目次骨格系関節系筋肉系消化器系呼吸器系胸郭泌尿器系生殖器系腹腔と骨盤腔内分泌腺心脈管系リンパ系神経系感覚器外皮

Joints of pectoral girdle(上肢帯の連結;胸帯の連結)Juncturae cinguli pectoralis じょうしたいのれんけつ;きょうたいのれんけつ Feneis: 080_20

[A03_5_00_002] →(上肢帯の連結は上肢帯の靱帯結合、滑液結合に分類できる。)

Syndesmoses of pectoral girdle; Syndesmoses of shoulder girdle(上肢帯の靱帯結合;胸帯の靱帯結合;肩帯の靱帯結合)Syndesmoses cinguli pectoralis; Syndesmoses cinguli membri superioris じょうしたいのじんたいけつごう;きょうたいのじんたいけつごう;けんたいのじんたいけつごう Feneis: 080_21

[A03_5_01_001] →(肩甲骨の各部間の靱帯は上肢帯の靱帯結合である。)

Coracoacromial ligament(烏口肩峰靱帯)Ligamentum coracoacromiale うこうけんぽうじんたい Feneis: 080_22

[A03_5_01_002] →(烏口肩峰靱帯は肩甲骨烏口突起の水平部から広く起こり、やや上方に集まって肩峰の尖端で肩鎖関節の外側ととの間に張る比較的強い靱帯である。肩関節を上から被うが、両者の間に肩甲下筋と棘上筋の腱および肩峰下包が介在するため、関節包とは直接しない。肩関節を保護すると共に、上腕骨が水平より上方にあがることを抑制する。機能的には肩関節と関係が深い。烏口突起、肩峰とともに、いわゆるcoracoacromial arch, Shoulter-dachをつくり、肩関節の運動に際して上腕骨頭の働きを上方から制限する。このため肩関節だけの運動では、上肢の外転は水平位(90°)までで、それ以上の上肢の挙上には胸鎖関節や肩鎖関節の働きを必要とする。)

Superior transverse scapular ligament; Transverse scapular ligament(上肩甲横靱帯;肩甲横靱帯)Ligamentum transversum scapulae superius じょうけんこうおうじんたい Feneis: 080_23

[A03_5_01_003] →(上肩甲横靱帯は肩甲切痕の上に張る扁平な小靱帯で、その一部または前部が骨化することがある。この靱帯の上を肩甲上動脈が越え、その下を肩甲上神経が通る。)

Inferior transverse scapular ligament(下肩甲横靱帯)Ligamentum transversum scapulae inferius かけんこうおうじんたい Feneis: 080_24

[A03_5_01_004] →(下肩甲横靱帯は棘上筋と棘下筋の筋膜が合してつくる線維束で、肩甲棘基部の外側縁と関節窩の縁の間の切痕に張る。この靱帯の下を棘上窩から棘下窩へめぐる肩甲上動脈、同神経が通る。)

Synovial joints of pectoral girdle; Synovial joints of shoulder girdle(上肢帯の滑液結合;胸帯の滑液結合)Articulationes cinguli pectoralis; Articulationes cinguli membri superioris じょうしたいのかつえきけつごう;きょうたいのかつえきけつごう Feneis: 080_25

[A03_5_02_001]

Acromioclavicular joint; Acromioclavicular articulation(肩鎖関節)Articulatio acromioclavicularis けんさかんせつ Feneis: 080_26

[A03_5_03_001] →(肩鎖関節は肩峰関節面と鎖骨肩峰端にある関節面との間の平面関節である。関節の長軸の方位は矢状に近いが、前端がやや外方に偏する。同時に鎖骨の関節面はやや下を、肩峰の関節面はやや上を向くような斜位をとる。関節面の大きさなどに個人差が著しい。しばしば関節円板があるが、多くは部位による厚みが平等でなく、あるいは不完全で関節腔を完全には2分しない。関節包はゆるく、その前側がやや強いほか、前面は厚く強くなって肩鎖靱帯をつくる。胸鎖関節と共同して働き、肩甲骨が肩関節の運動に伴って動くことを可能にする。この関節の近くに肩甲骨と鎖骨を結ぶ靱帯(烏口鎖骨靱帯、菱形靱帯、円錐靱帯)がある。)

Acromioclavicular ligament(肩鎖靱帯)Ligamentum acromioclaviculare けんさじんたい Feneis: 080_27

[A03_5_03_002] →(肩鎖関節の関節包はゆるく、その前側がやや強いほか、前面は厚く強くなって肩鎖靱帯をつくる。運動の範囲は狭いが、肩甲骨の外側角が上方に向くような動きがあるほか、肩甲骨の少し回旋が行われる。たとえば、外側角が上を向く運動に際して、下角が前方へ移動し、上角が下降するような回旋運動が起こる。)

Articular disc of acromioclavicular joint(関節円板(肩鎖靱帯の))Discus articularis acromioclavicularis; Discus articulationis acromioclavicularis かんせつえんばん(けんさじんたいの) Feneis: 080_28

[A03_5_03_003] →(肩鎖関節の関節面の大きさなどに個人差が著しい。しばしば関節円板があるが、多くは部位による厚みが平等でなく、あるいは不完全で関節腔を完全には2分しない。)

Coracoclavicular ligament(烏口鎖骨靱帯)Ligamentum coracoclaviculare うこうさこつじんたい Feneis: 080_29

[A03_5_03_004] →(烏口鎖骨靱帯は肩甲骨烏口突起の上面と鎖骨外側端の下面とを結ぶ強い靱帯で菱形靱帯と円錐靱帯の2部分よりなる。)

Trapezoid ligament(菱形靱帯;菱形部(烏口鎖骨靱帯))Ligamentum trapezoideum; Pars trapezoides ligamentum coracoclaviculare りょうけいじんたい;りょうけいぶ(うこうさこつじんたい) Feneis: 080_30

