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- 459_01【External occipital protuberance外後頭隆起;後頭結節;外後頭結節 Protuberantia occipitalis externa】 Easily palpable bony projection at the border between the occipital and nuchal planes.
→(外後頭隆起は凸面をなす後頭鱗の外面のほぼ中央に外後頭隆起がある。)
- 459_02【Mastoid process乳様突起;乳突隆起 Processus mastoideus】 Projection behind the external acoustic meatus that contains the mastoid cells.
→(乳突部の大部分は、下前方に向かって突出する大きい乳様突起で占められる。その表面は胸鎖乳突筋の着くところで粗である。乳様突起の内部は成人では大部分、多数の小さい乳突蜂巣で占められる。これは生後に乳様突起の発育に伴って拡がるもので、その拡がりは個体によりかなりまちまちであり、錐体の方にもおよぶ。乳突蜂巣は互いに迷路状につながっていて、そのつづきは乳様突起の上半分にある乳突洞につながっている。乳突洞はその前方の小さい乳頭洞入口を経て、後方から鼓室の上部に開く。生体では鼓室の内面を被う粘膜の続きが乳突洞を経てすべての乳頭蜂巣の内面にまでおよんでいる。)
- 459_03【Posterior tubercle of atlas後結節(環椎の) Tuberculum posterius (Atlantis)】 Rudiment of the spinous process.
→(第一頚椎の後結節は棘突起の退化したものであり、第二頚椎以下の後結節は横突起の一部を指すから、同じ後結節でも注意のこと。)
- 459_04【Spinous process of C7 vertebra; Spinous process of vertebra promines棘突起(第7頚椎の) Processus spinosus (Vertebra cervicalis VII)】
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- 459_05【Second rib [II]第二肋骨 Costa secunda [II]】 Rib that begins at the level of the sternal angle. It is easily palpated.
→(第2肋骨は第1肋骨と第3肋骨との中間形を示している。ただ肋骨溝に相当する溝が上面にも現れる。)
- 459_06【Sixth rib [VI]第6肋骨 Costa VI; [VI]】
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- 459_07【Spinous process of T6 vertebra; Spinous process of sixth thoracic vertebra棘突起(第6胸椎の) Processus spinosus (Vertebrae thoracic VI)】
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- 459_08【Spinous process of T12 vertebra; Spinous process of twelfth thoracic vertebra棘突起(第12胸椎の) Processus spinosus (Vertebrae thoracic XII)】
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- 459_09【Twelfth rib [XII]第12肋骨 Costa XII】
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- 459_10【Transversus abdominis muscle; Transverse abdominal muscle腹横筋 Musculus transversus abdominis】 Inner surface of the seventh through twelfth costal cartilages, thoracolumbar fascia, iliac crest, anterior superior iliac spine, inguinal ligament, i: Rectus sheath, linea semilunaris. I: Intercostal nerves 7-12, iliohypogastric nerve, ilioinguinal nerve, genitofemoral nerve.
→(腹横筋の起始は下位6本の肋骨の肋軟骨内面、腰筋膜の内層、腸骨稜の内唇の前2/3、鼡径靱帯の外方1/3。停止は腱膜鞘につつまれて両腹斜筋とともに白線の中へ。機能としては腹部の圧縮、腹部内臓の保護、強い呼気時に働く。神経支配は下位6本の肋間神経の前枝、腸骨下腹神経と腸骨鼡径神経。動脈は深腸骨回旋動脈、下腹壁動脈。腹横筋は胸横筋の尾側に隣接している。この筋は、第7(6,5)から第12肋軟骨の内面、腰椎の肋骨突起(胸腰筋膜の深葉を介して)、腸骨稜の内唇および鼡径靱帯の外側部から起こる。この筋線維は、ほぼ水平に(腹直筋に直角)に走り、半月状の外側に凸の線、半月線を越えて腱膜となる。腹横筋の腱膜は腹直筋鞘の形成に関わる。その腱膜の線維は、白線で内腹斜筋の腱膜の線維と連結している。)
- 459_11【Interspinous ligaments棘間靱帯 Ligamenta interspinalia】 Broad ligaments extending between adjacent spinous processes of the vertebrae.
