353
- 353_00【Joints of foot足の関節;足関節 Articulationes pedis】
→(距腿関節をも含めて、足根骨、中足骨および足の指骨の間に生ずるすべての関節を総称していう。狭義では距腿関節のみを指す。(解剖学辞典:河西達夫))
- 353_01【Metatarsals; Metatarsal bones [I-V]中足骨[1-5] Ossa metatarsi; Ossa metatarsalia [I-V]】 The five metatarsal bones.
→(中足の骨格で5個の長骨からなる。内側から順に第1・第2・第3・第4および第5中足骨という。第1・第2および第3中足骨はそれぞれ内側・中間および外側楔状骨の遠位に、第4および第5中足骨は立方骨の遠位にある。長さは中手骨より長い。第1中足骨が最も短く、第2中足骨が最も長い。第3・第4および第5中足骨の順に短くなる。おのおのの中足骨を近位端の底、中央部の体、遠位端の頭に分ける。底は太く厚く、第1・第2および第3中足骨にはそれぞれ内側・中間および外側楔状骨に対する、第4と第5中足骨には立方骨に対する関節面がある。第1中足骨を除く中足骨と足根骨の関節を連ねる線は、内側前方から外側後方へ走る。第2・第3・第4および第5中足骨底では相対する側面に関節面があるが、第1中足骨底にはない。また第2中足骨底の側面には内側および外側楔状骨に対する関節面がある。第1中足骨底の足底面に第1中足骨粗面がある。第5中足骨底の外側は強く張り出して第5中足骨粗面をなし、皮下で触知できる。体は不正三角柱で、第1中足骨では太いが、他は左右から圧迫された形をし、頭へいくほど細くなる。また長軸方向で背側に凸弯している。頭は側面を切り取った球状で、細い頚部がある。頭の足底面には内および外側に、それぞれちいさな隆起がある。)
- 353_01a【First metatarsal bone; 1st metatarsal bone第1中足骨 Os metatarsale I】
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- 353_01b【Second metatarsal bone; 2nd metatarsal bone第2中足骨 Os metatarsale II】
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- 353_01c【Third metatarsal bone; 3rd metatarsal bone第3中足骨 Os metatarsale III】
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- 353_01d【Fourth metatarsal bone; 4th metatarsal bone第4中足骨 Os metatarsale IV】
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- 353_01e【Fifth metatarsal bone; 5th metatarsal bone第5中足骨 Os metatarsale V】
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Lisfranc's ligament (medial of)
- 353_02Lisfranc's ligament (medial of)【Cuneometatarsal interosseous ligaments骨間楔中足靱帯 Ligamenta cuneometatarsalia interossea】 Fibrous bands that are located in the articular cavity, connecting the cuneiform bones with the metatarsals.
→(骨間楔中足靱帯は内側楔状骨外側の前部と第2中足骨底の間(リスフランの靱帯)、および外側楔状骨の外前方の角と第4中足骨との間にある。)
Lisfranc's joint
- 353_03Lisfranc's joint【Tarsometatarsal joints足根中足関節;リスフラン関節 Articulationes tarsometatarsales】 Articulations between the tarsus and the metatarsals.
→(足根中足関節は足根骨遠位列と中足骨底の間の平面関節である。内側楔状骨と第1中足骨は独立の関節包に包まれてはいるが殆ど動かない。以下中間楔状骨と第2中足骨、外側楔状骨と第3中足骨、立方骨と第4,5中足骨がそれぞれ対向するが、これらは共同の関節包に包まれ、その関節包は外側楔状骨から第4中足骨に至る骨間靱帯で内外に2分される。通常三つの関節腔が区別され、第1中足骨は内側楔状骨と関節して独立した関節腔をつくり、第二中足骨は中間楔状骨と、また第三中足骨は外側楔状骨と関節して両者共通の関節腔を有し、第四・第五中足骨は立方骨と関節して一つの関節をつくるが、後2者はときに共通の関節をつくる。中間楔状骨の長さは、その両側にある楔状骨より短いので、これと第2中足骨の関節は、ほかよりも近位に向かって凹んだ位置にあり、そのために足根中足関節全体としてみると、関節腔は横に凹凸の曲線を描く。『リスフランの関節』:フランスの外科医Jacques Lisfranc (1790-1847)により、外科的切断部位の1つとして、1815年に記載された。)
- 353_04【Intercuneiform interosseous ligaments骨間楔間靱帯 Ligamenta intercuneiformia interossea】 Tough band that connects the three cuneiform bones.