[A03_5_03_005] →(菱形靱帯は烏口鎖骨靱帯の前外側の部である。烏口突起の内側縁と一部上面から起こり、前部の線維は垂直に近く前上方および上方へ、後部の線維は斜めに外上方へ走って鎖骨の菱形靱帯線に着く。関節面が斜位を取る肩鎖関節の脱臼を防ぐことに与かり、また肩甲骨が前方、内方に動くのを制限する。)

Conoid ligament(円錐靱帯;円錐部(烏口鎖骨靱帯))Ligamentum conoideum; Pars conoides ligamentum coracoclaviculare えんすいじんたい;えんすいぶ(うこうさこつじんたい) Feneis: 080_31

[A03_5_03_006] →(円錐靱帯は烏口鎖骨靱帯の後内側の部である。烏口突起の屈折部附近の内側縁から起こり、上方に拡がりながら後の線維は外上方に走るようにひねった三角形をつくり、鎖骨の円錐靱帯結節に着く。肩甲骨が後方に動くのを制限する。菱形靱帯と円錐靱帯の間に鎖骨下筋の外側部がはさまれる。)

Sternoclavicular joint(胸鎖関節)Articulatio sternoclavicularis きょうさかんせつ Feneis: 080_32

[A03_5_04_001] →(胸鎖関節は鎖骨の胸骨端と胸骨の鎖骨切痕との間の関節で、鎖骨の胸骨端が大きいために、関節面は第1肋軟骨の内側端上縁にまでおよんでいる。また、鎖骨胸骨端の上部は胸骨上縁より上方やや後方に突出する。胸骨と鎖骨の関節面の形は個人差が大きいが、一般的にいずれも浅い鞍状である。胸骨の鎖骨切痕と鎖骨の胸骨端はあまりよく適合しないが、線維軟骨性の関節円板(後上方の部が最も厚い)が介在して両者を適合せしめ、かつ関節腔を完全に2分する。)

Articular disc of sternoclavicular joint(関節円板(胸鎖関節の))Discus articularis sternoclavicularis; Discus articulationis sternoclavicularis かんせつえんばん(きょうさかんせつの) Feneis: 080_33

[A03_5_04_002] →(関節円板は、下方は胸骨と第1肋軟骨につき、上方では鎖骨に付着する。関節円板を備えた状態では、形態学的に球関節に近いが、その運動は主としてこの関節を中心にして鎖骨の肩峰端が円をえがく運動で、そのとき鎖骨の外側端の動きは、直径約10cmの円をえがく。これによって上肢の運動範囲が拡大される。関節包は前面と後面で強くなって、それぞれ前胸鎖靱帯、後胸鎖靱帯という。関節包の下外方には強い肋鎖靱帯があって、第1肋軟骨の上面と鎖骨内側端の下面を結ぶ。胸骨の関節面より上方にとび出した左右の鎖骨内側端を結ぶ靱帯は、鎖骨間靱帯で、胸骨の頚切痕の上方を横走して左右の関節包を連結する。)

Anterior sternoclavicular ligament(前胸鎖靱帯)Ligamentum sternoclaviculare anterius ぜんきょうさじんたい Feneis: 080_34

[A03_5_04_003] →(前胸鎖靱帯は関節包の前面補強して胸骨柄の前面に至る。)

Posterior sternoclavicular ligament(後胸鎖靱帯)Ligamentum sternoclaviculare posterius こうきょうさじんたい Feneis: 080_35

[A03_5_04_004] →(後胸鎖靱帯は関節包の後面を補強して胸骨柄の後面に至る。前胸鎖靱帯の方が後胸鎖靱帯より強い。)

Costoclavicular ligament(肋鎖靱帯)Ligamentum costoclaviculare ろくさじんたい Feneis: 080_36

[A03_5_04_005] →(肋鎖靱帯は鎖骨下面の肋鎖靱帯圧痕と第1肋軟骨内側端の上面との間に張る強い靱帯で、その内側部は関節包に接する。関節包の外側下部を補強し、鎖骨の挙上を抑制する。)

Interclavicular ligament(鎖骨間靱帯)Ligamentum interclaviculare さこつかんじんたい Feneis: 080_37

[A03_5_04_006] →(鎖骨間靱帯は胸骨の鎖骨切痕より上に突出した両側の鎖骨胸骨端を結ぶ強い靱帯で(ただし、その強度は個人差がかなり大きい)、関節包の上面を補強し、一部は頚切痕の縁に付着しながらその上を通って対側の同種の線維とつながる。鎖骨の肩峰端が押し下げられたとき胸骨端が挙上されるのを制限する。)

Joints of free upper limb(自由上肢の連結)Juncturae membri superioris liberi じゆうじょうしのれんけつ Feneis: 082_01

[A03_5_05_001]

Radio-ulnar syndesmosis(橈尺靱帯結合)Syndesmosis radioulnaris とうしゃくじんたいけつごう Feneis: 082_02

[A03_5_06_001] →(橈骨と尺骨は上・下両端で関節をつくり、その中間すなわち骨体は密性結合組織からなる前腕骨間膜を介して線維性に連結される。)

Interosseous membrane of forearm(前腕骨間膜)Membrana interossea antebrachii ぜんわんこつかんまく Feneis: 082_03

[A03_5_06_002] →(前腕骨間膜は橈骨粗面以下において橈骨と尺骨との骨間縁を互いに結合する(橈尺靱帯結合)。その線維は主として橈骨粗面より下方で橈骨から尺骨に向かって斜めに下がるが、下端では反対に橈骨から尺骨へ斜めに上る線維を見る。)

