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- 757_01【Right lobe of thyroid gland右葉(甲状腺の) Lobus dexter (Glandulae thyroideae)】
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- 757_02【Phrenic nerve横隔神経 Nervus phrenicus】 Nerve arising from C4 with accessory branches from C3 and C5. It lies on the anterior scalene muscle and then passes anterior to the hilum of lung to the diaphragm, with some fibers continuing into the peritoneum.
→(第3~5頚神経から出て頚神経叢を形成し、主に第4頚神経から起こる。頚部では前斜角筋の前面に沿って、また胸腔中では縦隔胸膜と心膜との間を通って、それぞれ走行する。横隔膜にいたる運動神経であるが、壁側縦隔胸膜、心膜、横隔胸膜、腹膜に知覚神経を送り(心臓枝)、腹腔神経叢からの枝と交通する(横隔腹枝)。時に鎖骨下筋神経または腕神経叢の他の神経から小枝が出てて、第1肋骨付近の高さで横隔神経に合することがあるが、これを副横隔神経という。)
- 757_03【Brachial plexus; Brachial nerve plexus腕神経叢 Plexus brachialis】 Nerve plexus formed by the ventral rami of spinal nerves C5-T1 that supplies the arm and partly also the shoulder girdle. It passes between the anterior and middle scalene muscles to the head of humerus. It can be divided into supraclavicular and infraclavicular parts.
→(腕神経叢は通常第5~8頚神経の全部および第1胸神経の大部分からはじまるが、またしばしば第4頚神経および第2胸神経と細枝で交通する。この神経叢は前斜角筋と中斜角筋との間を通って上内方から下外方に走り、鎖骨の下を通って腋窩に至り、上腕帯および自由上肢部の諸部に枝を与えるもので、脊髄神経叢のなかで最も発育がよい。腕神経叢の出来肩は極めて独特で、まず第5,6頚神経が合して1幹を作り、第7頚神経はそのまま独立に1幹をなし、第8頚神経と第1胸神経と合して1幹を作るが、これをそれぞれ上神経幹、中神経幹および下神経幹という。この3幹はつぎにおのおの前後2枝に分かれるこれらの枝うち、後枝は3本合して1本の後神経束を作り、その延長が橈骨神経となる。前枝は上中2本が合して新たに外側神経束を生じ、下神経幹の前枝はそのまま内側神経束となる。この内外の神経束はおのおの分かれて2枝となり、かくして出来た4枝のなかで中央の2枝が合して正中神経を作り、外側枝は筋皮神経となり、内側枝はさらに分かれて尺骨神経、内側上腕皮神経、内側前腕皮神経の枝となる。腕神経叢をその値する部位により鎖骨上部と鎖骨下部とに分ける。鎖骨上部は鎖骨上窩で胸鎖乳突筋下部の後にあり、鎖骨下部は鎖骨下で大小両胸筋に被われて腋窩に至る。)
- 757_04【Cervical pleura; Dome of pleura; Pleural cupula胸膜頂 Cupula pleurae】 Part of the parietal pleura over the apex of lung at the superior thoracic aperture.
→(胸膜頂(頚胸膜)は頚に3cmほど伸びだし、その頂点は肺の頂点を覆う帽子状の盛り上がりをつくる。)
- 757_05【Thymus胸腺 Thymus】 Lymphoid organ situated in the thymic triangle. It regresses during puberty.
