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Muscles of thorax(胸部の筋)Musculi thoracis きょうぶのきん Feneis: 106_01

[A04_4_00_001] →(胸部の筋(胸筋)は①浅胸筋(胸部の上肢筋):大胸筋、小胸筋、鎖骨下筋、前鋸筋(腕神経叢枝)。②深胸筋(固有胸筋):外肋間筋、内肋間筋、最内肋間筋、肋下筋、胸横筋(肋間神経)、(肋骨挙筋(胸神経後枝))③横隔膜:腰部、肋骨部、胸骨部(横隔神経)の3群に分けることが出来る。)

Sternalis; Sternalis muscle(胸骨筋)Musculus sternalis きょうこつきん Feneis: 106_02

[A04_4_01_001] →(胸骨筋は常に胸筋神経または肋間神経の枝によって支配される。胸骨筋は、存在するときには胸骨とほぼ平行に走っていることが多い。その起始は普通は腹直筋鞘あるいは第3~7肋軟骨で、停止は多くは胸鎖乳突筋か胸筋筋膜である。この筋は人種差がおおきく、日本人では10%以上に見いだされるが、白人ではわずかに2~4%にすぎない。)

Pectoralis major muscle(大胸筋)Musculus pectoralis major だいきょうきん Feneis: 106_03

[A04_4_01_002] →(大胸筋は上肢の屈筋群から派生したもので、前胸壁にある大きな翼状の筋で鎖骨部、胸肋部、腹部からなる。鎖骨部は上肢帯(鎖骨)から腹側胸壁に広がって上腕骨大結節稜(遠位)に停止する。これは鎖骨の胸骨半、胸骨、および第(1)2~7肋軟骨から起こり、腹直筋鞘の前葉からも起こる。胸肋部と腹部の線維は鎖骨部の線維の下を横切り、大結節稜の近位に着き、鎖骨部は遠位に停止する。広背筋の場合のように、頭側に開き、上腕の外転と前方挙上の際に明らかとなる筋肉のスポットが生じる。上腕を垂れ下げているときは、大胸筋は四角形をしているが、上腕骨が外転されると、三角形となる。外側縁は前腋窩ヒダを形成している。後腋窩ヒダは広背筋の外側縁によってつくられている。大胸筋の鎖骨部と三角筋の間の奥には結合組織腔があり、そこを橈側皮静脈が通る。その隙間は力強い、筋肉の発達した人では非常に狭い。しかし、大胸筋の鎖骨部の発達が弱い場合は、鎖骨に向かって広がり、逆さにした三角形に似ている。その場合、鎖骨胸筋三角という名前が適当である。ここでは皮膚が窪んで鎖骨下窩を形成している。種々の形と大きさの胸骨筋が胸筋筋膜の上に発達することがある。これは肋骨縁に沿って一側または両側に広がっている(ヨーロッパ人の約5%)。もしこの筋が胸筋神経の枝で支配されていれば、これは哺乳類の皮筋の遺残と考えることができる。この筋はしばしば胸鎖乳突筋とつながっており、肋間神経の枝で支配されているかもしれない。広背筋の前縁と大胸筋の外側縁との間には、結合組織の線維(線維性腋窩弓fibrous axillary arch)が弓状に走って両筋を結んでいるが、数%の頻度でここに筋線維束(筋性腋窩弓muscular axillary arch)がみられる。筋性腋窩弓の存在は、生体でも皮膚の上から認めることが出来る。この以上筋束を最初に記載したのはRamsay(1795)であるが、Langer(1846)の広汎な研究以来、ランゲル筋Langer's muscleと呼ばれるようになった。)

Clavicular head; Clavicular part (of pectoralis major muscle)(鎖骨部(大胸筋の))Pars clavicularis (Musculus pectoralis maior) さこつぶ(だいきょうきんの) Feneis: 106_04

[A04_4_01_003] →(大胸筋の鎖骨部は鎖骨から起こる部分で起始は内側鎖骨関節(鎖骨内側1/2~2/3)で外下方へ走り上腕骨大結節稜(遠位)に停止する。機能としては上腕骨を前方に挙げる(屈曲)。神経支配は内側および外側胸筋神経(C5-8)。)

