658_01【Enamelエナメル質;琺瑯質 Enamelum; Substantia adamantina】 Tooth enamel that covers the crown like a mantle. →(エナメル質は、歯の表層部分をおおう、硬くて光沢のある物質。約2~2.5mmの厚さがあり、主としてヒドロキシアパタイト90%、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム、炭酸マグネシウム6-8%からなる無機質と、蛋白および糖蛋白からなる有機質で構成される。無機成分が、ある一定の結晶配列することによって、人体中もっとも硬い石灰化組織となっている。エナメル質のほとんどが無機ヒドロキシアパタイトから成り、直径が4μm、時には8μmにも達する6角棒あるいは柱状のエナメル小柱が密に配列している。個々のエナメル小柱はエナメル質の全長にわたって伸びており、隣接するエナメル小柱との間のわずかな間隙は、ヒドロキシアパタイトの結晶で満たされている。少量の有機性基質(タンパク質と多糖体)は、エナメル質形成細胞であるエナメル芽細胞がエナメル質の石灰化以前に合成、分泌した物の遺残である。表層がエナメル質で被われている部を、とくに解剖歯冠crown pulpといい、口腔に露出する部を臨床歯冠clinical crownと呼ぶこともある。歯根はセメント質に被われる部で、とくに歯槽内に埋まる部を臨床歯冠clinical rootということもある。)
658_02【Dentineゾウゲ質;象牙質 Dentinum; Substantia eburnea】 Main component of the tooth consisting of inorganic and organic substance (predominantly collagen fibers). →(ソウゲ質は、歯髄腔をつつみ歯の主体をなす硬組織で一般に淡黄色であり、エナメル質より弾性があり、骨より多少硬いが、エナメル質より軟らかい。そして、エナメル質と異なって、その有機成分が多くなって、全体の約20~30%を占め、残りの70%が無機質である。その名の元になった長鼻類(ゾウ)の牙は動物界で最大のゾウゲ質である。有機成分は、膠原原線維と、基質であるムコ多糖類からなっている。一方、無機質は、骨、セメント質およびエナメル質同じく、ハイドロキサパタイトhydroxyapatiteからなっている。無機質および有機質(主として膠原線維)からなる歯の主要部分。歯髄側から低石灰化の前象牙質と本来の象牙質からなっており、これらの2つの象牙質を多数の細管が走行している。これらの細管は、象牙細管とといわれ、歯髄を中心にして、エナメル象牙鏡まで達しており、途中側枝を出し、隣接の細管を側枝と吻合して、さらにこれらの細管の中に、トームス線維が含まれている。このトームス線維は、線維となっているが、膠原線維のような線維ではなく、歯髄側に位置する象牙芽細胞の細胞突起そのものである。すなわち象牙芽細胞とは、その細胞体自身は歯髄におき、圧倒的に長いその細胞突起を、エナメル質まで伸ばしていることになる。)
658_03【Pulp cavity; Dental pulp cavity; Pulp chamber of tooth歯髄腔;髄腔 Cavitas dentis; Cavitas pulparis】 Pulp chamber in the dentine that becomes continuous near the root with the root canal. →(歯髄腔は象牙質内の腔所。根側で歯根管へ移行する。)
658_04【Root canal of tooth; Pulp canal歯根管;根管 Canalis radicis dentis】 Part between the pulp cavity and apical foramen. →(歯根管は歯髄腔と歯根穿孔の間にある管。)
658_05【Cementセメント質 Cementum; Substantia ossea】 Substance resembling woven bone that surrounds the tooth from the junction with the enamel to the apex of root. It contains fibers from the desmodontium. →(セメント質は、歯根部の象牙質をおおう骨様の層であり、完成された永久歯からのセメント質は、45~50%の無機質と、50~55%の有機物とmm伊豆を含み、無機物は、ハイドロキサパタイトの形で含有される。Hertwigの上皮鞘が解体してまもなく、付近の未分化間葉細胞、セメント芽細胞に分化して、セメント質の間質を構成するコラーゲンとムコ多糖類を合成する。そして、この間質がある程度つくられうと、その石灰化が始まり、ハイドロキサパタイトの結晶として配列してくる。もちろんこの中には、膠原原線維も埋め込まれ、さらにこの現線維の中に、歯根膜の一部である強固な膠原線維束(シャーピー線維)が一定方向に配列している。)
658_06【Apical foramen歯根尖孔;根尖孔;歯根枝尖孔 Foramen apicis dentis】 Opening of the root canal at the apex of the root of tooth. →(歯根尖孔は歯根尖にある歯根管の開口。)
658_07【Crown of tooth歯冠 Corona dentis】 Part of the tooth covered by enamel. →(歯の外部に露出する部をとくに歯冠といい、歯槽内に埋まっている部を歯根という。歯冠と歯根との間で、やや細い部を歯頚とよぶ。表層がエナメル質で被われている部を、とくに解剖歯冠といい、口腔に露出する部を臨床歯冠と呼ぶこともある。)
658_08【Neck of tooth; Cervix of tooth歯頚 Cervix dentis; Collum dentis】 Part of the tooth where the enamel and cement meet. →(歯頚は歯冠と歯根が移行する部分をよんでいる。)
658_09【Root of tooth; Tooth root歯根 Radix dentis】 Part of the tooth covered by cement. →(歯根も解剖歯根と臨床歯根とに分けられており、下鼻横枝根はセメント質で被われた部分をいい、臨床歯根は歯肉や歯槽でかくされた部分をいう。通常歯根というのは解剖歯根を指す。歯根は歯槽内にあり、若い時には見ることができない。しかし加齢とともに歯肉縁は収縮するので、中年以後歯根は一部露出する。)
658_10【Root apex of tooth歯根尖;根尖;歯根枝尖 Apex radicis dentis】 →(歯根の尖端を歯根尖といい、その付近に歯髄腔の開口部である根尖孔が開口している。)