→(胸腺は縦隔上部の正中線上にある無対の臓器まで、心膜の前面から頚の下部に達する。生後とくに小児期に発達し、思春期までは増量して、30~40gに達するが、その後は急速に退縮して、成人では脂肪組織で置き換えられる。かつては胸腺は内分泌器に入れられていたが、その組織構成と機能から脾臓、リンパ節とともに造血器または免疫系に入れられるべきである。発生学的には胸腺は左右両側の第3鰓嚢の内胚葉上皮に由来する。胸腺を構成する細胞はリンパ球、細網細胞および少数の大喰細胞であるが、この中で内胚葉上皮に由来する細胞は細網細胞だけである。リンパ球は胎生期には卵黄嚢に、生後は骨髄に由来する肝細胞が、胸腺原基にできて、そこで増殖分化してリンパ球になるのである。組織学的には胸腺は結合組織性中隔に分けられる、多数の小葉から構成され、各小葉は濃染する皮質と、淡染する髄質とからなる。髄質の中心部にはしばしば胸腺小体(Hassall小体)とよばれる角化した上皮の不規則形の塊が出現する。このように皮質、髄質に分けられるが、両者の区分は明瞭ではなく、細胞構成は両者の間にほとんど差がない。すなわち上皮由来の細網細胞のつくる細網の網眼に、多数のリンパ球がつまっている。間葉系の細網組織に比べると、細網線維がほとんどないこと、星状をなす細網細胞が互いにデスモゾームで結合されて細網(reticulum)をつくることから、細胞性細網ともよばれ、その細胞内には張細糸を有することや、角化あるいは石灰化してHassall小体をつくる細胞が重層扁平上皮の特徴を示すことから、その上皮由来は明らかである。胸腺のリンパ球は形態的には他のリンパ組織や血液、リンパ中のリンパ球と区別しがたい。しかし免疫学的には特有のTリンパ球である。)
- 757_06【Mediastinal part of parietal pleura; Mediastinal pleura縦隔胸膜;縦隔部(壁側胸膜の) Pars mediastinalis pleurae parietalis; Pleura mediastinalis】 Part of the parietal pleura that lines the mediastinal surfaces of the lung.
→(壁側胸膜の縦隔胸膜は縦隔を覆う。)
- 757_07【Clavicle; Collar bone鎖骨 Clavicula】
→(鎖骨は胸骨上縁のところにある棒状の骨。鎖骨の内側端を鎖骨端といい、その内側面には四角形の頬骨関節面があって、頬骨の鎖骨切痕と連結する。また、外側端を肩峰端といい、その外側面には楕円形の肩峰関節面があって肩甲骨と連結する。鎖骨下面の胸骨端の近くには胸鎖靱帯圧痕、肩峰端のすぐ近くには円錐靱帯結節という粗面があり、それぞれ同名の靱帯が付着する。鎖骨は結合組織生骨であり、全身の骨の中では最も早く骨化がはじまる(胎生第5週)が、骨化の完了する時期は25最以後で長骨の中では一番遅い。鎖骨は一般の長骨と異なり髄腔がなく、内部は海綿質でみたされている。哺乳類のうち上肢を歩行以外にも使用する(たとえば、物をつかんだり、からだの前で上肢を交差させる動作など)動物では鎖骨は発達しているが、上肢を前後方向に動かして歩行だけに使用する動物では鎖骨はないか、あっても痕跡的である。したがって霊長目や齧歯目では鎖骨が発達し、食肉目や有蹄目には鎖骨がない。語源はClavis(腱、カンヌキ)の縮小形で小さな鍵という意味。)
- 757_08【Superior lobe of lung; Upper lobe of lung上葉(肺の) Lobus superior pulmonis】 Superior lobe that extends posteriorly to the fourth rib. In the right lung, its inferior border runs anteriorly at about the level of the fourth rib. In the left, its inferior border extends to the osseocartilaginous border of the sixth rib.
→(後方では第四肋骨まで達する。右側では、その下端は第四肋骨にほぼ沿って、前方へいたる。左側では、第六肋骨の骨軟骨境界まで達する。 (Feneis))
- 757_09【Inferior lobe; Lower lobe of lung下葉(肺の) Lobus inferior pulmonis】 It mainly extends dorsally. Its superior border runs obliquely from posterosuperior to anteroinferior. It begins paravertebrally at the fourth rib and ends at the intersection of the middavicular line and the sixth rib.
→(後側に主な拡がりをもつ。その上限界上後方から下前方へ斜めに走り、第四肋骨から脊柱側方で鎖骨中間線を第六肋骨が切る線までいたる。 (Feneis))
- 757_10【Middle lobe of right lung中葉[右肺の] Lobus medius (Pulmo dexter)】 Present only in the right lung. It lies in front of the midaxillary line between the fourth and sixth ribs.
→(右側のみにある。第四肋骨と第六肋骨の間、腋窩中間線より前に位置する。 (Feneis))
- 757_11【Diaphragm横隔膜 Diaphragma】 Dome-shaped musculofibrous septum dividing thoracic and abdominal cavities. I: Phrenic nerve.
