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- 215_00【Hip bone; Coxal bone; Pelvic bone寛骨 Os coxae】 Bony structure comprising the ilium, ischium, and pubis.
→(骨盤の前および側壁をなす厚い板状の大きな扁平骨で、腸骨、坐骨、恥骨からなる。中央部がくびれ、上方と下方に扇状に拡がった形をなし、全体の形は8の字に似ている。内面の後上方から前下方に走る隆起が腸骨弓状線で、この弓状線を境にして寛骨の上半部の前方が外側へ開くようにねじれた形をしている。中央部の外側面には杯よりやや大きい半球状の深い陥凹が寛骨臼である。寛骨臼の関節面は半月の形に似ているので月状面ともよばれ大腿骨頭を入れる関節窩で前下外側へ向く。寛骨臼縁は1平面上にはなく、下方で欠如する部分が寛骨臼切痕である。寛骨臼底部の円形の粗面が寛骨臼窩で、寛骨臼窩の外側の、丈夫が広い馬蹄形の平滑な関節面が月状面である。寛骨臼の前下方にある大きな卵形または三角形の空隙が閉鎖孔である。閉鎖孔の上縁を上方(内面)から下方(外面)へ走る溝が閉鎖溝である。恥骨の前閉鎖結節および坐骨の後閉鎖結節を結んだ線より下方の閉鎖孔は、生体では線維性の閉鎖膜によって閉鎖される。寛骨臼の上方で扇に拡がった部分が腸骨翼で、腸骨翼の上縁が腸骨稜である。寛骨は腸骨、坐骨、恥骨の三つの骨で構成される。若年者では軟骨結合により結合しているが、成人では骨結合により癒合している。寛骨臼の上部の板状に拡がった部分が腸骨、寛骨臼の下部(2/5強)および寛骨臼より下方と後方部が坐骨、寛骨臼の前部(1/5)および寛骨臼より前下方部が恥骨である。ラテン語のCoxa(臀)に由来する。やや古い英米の解剖学書では寛骨をinnominate bone(無名骨)と呼んでいる。この骨はA.C. CelsusがA.D.30年ころにos coxaeと命名しているにもかかわらず、Galenos(131-201 A.D.)は無責任にも「名なしの骨」と記載した。Vesalius (1514-1564)もこの呼び名を流用してos innominatumとしたのが、現在でも英語の中に生きているのである。)
- 215_01【Gluteus medius muscle中殿筋;中臀筋 Musculus gluteus medius】 o: Lateral surface of ilium, i: Greater trochanter. Abduction, medial and lateral rotation, extension, and flexion at the hip joint. I: Superior gluteal nerve.
→(中臀筋は腸骨稜と前後の臀筋線に囲まれた腸骨翼領域から起こる。大転子先端外表面に停止する。中臀筋の線維束は大転子に集まり、外側から見ると三角形を呈する。大転子では腹側からきた線維短い停止腱に前に背側の筋束上に重なる。滑液包(中臀筋の転子包)が大転子と筋の間にある。中臀筋は大腿筋膜に被われ、大腿筋膜下面からも起始する。同筋の後部は大臀筋前縁部の深層に位置する。)
- 215_02【Gluteus maximus muscle大殿筋;大臀筋 Musculus gluteus maximus】 o: Ilium, behind the posterior gluteal line, sacrum, coccyx, thoracolumbar fascia, sacrotuberous ligament, i: Fascia lata, iliotibial tract, gluteal tuberosity, lateral femoral intermuscular septum, linea aspera. Extension, lateral rotation, abduction, and adduction at the hip joint. I: Inferior gluteal nerve.