Oblique cord of interosseous membrane of forearm(斜索(前腕骨間膜の))Chorda obliqua membranae interossei antebrachii しゃさく(ぜんわんこつかんまくの) Feneis: 082_04

[A03_5_06_003] →(前腕骨間膜より上には尺骨粗面から外下方へ斜めに走って橈骨粗面の少し下方に至る斜索があり、これと前腕骨間膜との間の骨間裂孔は背側骨間動脈の通路である。)

Syndesmoses of lower limb(靱帯結合(下肢の))Syndesmoses membri inferioris かしのじんたいけつごう Feneis:

[A03_5_06_003_1]

Glenohumeral joint; Shoulder joint(肩関節;関節窩上腕関節)Articulatio humeri; Articulatio glenohumeralis けんかんせつ;かんせつかじょうわんかんせつ Feneis: 082_06

[A03_5_08_001] →(肩関節は肩甲骨関節窩と上腕骨頭との間の典型的な球関節。関節窩は小さく、関節頭としての上腕骨頭の関節面の約1/3の広さにすぎない。関節窩の周縁は、線維軟骨性の関節唇によって補われる。関節包の外側にはこれを補強するとくに強い靱帯がないから、両者の結合はゆるく、関節の自由な運動を可能にする。補強靱帯の代わりをするのは、肩甲骨から起始して上腕骨近位部に停止する肩甲筋群である。関節包は、上方には関節窩の周縁につき、ここで関節唇の外側と癒着し、下方には上腕骨の解剖頚につく。また内側は関節の下方でゆるみがあるから、これが上肢の回転を可能にするが、同時に下方への脱臼をおこしやすい原因となる。関節腔内は上腕二頭筋長頭の腱によって貫かれる。この腱は下方から上腕骨の結節間溝を通って関節腔に入り、上腕骨頭の前面を通って肩甲骨の関節上結節につく。全身の関節のうち最も大きい運動範囲をもち、その運動は屈曲(前方挙上)、伸展(後方挙上)、内転、外転、描円および回旋に分析鎖される。これらの運動は上肢帯の関節(胸鎖関節と肩鎖関節)との共同運動により範囲が増大される。肩甲骨関節窩は、前頭面(左右方向)に向いているのではなく、これより前外方に約30°の角をなす面にあるから(この面を肩甲骨面という)、肩関節の運動もこの面において最も運動範囲が広い。日常、物を書くときや、箸を取るときの上腕骨の位置にもこの面にある。これに属する靱帯として次のものがある。関節上腕靱帯は、関節唇の上前縁よりおこり解剖頚へつく。烏口上腕靱帯は、烏口突起の外側面よりおこり、上腕骨結節間溝の近位端にのび、ここで上腕二頭筋長頭の腱をおおう。 )

Glenoid labrum of scapula(関節唇(肩甲骨の))Labrum glenoidale scapulae かんせつしん(けんこうこつの) Feneis: 082_07

[A03_5_08_002] →(上腕骨頭は球の約3分の1にあたるが、卵円形の関節窩は小さく、関節頭としての上腕骨頭の関節面の約3分の1の広さにすぎない。関節窩の周縁は、線維軟骨性の関節唇によって補われる。)

Glenohumeral ligaments(関節上腕靱帯;関節唇腕靱帯)Ligamenta glenohumeralia; Ligamenta labiohumeralia かんせつじょうわんじんたい;かんせつしんわんじんたいFlood's ligament Feneis: 082_08

[A03_5_08_003] →(関節上腕靱帯は関節包が周囲の筋の腱で補強されている以外の所で、主に深層の線維の集団で肥厚する部である。特に前壁を内面から見るときに他の部と判別できる。関節唇の上、前、および下部から出て不明瞭な線維束となり、解剖頚に着く。上にあるもの(上束)と前壁を斜めに外下方に走るもの(前束)との間の前壁外上部は関節包の弱いところとなる。ここが肩甲下筋腱下包と交通しているとき、その孔はWeitbrechtの卵円孔と呼ばれることがある。上腕を外転すると下束と前束が緊張し、回外すると上束、前束、下束が緊張する。)

Coracohumeral ligament(烏口上腕靱帯;烏口腕靱帯)Ligamentum coracohumerale うこうじょうわんじんたい Feneis: 082_09

[A03_5_08_004] →(烏口上腕靱帯は烏口突起の外側縁の全長と基部から起こって関節包の上部を被い、やがて関節包に癒合して上腕骨の大・小結節に着く。関節包の上面を補強する強い靱帯である。)

Elbow joint(肘関節)Articulatio cubiti ちゅうかんせつ Feneis: 082_11

[A03_5_09_001] →(肘関節は上腕骨と橈骨、尺骨の3骨の間に生じた複関節で、肘の屈伸を行う。したがって分類状は1軸性の蝶番関節とみることができる。上腕骨滑車と尺骨の滑車切痕との間の腕尺関節、上腕骨小頭と橈骨頭との間の腕橈切痕との間の上頭尺関節が共通の関節包におおわれる。しかし後者は機能的には下橈尺関節とともに前腕の回旋に関係するので、前2者とは別に記載するのが通例である。上腕骨の内側および外側上顆は関節包におおわれない。関節包の内側と外側はそれぞれ内側側副靱帯および外側側副靱帯によって補強される。橈骨輪状靱帯は、関節包の内面が肥厚した幅約1cmの靱帯で、尺骨の橈骨切痕の前縁からおこり、橈骨の関節環状面を輪状にとりまいたのち、再び尺骨の橈骨切痕の後縁につく。この靱帯の関節腔に面した部分は軟骨性となり、尺骨の橈骨切痕とともに上橈尺関節における関節窩を形成する。肘関節における屈伸運動の役割を演ずるのは腕尺関節である。しかし上腕骨滑車の内側部の直径が外側部のそれよりやや大きいため、肘を伸ばすと、その時の尺骨の長軸は、上腕骨長軸よりも外方へ約10~20°の傾きを示す。この角をcarrying angleという。しかし肘を曲げたときは、両骨の長軸は重なり合う。)