Sternocostal head; Sternocostal part (of pectoralis major muscle)(胸肋部(大胸筋の))Pars sternocostalis (Musculus pectoralis major) だいきょうきんのきょうろくぶ Feneis: 106_05

[A04_4_01_004] →(大胸筋の胸肋部は胸骨と肋骨から起こる部分で胸骨前面と上5~7個の肋軟骨から水平に外方へ走行し、上腕骨大結節稜に停止する。機能として肋骨を上げ吸気を助ける。神経支配は内側および外側胸筋神経(C5-8)。)

Abdominal part of pectoralis major muscle(腹部(大胸筋の))Pars abdominalis (Musculus pectoralis majoris) ふくぶ(だいきょうきんの) Feneis: 106_06

[A04_4_01_005] →(大胸筋の腹部は腹直筋鞘から起る部分で腹直筋鞘前葉の表面から斜めに外上方へ走行し、上腕骨大結節稜(近位)に停止する。機能として肩を下げるときにはたらく。)

Pectoralis minor muscle(小胸筋)Musculus pectoralis minor しょうきょうきん Feneis: 106_07

[A04_4_01_006] →(小胸筋は前胸壁にあり大胸筋で完全に被われており、骨性の第(2)3~5肋骨の腹側端からおこり、肩甲骨の烏口突起に停止している。この筋は大胸筋になるものと同じ原基から発生する。正常では、この筋は上肢帯を胸壁と繋ぐにすぎないが、ときに大結節稜に停止する筋の破格が上肢筋の起始に向かっていることがある。作用は肩甲骨を引き下げる、または肋骨を挙上する呼吸補助筋。神経支配は内側胸筋神経。)

Subclavius; Subclavius muscle(鎖骨下筋)Musculus subclavius さこつかきん Feneis: 106_08

[A04_4_01_007] →(鎖骨下筋は体幹から起こって上肢帯に至る腹側の筋で、第1肋骨と肋軟骨の上縁から起始し、鎖骨下面の溝につ付着する。作用として鎖骨を引き下げ、前方に突き出す。神経支配は第5,6頚神経(鎖骨下筋への神経)。動脈は胸肩峰動脈の鎖骨枝から受ける。鎖骨下筋は小さく、烏口鎖骨靱帯によって前方から被われている。)

Serratus anterior muscle; Boxer's muscle(前鋸筋;側鋸筋;外側鋸筋)Musculus serratus anterior; Musculus serratus lateralis ぜんきょきん;そくきょきん;がいそくきょきんBoxer's muscle Feneis: 106_09

[A04_4_01_008] →(前鋸筋は、起始が二次的に体幹の腹外側に移動したものである。このことは人の個体発生でも示される。前鋸筋の起始は上部8ないし9本の肋骨の外側面。停止は肩甲骨椎骨縁(内側縁の肋骨面)。機能として肩甲骨の外転、肩甲骨を固定した場合は肋骨を引き上げる。神経支配は長胸神経。動脈は外側胸動脈から受ける。)

Levatores costarum; Levatores costarum muscle; Levator muscle of rib(肋骨挙筋)Musculi levatores costarum ろっこつきょきん Feneis: 106_10

[A04_4_01_009] →(肋骨挙筋の起始は12対あって第7頚椎および上位11個の胸椎の横突起から起こる。停止は起始である椎骨の下の肋骨の外面で結節と角の間。機能として脊柱の回旋と側屈、肋骨の挙上。吸気の補助。神経支配は胸神経の前枝。動脈は肋間動脈背枝から受ける。肋骨挙筋は、外肋間筋からの材料を含み、肋間神経からの補助神経支配をさまざまな点で受けることが明らかにされている。長い間、これらの筋は外肋間筋の派生物と考えられていた。短肋骨挙筋は横突起から直下の下位の肋骨へ長肋骨挙筋は中間胸部にないがさらに1つ下の肋骨へ急傾斜して走る。)

Levatores costarum longi; Levatores costarum longi muscle; Long levators of the ribs(長肋骨挙筋;長横突肋骨筋)Musculi levatores costarum longi; Musculi transversocostales longi ちょうろっこつきょきん;ちょうおうとつろっこつきん Feneis: 106_11