→(隣り合う上下の棘突起を結ぶ薄い膜性の靱帯で、棘突起と共に左右の固有背筋を隔てる中隔を形成する。頚部で弱く、腰部で強い。線維は棘突起間に斜めに張り、脊柱の屈伸による頬突起間距離の変化に対応している。)
- 459_12【Spinous process of C5 vertebra; Spinous process of fifth cervical vertebra棘突起(第5頚椎の) Processus spinosus (Vertebra cervicalis V)】
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- 459_13【Sacrum [Sacral vertebrae I-V]仙骨;仙椎[1-5] Os sacrum [Vertebrae sacrales I-V]】
→(はじめ分離していた第一から第五までの仙椎は、成人すると癒合して一個の仙骨となり、骨盤の後壁を作る。仙骨では、元来仙椎に存在していた棘突起は正中仙骨稜となり、関節突起は中間仙骨稜となり、横突起は外側仙骨稜となる。さらに最外側部に外側部という部分があり、そこに肋骨遺残物が含まれている。なお本来各椎骨間に左右おのおの一個ずつであるべき椎間孔が、それぞれ前仙骨孔と後仙骨孔とに二分されるので、片側で8個の仙骨孔となり、それぞれ脊髄神経の前枝と後枝とを通過させるのも大きい特徴である。外側の耳状面は腸骨の耳状面と関節する。仙骨底(上方にあっても底という)の前方に強く突出した辺縁部を岬角という名称は側頭骨の中耳(鼓室)の内側壁にもあるから注意のこと。4本の横線は5個の仙椎の癒着部を示している。)
- 459_14【Pelvis骨盤 Pelvis】
→(骨盤を形づくる骨は左右の寛骨とそれらの間にある仙骨ならびに尾骨である。寛骨は腸骨、坐骨および恥骨の3個の骨が合して1つの骨となったもので、胎生期から少年期までは軟骨によって結合されているが、16~17才頃に骨化して完全に一つの寛骨となる(骨結合)。これら3つの骨がY字型に合するところは股関節の関節窩に相当し、寛骨臼といわれ、臼のような形に凹んでいる。仙骨は5個の仙椎が癒合して1つの骨なったものであり、また尾骨も3~6個の小さい尾椎がくっついて1つの骨になったものである。さて、左右の寛骨は前の方では線維軟骨によって結合(線維軟骨結合)されており、恥骨結合とよばれる。後ろの方では寛骨の茸状面と仙骨の同じ名の面とが仙骨関節によって結合される。仙腸関節は関節という名がついているけれども、向かい合う関節面の形や大きさがほぼ同じで、そのうえ関節包は狭く、且つ4つの短いが、強い仙腸靱帯により結びつけれているので、ほとんど動かない(半関節)。骨盤は大骨盤と小骨盤とに区分され、その界には分界線がある。分界線は岬角(第5腰椎と仙骨の結合するところで、前下にとびだしている)、腸骨の弓状線、恥骨櫛および恥骨結合の上縁を結ぶ線の事で、その囲む面は平面に近い。大骨盤は広く、浅い鉢のような容器で、腹腔の下部に位し、腹部内臓を容れる。外側には腸骨翼があり、後ろには仙骨の上端があるが、そのほかに第4、5腰椎と腸骨稜との間に張る腸腰靱帯もまた後壁をなす。しかし前は開放されている。また上前腸骨棘と恥骨結節との間には鼡径靱帯があり、これと腸骨前縁との間を腸腰筋や血管が通る。小骨盤は短い円筒状で、骨盤腔の中に骨盤内臓を容れる。ふつう骨盤といえば小骨盤(狭義の骨盤)だけをさすが、大骨盤を含めた広義の骨盤は骨格の中でも性差の最もはっきりした部分で、産科学で重要視される。小骨盤の前壁は恥骨、両側壁は坐骨と腸骨の一部でつくられる。前外側壁には閉鎖孔があり、閉鎖孔のところだけを残して閉鎖膜が張っており、筋のつき場所となる。後壁は仙骨と尾骨でつくられるが、大部分は骨のないところで、ほぼ縦に走る仙結節靱帯と、その前でこれと交叉するように横に張る仙棘靱帯の両者がここを補っている。大と小の坐骨切痕は仙結節靱帯によりそれぞれ大と小の坐骨孔にわけられる。そして大坐骨孔は梨状筋(仙骨前面から起こり、大転子につく)が骨盤の外へ出る通路をなし、またこの孔の中で梨状筋より上の部分を梨状筋上孔といい、上臀神経と同名の血管が通る。下の部分を梨状筋下孔といい、坐骨神経、下臀神経と同名の血管、陰部神経と同名の血管が通る。また小坐骨孔は内閉鎖筋(骨盤の内面)で、閉鎖膜とそのまわりから起こり、大転子につく)の腱が骨盤の外へ出る通路をなす。小骨盤の入口は分界線によって囲まれ、小骨盤の出口は坐骨結節、恥骨下縁および尾骨の下端を結ぶ凸凹の線によって境される。なお骨盤の入口と出口の前後径の各中点を通る前に向かって凹な曲線を骨盤軸といい、分娩のとき胎児の頭が通る道(産道)の軸をなす。恥骨結合の下部は恥骨価格といわれ、男では角度が急であり、女では角度が鈍く弓状をなすので、恥骨弓と呼ばれる。骨盤の出口をふさぐ軟部組織として前上に尿生殖角隔膜と深会陰横筋がある。これらを男では尿道、女では尿道と腟が貫く。また後ろ下には肛門挙筋があり、内閉鎖筋の筋膜の一部(腱弓といわれ、特に丈夫になっている部分)から起こり、漏斗上に肛門に付く。骨盤は全身の骨格のなかで性差の最もはっきりした部分で、特に目立つのは小骨盤腔(狭義の骨盤腔)が女では男よりもひろく、たけが低いことであるこれは分娩ということを考えれば当然である。Pelvisはギリシャ語のpelisに由来するラテン語で、ローマ時代には縁がややめくれた広口の深い容器を意味した。骨盤のことをpelvisというようになったのは16世紀の末である。)
- 459_15【Rectus capitis posterior minor muscle; Minor posterior rectus capitis muscle小後頭直筋 Musculus rectus capitis posterior minor】 o:Posterior tubercle of the posterior arch of atlas, i: Medial one-third of inferior nuchal line. Mainly posterior flexion of the head. I: Suboccipital nerve.