Humero-ulnar joint(腕尺関節;腕尺部(肘関節の))Articulatio humeroulnaris; Pars humeroulnaris articulatio cubiti わんしゃくかんせつ;わんしゃくぶ(ちゅうかんせつの) Feneis: 082_12

[A03_5_09_002] →(腕尺関節は上腕骨滑車と尺骨の滑車切痕との間にある蝶番関節で、肘関節のおもなる作用である屈伸運動をする。)

Humeroradial joint(腕橈関節;腕橈骨部(肘関節の))Articulatio humeroradialis; Pars humeroradialis articulatio cubiti わんとうかんせつわんとうこつぶ(ちゅうかんせつの) Feneis: 082_13

[A03_5_09_003] →(腕橈関節は肘関節の腕橈骨部で、上腕骨小頭と橈骨頭の上面の関節窩との間にある球関節である。肘関節の屈伸運動をあずかるとともに、肘関節を構成する残りの腕尺関節、上橈尺関節との共同作業によって、どんな屈曲または伸展位にあっても同期して橈骨が尺骨の周りを回旋することができる。)

Proximal radio-ulnar joint(上橈尺関節;橈尺部(肘関節の))Articulatio radioulnaris proximalis; Pars radioulnaris articulatio cubiti じょうとうしゃくかんせつ;とうしゃくぶ(ちゅうかんせつの) Feneis: 082_14

[A03_5_09_004] →(上橈尺関節は橈骨頭の関節環状面と尺骨の橈骨切痕との間にある車軸関節で、橈骨と尺骨の下端の間にある下橈尺関節と共同して前腕の回旋(回内および回外)をする。)

Ulnar collateral ligament of elbow joint(内側側副靱帯;尺側側副靱帯(肘関節の))Ligamentum collaterale ulnare ないそくそくふくじんたい;しゃくそくそくふくじんたい(しつかんせつの) Feneis: 082_15

[A03_5_09_005] →(内側側副靱帯は上腕骨内側上顆から起こり、三角形に拡がる。前方の部は尺骨の鈎状突起へ、後方の部は肘頭の内側縁に着く。中央の部は扇状に拡がりながら滑車切痕の内側縁に至り、少し薄いが、前方部と広報部の付着部を結ぶ横の線維(Cooperの靱帯ともいう)で強められる。)

Radial collateral ligament of elbow joint(外側側副靱帯;橈側側副靱帯(肘関節の))Ligamentum collaterale radiale がいそくそくふくじんたい;とうそくそくふくじんたい(ちゅうかんせつの) Feneis: 082_16

[A03_5_09_006] →(外側側副靱帯は上腕骨外側顆から起こる三角形の強い線維束で、前後2部に分けられる。前方の部は橈骨頭の前面に出て橈骨輪状靱帯と癒着し、尺骨の橈骨切痕前縁から鈎状突起下縁に達する。後方の部は尺骨の橈骨切痕後縁から回外筋稜につく。この強い靱帯のいずれの部も橈骨に直接的な強い結合を作らない。内側・外側側副靱帯は肘の屈伸を通じて、すべての関節位で同じ緊張度を保っている。これらは屈伸の運動時区の両側の支点となり、同時に、運動軸に平行に筋が動揺するのを阻止している。)

Annular ligament of radius; Anular ligament of radius(橈骨輪状靱帯)Ligamentum anulare radii とうこつりんじょうじんたい Feneis: 082_17

[A03_5_09_007] →(橈骨輪状靱帯は橈骨の関節環状面を輪状に取りまく強い靱帯で、尺骨の橈骨切痕前縁から出てその後縁に着く。関節包の内層の特殊かともみることが出来るが、関節腔に向かう内面は軟骨性となり、上頭尺関節の関節窩の一部となる。外面は関節包と固く着き、関節包の前面や外面の靱帯の線維が混入する。)

Quadrate ligament(方形靱帯)Ligamentum quadratum ほうけいじんたい Feneis: 082_18

[A03_5_09_008] →(方形靱帯は尺骨の橈骨切痕の下縁と橈骨頚とを結ぶ線維束をいい、上橈尺関節の下界をつくる滑膜を下から支える。)

Sacciform recess of elbow joint(嚢状陥凹(肘関節の))Recessus sacciformis articulationis cubiti うじょうかんおう(ちゅうかんせつのの) Feneis: 082_19

[A03_5_09_009] →(橈骨輪状靱帯の下包の関節包が薄くなり、少しふくれ出している部を嚢状陥凹と呼ぶ。)

Interosseous membrane of forearm(前腕骨間膜)Membrana interossea antebrachii ぜんわんこつかんまく Feneis:

[A03_5_09_009_1] →(前腕骨間膜は橈骨粗面以下において橈骨と尺骨との骨間縁を互いに結合する(橈尺靱帯結合)。その線維は主として橈骨粗面より下方で橈骨から尺骨に向かって斜めに下がるが、下端では反対に橈骨から尺骨へ斜めに上る線維を見る。)

Oblique cord of interosseous membrane of forearm(斜索(前腕骨間膜の))Chorda obliqua membranae interossei antebrachii しゃさく(ぜんわんこつかんまくの) Feneis:

[A03_5_09_009_2] →(前腕骨間膜より上には尺骨粗面から外下方へ斜めに走って橈骨粗面の少し下方に至る斜索があり、これと前腕骨間膜との間の骨間裂孔は背側骨間動脈の通路である。)

Distal radio-ulnar joint; Distal radio-ulnar articulation(下橈尺関節;遠位橈尺関節;橈尺関節)Articulatio radioulnaris distalis かとうしゃくかんせつ;えんいとうしゃくかんせつ;とうしゃくかんせつ Feneis: 082_20

