Rauber Kopsch Band2. 410   

酸好性細胞は成長ホルモンを,塩基好性細胞は生殖腺刺激ホルモンを分泌するという.腺緬胞の集りは血管をもつ疎性結合組織によって包まれている.血管は内腔が広くて,壁が薄い.

 中間部Pars intermediaは塩基好駐組胞の集団と,腔所をかこむ塩基好性細胞の索および膠質に満たされた小胞があり,この小胞は甲状腺のものに似そいるが,多層の細胞よりなる壁をもっている.またその細胞のうち少数のものは線毛をもっていることがある.下垂体の膠質と甲状腺の膠質とは組織化学的反応がすべて一致している.

 咽頭下垂体Hypophysis pharyngicaについては 64頁参照

 松果体Corpus pineale(Zirbel, Epiphptse)(図447)は結合組織性の被膜をもち,これが内部に突起を送って,それによって松果体はいくつかの部分に分けられている.その各部分は多角形の上皮細胞の群,グリアならびに血管,神経線維および神経細胞よりなる.脳砂Hirnsandについては 349頁参照

 脳砂の粒子(図429)は,類澱粉体Cbrpora amylaceaと似たものである.後者は割合に高令め人で特に脳室壁に,また灰白質と白質のなかにも,また末梢神経にも見られ,円形ないしくびれた形をしており,はっきりと層をなして,灘粉の粒子Stärkekörnerと同じくヨードと硫酸で紫色に染まる.

 視床Thalamusはその背方面が有髄神経線維よりなるよく発達した帯層Stratum zonale(thalami)によって被われている.二視床の3つの主核とこれらの核を多かれ少なかれ区分している髄質板,すなわち視床髄板Laminae medullaes thalamiについては 346頁を参照せよ.そのところで乳頭視床束の起始およびこの線維束が視床前核のなかで分散して終ることも述べておいた.視床のすべての核の神経細胞は数が多もそして小さい.その最も大きなもの(40µ)は視床前核と視床枕の細胞である.

[図476]ヒトの腺性下垂体の主要な細胞の種類

 種々の研究方法によってこれらの主核の内部には数多くの(多数の学者により30あるいはそれ以上の)小さい核が区別されている.これらの核の大部分のものについてはその関係がまだ正確にはわかっていない.

 視床はおそらく視床の柄および視床の放線冠を通る線維によって(369,  370頁および図444参照),おそらく回旋回と角回とを除いた大脳皮質のあらゆる部分と往復2重の結合をしていると思われる.

 そのほかに視床Thalamusにはこれに入ってくる重要な結合がいくつかある:それはまず視索の線維で,これは視覚伝導路の3次ニューロンの神経突起である(図360).その線維は一部は帯層に達するが,他の一部は視床枕の深部にある細胞群に達する.その他の視床の結合としては,視床外側核に達するものに脊髄視床路Tractus spinothalamicus(322頁参照),内側毛帯Lemniscus medialis,赤核からの線維およびレンズ核との結合がある(図509).

 視床から出てゆく伝導路abführende Bahnenとしては赤核にいたるもの,またオリーブ核に達する線維(視床オリーブ路),中心被蓋束,淡蒼球と大脳皮質に達する結合,視床皮質路がある.

 外側膝状体Corpus geniculatum lateraleの神経細胞は数が多くて,多極であり,多くは色素をもっている.その神経突起はいわゆる1次視放線“Primäre Sehstrahlung”すなわち(視覚の)膝状体皮質路Tractus geniculocorticalis(opticus)として有線領に達する.

 内側膝状体Corpus geniculatum mediale.その灰宮質は背方と腹方で視床の灰白質に移行している.その神経細胞は数が多くて,最大の直径が約25µのものである.

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最終更新日13/02/03

 

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