大脳

最終更新日: 12/04/16

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Nuclei basales, 大脳核, Basal nuclei  cerebrum8b.png (30594 バイト)

1. Nuclei basales 、大脳核 、Basal nuclei
→大脳髄質の中には数個の灰白質があり、これを大脳核または基底神経節という。その大部分は錐体外路系の中枢とみなされ、発生学的には終脳胞腹外側部におえる肥厚(神経節丘)に由来する。大脳核には尾状核、レンズ核、前障、扁桃体などがある。

2. Corpus striatum、線条体、Corpus striatum
→被殻と尾状核は発生学的にみると、同一の細胞群が内包の発達によって隔てられたもので、両者の間には互いに結合する灰白質の線条が多数見られる。そのため、両者を合わせて線条体または新線条体と呼ぶ。淡蒼球は薄い内側髄板によってさらに内節と外節に分かたれるが、両部は構造上の差異はなく、いずれも散在性の大きい細胞からなり、有髄線維に富み、肉眼底にやや白く見える。淡蒼球は間脳に由来するという人もある。これは尾状核や被殻よりも系統発生学的に古く、古線条体ともよばれる。新線条体、古線条体を合わせて広義の線条体という。錐体外路系の中心中継核。

3. Nucleus caudatus、尾状核、Caudate nucleus
→尾状核は頭を前方に向け、尾を後下方に曲げたオタマジャクシ形で、前部の膨大した部分を頭、後下方の長細い部分を尾と呼ぶ。尾状核は主として密集した小細胞からなる。なお尾状核の背外側端と脳梁との間で脳室上衣層のすぐ下には小径の有髄線維を含む層があり、これが梁下束である。

4.   Caput、尾状核頭、Head of caudate nucleus
→尾状核頭は側脳室の前角の中に膨隆し、その外側壁をなし、視床の前方に位置する。尾状核頭は後方にしだいに小さくなり、視床の出現とともにその背外側に位置するようになり、尾状核尾に移行する。

5.   Corpus、尾状核体、Body of caudate nucleus
→尾状核尾と尾状核頭の間の部分は体として区別されることがある。

6.   Cauda、尾状核尾、Tail of caudate nucleus
→尾状核尾は視床と分界条によって境される。側脳室の中心部の底面の外側縁を後走し、ついで側脳室の弯曲に従って前下方に開いた弓を画きつつ下角の上壁に至り、扁桃体の後端部の外側部に接して終わる。

7.  Nucleus lentiformis [lenticularis]、レンズ核、Lentiform nucleus
→レンズ核は尾状核頭および視床の腹外側にある大きい核で、前頭断でも水平断でも三角形で、頂点は内側に、底辺は外側にある。レンズ核は薄い外側髄板によって内側の淡蒼球と外側の被殻に分かたれる。レンズ核の内面は内包によって囲まれ、外面は外方によっておおわれる。

8. Putamen、被殻、Putamen
→被殻の構造は尾状核とまったく同様で、太い有髄線維をほとんど含まず、主として小さい神経細胞からなるが、散在性の大細胞を含む。被殻と尾状核は発生学的にみると、同一の細胞群が内包の発達によって隔てられたもので、両者の間には互いに結合する灰白質の線条が多数見られる。そのため、両者をあわせて線条体または新線条体と呼ぶ。

9. Lamina medullaris lateralis、外側髄板、Lateral medullary lamina
→淡蒼球と被殻の間の髄板。

10. Globus pallidus lateralis、淡蒼球外節、Lateral globus pallidus
→淡蒼球の外側髄板と内側髄板にはさまれた部分。

11. Lamina medullaris medialis、内側髄板、Medial medullary lamina
→淡蒼球内節と外節の間に間にはさまれた部分。

12.  Globus pallidus medialis、淡蒼球内節、Medial globus pallidus
→淡蒼球の内側髄板内側方にある部分。

13. Claustrum、前障、Claustrum
→前障はレンズ核と島との間にある、内側が凹面をなす板状の核で、腹側方に厚くなる。この核とレンズ核との間には外包があり、また島の皮質との間には最外包がある。これらは狭い白質で、大部分は連合線維から、一部は交連および投射線維からなる。前障は種々の視床核、扁桃体などから線維を受け、大脳皮質に広く投射する。

14. Corpus amygdaloideum、扁桃体、Amygdaloid body [Amygdala]
→扁桃体または扁桃核はアーモンドに似た形をした系統発生学的に古い核で、原始線条体とも呼ばれ、辺縁系における重要な神経核をなしている。扁桃体は側脳室下角の前端部の前にあり、一部その前内側壁と前背側壁を作り、前頭断では大きい不規則な卵円形の細胞集団をなし、レンズ核の腹側にある。この核は多数の亜核からなり、系統発生学的に古い内側核群とやや新しい外側核群に分かたれる。扁桃核は周辺の皮質や嗅球、その他の嗅脳部、中隔野などから線維を受けるが、海馬からの直接の線維はないらしい。扁桃核の遠心路には背側の分界条と腹側の遠心系がある。分界条は扁桃核から起こって尾状核尾の内側縁に沿って上方、ついで前方に向かい、視索前部、視床下部の前核および腹内側核に分布する。腹側遠心系はレンズ核の腹側を内側方、前方に走り、視索前部、中隔野、尾状核頭腹側部、嗅脳後部、前交連などになどに入り、一部の線維は内側前脳束に入って主として視床下部外側核に分布し、また一部は下視床脚を通って視床内側核に入る。

15. Area amygdaloidea anterior、前扁桃野、Anterior amygdaloid area
→扁桃体の前部にあり、前有孔野へ向いた細胞群。外側嗅索の線維が入り、斜小帯(Broca帯)の始まりでもある。

16. Pars basolateralis、外側基底部、Basolateral part
→ヒトでは扁桃体核群中最大。この核は嗅索の線維はいれず、視床下部、海馬、および嗅脳のその他の部分と連絡する。分界条とも連絡あり。

17. Pars corticomedialis (olfactoria)、内側皮質部、Corticomedial part
→扁桃体の上内側にある小核。嗅索からの線維をいれ、分界条の形成にも関与する。

18. Capsula externa、最外包、Extreme capsule
→島と前障の間にある白質。

19. Capsula extrema、外包、External capsule
→レンズ核と前障との間の髄層。