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- 1067_00【Cochlea蝸牛 Cochlea】 Part of the internal ear that in humans consists of 2 1/2-2 3/4 turns with a base measuring 8-9 mm in width and a total height of 4 5mm.
→(蝸牛は2.5回転するラセン状の管で、中に液体を入れ、音の変換器として働く。これは基底膜と前庭膜によって前庭階、鼓室階および蝸牛管(中央階)に分けられる。鼓膜に到達した音のエネルギーは耳小骨を介し、アブミ骨底によって前庭階(前庭窓)に伝えられる。骨迷路の前部にある。外頚は蝸の殻のように円錐形を呈している。円錐の頂を蝸牛頂、円錐の底を蝸牛底という。蝸牛頂と蝸牛底を結ぶ軸を蝸牛軸という。蝸牛ラセン管は蝸牛軸をとり囲むようにして蝸牛底から蝸牛頂に向かってラセン状に巻いている骨の管である。蝸牛軸からほぼ水平に管腔に向かって出ている棚状の突起を骨ラセン板という。蝸牛ラセン管はこの骨ラセン板によって不完全に上および下の階に分けられる。上方の階を前庭階、下方の階を鼓室階という。両階は蝸牛孔でたがいに交通する。鼓室階の下端、前庭窓の近くで互いに交通する。鼓室階の下端、前庭窓の近くに、円形の小孔がある。この孔を蝸牛窓または正円窓という。蝸牛窓には結合組織からできている薄い膜が張っている。この膜を第2鼓膜という。骨ラセン板の蝸牛軸付着部に形成される蝸牛軸ラセン管の中にラセン神経節がある。ラセン神経節には、双極性の知覚神経細胞がある。ラセン神経線維はこの細胞の突起でラセン器に分布している。)
- 1067_01【Scala vestibuli前庭階 Scala vestibuli】 Passageway filled with perilymph that ascends as far as the cochlear cupula above the osseous spiral lamina and cochlear duct.
→(蝸牛のラセン管の部分でラセン板および前庭膜の上方にある。下方にあるのが鼓室階とよばれ、蝸牛窓によって鼓室に通じる。)
Reissner's canal
- 1067_02Reissner's canal【Cochlear duct蝸牛管 Ductus cochlearis】 Endolymphatic duct that in humans has 2 1/2-2 3/4 turns and extends to the cochlear cupula. It is triangular in cross-section and contains sensory epithelium for sound perception.
→(蝸牛管は蝸牛の中にある。ラセン状に巻いている。管の上端と下端は行きづまりの盲端になっていて、それぞれ頂盲端および前庭盲端とよばれる。蝸牛を蝸牛軸を縦に通る面で切断すると、蝸牛ラセン管の断面がみられる。蝸牛ラセン管には上、中、下の3個の腔所がみられる。上方の腔所を前庭階、中央の腔所を蝸牛管、下方の腔所を鼓室階という。前庭階と鼓室階は外リンパ鞘である。両階は蝸牛上部の蝸牛孔で互いに交通している。蝸牛管に内・外・上および下壁の4壁がある。内壁は蝸牛軸から水平に出てる骨ラセン板をおおう骨膜の厚い肥厚部である。この肥厚部をラセン板縁という。ラセン板縁の外側胆は内方に向かってC字状に凹んでいる。この凹みを内ラセン溝という。1層の立方形の上皮細胞でおおわれる。C字の上端は前庭唇といい、下端を鼓室唇という。ラセン板縁の上面にできている多数の突起をHuschkeの聴歯という。突起(聴歯)間の凹みに細胞体主部を置く上皮細胞を歯間細胞という。聴歯は歯間細胞の細胞体上部から出る扁平な突起でおおわれている。この突起は蓋膜の内帯でおおわれる。蓋膜は、さらに前庭唇より外方に張り出していて、ラセン器をおおう。鼓室唇の外側端の基底板につづく部分に神経の通る小孔がある。この小孔を神経孔という。外壁の骨壁に接している部分をラセン靱帯という。骨膜の肥厚したものである。ラセン靱帯の上端にある小さな高まりを前庭稜、下端の高まりを基底稜という。基底稜のやや上方に血管に富む高まりがある。これをラセン隆起といい、中にある血管を隆起血管とおいう。基底稜とラセン隆起との間の凹みを外ラセン溝といい、1層の立体形の外ラセン溝細胞でおおわれる。ラセン靱帯の内側にあって、3層の細胞層からなる上皮層を血管条という。上皮内に多数の毛細血管をふくみ、内リンパを分泌するといわれている。3層の上皮細胞を、内層から辺縁細胞、中間細胞、および基底細胞という。上壁は薄い膜から成る。前庭膜(前庭階壁)またはReissner膜という。前庭階と蝸牛管とを境する膜で、ラセン板縁上面からおこり前庭稜に付着する。下壁は鼓室階壁といい、鼓室階と蝸牛管とを境している。鼓室階壁はラセン板外側部と、それにつづく基底稜に付着するラセン膜との2部分からなる。ラセン膜は3層構造である。上層は感覚上皮で、中層は基底板とよばれ、強靱な細糸束の層である。下層は結合組織層で間葉性の細胞が鼓室階に面している。鼓室階付層ともいう。基底板は2帯に分けられる。神経孔から外柱細胞体までの部分およびこれより外方の基底稜までの部分である。前者を弓状体、後者を櫛状帯という。基底板と鼓室階付層の間で、外柱細胞の位置する部分に、1本の血管がラセン状に走っている。この血管をラセン血管という。)
- 1067_03【Spiral ligament of cochlear ductラセン靱帯(蝸牛管の) Ligamentum spirale ductus cochlearis】 Layer of connective tissue on the bony wall of the cochlear duct.
