292_01【Superior articular process of vertebra上関節突起;上脊椎関節突起(椎骨の) Processus articularis superior】 →(上関節突起は椎骨の椎弓の根もと近くから上に向かって突出する1対の突起。上関節突起とすぐ上位の椎骨の下関節突起との間に関節をつくる。上連結突起という呼称は比較解剖に用いるとき便利である。)
292_02【Transverse process of vertebra横突起(椎骨の) Processus transversus vertebrae】 →(横突起は外側に向かって突出する1対の突起である。横突起と棘突起は主として多数の背筋の起着点となる。)
292_03【Transverse costal facet横突肋骨窩;横突起肋骨面(胸椎の) Fovea costalis processus transversi; Facies costalis processus transversi vertebrae thoracicae】 Fossa for articulation with the tubercle of the rib. →(横突起にあるくぼみである横突肋骨窩は第11・12胸椎では見あたらない。これは第11・12肋骨が特に短いためである。)
292_05【Radiate ligament of head of rib放射状肋骨頭靱帯 Ligamentum capitis costae radiatum】 Ligament that reinforces the anterior surface of the joint capsule. It radiates from the rib in a stellate fashion over the head of the rib to the two adjacent vertebral bodies and the intervertebral disc between them. →(肋骨頭関節の関節包は薄いがあまり余裕がなく、下面の線維がいくらか長いだけである。前面は厚く、肋骨頭から放射して上下の錐体と椎間円板に向かう線維は放射状肋骨頭靱帯をつくる。)
292_06【Anterior longitudinal ligament前縦靱帯;前総縦靱帯 Ligamentum longitudinale anterius; Ligamentum longitudinale commune ventrale】 Ligament that mainly connects the anterior surfaces of the vertebral bodies. →(脊柱前面を上下に縦走する帯状の靱帯で、上端は後頭骨底部からおこり、上部では狭く厚いが、環椎前結節を通り、しだいに幅を広げて薄くなり下行し、仙骨前面に至る。中央を走る長い線維と、各椎の前面を結ぶ短い弓状に走る線維とがある。深層の線維は椎間円板の前縁とも結合する。椎間円板ならびに椎体上・下縁との結合は強く、椎体中央部との結びつきは弱い。)
292_07【Vertebral body; Body of vertebra椎体;椎骨体 Corpus vertebrae】 →(椎体は椎骨の前部を占める短い円柱で、上下端は平らな面をつくる。上面と下面はやや広いため、椎体を側面から見ると、中央でややくびれている。後面は椎孔の前壁にあたり、縦に走る浅く広い溝となっている。椎体の上下面は椎間円板と固着する硝子軟骨で被われる。この軟骨の周縁部は骨化し、後方部分が欠けた不完全な輪の形の骨端板を作る。加令によりこの骨端板の骨化はさらに進行し、椎体の上下面の縁が側面から水平に突出するようになる。)
292_08【Intervertebral disc椎間円板;椎間線維軟骨 Discus intervertebralis; Fibrocartilagines intervertebrales】 An elastic disc that compresses and rebounds under pressure, consisting of layered rings of fibrous tissue and fibrocartilage around a gelatinous nucleus. It is attached to two adjacent vertebral bodies by their hyaline cartilage plates and by the posterior longitudinal ligament. →(椎間円板は隣接する2個の椎体間にあって厚い円盤状をなすが、脊柱の部位によりその厚さは異なる。また個々の円板ではその中央部がもっとも厚く、辺縁がやや薄い。円板の厚さが絶対的に、また隣接する椎骨の厚さと相対して厚いほど、椎骨の可動性が大きい。胸椎の中位の椎間円板はそのいずれの意味でも最も薄い。また、頚椎と腰椎では椎間円板の前縁が後縁よりやや厚い。椎間円板の上下面は椎体の面を被う硝子軟骨層と固く結合し、組織的には明瞭な境界がなくて移行する。中心部の髄核とそれを取り囲む外側の結合線維部分(線維輪)からなる。(1)線維輪:外周を輪状に走る部分。(2)髄核:中央にあって弾性に富む。胎生期の脊索の遺物といわれる。胎児の椎間円板中には、この部でとくに太くなる脊索が明瞭である。成人でも髄核組織の一部が脊索の遺物にあたる。椎間円板は単に椎体を結合するのみではなく、弾性体として脊柱の運動および体重をささえることに重要な役割を果たしている。脊柱の屈伸に際して椎間円板の屈側は低く圧迫され、伸側は引き延ばされるが、線維輪のラセン状の線維配列はこのような外力に対する抵抗と、変形のあとの復元とに大切な意義を有する。また、髄核はかたい線維輪のなかにあって、あたかも水枕のように作用し、圧をすべての方向に分散させるとともに屈伸に向かって若干おしつけられる。)