[A03_5_10_001] →(尺骨下端にある尺骨頭と、橈骨下端の尺骨切痕との間の関節で、上頭尺関節とともに前腕の回内と回外を行う1軸性の車軸関節である。関節腔の遠位面は、橈骨手根関節の関節円板の上面にあたる。この関節円板は三角形で、底辺は橈骨につき、先端は尺骨の茎状突起にのびる。関節腔の一部は上方にのびて橈骨と尺骨の間に少しひろがる。この部を嚢状陥凹という。そのため関節腔はL字型をなす。関節円板は、この関節と橈骨手根間節を隔てている。上および下橈尺関節は共同に働いて前腕を回外および回内させる。運動の軸は橈骨頭と尺骨の茎状突起とを結ぶ線で、尺骨は不動のまま、橈骨がこの軸を中心として回転し、その運動範囲は橈骨下端で約180°である。(ただし、上肢を延ばした状態では上腕の回旋を伴う。橈尺関節のみによる前腕の回外・回内は肘関節をほぼ90°に屈した状態でみる。)前腕骨間膜と斜索との線維の方向は手関節に加わる力を前腕から上腕の方へ伝えるのに必要なものであるとともに、過度の回旋に際しては強く牽引され、それを制限する。)

Articular disc of distal radio-ulnar joint(関節円板(下橈尺関節の))Discus articularis radioulnaris distalis; Discus articulationis radioulnaris distalis かんせつえんばん(かとうしゃくかんせつの) Feneis: 082_21

[A03_5_10_002] →(下橈尺関節は車軸関節で、その関節腔の下壁は橈骨の尺骨切痕の下端から尺骨の茎状突起に向かって突出して両骨を結ぶ三角形の関節円板(その形から三角靱帯ともいう。)であり、これによって橈骨手根関節腔と隔てられる。)

Sacciform recess of distal radio-ulnar joint(嚢状陥凹(下橈尺関節の))Recessus sacciformis articulationis radioulnaris distalis かとうしゃくかんせつののうじょうかんおう Feneis: 082_22

[A03_5_10_003] →(下橈尺関節の関節包は広くゆるいが前・後面で橈骨と尺骨を横に結ぶ線維で強まれれる。尺骨頭と橈骨の尺骨切痕との間を上方に向かう殆ど滑膜のみからなる薄い嚢状陥凹を出す。)

Joints of hand(手の関節)Articulationes manus てのかんせつ Feneis: 082_23

[A03_5_11_001] →(橈骨手根関節をも含めて、手の手根骨、中手骨、指節骨の間にあるすべての関節を総称して手の関節という。ドイツ語で手関節というと、通常は橈骨手根関節と手根中央関節のことをさし、前者をproximales handgelenk、後者をdistales Handgelenkという。英語ではwrist jointというと橈骨手根関節のみを指す。手の関節には①手根の関節(橈骨手根関節、手根間関節、手根中央関節、豆状骨関節)、②中手の関節(手根中手関節、母指の手根中手関節、中手間関節)、③指の関節(中手指節関節、手の指節間関節)が含まれる。)

Wrist joint; Radiocarpal joint(橈骨手根関節;近位手関節)Articulatio radiocarpalis とうこつしゅこんかんせつ;きんいしゅかんせつ Feneis: 082_24

[A03_5_11_002] →(橈骨手根関節は手根関節の主な部分で橈骨下端の手根関節面と関節円板よりよりより関節窩と、近位列の手根骨すなわち舟状骨、月状骨、三角骨の近位面が作る関節頭によって生じた楕円関節。豆状骨および尺骨は関係しない。2軸性の運動を行い、手を尺側に背側にまげ(屈曲・伸展)、また母指側と小指側へまげる(側屈)。そのほか、これらの運動を連続して行う描円運動ができる。屈曲伸展の範囲は約170°である。また小指側への側屈は約40°で、母指側への側屈(約15°)より大きいが、これは関節面の傾きによる。関節包は薄く、関節腔の形には個人差が多く、下橈尺関節、手根間関節、豆状骨関節などの関節腔と連絡することがある。)

Dorsal radiocarpal ligament(背側橈骨手根靱帯)Ligamentum radiocarpale dorsale はいそくとうこつしゅこんじんたい Feneis: 082_25

[A03_5_11_003] →(背側橈骨手根靱帯は橈骨下端および茎状突起の背側縁から出て下方に放散する関節包表層の線維束である。舟状骨に向かう部分、有頭骨に向かう部分、月状骨に向かい、さらにそれを越えて三角骨に向かう部分に分けられるが、最後の線維束が最も強い。)

Palmar radiocarpal ligament(掌側橈骨手根靱帯)Ligamentum radiocarpale palmare; Ligamentum radiocarpeum volare しょうそくとうこつしゅこんじんたい Feneis: 082_26

[A03_5_11_004] →(掌側橈骨手根靱帯はと骨下端から茎状突起の掌側縁から起こり、内下方に放散する関節包内面を強める厚い靱帯である。特に、三角骨と月状骨に向かって拡がる線維束が強い。深部には舟状骨に至る線維束もある(J.K. Mayfield, R.P. Johnson and R.F. Kilcoyne: Anat. Rec. 186, 417, 1976)。一部の線維は有頭骨頭にも至り、尺側に放散する線維は掌側尺骨手根靱帯とまじり合う。)

Dorsal ulnocarpal ligament(背側尺骨手根靱帯)Ligamentum ulnocarpale dorsale はいそくしゃくこつ(しゃっこつ)しゅこんじんたい Feneis: 082_27

[A03_5_11_005]