→(骨間楔間靱帯は3個の楔状骨の互いに向き合う面を緊密に連結する。)
- 353_05【Medial cuneiform bone内側楔状骨;第一楔状骨 Os cuneiforme mediale; Os cuneiforme primum】 Wedge-shaped bone between the navicular and the first metatarsal. The base of the wedge is directed inferiorly.
→(舟状骨と第一中足骨の間に位置する。その楔形の底面は下方を向いている。3つの楔状骨の中で内側楔状骨は飛び抜けて大きい。)
- 353_06【Cuneonavicular joint楔舟関節 Articulatio cuneonavicularis】 Articulation between the navicular and cuneiform bones.
→(楔舟関節は舟状骨の前面と内側・中間・外側楔状骨の後面との間の関節で、ひとつづきの関節腔を作る。この関節でも底面を強める靱帯が強い。舟状骨の前には内側から3個の楔状骨および立方骨が横に並んで、内側が高い横足弓を作る。)
- 353_07【Navicular bone舟状骨[足の] Os naviculare】 Bone situated medially between the head of the talus and the three cuneiform bones.
→(足の舟状骨は中心足根骨に属し、足根の内側で距骨と楔状骨の間にある。前後に扁平な骨で、背側で凸面、足底側で凹面となっている。前面に3個の凸面の関節面があり、それぞれ内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨と関節する。後方は距骨頭に対する関節窩をなす。内側面は粗面状で下方に突出し舟状骨粗面をなす。皮下で触知できる。外側面で立方骨関節することも多い。底側面で舟状骨粗面に近い部に後脛骨筋腱の深層のものが通る浅い斜めの溝がある。ラテン語のNavisの縮小形Navicula(小舟)に由来する。)
- 353_08【Talocalcaneonavicular joint距踵舟関節 Articulatio talocalcaneonavicularis】 Anterior portion of the subtalar joint. It has its own joint capsule in which the talus articulates with the calcaneus and the navicular.
→(距踵舟関節は舟状骨の後関節面、踵骨の前および中距骨関節面、さらに踵骨と舟状骨を結ぶ底側踵舟靱帯の上面がつくる深い関節窩に、距骨頭と距骨頚がはまりこんで生ずる複関節。関節腔は独立し、内に脂肪を含む滑液ヒダがある。関節包の後部は足根洞の前部にあり、骨間距舟靱帯の一部となる。背側壁は薄い距舟靱帯となり、距骨頚から舟状骨背側面に至り、その内方は内側靱帯脛舟部と合する。距骨下関節と連動して、足根部を前内方から後外方へ走る線を軸として、足の内反と外反を行う。内反は足の内側縁が挙上して足底は内側に向き、手の回外にあたる。外反は足の外側縁が挙上して足底は外側に向き、手の回内にあたる。外反は足の内側縁が挙上して足底は外側に向き、手の回内に相当する。これらの運動を距腿関節における足の屈伸と合わせて行うと、足は距骨を中心にして働き、その時爪先は上下に内外卵円形をえがく。なおこの関節と踵立方関節をあわせて横足根関節、いわゆるChopart関節と呼ぶ。)
- 353_09【Medial ligament of ankle joint; Deltoid ligament内側靱帯;三角靱帯;内側側副靱帯(距腿関節の) Ligamentum collaterale mediale articulationis talocruralis; Ligamentum deltoideum】 Band on the medial side of the malleolus. It is rather triangular in shape, around 0.5 cm thick, and consists of the following four parts.
