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- 040_00【Ethmoid; Ethmoidal bone; Ethmoid bone篩骨 Os ethmoidale】 Unpaired bone inserted in the ethmoidal notch of the frontal bone.
→(前頭骨の篩骨切痕にはまりこんでいる立方体様の骨で、鼻腔、眼窩壁、前頭蓋窩の形成に関与する。水平位の篩板、垂直位の垂直板、および迷路の3部からなる。篩板は水平をなす薄い小骨片で前頭骨眼窩部の篩骨切痕にはまりこみ、後縁は蝶形骨隆起の中央部に接する。篩板の正中矢状面から鶏冠が上方に突出し、ここに大脳鎌が付着する。鶏冠の下端は左右に広がって鶏冠翼を形成し、前頭骨の前頭稜下部とともに盲溝を形成する。篩板には多数の小孔があり、嗅神経、前篩骨動脈、および前篩骨神経が通る。垂直板は篩板の下面より下方に突出する不正四角形の骨盤で、鋤骨とともに骨鼻中隔を形成する。垂直板に4縁を分ける。前上縁は前頭骨と鼻骨と、前下縁は鼻中隔軟骨と、下縁は鋤骨と、後縁は蝶形骨稜とそれぞれ接する。また両側面上部には嗅神経の通る細い溝が多数認められる。篩骨迷路は篩板の下部に接し、垂直板の両側部にある部分で多数の小洞からなり、これを篩骨蜂巣といい、部位により前・中・後の3部に分けるが、それらの間に境界はない。篩骨迷路の外側板は眼窩板といい、頭蓋外側面で最も薄い骨片である。眼窩の内側壁をなし、前縁は涙骨と、下縁は上顎骨眼窩面および口蓋骨眼窩突起と接している。眼窩板の上縁の切痕と前頭骨眼窩部の切痕と合して、前・後篩骨孔を形成する。篩骨迷路の内側面は鼻腔の形成に関与する。内側面には細溝および細管があり、上方では篩板に接している。上部の後半には溝があり、この溝は上鼻道とよばれるが、この溝の直上にある骨片を上鼻甲介といい、この後部が上下に二分する場合には、その上部のものを最上鼻甲介という。篩骨迷路の内側壁でこの溝の下で上鼻甲介とほぼ平行に走る骨片を中鼻甲介といい、この直下に前後に走る幅の比較的広い中鼻道がある。篩骨迷路には多数の不規則形の含気腔があり、これらを総称して篩骨蜂巣といい、その①により前部・虫部・後部の3部に分けられるが、3者間に明瞭な境界はない。前部および中部の篩骨蜂巣は中鼻道に開口し、後部の篩骨蜂巣は上鼻道に開口する。なお前部の篩骨蜂巣の前下部が鼻腔に向かって膨隆したものを篩骨胞という。また篩骨胞の内側で前部の篩骨蜂巣から後下方へ延びた細長い骨片を鈎状突起といい、その下端部は下鼻甲介の篩骨突起と相接する。篩骨胞と膠状突起との間の精米感情の通路を篩骨漏斗といい、前上方にある前頭洞につづく。膠状突起の外側で篩骨漏斗が鼻腔をすなわち中鼻道へ開口する裂隙状の空間を半月裂孔という。また上顎洞は上顎洞裂孔および半月裂孔を経て、その内側にある中鼻道に開く。)
- 040_01【Ethmoidal labyrinth篩骨迷路 Labyrinthus ethmoidalis】 Collective term for the ethmoidal cells located between the orbital and nasal cavities.
→(篩骨迷路は篩骨の左右外側部を作る長立方状の骨塊で、鼻腔の鼻壁の一部を形成する薄い骨壁をもつ含気洞の集団で外側上部と眼窩内側壁の間をうずめる骨格をつくる。)
- 040_02【Crista galli鶏冠 Crista galli】 Small bony projection in the cranial cavity to which the falx cerebri is firmly attached.
→(篩板上面の正中線で、横からみると三角形の鋭い鶏冠が頭蓋腔に向かって突出する。)
- 040_03【Ala of crista galli鶏冠翼;翼突起 Ala cristae galli; Processus alaris】 Winglike pair of processes for attachment of the crista galli to the frontal crest.
→(鶏冠の前下端は左右の鶏冠翼に分かたれ、前頭骨の前頭稜下端にある盲孔を後からかこむ。)
- 040_04【Cribriform plate of ethmoidal bone篩板(篩骨の) Lamina cribosa (Ossis ethmoidalis)】 Horizontal, elongated bony plate located in the median plane that forms the boundary between the nasal cavity and the anterior cranial fossa.
→(篩板は殆ど水平にあるはなはだ薄い骨板で、前頭骨鼻部の篩骨切痕にはまり、後端は蝶形骨隆起の前縁に接する。嗅神経のうち、内側の孔を通る神経線維は鼻中隔、外側の孔を通るものは鼻腔側壁より起こる。なお内側列最前端の大きい孔は眼窩から篩板の上に出た前篩骨神経が鼻腔に入る通路である。)
- 040_05【Orbital plate of ethmoid; Orbital plate of ethmoid bone眼窩板;紙様板(篩骨の) Lamina orbitalis; Lamina papyracea】 Especially thin plate of bone that forms part of the medial wall of the orbit.
→(篩骨迷路の外側壁の長方形の平滑な面は眼窩内側壁の主要部をつくる眼窩板である。この上縁の前・後篩骨孔がある。眼窩板より下方は口蓋骨と上顎体に結合する面で、ここにも篩骨蜂巣の一部が開放している。)
- 040_06【Uncinate process of ethmoid鈎状突起(篩骨の) Processus uncinatus (Ossis ethomoidalis)】 Hooked process directed posteroinferiorly. It is almost completely concealed by the middle nasal concha. It projects across the wide opening to the maxillary sinus.
→(篩骨胞と下鼻甲介の間を、中鼻甲介の起部前端から起こる長い薄い板状の鈎状突起が前上方から後下方に斜めに走り、その下端は下鼻甲介に達する。)
- 040_07【Superior nasal concha上鼻甲介 Concha nasalis superior】
→(篩骨迷路の上部の後半には水平に走る上鼻甲介がある。これは単なる隆起にすぎないこともあり、また、その下縁が外側に巻くようになることもある。)
- 040_08【Middle nasal concha中鼻甲介 Concha nasalis media】
→(上鼻甲介の下方に、内側壁の全長から下方に突出し、内側壁の下界をつくる中鼻甲介がある。その下端は遊離して外側に巻き、前端は上顎体の、後端は口蓋骨の篩骨稜に着く。中鼻甲介の外側にできる空間は中鼻道の上部にあたる。)
- 040_09【Perpendicular plate of ethmoid bone垂直板;鉛直板;正中板(篩骨の) Lamina perpendicularis; Lamina mediana】 Vertical bony plate that is located inferior to the cribriform plate and forms the posterosuperior part of the nasal septum.
→(垂直板は篩板の下面正中線から下方に向かい、正中面にほぼ一致して垂直に立つ不正三角形の薄い骨板で、鼻中隔骨部の前上部をつくる。前縁の上部は前頭骨の鼻棘、同じく下部は鼻中隔のの軟骨に、後下縁は鋤骨に、後上縁は蝶形骨体に接する。垂直板上部の左右両面には嗅神経の通路となる多くの細い溝または管がある。)