→(蝸牛管の外側壁の骨膜より起こり、基底板中へ放散する扇形の断面を示す結合組織塊。)
- 1067_04【Scala tympani鼓室階 Scala tympani】 Passageway filled with perilymph below the osseous spiral lamina and basal lamina.
→(蝸牛のラセン管の部分でラセン板および前庭膜の底側にある。蝸牛窓によって鼓室に通じる。)
- 1067_05【Common cochlear artery総蝸牛動脈;蝸牛動脈;蝸牛枝(迷路動脈の) Arteria cochlearis communis】 Ramifying branch of the labyrinthine artery supplying the cochlea.
→(総蝸牛動脈は前前庭動脈とともに迷路動脈の最終枝として、蝸牛軸には入ってラセン神経節に分布し、さらに固有蝸牛動脈を蝸牛管におくり尖端から2回まわりのところに分布する。)
- 1067_06【Spiral vein of modiolus蝸牛軸ラセン静脈 Vena spiralis modioli】
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Corti, Ganglion of
- 1067_07Corti, Ganglion of【Spiral ganglionラセン神経節 Ganglion spirale cochleae】 Collection of bipolar ganglion cells in the spiral canal of the modiolus. Their peripheral nerve fibers arise from the hair cells and the central fibers form the cochlear nerve.
→(蝸牛の骨軸のラセン管内にあって、蝸牛ラセン管のコルチ器に分布する双極性知覚神経細胞体からなる細長い神経節。蝸牛神経のラセン神経節にある神経細胞の末梢性突起が聴覚の受容器であるラセン器に分布し、中枢性突起が蝸牛神経として延髄に達し、蝸牛神経核に終わる。)
- 1067_08【Anterior vein of cochlea前ラセン静脈 Vena spiralis anterior】
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- 1067_09【Cochlear nerve蝸牛神経;聴神経;蝸牛神経根 Nervus cochlearis; Nervus acusticus; Nervus octavi; Pars cochlearis; Radix nervi cochlearis; Radix nervi cochlearis】 Collection of fibers passing from the cochlea to the cochlear ganglion.
→(蝸牛神経は内耳神経の一部をなす神経で、内耳道を通り蝸牛に達すると神経細胞体の集団(ラセン神経節、時に蝸牛神経節ともよばれる)を含むようになる。蝸牛神経の末梢枝は蝸牛内のラセン器に達する。ラセン神経節の神経細胞体から出る授受突起が蝸牛神経末梢枝の中を走行し、神経突起が蝸牛神経本幹および蝸牛根を経て中枢の蝸牛神経核に向かう。すなわち蝸牛神経は聴覚を伝える神経であるということができる。なお球形嚢に分布する神経として球形嚢神経があるが、これも聴覚の一部を伝えるする説が有力である。)
- 1067_10【Modiolus cochleae蝸牛軸 Modiolus cochleae】 Conical part of the cochlea that is hollowed out to lodge the cochlear nerve. It forms the medial wall of the spiral canal of cochlea.
→(蝸牛軸は側頭骨の錐体の長軸にほぼ直角にある円錐形の中軸で蝸牛ラセン管がまわりを2回半ないし2回と3/4回ラセン状に取り巻いている。全体としてカタツムリの殻に似ているので蝸牛と呼ばれる。)
- 1067_11【Posterior vein of cochlea後ラセン静脈 Vena spiralis posterior】
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