→(内側側副靱帯(三角靱帯)は関節包の内側を強める。脛骨の内果から起こって下方に向かって三角形に分散し足根骨へ付着する。これをその遠位での付着部によって次の4線維束(脛舟部、脛踵部、前脛距部、後脛距部)に分けることが出来る。多少の弾性線維を含む。)
- 353_10【Tibia; *Shank bone; *Shin bone脛骨 Tibia】
→(下腿の2つの骨のうち内側にある大きい方の骨である脛骨は、横断面が三角形をした長骨で、骨のうちで2番目に長い、下腿の前内側部に位置する。上端(近位部)と下端(遠位部)は膨隆しているが、上端の方がはるかに大きい。上端(近位端)・下端(遠位端)・骨体の3部にわけられる。上端が下端よりもはるかに幅広く強大であること、骨幹の前縁が鋭い稜線をなしていること、下端の内側部が下方に突出してることを目やすにすれば、この骨の上下・前後方向の位置づけと左右の判別は比較的容易である。上端で孔内側および後外側方へ膨隆した部分が、それぞれ内側顆と外側顆である。上面にある2個の平滑面が大腿骨と関節する上関節面である。内側の関節面は楕円形に陥凹しているが、外側の関節面は左右軸で凹面を前後軸で凸面になっている。内側と外側の関節面の間の隆起部が顆間隆起で、特に後方よりのところが顕著である。顆間隆起の内側および外側部の突出している部分が、それぞれ内側顆間結節・外側顆間結節である。顆間隆起の前後の陥凹した部分がそれぞれ前顆間区・後顆間区である。近位端の前面は三角形の粗な平面をなし、血管孔がある。粗面の下端は結節状の隆起に達している。この隆起が脛骨粗面で、上方の小さいやや平滑な面に膝蓋靱帯が付着する。近位端の周囲は全体が粗面上になっているが、外側顆の外側後下面に腓骨頭に対する小楕円形の平滑面・腓骨関節面がある。脛骨体は3縁とのうち最も明瞭で、近位2/3ではとくに鋭利である。脛骨粗面外側部から始まり内果前面に終わる。全体に軽いS字状を呈するが、遠位端では鈍で平滑となる。内側縁は丸みをおびており、内側顆後部から始まり内果後縁に終わる。外側縁は細い洗浄の隆起として認められ、腓骨関節面前方から始まり遠位端は腓骨切痕を挟むように二分して終わる。骨間膜が付着する骨間縁である。内側面は広くやや丸みをおび比較的平滑である。外側面は内側面より狭く平滑であるが、近位1/3に前脛骨筋がおこる浅い溝である。後面の近位1/3にある斜上外側(腓骨関節面内側下方)から斜下内側へ走る隆線がヒラメ筋線である。この筋線の下外側部に上方から入る栄養孔がある。中1/3に上下方向に走る低い隆線がある。隆線の広い内側部から長趾屈筋が、狭い外側部から後脛骨筋がおこる。他の部分は滑らかで筋におおわれる。遠位端(下端)は膨隆しているが近位端より小さい。近位内側部で下方に突出した部分が内果で、内果の外側面は平滑で内果関節面をなし距骨に対する関節面の一部をなす。遠位端下面は距骨に対する下関節面をなし、平滑で前後に凹面左右に凸面を呈する。前後に走る引くい隆起があり関節面を二分している。前面は平滑で丸みをおび、伸筋群の腱で被われる。前面遠位端には横走する浅い溝があり、足関節包が付着する。後面中央やや外側には長母趾屈筋腱が通る縦方向の浅い溝があり、内側には斜上外側から斜下内側へ走る長趾屈筋と後脛骨筋の腱が通る内果溝がある。外側面の三角形に陥凹した粗面が腓骨切痕である。内側面は内果として遠位方向に突出しており、丸みをおび皮下に触れることができる。Tibiaというラテン名詞には「スネの骨」のほかに笛の意味もある。Tibia(tuba笛)から変じたという節もあるし、また古代の笛は鳥のスネの骨で作られていてので、tibiaはもともとスネの骨を指すのだとも言う。脛はもちろんスネである。)
- 353_11【Tibialis posterior tendon; Tendon of tibialis posterior muscle後脛骨筋腱 Tendo musculus tibialis posterior】
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- 353_12【Metatarsal interosseous ligaments骨間中足靱帯;骨間中足骨底靱帯 Ligamenta metatarsalia interossea; Ligamenta basium ossium metatarsi interossea】 Fibrous bands that connect the bases of the metatarsals. They form the distal borders of the articular cavities between the metatarsals.
