1027
- 1027_00【External acoustic meatus; External auditory meatus外耳道 Meatus acusticus externus】
→(外耳道は側頭骨の鼓室部を耳介から鼓膜へ至る通路で骨性部分。軟骨性外耳道からなる。)
- 1027_01【Auricular cartilage耳介軟骨 Cartilago auriculae】 Supporting framework of the auricle that is composed of elastic cartilage.
→(弾性軟骨よりなり、耳介の骨格構造を支持する。)
- 1027_02【Scapha舟状窩 Scapha】 Groove between the helix and antihelix.
→(耳輪と対輪との間にある縦のくぼみ。(Feneis))
- 1027_03【Helix耳輪 Helix】 Outer, curved margin of the auricle.
→(耳輪は耳介の弓状をなす部分の外側縁で、耳の縁、耳の前上部、頭方部、後縁の大部分をつくる軟骨のひだの外側縁。)
- 1027_04【Antihelix対輪 Antihelix】 Curved elevation in front of the tail of helix.
→(耳輪後部の前にある弓状の隆起。(Feneis))
- 1027_05【Crus of helix耳輪脚 Crus helicis】 Beginning of the helix at the concha of auricle.
→(耳介の峡部にある耳輪の始まり。 (Feneis))
- 1027_06【Cymba conchae耳甲介舟;耳甲介艇 Cymba conchae】 Upper, slitlike portion of the concha located between the crus of helix and crus of antihelix.
→(耳輪脚および対輪脚の間にある耳甲介の裂け目状の部分。 (Feneis))
- 1027_07【Cavity of concha耳甲介腔 Cavitas conchae; Cavum conchae】 Main part of the concha situated below the crus of helix and behind the tragus.
→(耳輪脚の下方で、耳珠の後方にある耳甲介の主部。 (Feneis))
- 1027_08【Cartilage of acoustic meatus外耳道軟骨 Cartilago meatus acustici; Cartilago meatus acustici externi】 Cartilage connected with that of the auricle. It forms a furrow that opens superiorly and posteriorly.
→(耳介の軟骨と関連があり、上方と後方の開いた溝をなす。 (Feneis))
- 1027_09【Lobule of auricle; Lobe of ear耳垂 Lobulus auricularis】 Noncartilaginous, inferior end of the auricle.
→(耳介の最も低い部分で脂肪と線維性組織からなり、耳介軟骨で補強されていない。)
Santorini's notch
- 1027_10Santorini's notch【Notch in cartilage of acoustic meatus外耳道軟骨切痕;外耳道軟骨孔 Incisura cartilaginis meatus acustici; Foramina cartilaginis meatus acustici externi】 Usually two anteriorly directed gaps in the cartilage of acoustic meatus that are bridged by connective tissue.
→(外耳道軟骨部の下壁には、軟骨のない透き間(外耳道軟骨切痕)があり、血管と神経がここを通っているので、炎症の波及通路となることがある。前内側(下)方に向かっていた外耳道が、この切痕のところで大きく屈曲して後ろ内側の方に向かう。)
- 1027_11【Temporalis muscle; Temporal muscle側頭筋 Musculus temporalis】 o:Inferior temporal line, infratemporal crest, temporal fascia [temporal fossa], i: Its fibers converge at the coronoid process and continue inferiorly to the level of the occlusal plane and near the pterygomandibular raphe. It raises and retracts the mandible, and fixes the pharynx during swallowing. I: Mandibular nerve.
→(側頭筋は扇状になって側頭窩および側頭筋膜から起始する。筋線維は収斂して、頑丈な腱をもって下顎骨筋突起に付着する。付着腱は上方へ伸びて筋肉内にまで達する。側頭筋は頬骨弓下を通過して、その付着部に達する。その筋線維がかなりの長さであるので、筋はかなりの収縮可能性を有するし、かつ純粋な“咬むための筋”である。歯をかみ合わせると、側頭筋の収縮を耳介の上方で触れることができる。側頭部をコメカミというのは、コメをカムときに動くからである。)
- 1027_12【Temporal squamous of temporal bone側頭鱗(側頭骨の) Squama temporalis】
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- 1027_13【Cartilaginous external acoustic meatus軟骨性外耳道 Meatus acusticus externus cartilagineus】 Lateral, cartilaginous one-third of the external acoustic meatus.