Palmar ulnocarpal ligament(掌側尺骨手根靱帯)Ligamentum ulnocarpale palmare; Ligamentum ulnocarpicum volare しょうそくしゃくこつ(しゃっこつ)しゅこんじんたい Feneis: 082_28

[A03_5_11_006] →(掌側尺骨手根靱帯は関節円板の掌側縁から出て、三角骨および月状骨に向かう深層の線維束である。)

Ulnar collateral ligament of wrist joint(内側手根側副靱帯(橈骨手根関節の))Ligamentum collaterale carpi ulnare ないそくしゅこんそくふくじんたい(とうこつしゅこんかんせつの) Feneis: 082_29

[A03_5_11_007] →(内側手根側副靱帯は尺骨の茎状突起から豆状骨に至る線維束である。)

Radial collateral ligament of wrist joint; Radial carpal collateral ligament(外側手根側副靱帯(橈骨手根関節の))Ligamentum collaterale carpi radiale がいそくしゅこんそくふくじんたい(とうこつしゅこんかんせつの) Feneis: 082_30

[A03_5_11_008] →(外側手根側副靱帯は橈骨茎状突起から舟状骨および大菱形骨の側面に至る表層の線維束である。)

Carpal joints; Intercarpal joints(手根関節;手根間関節;遠位手関節)Articulationes carpi; Articulationes intercarpales しゅこんかんせつ;しゅこんかんかんせつ;えんいしゅかんせつ Feneis: 082_31

[A03_5_11_101] →(すべての手根骨の相互間の関節を総称していう。したがって、このなかに豆状骨関節、手根中央関節と同義語に用いられることもある。)

Carpal joints; Intercarpal joints(手根間関節;手根関節)Articulationes carpi; Articulationes intercarpales しゅこんかんかんせつ;しゅこんかんせつ Feneis:

[A03_5_11_101_1] →(すべての手根骨の相互間の関節を総称していう。したがって、このなかに豆状骨関節、手根中央関節と同義語に用いられることもある。)

Midcarpal joint(手根中央関節)Articulatio mediocarpalis しゅこんちゅうおうかんせつ Feneis: 082_32

[A03_5_11_102] →(橈骨手根関節のproximales Handgelenkに対して、distales Handgelenkともいう。豆状骨を除く近位列の手根骨、すなわち三角骨、月状骨、舟状骨と、遠位列の手根骨、すなわち有鈎骨、有頭骨、小菱形骨、大菱形骨との間にみられる複関節で、全体としてS字状に横にうねった関節腔を示す。有頭骨と有鈎骨が大きく近位に向けて突出した関節頭をつくり、これに対する三角骨、月状骨、舟状骨が凹んだ関節窩をつくる。関節腔は手根中手関節の関節腔と交通している。橈骨手根関節と協同して、手の屈伸と側屈を行う楕円関節。)

Radiate carpal ligament(放射状手根靱帯;放射状掌側手根靱帯)Ligamentum carpi radiatum; Ligamentum carpi volare radiatum ほうしゃじょうしゅこんじんたい;ほうしゃじょうおしょうそくしゅこんじんたい Feneis: 082_33

[A03_5_11_103] →(放射状手根靱帯は掌側面の関節包深層で、有頭骨を中心として周囲の手根骨に向かう深層の線維束である。)

Dorsal intercarpal ligaments(背側手根間靱帯)Ligamenta intercarpalia dorsalia はいそくしゅこんかんじんたい Feneis: 082_34

[A03_5_11_104] →(背側手根間靱帯は関節包深層にあり、手根骨の背面を連結する小靱帯である。しかし、舟状骨から大・小菱形骨に行く線維束、舟状骨から有頭骨頭を越えて三角骨に行く線維束(背側手根弓状靱帯[JNA])は長い。)

Palmar intercarpal ligaments(掌側手根間靱帯)Ligamenta intercarpalia palmaria しょうそくしゅこんかんじんたい Feneis: 082_35

[A03_5_11_105] →(掌側手根間靱帯は隣り合う手根骨の掌側面を結ぶ短い靱帯である。しかし、有頭骨から有鈎骨の近位端を越えて三角骨に至る長い線維束もある。)

Interosseous intercarpal ligaments(骨間手根間靱帯)Ligamenta intercarpalia interossea こつかんしゅこんかんじんたい Feneis: 082_36

[A03_5_11_106] →(骨間手根間靱帯は近位列の手根骨相互および近位列の手根骨相互を結ぶ関節腔内の小靱帯である。近位列ののものは関節腔の近位端にあって、手根骨の近位面と共通の軟骨に被われ、橈骨手根関節の関節頭の一部になる。)

Pisiform joint(豆状骨関節)Articulatio ossis pisiformis とうじょうこつかんせつ;ずじょうこつかんせつ Feneis: 084_01

[A03_5_11_107] →(豆状骨関節は豆状骨と三角骨の手掌面を結ぶ平面関節で、多少の可動性がある。関節包はゆるく、関節腔は多くは独立するが、ときに橈骨手根関節腔と連なる。)

Pisohamate ligament(豆鈎靱帯)Ligamentum pisohamatum とうこうじんたい Feneis: 084_02

[A03_5_11_108] →(豆鈎靱帯は豆状骨から有鈎骨鈎へのび、豆中手靱帯は同じく第5中手骨底へつく。稜靱帯は、尺側手根屈筋の腱の延長とみなされる。)

Pisometacarpal ligament(豆中手靱帯;豆状骨中手靱帯)Ligamentum pisometacarpale とうちゅうしゅじんたい Feneis: 084_03

[A03_5_11_109] →(豆中手靱帯は尺側手根屈筋腱から分かれて外側へのつづきで、第五中手骨底へつく。)