[A04_4_01_010] →(長肋骨挙筋は、より急激に下方に走行し、一肋間を越える。この筋は、通常、胸部の上方または下方にのみみられる。)

Levatores costarum breves; Levatores costarum breves muscle; Short levators of the ribs(短肋骨挙筋;短横突肋骨筋)Musculi levatores costarum breves; Musculi transversocostales breves たんろっこつきょきん;たんおうとつろっこつきん Feneis: 106_12

[A04_4_01_011] →(短肋骨挙筋は、単一体節性の筋であり、次の下位の肋骨の助骨角の内側に停止する。)

External intercostal muscle(外肋間筋)Musculi intercostales externi がいろっかんきん Feneis: 106_13

[A04_4_01_012] →(外肋間筋は、肋間筋の表層を形成する。この筋は肋骨結節から肋骨の骨軟骨境界に至るまで全肋間に分布する。この筋線維は後上から前下に向かって斜走する(外腹斜筋と同様に)。)

External intercostal membrane(外肋間膜;肋間外膜;外肋間靱帯)Membrana intercostalis externa; Ligamenta intercostalia externa がいろっかんまく;ろっかんがいまく;がいろっかんじんたい Feneis: 106_14

[A03_3_01_002] →(外肋間膜は外肋間筋の前端のつづきで、肋軟骨間を結合組織性の線維束によって結び、外肋間筋と同じ走行を示す。)

Internal intercostal muscle(内肋間筋)Musculi intercostales interni ないろっかんきん Feneis: 106_15

[A04_4_01_013] →(内肋間筋は全肋間内で外肋間筋によって覆われている。この筋線維は(外肋間筋に対して約90°の方向を示すが)後下方から前上方に走行する(下方では明確な境界を示すことなく付着する内腹斜筋の筋線維と同様に)。内肋間筋は腹側では胸骨まで、背側では肋骨角にまで広がっているにすぎない。肋骨の背側端では、筋線維束は腱様の内肋間膜によって置換されている。内肋間筋の深層は肋間動静脈と神経によって分けられ、最内肋間筋となる。肋軟骨間に位置する内肋間筋の位置する内肋間筋の部分は軟骨間筋とも言われる。)

Internal intercostal membrane(内肋間膜;内肋間靱帯)Membrana intercostalis interna; Ligamenta intercostalia interna ないろっかんまく;ないろっかんじんたい Feneis: 106_16

[A03_3_01_003] →(内肋間膜は内肋間筋の後端と脊柱の間にあり、内肋間筋と同じ走行の線維からなる薄い膜で、その内側は上肋横突靱帯の前部のものにつづく。)

Innermost intercostal muscle(最内肋間筋)Musculi intercostales intimi さいないろっかんきん Feneis: 106_17

[A04_4_01_014] →(内肋間筋の内面に重なり、これとまったく同じ走行の筋束からなるが、両者の間を肋間神経が血管とともに走るので区別される。前端は肋軟骨との結合部に達せず、後端は全筋より外側になることが多い。)

Subcostales muscle(肋下筋)Musculi subcostales ろくかきん Feneis: 106_18

[A04_4_01_015] →(肋下筋の起始は筋肉と腱膜の束で、胸郭の下部で最も発達している。肋骨角の近くの肋骨内面から起こる。停止は起始である肋骨の下の肋骨の上縁。機能として肋骨下制(ひきさげ)の補助。神経支配は肋間神経の筋枝。動脈は筋横隔動脈、後肋間動脈から受ける。)

Transversus thoracis muscle; Transverse thoracic muscle(胸横筋)Musculus transversus thoracis きょうおうきん Feneis: 106_19

[A04_4_01_016] →(胸横筋の起始は剣状突起から第3肋軟骨の高さまでの胸骨体の裏面。下位3~4本の肋骨の肋軟骨胸骨縁。停止は第2,3,4,5,6肋軟骨下縁と内面。下方の筋束のみ横に走行し、上方の筋束は斜めに上行する筋の上側部はしばしば腱化する。機能としては肋軟骨の下制。呼気の筋。神経支配は上部6本の胸肋間神経の前枝。動脈は内胸動脈の頬骨枝、肋間動脈から受ける。)

