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- 1068_00【Nasal cartilages; Greater nasal cartilage鼻軟骨 Cartilagines nasi】 Cartilaginous parts forming the nonosseous supporting framework of the nose.
→(外側鼻軟骨は鼻背を形づくる。大鼻翼軟骨の外側脚は鼻翼を支え、内側脚は鼻中隔軟骨下縁につづき中隔可動部をつくる。鼻中隔軟骨前下縁の左右両側に鋤鼻軟骨が位置する。大鼻翼軟骨辺縁に小鼻翼軟骨、副鼻軟骨をみる。(解剖学辞典:吉村不二夫))
- 1068_01【Lateral nasal cartilage外側鼻軟骨;鼻背板 Cartilago nasi lateralis; Lamina doris nasi】
→(左右1個の軟骨板で、鼻背の鼻中隔軟骨とつながる。 (Feneis))
- 1068_03【Minor alar cartilages of nose小鼻翼軟骨(鼻の) Cartilagines alares minores nosi】 Individual smaller cartilage plates that supplement the major alar cartilage.
→(少数の小さな軟骨板で、大鼻翼軟骨を細くしている。 (Feneis))
- 1068_04【Maxilla; Maxillary bone上顎骨 Maxilla】
→(上顎骨は不規則な形をした含気骨。顔面頭蓋の中央を占める有対性の骨で、左右のものが正中で結合して、眼窩・鼻腔・骨口蓋などの骨格に関与する。上顎骨はその主部をなす体と、これから突出する4種類の突起で構成される。上顎の歯をつけるほぼ四角形の有対骨で、内に鼻洞(上顎洞)のある中央部(上顎体)と四つの突起に区別される。四つの突起とは上方にのびて鼻根の外側部つくり前頭骨に接する前頭突起、外方にのびて頬骨につづく頬骨突起、水平の内方にのび、他側のそれと合して硬口蓋の大部分をつくる口蓋突起と、そこから堤防状に下方に高まり、歯をつける歯槽突起である。上顎骨の前面をみると、体の上縁は眼窩下縁で、その下0.5~1.0cmに大きい孔(眼窩下孔)がある。眼窩下神経、血管がとおり、三叉神経第2枝の圧痛点である。ときに眼窩下縁から眼窩下孔まで縫合がみられる(眼窩下縁から眼窩下孔まで縫合がみられる(眼窩下縫合)。眼窩下孔の下方の浅いへこみ(犬歯窩)は口角挙筋の起始部である。体の内側縁はするどい稜で、弓状に折れこみ(鼻切痕)、対側のものとで骨性鼻腔の前口(梨状口)をかこむ。上顎骨外面をみると眼窩下縁の延長が前頭突起に鋭い稜を(前涙嚢稜)をつくる。犬歯窩の後ろで大きい頬骨突起が外方に出て、この突起の上面(眼窩面)が眼窩底をつくる。そこには前後に走る溝(眼窩下溝)があり、前にいくにつれ骨の下に入る(眼窩下管)。眼窩面の後縁は大翼とともに下眼窩裂を境する。頬骨突起より後ろの面は側頭下面で、後縁口蓋骨垂直板と結合する。上顎洞後壁のうしろへの膨隆を上顎結節といい、ここにある二、三の孔(歯槽孔)が歯槽管につづき、そこから歯槽に開口する管が出る。後上歯槽神経が通る。内側面では上2/3と下1/3の境から口蓋突起が水平に突出し、それより上の部は鼻腔面である。前頭突起の基底部に上下2条の稜があり、上のもの(篩骨稜)は中鼻甲介につき、したのもの(鼻甲介稜)は下鼻甲介上縁前端がつく。前頭突起の控除迂遠は半月状に切れ込み(涙嚢切痕)、そこから後下方に深い溝(涙嚢溝)があり、涙骨の下の部分ととともに鼻涙管をつくる。前頭突起には涙骨につづく縁(涙骨稜)がある。体の内側面、涙嚢溝のうしろに指をとおす大きさの上顎洞の入口(上顎洞裂孔)がある。内側面後縁上半分は滑らかで翼口蓋窩の前壁をつくり、下半部は口蓋骨につき、粗面で、大口蓋溝があり、口蓋骨の同名溝と合して垂直な管(大口蓋管)をつくる。口蓋突起の上面は滑らかで、鼻腔の床に当たり、内縁は高まって他側のものと合して鋤骨をつける鼻稜をつくり、前方では梨状口下縁で棘上に高まる(前鼻棘)。その少しうしろに開口があり、下方は正中面で溝となり、他側のものと合して1本の管(切歯管)として、口蓋面前方正中部の切歯窩に切歯孔としてひらく。下面は粗で口腔の天井をつくり、大口蓋孔から出て前方に向かう神経血管のために生じた前後に走る口蓋溝、それと平行な稜(口蓋稜)がみられる。歯槽突起については下顎骨をみよ。歯槽突起外面にある歯槽に起因する膨隆群を歯槽隆起という。Maxillaという言葉はローマ時代から「アゴ」の意味でも上顎にも下顎にも使われてきた。Vesaliusも、上顎骨をmaxilla superior,下顎骨をmaxilla inferiorと呼んでいる。Maxillaが上顎骨だけに限定され、下顎骨がmandibulaと呼ばれるようになったのは近代に入ってからである。顎下腺(下顎骨の下にある唾液腺)も1935年まではglandula submaxillarisと呼ばれていた。)
