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- 333_00【Hip joint股関節;股大腿関節 Articulatio coxae; Articulatio coxofemoralis】 Articulation formed by the acetabulum and the head of the femur.
→(股関節は寛骨臼と大腿骨頭とによってつくられる球関節で球体の約2/3に相当する広さをもつ大腿骨頭は、その半分以上が寛骨臼におおわれ、そのために運動は著しく制限されている。このような関節をとくに臼状関節とよんで、肩関節のような球関節と区別する。寛骨臼の内面ではその周辺の月状面のみが関節軟骨でおおわれ、中央の深い寛骨臼窩は滑膜でおおわれた脂肪組織でみたされている。また、寛骨臼の周縁は線維軟骨性の関節唇によって補強され、関節窩がさらに深められる。関節唇が寛骨臼切痕を橋渡ししてつづく部分を寛骨臼横靱帯といい、この深層でほね間隙を血管がまわりの脂肪組織を伴って関節腔内に侵入する。関節包は強く、上方では関節唇の外面、あるいはこれをこえて寛骨臼の周縁につく。下方では大腿骨頚をほとんど包み、前面では転子間線に、後面では転子間稜のやや上方で大腿骨頚につき、また内側では小転子に接してつく。股関節の運動は、屈曲、伸展、内転、外転、描円および回旋に分析されるが、運動の範囲は膝関節をまげた状態では、寛骨からおこり、膝関節をこえて脛骨や腓骨につく大腿の筋や靱帯による運動性限が除かれるために拡大される。股関節の運動は屈伸、内・外転および回旋を行う。伸展位からの屈曲は膝関節をも屈すると120°、後方への過伸展15°(この位置で大腿骨頭は寛骨臼内で固定される)、内転10°、外転40°、内方回旋50°、外方回旋15°である。股関節を少し屈し、やや外転、回旋した位置からは屈伸合計約160°、内外転合計140°、回旋合計約100°となる。なお、股関節の屈伸運動の横軸は大腿骨頭の中心と大転子の頂点とを結ぶ線で、立体においてこの線の直角をなして大腿骨頭から下る線は大腿骨下端の膝蓋面を通り、脛骨上端の顆間隆起から脛骨中に入り、その中軸を下って、下関節面を出た後に距骨に入る。この線が下肢の回旋軸で、大腿骨体の軸との間に約6°の角をなし、立位の靱帯の垂直線とも平行しない。また大腿骨軸と脛骨体軸とのなす角は174°である。)
- 333_01【Anterior inferior iliac spine下前腸骨棘 Spina iliaca anterior inferior】 Bony projection at the anterior border of the ilium giving origin to the rectus femoris muscle.
→(腸骨稜の前縁は上前腸骨棘にはじまり、その下にくぼんだ部を隔てて下前腸骨棘があり、それから寛骨臼の前上縁に達する。)
- 333_02【Fovea for ligament of head大腿骨頭窩 Fovea capitis femoris】 Concavity on the head of the femur giving attachment to the ligament of the head of the femur.
→(大腿骨頭の頂点からやや下方にずれたところに大腿骨頭窩という小さな凹みがある。ここに大腿骨頭靱帯が付く)
- 333_03【Head of femur大腿骨頭 Caput femoris】
→(大腿骨の上端には2/3球状の大きな関節面を持つ大腿骨頭がある。その頂点は内側上方に向くが、同時にやや前方に傾いている。)
- 333_04【Ligament of head of femur大腿骨頭靱帯;大腿円靱帯 Ligamentum capitis femoris; Ligamentum teres femoris】 Intracapsular band that extends from the acetabular notch to the fovea for the ligament of the head of the femur. It transmits vessels and does not directly influence joint mechanics.
→(大腿骨頭靱帯は関節内靱帯で、大腿骨頭窩から起こり、少し拡がって、寛骨臼切痕を挟み込む月状面の尖端の付近に着く。三角柱状で、滑膜に被われる。太さは個人差が大きい。大腿骨頭に入る血管の一部はこの靱帯をつたわる。)
- 333_05【Transverse acetabular ligament寛骨臼横靱帯 Ligamentum transversum acetabuli】 Ligament that spans the acetabular notch and augments the acetabulum.
→(関節唇は寛骨臼切痕のところではその上を超架して寛骨臼横靱帯を作り、これと切痕との間の間隙を取って柄まわりの脂肪組織が血管とともに関節腔に入り込む。)
- 333_06【Superior pubic ramus; Ramus of pubis恥骨上枝;寛骨臼部(恥骨枝の) Ramus superior ossis pubis; Pars acetabularis ramus ossis pubis】 The part of the pubis above the obturator foramen.
→(恥骨上枝は、寛骨臼の前下部と、そこから前下方に伸びて恥骨体の上部につづく三角柱状の部分をいう。)
- 333_07【Symphysial surface of pubis恥骨結合面 Facies symphysialis】 Medial surface of the body of the pubis facing its counterpart.
→(恥骨体の前内側端は肥厚して、長卵円形の凹凸不平な恥骨結合面を有する。恥骨結合面の輪郭の形や表面の性状にはかなりの年齢的変化がみられ、年齢判定の一つの目安となる。恥骨接合面の年令的変化に着目し、年齢推定のための10段階の基準を作ったのはT.W. Todd(41920, 1921)である。この基準は今日でも法医学会や人類学で活用され、頭蓋縫合の閉鎖状態による方法よりも少ない誤差で年令判定ができるという。着眼点は恥骨結合面の骨化の進行・完成と、老人性の退行変化の程度である。埴原(1952)と小山(1958)の日本人での所見を加味して概説すると次のようになる。17~19才の骨化未完成の時期には、結合面全体にわたって数条の平行隆線が明瞭に横走している。年令の進むとともに隆線間の谷は次第に浅くなって隆線は不明瞭化し、ついには抄出して結合面は平坦になる(25才~27才)。石灰沈着が進むと結合面の辺縁が明瞭になってくるが、40才以上では老人性の変化が始まって結合面は粗となり不規則な侵触破壊の像を示すようになる。)
- 333_08【Ischial spine坐骨棘 Spina ischiadica】 Bony process between the greater and lesser sciatic notches.
→(坐骨体の後縁の上部に、後内方に突出する三角形の坐骨棘がある。)
- 333_09【Ischial tuberosity坐骨結節 Tuber ischiadicum】 Bony prominence at the inferior border of the lesser sciatic notch.
→(小坐骨切痕より下方の坐骨体は、その後面に大きな楕円形の坐骨結節を作っている。坐骨結節の表面は大腿後面の筋群に起始を与えるために非常に粗になっている。また坐骨結節は腰掛けるときに椅子の面に接して、体重を支える場所である。)
- 333_10【Shaft of femur; Body of femur大腿骨体;大腿骨幹 Corpus femoris】
→(大腿骨体は長い柱状の骨幹をなす部分で、前方に軽く凸弯している。その中央4分の2はほぼ円柱状であるが、上4分の1と下4分の1は楕円柱状に近い。下4分の1は下方にいくにしたがって幅が広くなっている。)