Pectoral fascia; Pectoralis major fascia(胸筋筋膜;胸筋膜;大胸筋筋膜;浅胸筋膜)Fascia pectoralis; Fascia pectoralis major; Fascia pectoralis superficialis きょうきんきんまく;きょうきんまく;だいきょうきんきんまく Feneis: 106_20

[A04_4_01_017] →(胸筋筋膜は大胸筋をおおう筋膜で、体壁筋の表面をおおう筋膜の一部分である。したがって、上方は鎖骨について頚筋膜浅葉に、内側は胸骨について対側の同名筋膜に、下方は浅腹筋膜に連続する。外側では、上方は三角筋膜に、下方は前鋸筋をおおう筋膜に、中間では腋窩筋膜に連続する。なお、大胸筋の裏面では筋膜は発達が不良である。)

Clavipectoral fascia; Deep pectoral fascia(鎖骨胸筋筋膜;烏口鎖骨胸筋膜;深胸筋筋膜)Fascia clavipectoralis; Fascia coracocleidopectoralis さこつきょうきんきんまく;うこうさこつきょうきんまく;しんきょうきんきんまく Feneis: 106_21

[A04_4_01_018] →(鎖骨胸筋筋膜は浅胸筋第2層の筋膜で、4部に分けられる。第1部は鎖骨下筋を包み、上方は鎖骨につく。第3部は小胸筋の前後を包む。第2部は鎖骨下筋と小胸筋の間隙に張り、狭義の鎖骨胸筋筋膜であり、胸肩峰動静脈胸筋枝、外側胸筋神経に貫かれる部分は卵形の篩状筋膜の形をとるので、鎖骨下卵円窩という。第4部は小胸筋と腋窩筋膜を接続し、烏口腋窩筋膜という。この筋膜は、腋窩筋膜を上内方につり上げて、腋窩のくぼみの形成に関与しているとの見方があり、この観点から腋窩提靱帯とも呼ばれる。)

Endothoracic fascia; Parietal fascia of thorax(胸内筋膜;胸壁側筋膜)Fascia endothoracica きょうないきんまく;きょうぶのへきそくきんまく Feneis: 180_20

[A04_4_01_020] →(胸内筋膜は最内肋間筋と内肋間膜、肋下筋、胸横筋、横隔膜などの内面を被う。胸膜や心膜が固く結合する横隔膜上面ではほとんど認められない。また胸郭上口より上柄は胸膜頂を被って厚くなり、第7頚椎横突起に結合する。この部を胸膜静脈あるいはSibson's fasciaという。)

Diaphragm(横隔膜)Diaphragma おうかくまく Feneis: 106_24

[A04_4_02_001] →(横隔膜は胸腔と腹腔との境を作る膜状筋で、胸郭下口の周りから起こる。この起始部を腰椎部、肋骨部、胸骨部の3部に分ける。これらの部から出る筋束は全体として円蓋のように胸腔に盛り上がって集まり、中央部の腱膜につく。これを腱中心という。横隔膜の上面は胸内筋膜および胸膜と心膜、下面は横隔膜筋膜(横筋筋膜の一部)および腹膜(肝臓その他の臓器が接する部分を除いて)被われる。ドーム状の横隔膜は胸腔の床および腹腔の天井となる。閉鎖した筋腱様のしきりは哺乳類の特質である。横隔膜は最重要な呼吸筋である。筋素材は系統発生的に第3~5の頚部筋節から由来し、頚神経叢からの横隔神経(C4(3,5))に支配される。筋性横隔膜は腰椎部、肋骨部、胸骨部から形成される。)

Lumbar part of diaphragm(腰椎部(横隔膜の))Pars lumbalis (Diaphragmatis) ようついぶ(おうかくまくの) Feneis: 106_25

[A04_4_02_002] →(横隔膜の腰椎体からの起始は腰椎部と呼ばれ、左右の2脚からなる。左脚は第1~第3腰椎体から、右脚は第1~第4腰椎体から、椎体前面の前縦靱帯と密着して腱様に起こって上行している。)

Right crus of diaphragm(右脚(横隔膜の))Crus dextrum (Diaphragma) うきゃく(おうかくまくの) Feneis: 106_26