→(大臀筋は大腿を伸展する主力筋で、とくに歩行の際重要である。中臀筋や小臀筋(小さな臀部の筋群)と同様、大きな臀部の筋である大臀筋も発生的には伸筋群である。仙骨と尾骨の辺縁、後臀筋線より後方の腸骨稜、胸腰筋膜、そして仙結節靭帯などから起始する。その厚い筋線維束は斜め下方へ走り、広い停止腱となる。その停止域は近位では大腿筋膜、腸脛靱帯に放散する。また、臀筋粗面よりも遠位で外側筋間中隔より上の粗線外側唇にも停止する。坐骨包坐骨結節と大臀筋下面の筋膜との間にある。慢性的刺激の結果として(機織工結節、抗夫結節)、臀部に敷物なしに座り仕事をする人々では同包に炎症が起こり、後大腿皮神経を圧迫する。大腿筋の停止腱は転子包によって大転子と離される。臀筋粗面では、大腿筋はふつう他の臀筋との間にあるいくつかの筋間包の上を滑走する。立位では大臀筋下部が坐骨結節をおおう。大腿を屈すると大臀筋下部は頭側に移動する。このため座位では坐骨結節は皮下脂肪上に位置し、皮膚を通して容易に触れる。臀溝はほぼ水平に走り、大臀筋収縮時には深くなるが、大臀筋の下縁をあらわしているわけではなく、同筋走行に対して鋭角的に交わる。)
- 215_03【Gemellus muscles双子筋 Musculi gemellus】
→(内閉鎖筋腱の上下に位置する1対の回旋筋。上双子筋と下双子筋があり、いずれも坐骨からおこって大腿骨に停止しする。支配神経:仙骨神経叢(L5,S1,S2)。動脈:下殿動脈(←内腸骨動脈)。(イラスト解剖学))
- 215_03a【Gemellus inferior muscle; Inferior gemellus muscle下双子筋;結節双子筋 Musculus gemellus inferior; Musculus gemellus tuberalis】 o: Ischial tuberosity. i: Tendon of obturator internus, trochanteric fossa. Lateral rotation, adduction, abduction. I: Sacral plexus.
→(この小さな下双子筋は、坐骨結節上縁により起こり内閉鎖筋腱に停止しする。仙骨神経叢からの大腿方形筋への直接枝による神経支配を受け、大腿骨を外旋させる作用を示す。)
- 215_03b【Gemellus superior muscle; Superior gemellus muscle上双子筋;棘双子筋 Musculus gemellus superior; Musculus gemellus spinalis】 o: Ischial spine, i: Tendon of obturator internus muscle and trochanteric fossa. Lateral rotation, adduction, abduction. I: Sacral plexus.
→(この小さな上双子筋は坐骨棘より起こり内閉鎖筋腱に停止する。仙骨神経叢からの、内閉鎖筋へ直接枝による神経支配を受け、大腿骨外旋作用を示す。)
- 215_04【Semimembranosus muscle半膜様筋 Musculus semimembranosus】 o: Ischial tuberosity. i: Medial condyle of tibia and oblique popliteal ligament. It is partly covered by the semitendinosus muscle. Extension at the hip joint; flexion and medial rotation at the knee joint. Tenses the knee joint capsule. I: Tibial nerve.
→(半膜様筋は大腿二頭筋長頭と大腿方形筋の起始の間の坐骨結節から起こる。脛骨内側顆、膝関節包後壁および膝窩筋の筋膜に停止する。半膜様筋は中4分の2のみが筋性である。起始腱は広い腱性の板をなし、停止腱も同じ平板である。3本の腱様の索として終わる。脛骨への索は腹側で迂回し、内側側副靱帯の下の脛骨内側顆に付く。中央の索は筋の方向を受け継ぎ、一部は脛骨近位端後面に、一部は膝窩筋の筋膜に付く。腓骨への索は膝関節包の後壁を補強し、斜膝窩靱帯として大腿骨外側顆に向かって外側へ射創する滑液包が通常同筋の停止腱と脛骨内側顆の間にある。)
- 215_05【Biceps femoris muscle大腿二頭筋 Musculus biceps femoris】 Two-headed muscle arising from the pelvis and femur, i: Head of fibula. Flexion at the knee joint, lateral rotation.
→(大腿二頭筋は2関節性の長頭と1関節性の短頭から成る。長頭は坐骨結節で半腱様筋と総頭をつくって起こる。短頭は粗線の外側唇の中1/3と外側筋間中隔から起こる。これら両頭は合して2頭筋となり、腓骨頭に終わる。その際この筋と膝関節の外側側副靱帯との間に大腿二頭筋の下腱下包がある。股関節では長頭は大腿を後斜するように働く。膝関節では大腿二頭筋は屈曲するように働き、屈曲した状態では下腿を外旋する。この筋は膝関節における唯一の外旋筋であって、すべての内旋筋に匹敵する作用をもっている。)
- 215_05a【Long head of biceps femoris muscle長頭(大腿二頭筋の) Caput longum (Musculus biceps femoris)】 o: Ischial tuberosity. Extension at the hip joint. I: Tibial nerve.