→(小後頭直筋の短筋(もっとも上方に位置する後ろ横突間筋)は環椎後隆起で起始し、下項線の下で大後頭直筋の内側に停止する。)
- 459_16【Interspinales cervicis muscles; Cervical interspinal muscle頚棘間筋 Musculi interspinales cervicis; Musculi interspinales colli】 Bands of muscle fibers that are attached pairwise to the bifid spinous processes of the vertebrae.
→(頚棘間筋は頚椎の棘突起結節から始まり、その一つ上位の椎骨の棘突起結節に付着する筋で頚神経の後枝から神経支配を受ける。頚の伸展に作用する。)
- 459_17【Rotatores muscles回旋筋 Musculi rotatores】 Deepest layer of the transversospinales. It consists of short fibers that pass to the next highest vertebra or second above and thus have stronger rotating action. Usually located in the thoracic region. I: Posterior rami of spinal nerves T11-T1 C.
→(回旋筋の起始は多裂筋の深層にあって11対の小さな筋を作る、各々は1個の胸椎横突起からそれぞれ起こっている。停止は起始の椎骨の直上の椎骨の椎弓板。機能として脊柱回旋の補助。神経支配は胸神経の後枝。動脈は後肋間動脈の筋枝。体節性の回旋筋は多裂筋に被われ、横突棘筋系の最深部を形成している。)
- 459_17a【Rotatores cervicis muscles頚回旋筋 Musculi rotatores cervicis; Musculi rotatores colli】 o: Inferior articular processes of cervical vertebrae, i: Vertebral arch or root of the spinous processes.
→(頚回旋筋は頚椎に付着する回旋筋。)
- 459_17b【Rotatores thoracis muscles胸回旋筋 Musculi rotatores thoracis】 o: Transverse processes of thoracic vertebrae, i: Roots of spinous processes.
→(胸回旋筋は胸椎に付着する回旋筋。)
- 459_17c【Rotatores lumborum muscles腰回旋筋 Musculi rotatores lumborum】 o: Mammillary processes of lumbar vertebrae, i: Roots of spinous processes of lumbar vertebrae. Short rotatores muscles are absent.
→(腰回旋筋は腰椎に付着する回旋筋。)
- 459_18【Levatores costarum breves; Levatores costarum breves muscle; Short levators of the ribs短肋骨挙筋;短横突肋骨筋 Musculi levatores costarum breves; Musculi transversocostales breves】 o:Transverse processes, i: Rib immediately beneath its origin.
→(短肋骨挙筋は、単一体節性の筋であり、次の下位の肋骨の助骨角の内側に停止する。)
- 459_19【Levatores costarum longi; Levatores costarum longi muscle; Long levators of the ribs長肋骨挙筋;長横突肋骨筋 Musculi levatores costarum longi; Musculi transversocostales longi】 o: Transverse processes, i: Passes to the second rib beneath its origin.
→(長肋骨挙筋は、より急激に下方に走行し、一肋間を越える。この筋は、通常、胸部の上方または下方にのみみられる。)
- 459_20【Lumbocostal ligament腰肋靱帯 Ligamentum lumbocostale】 Deep layer of the thoracolumbar fascia. It forms tendinous attachments to the costal processes of the lumbar vertebrae, the twelfth rib, and the border of the pelvis, and serves as the aponeurosis of the transverse abdominal muscle.
→(腰肋靱帯は第12肋骨と第1,2腰椎肋骨突起の間の膜状の靱帯で、内肋間膜のつづきともみられる。多くは腹横筋の起始腱膜(腰背腱膜の深葉)と結合する。)
- 459_21【Lumbar intercostal muscles腰肋間筋 Musculi intercostales lumbales】
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- 459_22【Lumbodorsal fascia腰背筋膜 Fascia lumbodorsalis】
→(固有背筋は前後から鞘状に筋膜で囲まれる。この筋膜を胸腰筋膜(図4-24)という。筋膜の後面はとくに腰部で厚く強靱で、腰筋筋膜といわれる。腰背筋膜は腸骨稜と第12肋骨との間に張り、前外側ではとくに厚く腱膜様となって、内腹斜筋・腹横筋の起始となっている。
胸腰筋膜は上方で頚部の固有背筋(板状筋・頭半棘筋)を被い、項筋膜といわれる。項筋膜は正中部で項靱帯に付く。(解剖学講義))
- 459_23【Lumbar aponeurosis腰腱膜;腰筋腱膜 Aponeurosis lumbalis】
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