→(骨間中足靱帯は各中足骨底の対向面を結ぶ横走する中足間関節の中で最も強い靱帯。中足骨間の関節裂隙の遠位側の境界をなす。)
- 353_13【Intermetatarsal joints中足間関節;中足骨間関節 Articulationes intermetatarsales; Articuli intermetatarsei】 Articulations between the bases of the metatarsals.
→(中足間関節は第2~第5各中足骨底の対向面によってつくられる平面関節で可動性はほとんどない。各関節腔は足根中足関節と交通する。第一中足骨は第二中足骨との間に関節をつくらず、骨間靱帯によって結ばれる。)
- 353_14【Cuneocuboid interosseous ligament骨間楔立方靱帯 Ligamentum cuneocuboideum interosseum】 Tough band that passes from the lateral cuneiform to the cuboid.
→(骨間楔立方靱帯は外側楔状骨と立方骨の対向する面を結ぶ。)
- 353_15【Lateral cuneiform bone外側楔状骨;第三楔状骨 Os cuneiforme laterale; Os cuneiforme tertium】 Wedge-shaped bone between the navicular and the third metatarsal. Its base is directed superiorly.
→(舟状骨と第三中足骨の間に位置する。その楔形の底面は上方を向く。外側楔状骨の外側面は立方骨の内側面に接する。)
- 353_16【Cuboid bone立方骨;方形骨 Os cuboideum】 Bone located between the calcaneus and the fourth and fifth metatarsals.
→(足根骨の遠位列に属し最外側にある。踵骨と第4および第5中足骨との間にあり、内側縁が外側縁より長く、背面が背外側に向いた立方形をしている。外側楔状骨の外側にあって上面が外方に傾いた立方状である。外側面から足底面にかけて後外側から前内側へ走る溝が長腓骨筋腱溝で、溝の後方を境する隆起が立方骨粗面である。内側面中央に外側楔状骨に対する関節面があり、この外後方に舟状骨に対する関節面がある。近位端に踵骨に対する大きな関節面が、遠位端には第4および第5中足骨底に対する関節面がある。ギリシャ語のKybos(立方体)+Oeides(様)に由来する。)
- 353_17【Calcaneonavicular ligament踵舟靱帯;踵舟部(二分靱帯の) Ligamentum calcaneonaviculare; Pars calcaneonavicularis】 Medial portion of the bifurcate ligament that passes from the calcaneus to the navicular.
→(踵舟靱帯は二分靱帯の内側部で、踵骨背側面の前内側部を起点として前走し舟状骨に付き、距踵舟関節包の内側の部分を作る。)
- 353_18【Calcaneocuboid joint踵立方関節 Articulatio calcaneocuboidea】 Joint between the calcaneus and the cuboid which has its own joint capsule.
→(踵骨前端部にある立方骨関節面と立方骨の後面との間の関節。距踵舟関節とともに横足根関節、いわゆるChopart関節をつくる。)
- 353_19【Talocalcaneal interosseus ligament骨間距踵靱帯 Ligamentum talocalcaneum interosseum】 Strong bands of fibers in the tarsal sinus that divide the upper and lower parts of the ankle joint.
