039
- 039_00【Parietal bone頭頂骨 Os parietale】 Bone located between the occipital, frontal, sphenoidal, and temporal bones.
→(頭頂骨は正中線で合して頭頂をつくる1対の頭蓋冠の大部分を形成するほぼ四角形の扁平骨で、4縁、4角、2面を有する。4縁のうち後方で後頭鱗接する部分を後頭縁といい人字縫合をなし、下方で側頭鱗に接する部分を鱗縁といい輪状縫合をなす。4角のうち後上角の後頭角は鈍角、後下角の乳突角は鋭角、前上角の前頭角はほぼ直角、前下角の蝶形骨角は鋭角をなす。外面は頭頂面ともよばれ凸面をなし、中央部でとくに膨隆した部分を頭頂結節という。頭頂結節は胎児および若年頭蓋で著明である。また左右両側の頭頂結節間の距離が頭蓋の幅の最も広いところ、すなわち最大脳頭蓋幅径として知られている。頭頂結節の下方に上下2本の弓状の線が認められるが、上の線を上側頭線といい側頭筋膜の着く所である。下の線を下側頭線といい側頭筋の着くところである。矢状縫合の後方部に頭頂孔という小孔があり、ここを頭頂導出静脈が通る。内面は大脳面ともよばれ凹面をなし、指圧痕、脳隆起、動脈溝などが認められ、骨の上縁に沿って幅の広い矢状溝があり、他側の頭頂骨の同名溝と合して完全な上矢状洞溝となる。この近くには多数の小窩があり、クモ膜顆粒をいれる。また乳突角の部分にはS状洞溝の上部の一部が認められる。)
- 039_01【Sagittal border of parietal bone矢状縁(頭頂骨の) Margo sagittalis (Ossis parietalis)】 Superior margin of the parietal bone located in the sagittal suture.
→(頭頂骨の上方の矢状縁は対側の頭頂骨に接し、矢状縫合をつくる。)
- 039_02【Frontal angle of parietal bone前頭角(頭頂骨の) Angulus frontalis (Ossis parietalis)】 Anterosuperior angle of the parietal bone.
→(前上方の前頭角は直角になっている。)
- 039_03【Groove for superior sagittal sinus上矢状洞溝;矢状溝(頭頂骨の) Sulcus sinus sagittalis superioris; Sulcus sagittalis】
→(頭頂骨の内面の上縁には対側の頭頂骨とつくる矢状縫合に一致して広く浅い上矢状洞溝があり、後頭鱗の内面にある同名の溝のつづきである。)
- 039_04【Internal surface of parietal bone内面(頭頂骨の) Facies interna; Facies cerebralis (Ossis parietalis)】 Surface of the parietal bone facing the brain.
→(頭頂骨の内面は全般にくぼんでおり、脳表面の凹凸に応じて脳隆起、指圧痕および動静脈孔をもとめる。)
Pacchionian granulations
- 039_05Pacchionian granulations【Granular foveolaeクモ膜顆粒小窩;脳膜顆粒小窩;パッキオニ小窩 Foveolae granulares】 Small pits for the arachnoid granulations.
→(パキオニ小体(顆粒)小窩ともよばれる。頭蓋冠の内面にある上矢状静脈洞溝の内および外に脳膜のクモ膜顆粒の嵌入によって生じた1~4mmの多数の小窩をいう。イタリアの解剖学者Antonio Pacchioni (1665-1726)によって、1705年に記載された。)
- 039_06【Sphenoparietal sinus蝶形骨頭頂静脈洞;蝶形頭頂静脈洞 Sinus sphenoparietalis】 Sinus that runs beneath the lesser wing of sphenoid to the cavernous sinus.
→(蝶形骨頭頂静脈洞は浅中大脳葉脈の続きで、蝶形骨の小翼に沿って内側下方へ走り内頚静脈へ流入する。小脳下面、延髄、内耳からの血流を受けている。)
- 039_07【Grooves for arteries動脈溝 Sulci arteriosi】
→(中硬膜動脈溝と同義語である。)
- 039_08【Sphenoidal angle of parietal bone蝶形骨角;蝶形角(頭頂骨の) Angulus sphenoidalis (Ossis parietalis)】 Anteroinferior angle of the parietal bone.
→(前下方の蝶形骨角は鋭角になっている。)
- 039_09【Squamosal border of parietal bone鱗縁(頭頂骨の) Margo squamosus (Ossis parietalis)】 Inferior margin of the parietal bone that is directed toward the temporal bone.
→(頭頂骨の下方の鱗縁は3部にわかれ、前部は蝶形骨大翼に、後部は側頭骨乳突部に接するが、最も長い中部は側頭鱗の上縁によって下外方から被われる。)
- 039_10【Occipital angle of parietal bone後頭角(頭頂骨の) Angulus occipitalis (Ossis parietalis)】 Posterosuperior angle of the parietal bone.
→(後上方の後頭角は鈍角になっている。)
- 039_11【Groove for sigmoid sinusS状洞溝;横溝(頭頂骨の) Sulcus sinus sigmoidei; Sulcus sigmoides; Sulcus transversus】 Groove near the mastoid angle of the parietal bone for the passage of the sigmoid sinus.
→(S状洞溝は頚静脈孔へ入るまでのS状静脈洞をいれる溝。この溝の上方は後頭骨の横洞溝に、下方は頚静脈孔につづき、乳突孔の内孔はこの溝に開く。)
- 039_12【Mastoid angle of parietal bone乳突角(頭頂骨の) Angulus mastoideus (Ossis parietalis)】 Posteroinferior angle of the parietal bone.
→(後下方の乳突角はやや円くなっている。)