Carpal tunnel(手根管)Canalis carpi しゅこんかん Feneis: 084_04

[A03_5_11_201] →(手根骨の掌側面における深い溝(手根溝)が、橈側手根隆起と尺側手根隆起の間に張る屈筋支帯との間につくる管で、この管の中を正中神経のほか、前腕から指にのびる浅および深指屈筋、および個々の手根骨間の関節が含まれる。また手根中央関節と同義語に用いられることもある。)

Carpometacarpal joints; CM joints(手根中手関節;総手根中手関節)Articulationes carpometacarpales; Articulus carpometacarpicus communis しゅこんちゅうしゅかんせつ;そうしゅこんちゅうしゅかんせつ Feneis: 084_06

[A03_5_11_301] →(手根中手関節は遠位手根骨と第2ないし第5中手骨底との間にできる複関節で、いずれも鞍関節が変化して運動範囲の狭い平面関節状になったと見るべきものである。第2中手骨は大・小菱形骨および有頭骨と、第3中手骨は有頭骨と、第4中手骨は有頭骨および有鈎骨と、第5中手骨は有鈎骨のみと連なる。関節包は共通で関節腔は互いに通じている。)

Dorsal carpometacarpal ligaments(背側手根中手靱帯)Ligamenta carpometacarpalia dorsalia はいそくしゅこんちゅうしゅじんたい Feneis: 084_07

[A03_5_11_302] →(手根中手関節の補強靱帯として背側面に背側手根中手靱帯があり、遠位手根骨と中手骨底を結ぶ。関節は殆ど動かない。)

Palmar carpometacarpal ligaments(掌側手根中手靱帯)Ligamenta carpometacarpalia palmaria; Ligamentum carpometacarpeum volare しょうそくしゅこんちゅうしゅじんたい Feneis: 084_08

[A03_5_11_303] →(手根中手関節の補強靱帯として掌側面に掌側手根中手靱帯があり、遠位手根骨と中手骨底を結ぶ。関節は殆ど動かない。)

Carpometacarpal joint of thumb(手根中手関節(母指の);第1手根中手関節)Articulatio carpometacarpalis pollicis; Articulus carpometacarpea primus ぼしのしゅこんちゅうしゅかんせつ;だ1しゅこんちゅうしゅかんせつ Feneis: 084_09

[A03_5_11_304] →(母指の手根中手関節は第1中手骨底と大菱形骨との間にある典型的な鞍関節である。大菱形骨の関節面は掌背方向に凸で内外方向に凹、かつ凸の曲面の方が半径が小さい。第1中手骨の関節面は掌背に凹、左右に凸の曲面をもつ。関節包は他の手根中手関節とは独立し、広く緩い。関節包靱帯は掌側より背側が強く、特に大菱形骨の外背部から第1中手骨中央部へ向かって扇状に張る線維束(背側手根中手靱帯の一部とみてよい)は母指の対立運動に多少制限的に働く。互いに直交する2つの軸を中心として屈伸と内転(母指を第2指に近付ける)、外転(母指を第2指から離す)を行う。また屈伸と内外転の組合せに少しの回旋を伴った描円運動も行う。)

Intermetacarpal joints(中手間関節)Articulationes intermetacarpales ちゅうしゅかんかんせつ Feneis: 084_10

[A03_5_11_401] →(中手間関節は手根中手関節とその関節腔が共通し関節包も共同のもので、第2,3,4,5中手骨底の向かい合った隣接面の間の平面関節で、関節腔はせまく、また手根中手関節と交通する。ただし第3~4中手骨底間では関節面が掌背2部に分離している。そのうち、背側の物のみが手根中手関節に続いている。可動性はない。次の靱帯が付随している。(1)背側中手靱帯(2)掌側中手靱帯 両者はそれぞれ背側と掌側にあって中手骨底の間を横走して連結する。(3)骨間中手靱帯は、中手間関節の関節腔の遠位端において各中手骨底を結ぶ。)

Dorsal metacarpal ligaments(背側中手靱帯;背側中手骨底靱帯)Ligamenta metacarpalia dorsalia; Ligamenta basium ossium metacarpi dorsalia はいそくちゅうしゅじんたい;はいそくちゅうしゅこつていじんたい Feneis: 084_11

[A03_5_11_402] →(背側中手靱帯は隣接する中手骨底間を結ぶ。)

Palmar metacarpal ligaments(掌側中手靱帯;掌側中手骨底靱帯)Ligamenta metacarpalia palmaria; Ligamenta basium ossium metacarpi interossea しょうそくちゅうしゅじんたい;しょうそくちゅうしゅこつていじんたい Feneis: 084_12

[A03_5_11_403] →(掌側中手靱帯は隣接する中手骨底間、または間を1つ越えた中手骨底間を結ぶ。掌側手根中手靱帯とも癒合する。)

Interosseous metacarpal ligaments(骨間中手靱帯;骨間中手骨底靱帯)Ligamenta metacarpalia interossea; Ligamenta basium ossium metacarpi interossea こつかんちゅうしゅじんたい;こつかんちゅうしゅこつていじんたい Feneis: 084_13

[A03_5_11_404] →(骨間中手靱帯は関節腔より末梢で中手骨間を横または斜めに結ぶ。第1~2中手骨間のものは第1中手骨底から起こり、第2中手骨底の掌側寄りと背側寄りに着くY字形の靱帯で、背側に向かう線維束が強く、母指の外転に際して緊張する。)

Interosseous metacarpal spaces(中手骨間隙)Spatia interossea metacarpi ちゅうしゅこつかんげき Feneis: 084_14

[A03_5_11_405] →(隣接する中手骨体の間の間隙で、背側および掌側骨間筋によってみたされる。)

Metacarpophalangeal joints; MP joint(中手指節関節)Articulationes metacarpophalangeae ちゅうしゅしせつかんせつ Feneis: 084_15