→(骨間距踵靱帯は距骨溝と踵骨溝が合して作る足根洞の内部で距骨と踵骨とを結ぶ板状の靱帯である。足根洞の内側半部は狭い管状で、ここにある靱帯は距踵舟関節包と距骨下関節包の一部である。外側半部は漏斗状に拡がり、ここに交叉性に線維が走る強い靱帯がある。足根洞の靱帯以外の部は脂肪組織でみたされている。)
- 353_20【Calcaneus; *Calcaneal bone; *Heel bone踵骨 Calcaneus】
→(踵骨は腓側近位足根に属し足根骨のうち最大の骨で、距骨の下に位置する。形は前後に長い不正四角柱で、長軸は上前方やや外側方へ向いている。後方部は下腿骨の後縁を越えて後方へ突出している。大きく膨隆した後方部が踵骨隆起で、四角柱の前方1/3と中央1/3の境界部で前内側方へ突出した部分が載距突起である。上面後方1/3は前後に凹、内外に凸の粗面をなす。中央1/3で前上方に向かう前後に凸面の楕円形の関節面が距骨の後踵骨関節面に対する後距骨関節面である。前方は1/3は後方2/3より約1/2低位で粗面をなし、前方ほど幅が狭くなる。前方の上内側の小さな関節面が前踵骨関節面に対する前距骨関節面である。前面は6面のうち最小で、上下に凹左右に凸の関節面をなし、立方骨と関節する立方骨関節面をなし、立方骨と関節する立方骨関節面である。後面は卵円形を呈し、長軸は外上方から内下方へ向かい下方ほど幅が広い。上方1/4平滑であるが中央2/4は膨隆し粗面をなす。下方1/4は前下方へ傾斜し、下端は膨隆している。下面最後方の大きな隆起が踵骨隆起である。浅い陥凹部により内側の幅が広く短い踵骨隆起内側隆起と、外側の幅が狭く前方へ長い踵骨隆起外側突起とに分けられる。下面前方には前後に走る小結節がある。外側面で前方1/3と中央1/3の境界部で前下方へ斜めに走る小隆起が腓骨筋滑車である。腓骨筋滑車の後下面に沿い後上方から前下方へ走る斜溝が、長腓骨筋腱が通る長腓骨筋腱溝であり、滑車の前上面に沿う浅い溝を短腓骨筋腱が通る。内側面は上下に凹の平滑面であるが、前方1/3と中央1/3の境界部に前上方から後下方方向斜めに圧平された形の載距突起がある。載距突起基部の前面で内側後上方から外側前下方へ走る溝が距骨溝である。距骨の距骨溝ととに足根洞を形成する。足根洞は前外側方が広い漏斗状を呈する。載距突起の上面は上下に長い楕円形の関節面となす。距骨の中踵骨関節面に対する中距骨関節面である。載距突起の後面で後上方から前下方へ走る浅い溝が長母趾屈筋腱溝で、距骨の同名溝のつづきをなす。ラテン語のCalx(calcis)(石灰・踵)に由来する。)
- 353_21【Subtalar joint; Talocalcaneal joint距骨下関節;距踵関節 Articulatio subtalaris; Articulatio talocalcanea】 Articulation between the talus and calcaneus. Posterior portion of the lower ankle joint with its own joint capsule.
→(距骨下関節は距骨体の下面の後踵骨関節面と、踵骨上面の後距骨関節面の間の関節である。両関節面は長軸を後内方から前外法に向けた楕円形で、その面が胆軸を中心とした円柱の一部のような曲面をなし、距骨の面が凹、踵骨の面が凸である。関節腔は独立し、関節包は関節面の近くをとりまき、その内、外、後側がやや強い。前部の補強線維は足根洞の後部で距骨と踵骨を結ぶ。すなわち、骨間距舟靱帯の後のものである。距腿関節の三角靱帯踵部と踵腓靱帯は距骨下関節の副靱帯としても働く。)
- 353_22【Ankle joint距腿関節 Articulatio talocruralis】 Talocrural joint formed by the talus, tibia, and fibula.
→(距腿関節は脛骨下端の下関節面と内果関節面、および腓骨の外果関節面とが関節窩となり、これに距骨滑車が関節頭として適合する。その運動は足の屈伸のみを行う蝶番関節と考えられるが、底屈の方が背屈よりも大きく、両者を合計した角度は約90°である。関節頭も関節窩も前方が幅広く後方にせまい。底屈したときは多少の足の内旋外施ができる。付属する靱帯に次のものがある。(1)内側(三角)靱帯:強い三角形の靱帯で、この関節の内側における側副靱帯としてはたらく。内果の先端より出て次の各部に放散する。前方の線維は舟状骨へ(脛舟部)、中央のものはほぼ垂直に下行して距骨の載距突起へ(脛踵部)、後方のものは距骨の後面へ(後脛距部)、以上の3部が浅層の靱帯で、このほか深層の靱帯は距骨頚の内側面へ(2)前距腓靱帯:腓骨の外果前端より距骨へ。(3)後距腓靱帯:ほぼ水平に構想して距骨後面へ。(4)踵腓靱帯:踵骨の外側面へ。以上(2)、(3)(4)の靱帯があわせて距腿関節の外側面における側副靱帯として働く。)
- 353_23【Calcaneofibular ligament踵腓靱帯;腓踵靱帯 Ligamentum calcaneofibulare; Ligamentum fibulocalcaneare】 Ligament that passes from the tip of the lateral malleolus obliquely and posteriorly to the calcaneus.