→(横隔膜は胸腔と腹腔との境を作る膜状筋で、胸郭下口の周りから起こる。この起始部を腰椎部、肋骨部、胸骨部の3部に分ける。これらの部から出る筋束は全体として円蓋のように胸腔に盛り上がって集まり、中央部の腱膜につく。これを腱中心という。横隔膜の上面は胸内筋膜および胸膜と心膜、下面は横隔膜筋膜(横筋筋膜の一部)および腹膜(肝臓その他の臓器が接する部分を除いて)被われる。ドーム状の横隔膜は胸腔の床および腹腔の天井となる。閉鎖した筋腱様のしきりは哺乳類の特質である。横隔膜は最重要な呼吸筋である。筋素材は系統発生的に第3~5の頚部筋節から由来し、頚神経叢からの横隔神経(C4(3,5))に支配される。筋性横隔膜は腰椎部、肋骨部、胸骨部から形成される。)
Lallouette's pyramid
- 757_12Lallouette's pyramid【Pyramidal lobe of thyroid gland錐体葉(甲状腺の) Lobus pyramidalis glandulae thyroideae】 Remnant forming a medial cord of thyroid tissue.
→(正中部にときに錐体形に存在する発生学的遺残。 (Feneis))
- 757_13【Internal jugular vein; Jugular vein内頚静脈 Vena jugularis interna】 Main vein of the neck that extends from the jugular foramer to the venous angle.
→(内頚静脈は脳、顔と頚の浅層からの血液を集める。この大きな静脈は、後頭蓋窩の後静脈孔で、S状静脈洞から直接つながって始まり、内頚動脈についで総頚動脈に沿って下行し、鎖骨下静脈と合して腕頭静脈に終わる。上端と下端では肥大しており、それぞれ頚静脈上球ならびに頚静脈下球とよばれる。内頚静脈に注ぐ根として蝸牛小管静脈、咽頭静脈、舌静脈、上甲状腺静脈、顔面静脈、下顎後静脈がある。内頚静脈と鎖骨下静脈とが合流するところを静脈角angulus venosusといい、左側の静脈角には右胸管が開口し、右側の静脈角の近くには右リンパ幹が注いでいる。)
- 757_14【Left lobe of thyroid gland左葉(甲状腺の) Lobus sinister (Glandulae thyroideae)】
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- 757_15【Common carotid artery総頚動脈 Arteria carotis communis】 Artery of the neck without any branches. It runs on both sides of the trachea and larynx and passes deep to the sternocleidomastoid. It arises on the right from the brachiocephalic trunk and on the left from the aortic arch.
→(総頚動脈は頭部に血液を送る血管の主幹。右は腕頭動脈の枝、左は大動脈弓の上行部より出る。そのため左総頚動脈は右のものよりも4~5cm長い。総頚動脈は枝を出さず、気管・喉頭の両側を上行し、甲状軟骨上縁の高さで音叉のような形をなし内・外頚動脈に分かれる。分岐部の後側には頚動脈小体が存在する。また分岐部のないし内頚動脈始部の壁はやや薄く膨隆しており(頚動脈洞)、舌咽神経の枝を介し血圧を感受するという。)
- 757_16【Vagus nerve [X]迷走神経[脳神経X] Nervus vagus [X]】 Nerve arising from the fourth and fifth pharyngeal arches. It emerges from the medulla oblongata together with CN IX in the posterolateral sulcus and passes through the jugular foramen. Its distribution area extends into the thoracic and abdominal cavities.
→(迷走神経は第10脳神経で、上方の舌咽神経、下方の副神経の間で延髄の外側から多数の小根によって起こる混合神経で胸腹部の諸内臓に分布する副交感神経節前神経線維(延髄迷走神経背側核に細胞体をもつニューロンの神経突起)を主成分としている。これらの線維が胸腹部を走行するあいだに、きわめてしばしば自律神経叢を形成してどこに神経の本幹が存在するか不明瞭となるため、迷走神経の名がつけられた。また迷走神経には胸腹部の内臓の知覚を伝える神経線維(その細胞体は迷走神経の下神経節内に存在する)、咽頭下部および後頭の筋への運動線維(延髄疑核に発し、咽頭に分布するものは舌咽神経からの枝とともに咽頭壁において咽頭神経叢を形成したのち筋に分布する)、咽頭下部および後頭の粘膜への知覚神経線維、などが含まれる。後頭に分布する運動および知覚神経線維は下神経節の直下で後頭に向かう上喉頭神経となるか、あるいは胸腔内で迷走神経本幹から下喉頭神経として分かれて頚部を反回神経として上行するかして目的の器官に達する。)
- 757_17【First rib [I]第一肋骨 Costa prima [I]】 The only rib that is only bent around the edge.