[A04_4_02_003] →(右脚は第1~第3腰椎体(右側ではL4も)から起始する。両側の右脚の内側縁は大動脈孔(大動脈裂孔)を縁取る。この孔は腱様弓、即ち正中弓状靱帯に囲まれ、横隔膜の収縮時に圧迫さえることなく拡大する。大動脈およびその後の胸管がこの裂孔を通る。この孔より上方では、脚から筋束が分束する。この筋束は通常右内側脚よりのものが強く、左内側脚よりのものがやや弱い。両側の筋束は互いに交叉する。しかしながら、優位なのは右脚からの筋束と左脚に渡る右脚由来の筋束であり、これらの筋束は食堂裂孔を縁取る。この裂孔は正中面の左側へ有意に偏位し、大動脈裂孔の上方に一知る。食堂はその通路の筋性縁と疎性結合組織によって可動的に結びつけられている。両側の内側脚の筋線維は腱中心の中葉の後縁に向かって走行する。食堂や前および後迷走神経幹が通る食堂裂孔は横隔膜の収縮によって縮小する。右側で大内臓神経と奇静脈;左側で半奇静脈の入口はL2又はL3の高さで右脚の狭い外側部で境される。ここは以前には“中間脚”と分離して言われていた。)

Left crus of diaphragm(左脚(横隔膜の))Crus sinistrum (Diaphragma) さきゃく(おうかくまくの) Feneis: 106_27

[A04_4_02_004] →(腰椎部の左脚は二分する起始を持つ。内側部は第1と第2腰椎の外側表面からと第1又は第2腰椎の肋間突起に渡る腱弓から由来する。この弓は腰筋を内側弓状靱帯(腰筋弓)としてまたぐ。外側部は外側弓状靱帯から形成される。この靱帯は第1又は第2腰椎の外側突起から腰方形筋を越えて第12肋骨まで伸びる腱弓である(方形筋弓)。左脚の筋線維は右脚のものと比較すると薄く平らであり、腱中心に向かって急激に上行する。小内臓神経が右脚を通る大内臓神経と一緒に走行しないとすれば、右脚と左脚の間の間隙を、小内臓神経と共に交感神経幹が通る。)

Median arcuate ligament(正中弓状靱帯)Ligamentum arcuatum medianum せいちゅうきゅうじょうじんたい Feneis: 106_28

[A04_4_02_005] →(左右両脚の間には、椎体前面を下行する大動脈を被う正中弓状靱帯がある。)

Medial arcuate ligament; Medial lumbocostal arch(内側弓状靱帯;内側腰肋弓)Ligamentum arcuatum mediale; Arcus lumbocostalis medialis ないそくきゅうじょうじんたいHaller's arches Feneis: 106_29

[A04_4_02_006] →(内側弓状靱帯は第(1)腰椎体の側面と第2腰椎の肋骨突起との間に張り、その下を大腰筋が通る。)

Lateral arcuate ligament; Lateral lumbocostal arch(外側弓状靱帯;外側腰肋弓)Ligamentum arcuatum laterale; Arcus lumbocostalis lateralis がいそくきゅうじょうじんたいHaller's arches Feneis: 106_30

[A04_4_02_007] →(外側弓状靱帯は腰方形筋を越えて、第2腰椎の肋骨突起と第12肋骨の先端との間に張る。)

Costal part of diaphragm(肋骨部(横隔膜の);横隔膜肋骨部)Pars costalis diapharagmatis ろっこつぶ(おうかくまくの);おうかくまくろっこつぶ Feneis: 106_31

[A04_4_02_008] →(横隔膜肋骨部は下位6個の肋骨の軟骨内側面から順に腹横筋の起始筋膜と交互に起こる。肋骨部筋束は横隔膜の筋性ドームの主たる部分を形成し、腱中心の外側又は前縁に停止する。)

Sternal part of diaphragm(胸骨部(横隔膜の))Pars sternalis diaphragmatis きょうこつぶ(おうかくまくの) Feneis: 106_32

[A04_4_02_009] →(横隔膜胸骨部は狭く薄い。この部の筋線維は剣状突起の背側より起始する。個々の筋線維は腹横筋の筋膜からも由来する。この胸骨部は腱中心の中葉前縁に停止する。)