→(外耳道の外側1/3。 (Feneis))
- 1027_14【Epitympanic recess鼓室上陥凹 Recessus epitympanicus】 Dome of the tympanic cavity above the upper border of the tympanic membrane that arches upward and laterally.
→(鼓膜上縁の上に、上外側へ向けてできた陥凹。 (Feneis))
- 1027_15【Osseous external acoustic meatus骨性外耳道 Meatus acusticus externus osseus】
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- 1027_16【Auditory ossicles耳小骨 Ossicula auditus; Ossicula auditoria】
→(鼓室内に突出する三つの小骨すなわちツチ骨、キヌタ骨、およびアブミ骨の総称である。これらの小骨は相連結して鼓膜の振動を内耳に伝える役割をはたす。すなわちツチ骨3小骨のうち最外側にあって鼓膜の内側面に付着しアブミ骨は最内側にあって鼓膜に内側面に付着しアブミ骨は最内側にあってその底によって前庭窓を塞いでいる。またツチ骨とキヌタ骨、キヌタ骨とアブミ骨との間には関節が形成されており、3小骨いわば一体となったテコのように作用して効率のよい音の伝導を行う。ツチ骨とキヌタ骨は本来第1鰓弓の骨格であったものであったものであって、この二者のあいだの関節は魚類の顎関節に相当する。ツチ骨に付着する鼓膜張筋が三叉神経(第1鰓弓に所属する鰓弓の骨格由来のものであり、これに付着するアブミ骨筋は該弓所属の顔面神経により支配される。)
- 1027_17【Cochlea蝸牛 Cochlea】 Part of the internal ear that in humans consists of 2 1/2-2 3/4 turns with a base measuring 8-9 mm in width and a total height of 4 5mm.
→(蝸牛は2.5回転するラセン状の管で、中に液体を入れ、音の変換器として働く。これは基底膜と前庭膜によって前庭階、鼓室階および蝸牛管(中央階)に分けられる。鼓膜に到達した音のエネルギーは耳小骨を介し、アブミ骨底によって前庭階(前庭窓)に伝えられる。骨迷路の前部にある。外頚は蝸の殻のように円錐形を呈している。円錐の頂を蝸牛頂、円錐の底を蝸牛底という。蝸牛頂と蝸牛底を結ぶ軸を蝸牛軸という。蝸牛ラセン管は蝸牛軸をとり囲むようにして蝸牛底から蝸牛頂に向かってラセン状に巻いている骨の管である。蝸牛軸からほぼ水平に管腔に向かって出ている棚状の突起を骨ラセン板という。蝸牛ラセン管はこの骨ラセン板によって不完全に上および下の階に分けられる。上方の階を前庭階、下方の階を鼓室階という。両階は蝸牛孔でたがいに交通する。鼓室階の下端、前庭窓の近くで互いに交通する。鼓室階の下端、前庭窓の近くに、円形の小孔がある。この孔を蝸牛窓または正円窓という。蝸牛窓には結合組織からできている薄い膜が張っている。この膜を第2鼓膜という。骨ラセン板の蝸牛軸付着部に形成される蝸牛軸ラセン管の中にラセン神経節がある。ラセン神経節には、双極性の知覚神経細胞がある。ラセン神経線維はこの細胞の突起でラセン器に分布している。)
- 1027_18【Tympanic cavity鼓室 Cavitas tympani; Tympanum】 Cleftlike pneumatized space between the bony labyrinth and the tympanic membrane.