- 1068_05【Ala of nose; Wings of nostrils鼻翼;コバナ Ala nasi】
→(外鼻孔の外側壁をなす。 (Feneis))
- 1068_06【Subcutaneous tissue; Hypodermis皮下組織 Tela subcutanea】
→(皮下組織は皮膚と深部の構造物の間の空間を埋める疎性結合組織で、一般に脂肪細胞に富む。脂肪細胞は膠原線維によって大小の集団にまとめられ、真皮と深部の構造物の間を埋めており、皮下脂肪組織とよばれる。皮下脂肪組織は栄養分および水分の貯蔵所であるだけでなく、機械的な外力に対する緩衝装置であり、外界の温度変化が体内に波及することを防ぐ断熱装置でもあり、さらに体に丸みを与え体系を調えるなどの意義をもつ。皮下脂肪組織はいたるところおで皮膚支帯に貫かれている。皮下脂肪はまた大小の血管および神経によって貫かれている。皮膚に分布する動脈は皮下組織と網状層の移行部に置いて、皮膚の表面に平行に広がる動脈網を作り、これから真皮と皮下組織の両方向に枝を出す。真皮に入った動脈は乳頭層の基底部で再び動脈網をつくり、ここから乳頭に毛細血管を送る。乳頭内の毛細血管のループにはじまる静脈はまず乳頭の基底部の静脈に注ぎ、網状層内でさらに静脈網を形成した後、網状層と皮下組織の移行部に広がる静脈叢に注ぐ。網状債には動静脈吻合であるホイヤー・ボロッサー器官organ of Hyer-Grosserがみられる。皮下組織の表層部には圧覚の感覚装置と考えられ照り右ファーター・パチニ小体が散在する。)
- 1068_07【Frontal bone前頭骨 Os frontale】
→(前頭骨は頭蓋冠の前部を形成する単一の骨であるが、これは左右両半部からの1対2個の骨が正中線上での融合により1個になったものである。ほぼ垂直位を前頭鱗と水平位をなす眼窩部と両側眼窩部間にある鼻部とによりなる。前頭鱗には内面、外面、側頭面の3面がある。外面は前頭面とも呼ばれ前方に向かって膨隆し、最も突出した部分を前頭結節という。その下方にある弓状の隆起を眉弓の間には平坦な部分があり、ここが眼窩部との境界である。眼窩上縁の内側半部には2個の切痕または孔があるが、内側のものを前頭切痕(まれに前頭孔)、外側のものを眼窩上孔(まれに眼窩上切痕)という。眼窩上縁は外下方に突出して頬骨突起となり、頬骨の前頭突起と結合する。また頬骨突起の上縁から側頭線が後上方へ走る。側頭線の後下方の面を側頭面という。内面は大脳面ともよばれ凹面をなし、指圧痕、脳隆起、動脈溝などがある。上部中央には上矢状洞溝があるが、これは頭頂骨の同名溝の延長部である。この溝は前下方にいくにしたがい先細りとなり、下方では前頭稜という隆起に移行する。その最下端部は篩骨の鶏冠との間に盲孔を形成する。盲孔の底は閉塞されている場合が多いが、開口されている場合は鼻腔に通じる導出動脈が通る。前頭鱗の眉間ないし眉弓の内部にある空洞を前頭洞といい、前頭洞中隔により左右両部に分けられている。前頭洞の開口部を前頭洞口といい、これから篩骨漏斗を経て鼻腔の中鼻道に通じている。鱗部の後上部の大部分は頭頂骨に接し、これを頭頂縁という。眼窩部は眼窩上壁をなす部分で、ほぼ三角形であり、両側眼窩部の間には前後に細長い篩骨切痕がある。上面は大脳面で軽い凸面をなし、指圧痕、脳隆起がとくに著明である。下面は眼窩面で凹面をなし、その外側に涙腺窩があり、涙腺を容する。また前内側部には小さな陥凹があり、これを滑車窩といい、ここに滑車棘という小突起をみることがある。前縁は既述の眼窩上縁であり、後縁は蝶形骨縁で鋸歯状をなし、蝶形骨の大翼および小翼と接する。内側縁は篩骨切痕を囲み、篩骨蜂巣に対応する大小の窩を有する。鼻部はおよび上顎骨の前頭突起に接する。鼻骨縁の中央部から下方に突出する小突起を鼻棘という。左右の前頭骨が融合しない正中線上に縫合が残存しているものがあり、これを前頭縫合遺残という。)
- 1068_08【Frontal suture; Metopic suture前頭縫合遺残;十字頭蓋 Sutura frontalis persistens; Sutura metopica】 Suture that normally fuses by the second or third year of life. Persists in 7-8% of people of European descent.
