尺骨切痕があり、尺骨の関節環状面と関節をつくる。また、後面には3~4個の縦に走る溝がある。橈骨下端の下面にあるくぼみは手根関節面で中央にある弱い隆線によって内外二つの関節面に分けられている。内側の関節面には月状骨が、外側のものには舟状骨が接している。語源Radiusは一点から放散する光り、放線、転じて車輪の幅(スポーク)を意味し、この骨の形が幅に似ているところから命名された。また橈は、かい、オールを意味する。)
321_17【Dorsal radiocarpal ligament背側橈骨手根靱帯 Ligamentum radiocarpale dorsale】 Band on the dorsal surface of the wrist whose fibers mostly extend from the radius to the triquetrum. →(背側橈骨手根靱帯は橈骨下端および茎状突起の背側縁から出て下方に放散する関節包表層の線維束である。舟状骨に向かう部分、有頭骨に向かう部分、月状骨に向かい、さらにそれを越えて三角骨に向かう部分に分けられるが、最後の線維束が最も強い。)
321_18【Radial collateral ligament of wrist joint; Radial carpal collateral ligament外側手根側副靱帯(橈骨手根関節の) Ligamentum collaterale carpi radiale】 Lateral collateral ligament that extends from the radial styloid process to the scaphoid. →(外側手根側副靱帯は橈骨茎状突起から舟状骨および大菱形骨の側面に至る表層の線維束である。)
321_19【Scaphoid bone舟状骨(手の) Os scaphoideum; Os naviculare manus】 Bone situated between the lunate and trapezium. →(手の舟状骨は手根の近位列の最大の骨で、外側(橈側)にある。橈骨、月状骨、有頭骨、大菱形骨、小菱形骨と関節する。上面(近位面)は橈骨に向かう凸な、下面(遠位面)は有頭骨に向かう凹な関節面で大部分を占められ下外側端に大小菱形骨に対する関節面がある。)
321_20【Capitate bone有頭骨 Os capitatum】 Centrally located bone between the third metacarpal and the lunate. →(有頭骨の最大の手根骨で、上端は舟状骨と月状骨に対する半球状の関節面を有する頭部([JNA]Caput ossis capitati有頭骨頭)をなし、この部が全手根骨の中央に位置する。下端は大きく、稜線で内外2部に分かれる三角形の関節面によって第2、3中手骨に対し、その内側縁は第4中手骨にも接する。)
321_21【Trapezium bone大菱形骨;大多角骨 Os trapezium; Os multangulum majus】 Bone situated between the first metacarpal and the scaphoid. →(大菱形骨は第一中手骨と舟状骨の間にある。大きな下端には第1中手骨に対向する内外方向に凹、掌背方向に凸の鞍状の関節がある。内側(小指側)面の一部で第2中手骨にも向かう。内側面のそれより後は小菱形骨がはまる深い凹面となる。)
321_22【Carpometacarpal joint of thumb手根中手関節(母指の);第1手根中手関節 Articulatio carpometacarpalis pollicis; Articulus carpometacarpea primus】 Saddle joint. Independent joint between the first metacarpal and the trapezium. →(母指の手根中手関節は第1中手骨底と大菱形骨との間にある典型的な鞍関節である。大菱形骨の関節面は掌背方向に凸で内外方向に凹、かつ凸の曲面の方が半径が小さい。第1中手骨の関節面は掌背に凹、左右に凸の曲面をもつ。関節包は他の手根中手関節とは独立し、広く緩い。関節包靱帯は掌側より背側が強く、特に大菱形骨の外背部から第1中手骨中央部へ向かって扇状に張る線維束(背側手根中手靱帯の一部とみてよい)は母指の対立運動に多少制限的に働く。互いに直交する2つの軸を中心として屈伸と内転(母指を第2指に近付ける)、外転(母指を第2指から離す)を行う。また屈伸と内外転の組合せに少しの回旋を伴った描円運動も行う。)
321_23【Trapezoid bone小菱形骨;小多角骨 Os trapezoideum; Os multangulum minus】 Bone located between the second metacarpal, scaphoid, trapezium, and capitate. →(小菱形骨は舟状骨、大菱形骨、有頭骨、第2中手骨の間にはさまり、周囲にこれらの骨に対する関節面を持ち、掌背方向を向く小さな角柱状である。)