→(大腿二頭筋の長頭は半腱様筋とともに坐骨結節後面から起こる。短頭は粗線外側唇の中1/3から起こる。同レベルの粗線内側唇に停止する長内転筋の線維方向を短頭は引き継ぐ。両頭の共通停止腱は腓骨頭に止まる。腱線維の一部は脛骨外側顆および下腿筋膜に達する。大腿二頭筋腱は腱下包によって外側側副靱帯と隔てられる。)
- 215_06【Quadratus femoris muscle大腿方形筋 Musculus quadratus femoris】 o: Ischial tuberosity. i: Intertrochanteric crest. Lateral rotation and adduction. I: Sacral plexus.
→(大腿方形筋はほとんど筋性で、大腿骨が正常位にあれば四辺形である。坐骨結節から転子間稜へ横走する。筋の大きさから予想する以上にこの筋が効果的に股関節外施に働くのは筋力のほとんどが外施に有効となるような筋線維走行だからである。)
- 215_07【Semitendinosus muscle半腱様筋 Musculus semitendinosus】 o: Ischial tuberosity. i: Medial surface of tibia. Extension at the hip joint. Flexion and medial rotation at the knee joint. I: Tibial nerve.
→(半腱様筋は大腿二頭筋長頭の起始近くの坐骨結節から起こり、鵞足を介して脛骨近位端内側面および下腿筋膜に終わる。半腱様筋は半膜様筋によってつくられた溝の中を遠位へ向かう。長い停止腱は大腿部ですでに始まり(ここから“半腱様”の名がつけられた)、鵞足の深層へと放散する。)
- 215_08【External oblique muscle; Abdominal external oblique muscle; External abdominal oblique muscle外腹斜筋 Musculus obliquus externus abdominis】 o:Outer surface of the fifth through twelfth ribs, i: Iliac crest, inguinal ligament, rectus sheath, linea alba. Flexes the trunk, elevates the pelvis, raises intra-abdominal pressure, bends laterally, and rotates the trunk to the contralateral side. I: Intercostal nerves of fifth to twelfth ribs.
→(外腹斜筋の起始は下位8本の肋骨外側面から指状に出ている筋線維束。停止は最下部肋骨からの筋肉性の厚い線維は腸骨稜の外唇前半部に付着し、残りは前腹壁の広い腱膜に付着する。機能としては腹部の収縮、内臓の保護、強い呼気の場合も働く。神経支配は下部6本の胸神経と上部2本の腰神経の前枝。動脈は上および下腹壁動脈の筋枝より受ける。3つの側腹筋の中でもっとも広い領域を占める筋である。最初の起始筋束は、わずかに斜めに下る程度であるが、もっとも尾側の筋束は急角度で下方へ進む。腱膜への移行は、腹直筋の外側縁に並行に直線的に生じ、その線は、上前腸骨棘のやや頭側で急に直角あるいは鋭角に向きを変え、腸骨稜の上端に終わる。このようにして筋角が形成されるが、この角はしばしば皮膚の表面から認められ、古代の彫刻にも良く強調されている。この筋線維束は、筋が引き伸ばされない限りは腸骨稜を越えて膨出し、そのために骨盤の上縁をおおって鼡径隆起を形成する。多くの人において(男性より女性において頻度が高いが)広背筋は外腹斜筋に直接隣接しない。広背筋の前縁と外腹斜筋の後縁の間には尾側が腸骨稜によって境される三角形の領域、腰三角が形成され、この部位の腹壁は、内服斜筋と腹横筋にのみによって形成される。ここは、脊柱に生じ腸骨稜に沿って移動してきた膿瘍が、外へ逃げることが出きる場所であり、まれには(下)腰ヘルニアも出現する。)
- 215_09【Tensor fasciae latae muscle; Tensor muscle fasciae latae大腿筋膜張筋 Musculus tensor fasciae latae】 o: Near the anterior superior iliac spine, i: Above the iliotibial tract to the lateral tibial condyle. Tenses the fascia lata; flexion, abduction, medial rotation, and extension at the knee joint. I: Superior gluteal nerve.
