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- 296_01【Occipital bone後頭骨 Os occipitale】 Bone located between the sphenoidal, temporal, and parietal bones.
→(脳頭蓋の後下部にある単一の骨で、頭蓋の脊柱上端に連なる部をつくる。前端に近く大きな大後頭孔があって、それより前方の底部、両側の外側部、後方の後頭鱗の3部に分けられる。前方は蝶形骨体、外方は側頭骨の岩様部、上方は頭頂骨と接するその形はほぼ舟状で、内面はくぼみ、外面はふくれる。後頭骨は胎生期後半には4つの部分に分離している。これらの4部が癒合して単一の骨になるのは生後3~4年たってからであるが、各部の名前だけは成人の骨にも残されている。)
- 296_02【Atlas; First cervical vertebra; [CI]環椎[C1];第1頚椎 Atlas [CI]】 First cervical vertebra. It does not have a body.
→(第一頚椎(環椎)は、ほかの頚椎と比べて特殊な形をしていしている。環椎(第一頚椎)には椎体と棘突起は存在せず、短い前弓と長い後弓および外側塊の三つの部分が大きな椎孔を囲んでいる。前弓は椎体の前縁部に相当し、前面中央には前結節が、後面の中央には歯突起窩がある。後弓は椎弓に相当する部分で、後面の中央には棘突起に相当する部分で、後面の中央には棘突起に相当する後結節がある。外側塊は前弓と後弓を結合する分で著しく肥厚している。外側塊からは外側へ向かってかなり大きい横突起が出ており、横突起の基部には比較的内頚の大きな横突孔がある。外側塊の上面には長楕円形の上関節窩が、下面には平らな下関節窩があって、それぞれ後頭骨の後頭顆、軸椎の歯突起がおさめられてりう。後半の部分は本来の椎孔に相当し、三角形状である。頭上に天空を支えるギリシャの神Atlas(Titan)にちなんで命名された。)
- 296_03【Axis; Second cervical vertebra; C2 vertebra; [CII]軸椎[C2];第2頚椎 Axis; Epistropheus [CII]】 Second cervical vertebra.
→(軸椎(第二頚椎)上半部は特異的な形をしており、犬歯によくにた歯突起が上方に突出している。これは本来環椎の軸体であり、発生の途中、椎体の周辺部から分離し、軸椎体と結合したものである。歯突起の前後面にはそれぞれ前関節面、後関節面があり、前者は軸椎の歯突起窩に、後者は環椎横靱帯と対向する。頭蓋の回旋運動は歯突起を軸とする環椎の回旋運動にによって行われる。椎体上面の上関節面は対向する環椎の下関節面の形によく似て円形平坦である。また、椎弓は強大であり、下椎切痕も著明であるが、上椎切痕は明らかでない。横突起はやや小さく、尖端では後結節だけが認められる。)
- 296_04【Anterior atlanto-occipital membrane前環椎後頭膜 Membrana atlantooccipitalis anterior; Membrana atlantooccipitalis ventralis】 Membranous connection between the anterior arch of the atlas and the occipital bone. It is situated in front of the apical ligament of the dens.
→(前環椎後頭膜は環椎の前弓と大後頭孔の前縁との間に張り、外側は環椎後頭関節の関節包に達する。弾性線維を含み、中部は前縦靱帯の線維が加わるために特に厚い。この膜のつづきにあたるものが環椎前弓と軸椎の椎体前面との間にあり、前環軸膜(JNA)と呼ばれることがある。)
- 296_05【Joint capsule; Articular capsule関節包;関節嚢 Capsula articularis】
→(関節包(関節嚢)は骨膜のつづきで関節腔を完全に包む。関節包は緊張または弛緩することができ、関節体の軟骨におおわれた面の近くに固着している。外層の線維膜(線維層)と内層の滑膜(滑膜層)の2層とからなる。滑膜の内面からぬるぬるした、糸をひくような滑液が分泌され、摩擦を軽減する。)
- 296_06【Vertebral body; Body of vertebra椎体;椎骨体 Corpus vertebrae】
→(椎体は椎骨の前部を占める短い円柱で、上下端は平らな面をつくる。上面と下面はやや広いため、椎体を側面から見ると、中央でややくびれている。後面は椎孔の前壁にあたり、縦に走る浅く広い溝となっている。椎体の上下面は椎間円板と固着する硝子軟骨で被われる。この軟骨の周縁部は骨化し、後方部分が欠けた不完全な輪の形の骨端板を作る。加令によりこの骨端板の骨化はさらに進行し、椎体の上下面の縁が側面から水平に突出するようになる。)
- 296_07【Intervertebral disc椎間円板;椎間線維軟骨 Discus intervertebralis; Fibrocartilagines intervertebrales】 An elastic disc that compresses and rebounds under pressure, consisting of layered rings of fibrous tissue and fibrocartilage around a gelatinous nucleus. It is attached to two adjacent vertebral bodies by their hyaline cartilage plates and by the posterior longitudinal ligament.