→(側頭骨の錐体の中にあり、外耳道とは鼓膜によって境され、咽頭腔と耳管をもって交通する腔所である。鼓室の中には3個の耳小骨とその付属器があり、これらは鼓膜の振動を内耳に伝える役割を果たす。鼓室は臨床的に故障が起こりやすい場所で、中耳炎の炎症がひろくなると乳突洞を経て乳頭蜂巣へ波及し、または錐体尖の方にも及ぶ。鼓室の各壁(各面)が、どのような構造物に接しているかまとめると:上壁(骨壁を隔てて中頭蓋窩に接する)、下壁(骨壁を隔てて内頚静脈の頚静脈上丘に接する)、前壁(耳管の鼓室口がある)、内側壁(蝸牛の骨壁が岬角を作る)。)
Rivinus' membrane
- 1027_19Rivinus' membrane【Tympanic membrane鼓膜 Membrana tympanica】 Membrane stretched diagonally at the end of the external acoustic meatus. It has a diameter of 9-11 mm.
→(鼓膜は外耳道と中耳すなわち鼓室との境にある直径約1cmのほぼ卵円形薄い膜。鼓膜は外耳道に対して傾斜し、外面を前下方に向けている。鼓膜の外面は平面でなく、内方に向かってやや陥凹している。鼓膜は生体で耳鏡を外耳道に挿入して観察すると、やや透明で、白色の線条がみられツチ骨柄によってできるツチ骨条といわれる。ツチ骨条の上端には外側突起の部分がツチ骨隆起である。その前後に前ツチ骨ヒダと後ツチ骨ヒダとがあり、緊張部と弛緩部との境界である。緊張部ではその前上方より鼓膜中央まで内面にツチ骨柄が付着するために鼓膜痔帯が内方に向かって漏斗状に陥入し、鼓膜臍を形成する。鼓膜は外側の皮膚面、固有層、内側の粘膜面の三者からなる。皮膚面は外耳道の皮膚のつづきで重層扁平上皮を有する。固有層は線維性結合組織からなり、その線維の走向により内外の2層を区別することができる。粘膜面は鼓室表面の粘膜のつづきであって、単層扁平上皮によりおおわれている。鼓膜の皮膚面には外耳道神経の枝が、また粘膜面には鼓室神経の枝が、それぞれ分布する。)
- 1027_20【Internal carotid artery内頚動脈 Arteria carotis interna】 It passes from the carotid bifurcation, without any branches, to the cranial base, continuing in the carotid canal to its terminal division into the middle and anterior cerebral arteries.
→(内頚動脈は、総頚動脈から起こり、頚部では頭蓋底にいたるまでは枝を出さない。ついで頚動脈管をへて中大脳動脈と前大脳動脈に分枝するまでをいう。内頚動脈は頚部、側頭骨錐体部(岩様部)、海綿静脈洞部、大脳部の4つの部分に分けられる。この内頚動脈の海綿静脈洞部と大脳部とは、特別な形態を呈するので、「頚動脈サイフォン」とよばれている。内頚動脈の主な枝として、眼動脈、後交通動脈、前脈絡叢動脈がでる。内頚動脈は、視交叉の外側で小さな前大脳動脈と大きな中大脳動脈とに分岐する。中大脳動脈は内頚動脈の直接の続きで終枝と考えられる。)
- 1027_21【Parotid gland耳下腺 Glandula parotidea; Glandula parotis】 It occupies the retromandibular fossa, extending to the temporomandibular joint and the ramus of mandible.
→(耳下腺はヒト最大の唾液腺で、左右の耳の前下方にあり、下は下顎角まで、上は頬骨弓まで、後方は胸鎖乳突筋まで、内側は側頭下窩の下顎骨下顎枝まで広がっている。その分泌管の耳下腺管によって上顎第2大臼歯の頬粘膜に開口する。終末部(線房)は純漿液性の分泌物からなる(これは他の大唾液腺との大きな違いである)。介在部および線条部もよく発達している。小葉内(腺の実質内)に多数の脂肪細胞が散在するもの、大きな特徴の一つで他の唾液腺と容易に区別できる点である。Parotisという語は、para(傍)とotis(耳)との複合語で、耳の傍らにあるものという意味である。17世紀のフランスの解剖学者リオランの命名である。)