大脳

最終更新日: 12/04/16

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Cortex cerebralis [Pallium]、大脳皮質、Cerebral cortexcerebrum8.png (56421 バイト)

1. Cortex cerebralis [Pallium] (大脳皮質)Cerebral cortex
→大脳皮質の形成による主な成分は神経細胞体と神経線維であるが、そのほかの神経膠細胞、血管などがある。中心にした構造を細胞構築、有髄線維を中心にした層構造を髄鞘構築という。これらのうち細胞構築が特に重視される。皮質の厚さは1.5~4.5mmほどあり、脳回の縁の部分でもっとも厚く、脳溝の底で最も薄い。中枢神経の他の部位の灰白質と同様に、大脳皮質は神経細胞(錐体細胞、星状細胞、紡錘形細胞、カハールの水平細胞、マルチノッチ細胞)、神経線維、神経膠細胞および血管によって構成されている。大脳皮質は、(1)分子層、(2)外顆粒層、(3)外錐体細胞層、(4)内顆粒層、(5)神経細胞層(内錐体細胞層)、(6)多型細胞層の6層皮質を形成する。

2.  Lamina molecularis [plexiformis](分子層)Molecular [Plexiform] layer
→分子層は最も表層で、主として、接線方向に走る線維網によって構成されている。この層には錐体細胞と紡錘形細胞の頂上樹状突起、さらに星状細胞とマルチノッチ細胞の軸索が入る視床からの求心性線維、連合線維および交連線維もこの層に入る。これらの神経線維の間に、カハールの水平細胞が散在する。この層では、多数のシナプス結合が形成されている。

3.  Lamina granularis externa(外顆粒層)External granular layer
→外顆粒層は多数の小型錐体細胞と星状細胞で構成されている。これらの細胞の樹状突起は分子層に達し、軸索は深層に達してここで終止するか、または白質に入る。

4.  Lamina pyramidalis externa(外錐体層)External pyramidal layer
→外錐体層は主として錐体細胞によって構成されており、この層の浅い所から深い所にゆくにしたがって、細胞体の大きさがます。錐体細胞の頂上樹状突起は分子層まで達し、軸索は投射線維、連合線維および交連線維となって白質に入る。

5.  Lamina granularis interna(内顆粒層)Internal granular layer
→内顆粒層は密につまった星状細胞で構成されている。さらに、この層には多数の水平に走る線維が見られるこれらの線維は外バイラルジア線条と呼ばれる。

6.  Lamina pyramidalis interna[ganglionaris](内錐体層)Internal pyramidal [ganglionic] layer
→内錐体層には大型ないしは中等大の錐体細胞がある。錐体細胞の中には、星状細胞とマルチノッチ細胞がみられる。さらに、この層には内バイラルジア線条を形成する多数の線維が水平に走っている。中心前回の運動野では、この層の錐体細胞はきわめて大きく、ベッツ細胞と呼ばれる。ベッツ細胞の軸索は、皮質脊髄路または錐体路の線維の約3%を占める。

7.  Lamina multiformis(多形細胞層)Multiform [Fusiform] layer
→多形細胞層の大多数の細胞は紡錘形であるが、細胞体が三角形または卵形に変形した錐体細胞も多数みられる。マルチノッチ細胞もこの層にみられる。この層の下にある白質から皮質に入る線維および皮質から白質に入る線維がこの層を通っている。

8.  Neurofibrae tangentiales(接線(神経)線維)Tangential neurofibers
→分子層線維、外顆粒層線維、内顆粒層線維、内錐体層線維の表面と平行に走る線維群。

9.  Stria laminae molecularis [plexiformis](分子層線維)Stria of molecular layer
→第1層中にある水平線維。

10.  Stria laminae granularis externa(外顆粒層線維)Stria of external granular layer
→第2層中の少数ではあるが太い水平線維。

11.  Stria laminae granularis interna(内顆粒層線維)Stria of internal granular layer
→第4層中の水平線維。

12.  Stria laminae pyramidalis interna [ganglionaris](内錐体層線維)Stria of internal pyramidal layer
→第5層中の水平線維。

13. Fibrae arcuatae cerebri((大脳)弓状線維)Arcuate fibers of cerebrum
→長短の連合神経路のうち、短線維は同じ回または隣の回を結ぶ。これを弓状線維という。

14. Cingulum(帯状束)Cingulum
→帯状束は帯状回の連合路で、その構成線維は多くは短く、この束の全長にわたって走っているものは少ない。

15. Fasciculus longitudinalis superior(上縦束)Superior longitudinal fasciculus
→上縦束は下および中前頭回から起こって島の上端の近くを走り、一部は後走して後頭葉へ、一部は弓状に曲がって側頭葉の前端に向かう。

16. Fasciculus longitudinalis inferior(下縦束)Inferior longitudinal fasciculus
→これは側頭後頭束ともいわれ、側頭葉の前部から起こり、側脳室の下角および後角の外側をはしり、後頭葉の後端部に至る。これは後部では外矢状層を通る。外矢状層にはなお視床から後頭葉に至る視放線の線維が含まれる。また外矢状層と壁板との間には内矢状層があり、これは主として後頭葉から上丘、外側膝状体などに至る線維からなる。

17. Fasciculus uncinatus(鈎状束)Uncinate fasciculus
→鉤状束は前頭葉の下部と側頭葉の前部を結合するもので、島の前下縁を通る。

18. Radiatio corporis callosi(脳梁放線)Radiation of corpus callosum
→脳梁から大脳皮質へ放射する小鉗子、大鉗子、障壁などの線維。