→(椎間円板は隣接する2個の椎体間にあって厚い円盤状をなすが、脊柱の部位によりその厚さは異なる。また個々の円板ではその中央部がもっとも厚く、辺縁がやや薄い。円板の厚さが絶対的に、また隣接する椎骨の厚さと相対して厚いほど、椎骨の可動性が大きい。胸椎の中位の椎間円板はそのいずれの意味でも最も薄い。また、頚椎と腰椎では椎間円板の前縁が後縁よりやや厚い。椎間円板の上下面は椎体の面を被う硝子軟骨層と固く結合し、組織的には明瞭な境界がなくて移行する。中心部の髄核とそれを取り囲む外側の結合線維部分(線維輪)からなる。(1)線維輪:外周を輪状に走る部分。(2)髄核:中央にあって弾性に富む。胎生期の脊索の遺物といわれる。胎児の椎間円板中には、この部でとくに太くなる脊索が明瞭である。成人でも髄核組織の一部が脊索の遺物にあたる。椎間円板は単に椎体を結合するのみではなく、弾性体として脊柱の運動および体重をささえることに重要な役割を果たしている。脊柱の屈伸に際して椎間円板の屈側は低く圧迫され、伸側は引き延ばされるが、線維輪のラセン状の線維配列はこのような外力に対する抵抗と、変形のあとの復元とに大切な意義を有する。また、髄核はかたい線維輪のなかにあって、あたかも水枕のように作用し、圧をすべての方向に分散させるとともに屈伸に向かって若干おしつけられる。)
- 296_08【Pharyngeal tubercle; Pharngeal tubercle of occipital bone咽頭結節;後頭骨の咽頭結節 Tuberculum pharyngeum】 Small protuberance on the inferior aspect of the basilar part of the occipital bone that provides attachment to the pharyngeal raphe.
→(後頭骨の底部の下面は筋の付着部となるため全般に粗で、その中央に小さい咽頭結節がある。咽頭結節は咽頭後壁の咽頭縫線が着く所である。その両側には上咽頭収縮筋、そのさらに側方には頭長筋、前頭直筋が着く。)
- 296_09【Basilar part of occipital bone底部(後頭骨の) Pars basilaris (Os occipitale)】 The part that ascends from the foramen magnum to the spheno-occipital synchondrosis.
→(後頭骨の底部は大後頭孔前縁の前方にある長方形の板状部で、内頭蓋底と外頭蓋底の斜台の下半分を作る。両側縁は側頭骨の錐体と軟骨結合している。)
- 296_10【Hypoglossal canal舌下神経管 Canalis nervi hypoglossi; Canalis hypoglossi】 Passageway that begins superolateral to the foramen magnum and ends anterolateral to the occipital condyle. It transmits CN XII and a venous plexus.
→(後頭顆の上方には後内方から前外方に舌下神経の通路である舌下神経管が走る。)
- 296_11【Atlanto-occipital joint環椎後頭関節 Articulatio atlantooccipitalis】 Joint between the atlas and the occipital bone.
→(環椎後頭関節は環椎外側塊の上関節窩と後頭骨の後頭窩(大後頭孔の両側に位置する)との間の関節で、前者が関節窩となり、後者が関節頭をなす。左右の関節面の長軸を延長すると前方で交わること、環椎上関節窩は外縁が高まり、窩の面は上後内方を向き、逆に後頭窩の面は下前外方をむくことなどを考えると、両側の関節面は楕円球面の一部に当たっているとみなされる。したがって全体として、両側の関節は1個の楕円関節として頭に対しいて2軸性に働き、矢状軸を中心とする側屈と横軸を中心とする後屈を行う。環椎後頭関節を補強する靱帯として、前環椎後頭膜と後環椎後頭膜があげられる。(1)前環椎後頭膜:環椎前弓と大後頭孔前縁の間に張る。弾力線維を含む。(2)後環椎後頭膜:環椎後頭弓と大後頭孔後縁の間に張り、弾力線維に富む。外側端に椎骨動脈と第1頚神経を通す孔を残す。この膜は黄色靱帯のつづきとみなされる。)
- 296_12【Transverse process of atlas (C1); Transverse process of cervical vertebrae I横突起;肋横突起(環椎の) Processus transversus (Atlas); Processus costotransversarius atlantis】
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- 296_13【Atlanto-axial joints; Inferior head joint環軸関節;下頭関節 Articulationes atlantoaxiales; Articuli atlantoepistrophici】
→(環椎と軸椎とのあいだの関節。正中環軸関節と外側環軸関節とからなる。(イラスト解剖学))
- 296_14【Transverse process of axis; Transverse process of cervical vertebrae II横突起;肋横突起(軸椎の) Processus transversus (Axis); Processus costotransversarius epistrophei】
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- 296_15【Transverse process of T3 vertebra; Transverse process of 3rd thoracic vertebra横突起(第3胸椎の) Processus transversus (Vertebra thoracica III)】
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- 296_16【Anterior longitudinal ligament前縦靱帯;前総縦靱帯 Ligamentum longitudinale anterius; Ligamentum longitudinale commune ventrale】 Ligament that mainly connects the anterior surfaces of the vertebral bodies.
→(脊柱前面を上下に縦走する帯状の靱帯で、上端は後頭骨底部からおこり、上部では狭く厚いが、環椎前結節を通り、しだいに幅を広げて薄くなり下行し、仙骨前面に至る。中央を走る長い線維と、各椎の前面を結ぶ短い弓状に走る線維とがある。深層の線維は椎間円板の前縁とも結合する。椎間円板ならびに椎体上・下縁との結合は強く、椎体中央部との結びつきは弱い。)