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- 330_00【Hip joint股関節;股大腿関節 Articulatio coxae; Articulatio coxofemoralis】 Articulation formed by the acetabulum and the head of the femur.
→(股関節は寛骨臼と大腿骨頭とによってつくられる球関節で球体の約2/3に相当する広さをもつ大腿骨頭は、その半分以上が寛骨臼におおわれ、そのために運動は著しく制限されている。このような関節をとくに臼状関節とよんで、肩関節のような球関節と区別する。寛骨臼の内面ではその周辺の月状面のみが関節軟骨でおおわれ、中央の深い寛骨臼窩は滑膜でおおわれた脂肪組織でみたされている。また、寛骨臼の周縁は線維軟骨性の関節唇によって補強され、関節窩がさらに深められる。関節唇が寛骨臼切痕を橋渡ししてつづく部分を寛骨臼横靱帯といい、この深層でほね間隙を血管がまわりの脂肪組織を伴って関節腔内に侵入する。関節包は強く、上方では関節唇の外面、あるいはこれをこえて寛骨臼の周縁につく。下方では大腿骨頚をほとんど包み、前面では転子間線に、後面では転子間稜のやや上方で大腿骨頚につき、また内側では小転子に接してつく。股関節の運動は、屈曲、伸展、内転、外転、描円および回旋に分析されるが、運動の範囲は膝関節をまげた状態では、寛骨からおこり、膝関節をこえて脛骨や腓骨につく大腿の筋や靱帯による運動性限が除かれるために拡大される。股関節の運動は屈伸、内・外転および回旋を行う。伸展位からの屈曲は膝関節をも屈すると120°、後方への過伸展15°(この位置で大腿骨頭は寛骨臼内で固定される)、内転10°、外転40°、内方回旋50°、外方回旋15°である。股関節を少し屈し、やや外転、回旋した位置からは屈伸合計約160°、内外転合計140°、回旋合計約100°となる。なお、股関節の屈伸運動の横軸は大腿骨頭の中心と大転子の頂点とを結ぶ線で、立体においてこの線の直角をなして大腿骨頭から下る線は大腿骨下端の膝蓋面を通り、脛骨上端の顆間隆起から脛骨中に入り、その中軸を下って、下関節面を出た後に距骨に入る。この線が下肢の回旋軸で、大腿骨体の軸との間に約6°の角をなし、立位の靱帯の垂直線とも平行しない。また大腿骨軸と脛骨体軸とのなす角は174°である。)
- 330_01【Anterior inferior iliac spine下前腸骨棘 Spina iliaca anterior inferior】 Bony projection at the anterior border of the ilium giving origin to the rectus femoris muscle.
→(腸骨稜の前縁は上前腸骨棘にはじまり、その下にくぼんだ部を隔てて下前腸骨棘があり、それから寛骨臼の前上縁に達する。)
Bertin's ligament; Bigelow's ligament
- 330_02Bertin's ligament; Bigelow's ligament【Iliofemoral ligament腸骨大腿靱帯 Ligamentum iliofemorale】 Strong anterior band that extends from the anterior inferior iliac spine to the intertrochanteric line. It travels in two main directions.
→(腸骨大腿靱帯は下前腸骨棘および寛骨臼上縁から起こり、拡がって転子間線に至る三角形の強い靱帯で、関節包の前面と上面を補強する。しかし転子間線に近い中央部はやや弱いので、強い線維束となる部は逆Y字形となる。特にその外上部は、上方では下前腸骨棘に着く大腿直筋腱の線維、下方では大転子に着く小臀筋腱の線維が表面から加わり、股関節包靱帯のなかでも最大の部分となる。腸骨大腿靱帯は靱帯最大の靱帯で、上半身が股関節より後へ傾くのを防ぐバンドの役目をしている。つまり直立のバランスをとるためには、腸腰筋と共に不可欠のものである。なお上半身が股関節で前へ傾くのを防ぐものとしては、大腿筋が最も重要である。腸骨大腿靱帯の三角筋は両側辺が厚くて中央部が薄いので、英仏ではV字靱帯、またはY字靱帯Y-shaped ligamentと呼んでいる。)
- 330_03【Greater trochanter of femur大転子(大腿骨の) Trochanter major】 Large prominence on the superolateral aspect of the femur for attachment of the gluteus medius, gluteus minimus, and piriformis muscles.
→(大腿骨頚の上外側には大転子(中臀筋、小臀筋、梨状筋がつく)が突出している。転子とはハンドルのことで、その力学的な効用は、たとえば大転子につく中臀筋が大腿骨を外転させている。)
- 330_04【Intertrochanteric line転子間線 Linea intertrochanterica】 Rough line on the anterior aspect of the femur between the neck and the shaft. It extends from the greater trochanter to the lesser trochanter.
→(大腿骨頚の前面では大転子から小転子に向かって転子間線とう粗線が走るが、これは小転子までは達していない。)
- 330_05【Iliopubic ramus; Iliopubic eminence腸恥隆起 Eminentia iliopubica; Eminentia iliopectinea】 Flat eminence near the proximal part of the pubis.
→(恥骨上枝の上端にあたり、寛骨急の前縁から寛骨の前縁に沿う部分が高まって腸恥隆起を作っている。)
- 330_06【Pubofemoral ligament恥骨大腿靱帯 Ligamentum pubofemorale; Ligamentum pubocapsulare】 Ligament that extends from the medial surface of the pubis within the joint capsule to the zona orbicularis and to the portion of the femur proximal to the lesser trochanter. It limits abduction.
→(恥骨大腿靱帯は寛骨臼の恥骨部と、恥骨の上方部にかけての部分から起こり、外下方に走って関節包の前下面を強める。)
- 330_07【Ischial tuberosity坐骨結節 Tuber ischiadicum】 Bony prominence at the inferior border of the lesser sciatic notch.
→(小坐骨切痕より下方の坐骨体は、その後面に大きな楕円形の坐骨結節を作っている。坐骨結節の表面は大腿後面の筋群に起始を与えるために非常に粗になっている。また坐骨結節は腰掛けるときに椅子の面に接して、体重を支える場所である。)
- 330_08【Lesser trochanter of femur小転子(大腿骨の) Trochanter minor】 Small prominence on the posterior aspect of the femur projecting medially from the junction of the neck and shaft. Attachment site of the iliopsoas muscle.
→(大腿骨頚の下内側後方には小転子が突出している。腸腰筋が着く。)
- 330_09【Shaft of femur; Body of femur大腿骨体;大腿骨幹 Corpus femoris】
→(大腿骨体は長い柱状の骨幹をなす部分で、前方に軽く凸弯している。その中央4分の2はほぼ円柱状であるが、上4分の1と下4分の1は楕円柱状に近い。下4分の1は下方にいくにしたがって幅が広くなっている。)