→(5~6歳で癒合する前頭骨左右半部間の縫合。成人でも眉間縫合として残ることがある。)
- 1068_09【Internasal suture鼻骨間縫合 Sutura internasalis】 Suture that unites the right and left nasal bones.
→(鼻骨間縫合は左右の鼻骨の間の縫合。)
- 1068_10【Nasal bone鼻骨 Os nasale】 Bone located between the right and left frontal processes of the maxilla. Its superior end articulates with the frontal bone.
→(鼻骨は三角形に近い長方形の薄い骨で、左右のものが正中で接合して鼻背の骨格を作る。骨化様式は結合組織性骨化である。鼻腔を前上方からおおう台形の骨である。上方は狭く、下方は広い。上縁は前頭骨鼻部の鼻棘に接し、下縁は遊離縁で骨鼻孔の梨状口の上縁をなす。外側縁は上顎骨の前頭突起と結合し、内側縁は他側の鼻骨と結合し、両者間に鼻骨間結合をなす。鼻骨の前面は軽度膨隆し、後面は軽度陥凹している。前面のほぼ中央に鼻骨孔があり、この孔は後面で篩骨孔につづき、ここを前篩骨神経の外鼻枝が通る。)
- 1068_11【Septal nasal cartilage; Nasal septal cartilage鼻中隔軟骨;中隔板 Cartilago septi nasi; Lamina septi】 Larger independent piece of cartilage in the nasal septum between the perpendicular plate of ethmoid and the vomer.
→(鼻中隔にある独立した大きな軟骨片。篩骨垂直板と鋤骨の間にある。 (Feneis))
- 1068_12【Nasal sesamoid cartilages鼻種子軟骨 Cartilagines sesamoideae nasi】
→()
- 1068_13【Major alar cartilage of nose; Alar major cartilage大鼻翼軟骨;鼻尖軟骨(鼻の) Cartilago alaris major nasi; Cartilago apicis nasi】 Hook-shaped cartilage surrounding the nasal opening.
→(鈎形の、鼻孔を囲む軟骨。また鼻尖もつくっている。 (Feneis))
- 1068_14【Lateral crus of major alar cartilage of nose外側脚(鼻の大鼻翼軟骨の) Crus laterale (Cartilaginis alaris majoris nasi)】 Bundle of fibers arising from the aponeurosis of the external oblique lateral to the superficial inguinal ring.
→(鼻孔を外側から囲んでいる。 (Feneis))
- 1068_15【Medial crus of major alar cartilage of nose内側脚(鼻の大鼻翼軟骨の) Crus mediale (Cartilaginis alaris majoris nasi)】
→(軟骨性鼻中隔壁の前部および下部をなす。 (Feneis))
- 1068_16【Anterior nasal spine of maxilla前鼻棘(上顎骨の) Spina nasalis anterior (Corporis maxillae)】 Spinous projection situated in the middle of the inferior border of the piriform aperture for attachment of the cartilaginous nasal septum.
→(口蓋突起の上面は鼻腔に向かう滑らかな面で、中がくぼんだ溝状のである。その内側縁は上に向かう鋭い鼻稜となり、その前半は顔面に向かって突出して前鼻棘をつくる。)