→(大腿筋膜張筋は平行な線維からなる平らな筋で、上前腸骨棘の外側から起こり大腿筋膜に停止する。この筋は、その起始ではもともとあった中臀筋とのつながりを保っている。大腿筋膜中で、その線維は腸脛靱帯の一部を作り、脛骨外側顆および腓骨顆にまで達する。また、大腿骨へは外側筋膜中隔を介して達し、外側膝蓋支帯に放散する。)
- 215_10【Sartorius muscle縫工筋 Musculus sartorius】 o: Anterior superior iliac spine, i: Medial to the tibial tuberosity. Flexion, abduction, lateral rotation at the hip joint; flexion and medial rotation at the knee joint. I: Femoral nerve.
→(縫工筋は大腿前部浅層の筋。上前腸骨棘からラセン状に大腿前面と内側面を走る。大腿筋膜がつくる筋膜の鞘に包まれている。その弓状走行により、同筋は背側にある膝関節の屈曲軸を横切ることになる。停止腱は遠位かつ腹側へ斜走し、脛骨内側面(脛骨粗面のうしろ)が鵞足に、また下腿筋膜に停止する。鵞足は縫工筋(浅層)、薄筋および半腱様筋(深層)の末広がりの停止腱が1カ所に集まってできる。その様子は鵞の足の水掻きが折れ重なったようにみえる。鵞足は内側側副靱帯とは鵞足包で隔てられ、その腱線維は脛骨内側面に放散する。また、浅層の線維は下腿筋膜に続く。かつて縫工(仕立屋)は作業をするときに、あぐらをかくように脚をむく姿勢をとった。このように、大腿を屈曲・外転・外旋し、かつ膝を屈曲するのに、縫工筋が働くと考え、名付けられた。)
- 215_11【Gluteus minimus muscle小殿筋;小臀筋 Musculus gluteus minimus】 o:Ilium between the anterior and inferior gluteal lines, i: Greater trochanter. Abduction, medial, and lateral rotation, flexion, and extension at the hip joint. I: Superior gluteal nerve.
→(小臀筋は前および下臀筋線の間の腸骨外側面に起こる。大転子前面の外側縁に停止する。小臀筋はほとんど完全に中臀筋におおわれている。両筋はその前縁で癒合し、後方に開く袋を形成する。小臀筋の転子包は大転子先端と同筋停止腱の間にある。中臀筋と小臀筋は同じ筋原基から生じる。両筋は、大臀筋に対して、小さな臀筋群を作る。大腿屈曲時以外では、股関節を外転するので、外転筋群とすることができる。しかし、大腿に対する作用よりも重大なのは歩行あるいは片足立ちの際に骨盤に対する支持脚の作用である。中小両臀筋は骨盤が遊脚側に傾くのを防ぐ。また、骨盤を支持脚側へ傾ける。)
- 215_12【Rectus femoris muscle大腿直筋 Musculus rectus femoris】 Two-headed muscle. Also flexes the hip joint. Contributes fibers to the lateral and medial patellar retinacula.
→(大腿直筋は大腿前側の筋で大腿四頭筋の中央浅層にある。羽状筋の大腿直筋は下前腸骨棘から起こる直頭と寛骨臼上縁や股関節から起こる反転頭からなる。起始腱中心部からの線維は膝蓋骨の上縁に終わるが、膝蓋骨前面を通って膝蓋靱帯となる。両側方の線維は膝蓋骨の両側へ放散し、膝蓋支帯になる。)
- 215_13【Pectineus muscle恥骨筋 Musculus pectineus】 o: Pectineal line of pubis. i: Pectineal line of femur, linea aspera. Flexion, adduction, and medial rotation at the hip. I: Femoral and obturator nerves.
→(恥骨筋は腸恥隆起-恥骨結節間の恥骨上肢から起こり、大腿骨の恥骨筋線に停止する。この筋はもとももと腸腰筋群と同じ原基に由来する。本筋の構成に内転筋群がどの程度関わるかには個体差がある。恥骨筋は腸骨筋膜の延長部分である恥骨筋膜におおわれ、腸腰筋とともに腸恥窩には大腿動静脈が通る。)
- 215_14【Adductor longus muscle長内転筋 Musculus adductor longus】 o: Near the pubic symphysis. i: Medial lip of linea aspera. Adduction, lateral rotation, and flexion at the hip joint. I: Obturator nerve.