→(踵腓靱帯は外果の下縁から起こり、距骨下関節の表面を越えて下方、やや後方に分散して距骨の外側面に着く。)
- 353_24【Tibiofibular syndesmosis; Inferior tibiofibular joint脛腓靱帯結合 Syndesmosis tibiofibularis】 Distal articulation between the tibia and fibula.
→(脛腓靱帯結合は腓骨下端の内側面と、脛骨下端の外側面とは互いに粗な面で接し、骨間靱帯が両者を結合している。この部分には関節腔はないが、距腿関節の関節腔が上方にのびてくることがある。(1)前頚腓靱帯、(2)後頚腓靱帯。両者は、頚腓靱帯結合のそれぞれ前面と後面にある。)
- 353_25【Fibula; *Calf bone腓骨 Fibula】
→(腓骨は脛骨と対になって存在する下腿の骨で同じくらいの長さである。長骨のうちで最も細長い骨で、脛骨の外側にある。近位端は脛骨外側顆の後下方にあり、膝関節の形成には関与しない。遠位端は脛骨の腓骨切痕を通り、その遠位端を越え足関節の外側部を形成する。腓骨を近位端・骨体・遠位端に分ける。近位端(上端)のやや球状に膨隆した部分が腓骨頭で、腓骨頭上面にある楕円形の平滑面が脛骨の腓骨関節面に対する腓骨頭関節面である。腓骨には多数の小結節があり粗面をなす。外側の隆起で後上方に突出する部分が腓骨頭尖である。腓骨体は細長い三角柱状で、3縁と3面を区別する。前縁は腓骨頭前面から始まりほぼ真直ぐ下降する。中央部では稜状で鋭い、遠位1/4で二分し、一方は外果前縁へ他方は外果の後下方へ向かう。2者の間は外果外側面の上方で三角形の平滑面をなし、皮下で触れられる。骨間縁は腓骨頭直下から始まる線状の隆起で、初部(2cm位)は不明瞭なことが多い。はじめ前縁の直内側を前縁と平行して下降するが、遠位2/3位の所から後内側方へ離れ、外果関節面上方の腓骨切痕に対する三角形の粗面の尖端で終わる。後縁は腓骨頭尖から始まり外果後縁で終わる。近位では丸みを帯びているが遠位でやや稜状となる。前縁と骨間縁の間が内側面である。近位1/3では非常に狭いが遠位1/3では幅が広くなり、少し窪んで浅い溝状を呈す。後縁と前内側にある骨間縁との間の面が後面である。後面で、腓骨頭内側部からおこり遠位1/3のところで骨間縁と合流する稜線が内側稜である。内側稜と骨間縁の間は後面の後内側上部にあたり、浅い溝状を呈する。後面の広い後外側部は内側稜と後縁の間にあり、遠位では外果上方の三角形の粗面にいたる。中央部に栄養孔が上方の三角形の粗面にいたる。中央部に栄養孔が上方から入っている。外側面は前縁と後縁に囲まれた部分で比較的平滑で浅い溝状を呈す。近位端は少し大きく、また前後に広がっている。外側部は遠位側へ突出し外果をなす。外側面は二分した腓骨体前縁でつくられる腓骨体外側面の三角形の面につづく。内側前面上方にある楕円形の平滑な面が、距骨体の外側面と関節する外果関節面である。関節面の後方にあるやや深い陥凹が外側窩である。後縁は幅が広く、長および短腓骨筋腱が通る浅い溝・腓骨果溝がある。ラテン語のFibula(ブローチの留針、バックルの留金)に由来する。Figo(結びつける)からfigibulaという名詞が生じ、これが短縮してfibulaとなった。これに相当するギリシャ語はperoneで、腓骨筋m.peroneus、腓骨動脈a.peronea、腓骨神経n.peroneusなどに使われる。)