→(第1肋骨は強い弓状の弯曲を示すが、ねじれがほとんどないので、上下に扁平である。肋骨頚は細いが、肋骨体は幅広い。第1肋骨での上面と下面の区別は他の肋骨ほど容易ではない。しかし上面では肋骨体の中央で内側知覚に小さな突出物(前斜角筋が付くところ)があり、この小突出物のすぐうしろには、肋骨体を斜めに横切る幅1cm弱の浅い溝(肋骨下動脈が接するための溝)が見える。小突出物の前方にも更に幅の広い溝(鎖骨顆上脈が接するためのくぼみ)があるが、その輪郭ははっきりしないことが多い。第1肋骨の肋骨頭関節面もクサビ形でなく、丸い凸面を示す。また第1肋骨ではその弯曲が急に変わる点(すなわち他の肋骨での肋骨角に相当する部分)が肋骨結節に一致している。)
- 757_18【Subclavian artery鎖骨下動脈 Arteria subclavia】 Artery that passes with the roots of brachial plexus between the anterior and middle scalene muscles through the scalene space, over the first rib in the groove for the subclavian artery. From the lateral border of the first rib, it continues as the axillary artery.
→(鎖骨下動脈は上肢の主幹動脈の根部をなし、右側は腕頭動脈から、左側は大動脈弓からそれぞれ分かれてはじまり、前斜角筋の後方を通って第1肋骨外側縁で腋窩動脈につづく。胸・頚・上肢移行部の動脈として、多彩な分枝と変異に富むことを特徴とする。分枝はつぎの通りである。椎骨動脈、内胸動脈、甲状頚動脈、肋頚動脈、下行肩甲動脈に分枝し、第一肋骨を越えたところで腋窩動脈となる。)
- 757_19【Axillary vein腋窩静脈 Vena axillaris】 Continuation of the subclavian vein. It extends from the lateral border of the first rib to the inferior border of the tendon of the pectoralis major.
→(腋窩静脈は上肢の静脈を集める。大胸筋の下縁の高さで上腕静脈からつづいておこり腋窩動脈の内側に沿って走り、第1肋骨の高さで鎖骨顆上脈に注ぐ。枝として①外側胸静脈、②胸腹壁静脈、③乳輪静脈叢がある。)
- 757_20【Lingula of left lung; Lingula of superior lobe of left lung小舌;左肺の小舌 Lingula pulmonis sinistri】 Projection between the cardiac notch of the left lung and the inferior border of the left superior lobe.
→(左上葉の心切痕と下縁との間にある角。 (Feneis))
- 757_21【Pericardium心膜 Pericardium】 Lubricant-containing sheath enclosing the heart. It consists of a fibrous layer and a double-layered serous coat.
→(心膜は心臓と大血管起始部の被覆と活動のための膜。外層の線維性心膜fibrous pericardiumと内層の漿膜性心膜serous pericardiumの2層からなる閉鎖嚢。漿膜性心膜は心臓表面を直接おおう臓側板(心外膜)と線維性心膜の内面をおおう壁側板にわけられる。線維性心膜は強靱な膜で、大血管の壁につづき、心臓を固定・保持するとともに、その急激な過度の拡張を防ぐ。さらに心臓は心膜腔で囲まれ、潤滑な心膜性心膜で包まれるので、摩擦なく拍動することができる。)
- 757_22【Costal part of parietal pleura; Costal pleura肋骨胸膜;肋骨部(壁側胸膜の) Pars costalis pleurae parietalis; Pleura costalis】 Part of the parietal pleura that lies on the inner surface of the thoracic wall.
→(壁側胸膜の肋骨胸膜は、胸壁の内面(胸骨、肋軟骨、肋骨、肋間筋、肋間膜、胸椎の側面)を覆う。)