→(長内転筋は恥骨結合の線維軟骨および恥骨稜直下の狭い領域から長い腱として起こる。遠位で広くなり、薄い幅広の腱となって粗線(内側唇)の中1/3に停止する。停止腱の遠位縁をつくる筋束は広一内転筋板の形成に多少なりとも参加し、内転筋管の入り口をかたちづくる。)
- 215_15【Adductor brevis muscle短内転筋 Musculus adductor brevis】 o: Inferior pubic ramus. i: Medial lip of linea aspera. Adduction, flexion, extension, and lateral rotation at the hip. I: Obturator nerve.
→(短内転筋は外閉鎖筋と薄筋の間から、恥骨下枝前面に起始する。恥骨筋と長内転筋にほとんど完全におおわれ、長内転筋の停止よりも近位の粗線内側唇に停止する。)
- 215_16【Gracilis muscle薄筋;大腿薄筋 Musculus gracilis】 o: Inferior pubic ramus. i: Medial tibial surface. Adduction, flexion, and extension at the hip joint. Flexion and medial rotation at the knee joint I: Obturator nerve.
→(薄筋は大腿内側の筋で内転筋群のうちで唯一の二関節筋である。薄く扁平な筋として、恥骨結合直下の恥骨下枝から起こり、大腿内側面を下行する。平走する筋線維からなり、長い停止腱は大腿遠位3分の1に終わる。遠位では大腿骨内側顆のうしろに達し、鵞足をつくって脛骨内側面、脛骨粗面のうしろ、および大腿の深筋膜に終わる。神経支配は閉鎖神経で大腿の内転、膝の屈曲、下肢を内旋する。)
- 215_17【Adductor minimus muscle小内転筋 Musculus adductor minimus】 Superior portion of the adductor magnus, taking origin further to anterior from the pelvis.
→(大内転筋の恥骨下枝と坐骨枝から起こる上部筋束が分離独立したとき小内転筋という。この場合腫部との間に第一貫通動脈が通り境界は後面でとくに明確である。)
- 215_18【Adductor magnus muscle大内転筋 Musculus adductor magnus】 o: Inferior pubic ramus, ramus of ischium. i: Medial lip of linea aspera and, via a long tendon, the medial epicondyle. Adduction, lateral rotation, and extension at the hip joint. I: Obturator and tibial nerves.
→(大内転筋は内転筋群の中で最強、人体中最大の筋の1つである。他の内転筋の背側、恥骨下枝および隣接する坐骨枝から坐骨結節までを起始とする。他の起始をもつ部分はほとんどが粗線内側唇に筋性停止する。)
- 215_19【Obturator externus muscle; External obturator muscle外閉鎖筋 Musculus obturator externus】 o: External surface of obturator membrane and surrounding area, i: Trochanteric fossa. Lateral rotation and adduction at the hip joint. I: Obturator nerve.
→(外閉鎖筋は閉鎖膜外面および閉鎖孔内下方の骨縁に起こる。腹内側へ走り、股関節の背側で大腿骨頚と頭をまわりこんでから錐状の停止腱に移行し、腹外側へ向かって転子窩に停止する。)
- 215_20【Obturator internus muscle; Internal obturator muscle内閉鎖筋 Musculus obturator internus】 o: Internal surface of obturator membrane and surrounding area, i: Trochanteric fossa of greater trochanter. Lateral rotation, abduction, adduction. I: Sacral plexus.
→(内閉鎖筋と2つの双子筋は発生的にはひとまとまりである。内閉鎖筋はその起始を骨盤腔内へ移し、閉鎖膜上および閉鎖孔の骨性枠から起こるに至った。小坐骨孔縁(軟骨でおおわれている)が視点となり、内閉鎖筋包が介在し、ここで急に走行を骨盤外へ変える。骨盤の外にある部分は3分筋のうちの2頭、つまり上下の双子筋を多少なりともおおう。上双子筋は坐骨棘を発し、下双子筋は坐骨結節を発する。内閉鎖筋の停止腱の上下縁にはそれぞれ上下の双子筋が合流し、転子窩に終わる。骨盤内にある内閉鎖筋は強い内閉鎖筋膜に包まれ、これが肛門挙筋の起始となる。内閉鎖筋膜は肛門挙筋起始部では弓状をした腱様の筋膜束(肛門挙筋腱弓)で補強さえている。肛門挙筋腱弓よりも上で、内閉鎖筋は小骨盤の筋性壁をつくり、その筋膜は壁側骨盤筋膜の一部となる。これより下では内閉鎖筋とその筋膜は外側部において、骨盤底の下にある結合組織性の部位、すなわち坐骨直腸窩を区画する。)