Aortic hiatus(大動脈裂孔)Hiatus aorticus だいどうみゃくれっこう Feneis: 106_33

[A04_4_02_010] →(大動脈裂孔は第12胸椎の椎体の前で、横隔膜の腰椎部の左脚と右脚との間にある裂孔で、胸大動脈のほか、それにまつわる交感神経叢(大動脈神経叢)と、奇静脈、胸管が通る。)

Oesophageal hiatus; Esophageal hiatus(食道裂孔;食道孔)Hiatus oesophageus; Foramen oesophagicum しょくどうれっこう;しょくどうこう Feneis: 106_34

[A04_4_02_011] →(食道裂孔は大動脈裂孔の左前上方にある裂孔。第10胸椎の高さで、腰椎部の左脚と右脚とから起こる筋線維束でループ状に囲まれる。この裂孔には、食道の他に、左胃動脈の枝、迷走神経、左横隔神経の枝が通る。)

Phrenico-oesophageal ligament; Phrenicoesophageal ligament; Phrenicoesophageal membrane(横隔食道膜;横隔食道靱帯)Ligamentum phrenicooesophagealis; Membrana phrenicooesophagealis おうかくしょくどうまく;おうかくしょくどうじんたい Feneis: 106_35

[A04_4_02_012] →(食道が横隔膜を通過する部分(食道裂孔)では横隔膜を包む筋膜が食道の外膜に移行する。この移行部を横隔膜食道靱帯(筋膜)という。横隔膜下面(腹腔面)が主体を占める(Eliska, O.: Acta anat., 89, 1973)。)

Central tendon of diaphragm(腱中心(横隔膜の))Centrum tendineum (Diaphragma) けんちゅうしん(おうかくまくの) Feneis: 106_36

[A04_4_02_013] →(腱中心は上方からみるとV-型を示す。小さな中葉部は腹方に向かい、より大きい外側葉は両側で、背外側に向かう。右外側葉はその基部近くの後縁で大静脈孔によって貫通される。この孔を介して、下大静脈と右横隔神経の横隔膜枝が通過する。普通楕円形である孔は不動の交叉する腱様束で取り巻かれており、又、この腱様束は静脈壁と固着するために静脈腔は常に開いている状態を保つ。腱中心の中葉と両外側葉の基部は心膜とともに成長するので、下大静脈孔は融合した面に存在する。この馬では横隔膜の弯曲はやや圧迫される(心座)ので左右のドームは顕著になる。右ドームの下には(それは左ドームより1/2~1肋間高位にあるが)肝臓が存在し、左ドームの下には胃が存在する。)

Caval opening; Foramen for vena cava(大静脈孔)Foramen venae cavae だいじょうみゃくこう Feneis: 106_37

[A04_4_02_014] →(大静脈孔は腱中心で、正中線で、正中線のすぐ右側にある。第8胸椎の高さにある。大静脈孔には、下大静脈のほかに、右横隔神経の枝が通る。)

Sternocostal triangle; Sternocostal trigone(胸肋三角;胸肋線維三角)Trigonum sternocostale; Trigonum fibrosum sternocostale きょうろくさんかくMorgagni, Triangle of Feneis: 108_01

[A04_4_02_015] →(横隔膜の胸骨部と肋骨部との間には筋束を欠く抵抗の弱い胸肋三角がある。胸肋三角を上腹壁動静脈が通る。)

Lumbocostal triangle; Lumbocostal trigone; Bochdalek's triangle(腰肋三角)Trigonum lumbocostale; Trigonum fibrosum lumbocostale diaphragmatis ようろくさんかくBochdalek's triangle Feneis: 108_02

[A04_4_02_016] →(横隔膜の腰椎部と路骨部との間には筋束を欠く抵抗の弱い腰肋三角がある。)

Diaphragmatic fascia(横隔膜筋膜)Fascia diaphragmatica おうかくまくきんまく Feneis: 108_03

[A04_4_02_017] →(横筋筋膜の上部の横隔膜の下面を被う部分を横隔膜筋膜という。)

最終更新日:19/10/13

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