[A03_5_11_501] →(MP関節ともよばれる。中手指節関節は中手骨頭と基節骨底との間の関節で、関節腔は各指で独立している。中手骨頭が球面上をなすから関節面の毛板からは球関節に似るが、側副靱帯などによる運動性限をうけて、機能的には2軸性の顆状関節に属し、指の屈曲、伸展、内転、および描円を行う。関節包は比較的ゆるいが、その背側面は総指伸筋腱が膜状に拡がったものからなり、掌側面は浅および深指屈筋の腱を容れる手指に線維鞘と固く着く。また関節包靱帯として、背面の線維は側副靱帯を作り、掌側面に走る線維は掌側靱帯を作る。関節包の表面には次の補強靱帯がある。(1)側副靱帯:関節包の内外両側面にあって、やや掌側に傾いた走行をとる。(2)掌側靱帯:関節包の掌側面で、二つの側副靱帯の間にある。その表面は指にいたる屈筋腱のための溝をつくり、またその線維鞘と溝の両側で癒合している。(3)深横中手靱帯:第2指から第5指にいたる各中手骨頭の掌側面を互いに結合する横走線維束で、掌側靱帯と癒合する。またこの靱帯の表層を虫様筋が、その背側を掌側および背側骨間筋が通る。)

Collateral ligaments of metacarpophalangeal joints(側副靱帯(中手指節関節の))Ligamenta collateralia (Articulationis metacarpophalangeae) そくふくじんたい(ちゅうてしせつかんせつの) Feneis: 084_16

[A03_5_11_502] →(側副靱帯は各関節の橈側および尺側を強める。中手骨頭の側面にある小さな隆起とくぼみから起こり、やや掌側に向かう斜めの走行をとって基節骨底に着く。)

Palmar ligaments of metacarpophalangeal joints(掌側靱帯;掌側副靱帯(中手指節関節の))Ligamenta palmaria; Ligamenta accessoria volaria しょうそくじんたい;しょうそくふくじんたい(ちゅうしゅしせつかんせつの) Feneis: 084_17

[A03_5_11_503] →(掌側靱帯は側副靱帯よりさらに掌側の方に放散する。側縁は側副靱帯とまじり、掌側面では手指の線維鞘のややへこんだ底を作る。この溝状の底の部分は線維軟骨性のかたい掌側板となり、基節骨の底とはかなり固く、中手骨とはきわめて緩く結合する。この掌側板は関節窩の掌側部を作るが、基節骨底に結合するところでは屈折が出来るので、中手指節関節の屈曲をさまたげることはない。)

Deep transverse metacarpal ligament(深横中手靱帯;横中手骨小頭靱帯)Ligamentum metacarpale transversum profundum; Ligamentum capitulorum ossium metacarpi transversa しんおうちゅうしゅじんたい;おうちゅうしゅこつしょうとうじんたい Feneis: 084_18

[A03_5_11_504] →(深横中手靱帯は第2~5中手骨頭間の掌側にある帯状の強い小靱帯である。中手指節関節に着くところでは掌側靱帯の線維とまじり合い、手指の線維鞘と固く着く。骨とは直接に結合しない。この靱帯の背側に骨間筋(その筋膜とこの靱帯とは癒着している)、掌側に虫様筋が位置する。)

Interphalangeal joints of hand; IP jonts(指節間関節;指関節(手の))Articulationes interphalangeae manus しせつかんかんせつ;しかんせつ(ての) Feneis: 084_19

[A03_5_11_601] →(IP関節とも呼ばれる。手の指節間関節は各指の指節の骨の間の関節である。基節骨および中節骨の頭は前後に溝が走る滑車状、それに対する中節骨および末節骨の底は前後に走る稜で2分されたくぼみで、典型的な蝶番関節である。関節包の背部は中手指節関節におけると同様に、指伸筋の腱によって補われる。掌側面は指屈筋の腱鞘の底にあたり、ここでも掌側板がある。手・足とも配列や機能は同じ。母指の基節骨と末節骨、第二~第五指の基節骨と中節骨および中節骨と末節骨の間の片側で計9個の関節がある。各指において近位の指骨の頭と遠位の指骨の底が向かい合っている。最も典型的な蝶番関節で、指の屈伸を行う。関節包の両側に側副靱帯があり、掌側面に掌側靱帯があり、その配列は、中手指節関節の場合と同じ。運動は屈曲のみを行う。基節-中節間は110~130°、中節-末節間は65~90°、いずれも示指に最小で、小指に最大である。母指の指節間は90°の掌側への屈曲を行う。基節骨と中節骨との間にある指節間関節を近位指節間関節(PIP関節)proximal interpharyngeal jointといい、中節骨と末節骨との間にあるものを遠位指節間関節(DIP関節)distal interpharyngeal jointという。)

Collateral ligaments of interphalangeal joints of hand(側副靱帯(指節間関節の))Ligamenta collateralia articulationis interphalangeae manus そくふくじんたい(てのしせつかんかんせつの) Feneis: 084_20

[A03_5_11_602] →(側副靱帯は近位の篩節骨頭の指筋骨頭の側面にあるくぼみから遠位の指節骨底に至る線維束で、指節の屈指運動の支点となる。側副靱帯は中手骨頭から基節骨に向かって扇状に広がり、指を伸ばす時はゆるみ、指を曲げる時には緊張する。このため、屈曲時には内・外転は阻止される。たとえば挙を握る時には、指を外転、すなわち側方にひろげることはできない。)

Palmar ligaments of interphalangeal joints of hand(掌側靱帯(指節間関節の))Ligamenta palmaria articulationis interphalangeae manus しょうそくじんたい(しせつかんかんせつの) Feneis: 084_21

[A03_5_11_603] →(掌側靱帯は関節包の掌側面に放散する。)

最終更新日:19/10/13

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